井上農政記者クラブのうりん6

シンポジウム2018 配布資料集


シンポジウム2018資料集 PDF






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ご 挨 拶


              2018年(平成30年)3月9日

                                               一般社団法人 日本飼料用米振興協会
                          理事長      海老澤 惠子(中野区消費者団体連絡会)
                                                    副理事長     加藤 好一(生活クラブ事業連合生活協同組合連合会)
                                                    理 事      木村 友二郎(木徳神糧株式会社)
                                                    理 事      遠藤 雄士(全国農業協同組合連合会)
                                                    理 事      信岡 誠治(東京農業大学農学部)
                                                    理 事      谷井 勇二(個人・有識者)
                                                    理 事・事務局長 若狭 良治(NPO未来舎)
                                                    監 事      岩野 千草(中野区消費者団体連絡会)

 一般社団法人日本飼料用米振興協会のシンポジウムにご参加いただきありがとうございます。

 2007年の輸入飼料の国際的高騰による畜産パニックをきっかけに、生産者・消費者・学者が一堂に会して2008年に「畜産大パニック学習会」を開き、任意団体の「超多収穫米普及連絡会」としてスタートいたしました。以来、輸入のトウモロコシに頼らず、国産米を飼料として畜産を発展させようと、飼料用米普及のための活動を地道に続けてまいりました。 
  毎年シンポジウムを開催してきましたが、2014年4月に一般社団法人日本飼料用米振興協会として法人化し、その4回目、通算11回目のシンポジウムとなります。
 回を重ねる中で、飼料用米をさらに普及させるにあたって、国の制度及び生産、流通、保管などについての課題が沢山あることがわかってきました。
   当協会としては、いろいろな方面からの問題提起や情報交換のできる場となること、そして行政ではやれないこと、行政に要望すること、行政と協力してやっていくことなどを具体的な形にして実行できるよう、努めていく所存です。
   さて、私どもの協会の取り組みとして昨年度(2016年)には新たな2つの取り組みをおこないました。
   一つ目は、「飼料用米多収日本一表彰事業」です。農林水産省との共同事業として推進してきました。
   これは、飼料用米をできるだけ低コストで多収穫できる生産を目指し、多収穫専用品種や耕畜連携で得られる有機肥料の使用促進とそのための農業従事者の生産技術や成果で優れた実績を上げた個人や組織を表彰し、その成果を広く紹介、普及をしようというものです。
   昨年初めての事業でしたが、全国から448件の応募があり、さらに今年は464件となりました。
   今年2月13日に審査委員会で審査も終えました。本日その表彰式もこの会場で行うことにいたしました。
二つ目は、全国農業協同組合(全農)と東京農業大学(農学部畜産学科)と当協会の三者による「飼料用米試験栽培委託契約」です。これにより、東京農業大学の信岡誠治教授の指導の下、東京農業大学の学生さんや当協会事務局などで手植えの実習を含めて、汗をかきながらの「多収品種のオオナリを試験栽培」を実施しました。この成果について本日の特別報告で当協会の理事でもございます信岡誠治がこれまでの飼料用米に関わる集大成として報告をいたします。ご期待ください。
   わが国の米政策をめぐっては、来年2018年(平成30年)に米の生産調整いわゆる減反政策が廃止されることになり、今後の動向がどうなるのかとても関心の高い所です。飼料用米についても、日本の食料問題・米政策全体の中で考えていく必要があり、今一度、食料自給率向上と水田・国土の保全という基本理念に帰りながら、今後の方向性と課題を明らかにして参りたいと思います。
   本日のシンポジウムが活動を前進させるために大いに意義あるものとなるよう期待しております。
   なお、私共の振興協会は手作りのまだまだ小さな組織ですが、思いは大きく努力を積み上げております。
   ぜひ、皆様にも活動へのご理解を賜り、ご一緒に取り組んでいただきたいと存じます。
    当協会の社員(会員)として共に活動されるように呼びかけさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
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連帯のご挨拶


                                                                                          日本生活協同組合連合会
                                                                                                専務理事 和田 寿昭

  日頃より全国の生協が、事業や地域の諸活動において、大変お世話になっております。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。
 シンポジウムの開会にあたり、一言、連帯のご挨拶を申し上げます。

  一般社団法人飼料用米振興協会は、2007年の世界的な穀物相場の高騰の中、畜産事業者の経営改善を図ることを目的として、多収量米、とりわけ飼料用米の普及活動の発展に貢献されてきました。これまで取り組まれてきた活動は、今後の情勢を見据えた時、今後さらに重要な役割を果たされていくものと期待しております。
  世界の状況をみると、再び動き出したTPP協定や日・EU EPAなどの広域的な経済協定、日米の2カ国間交渉などが進められており、海外からの農産物の輸入拡大、食品の安全・安心など、国内農業の持続可能性への不安が増しています。
  また、絶えないテロや紛争、世界的な異常気象、米国・英国などの自国優先の政策などもあって、国際情勢はより不安定さが増しています。
  このような厳しい時代において、将来の長きにわたり持続可能な社会を築き上げていこうと目標を定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」が、2015年に国連で採択されました。日本を含めた世界各国は、SDGsに掲げられた平和や環境などに関する17の目標の到達に向けて、行政、協同組合、企業、NGOなど多くの組織が取り組みを始めています。飼料用米の取り組みは、SDGsの多くの目標項目に合致する重要な取り組みとして位置付けることができ、国内の生産力の向上に加え、地域の環境や景観、コミュニティを維持していくためにも重要な取り組みとなっています。一度放棄してしまった水田を再び戻すことは容易ではなく、水田を守ることは、地域の環境保全や景観維持、生物多様性の保全など、多面的な機能を維持し、地域社会に重要な役割を果たしていくためにも取り組む価値を強く感じています。
  全国の生協は、飼料用米の取り組みを含む産直事業を生協事業の重要な柱として位置づけ、取り組みを進めています。この間の飼料用米の給餌数量は、全国で着実に増加を続けています。飼料用米を使った商品は、生協の組合員にも大変好評をいただいているところであり、飼料用米で育った肉や卵の取り扱いをはじめ、加工品など品揃えはさらに充実しています。飼料用米で地域農業がさらに活性化されることで、消費者にとっても「交流」「学び」「体験」の大切な場となっていくでしょう。自然の豊かさを感じ、農業や生き物の大切さを理解するなど、「食と農」をつなぐ取り組みは、豊かなくらしの実現に大きく寄与しています。
  地域とともに歩む生協は、今後も飼料用米の作付面積・生産量の確保、販路の拡大、コストの削減、組合員認知の向上などの取り組みを通じて、飼料用米の利用をさらに推進してまいりたいと思います。
  飼料用米をはじめとした地域社会づくりの取り組みが、地域の人々のくらしをより豊かにし、日本の農業を強めていくことを誓い合って、ご挨拶とさせていただきます。

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