◆ 【活動紹介の目次】 日本飼料用米振興協会の活動紹介
活動紹介の目次
表彰式を2022年3月に予定しております「飼料用米普及のための
シンポジウム2022」で行うことで準備を進めております。
現在は、新型コロナの変異種などの終息が見通せない状況です。
2年連続して、シンポジウムを中止しており、
主催者としては中止は残念に思っております。
表彰式はコロナ禍の下で、東京大学弥生講堂で計画しておりました
「飼料用米普及のためのシンポジウム2021」で開催することに
しておりましたが、表彰式は取りやめ、12名の受賞者のうち8名は、
受賞様の地元農政事務所・県拠点で表彰式を行いました。
残念ながら、4名の方にはご自宅にお送りさせていただきました。
【シンポジウム】(第7回)飼料用米普及のためのシンポジウム2021(資料・開催)中止
【多収日本一】(2020)令和2年度飼料用米多収日本一表彰事業
(表彰式 地方農政事務所で授与式を実施。一部中止)
【多収日本一】(2020)令和元年度飼料用米多収日本一表彰事業(表彰式は中止)
【多収日本一】(2019)年度 平成30年度飼料用米多収日本一表彰式
【多収日本一】(2018)年度 平成29年度飼料用米多収日本一表彰式
【多収日本一】(2017)年度 平成28年度飼料用米多収日本一表彰式
(目的のページ)↑をクリックしてください。
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開催案内
2022年度 コメ政策と飼料用米に関する意見交換会
開催日程:2022年11月18日(金)入場12:00 開会13:00
閉会16:00
開催会場:食糧会館 5階会議室(A・B)
東京都中央区日本橋小伝馬町15−15
開催要領は下記(詳細の変更の場合がございます)
(2022年11月4日 第6回理事会確定)
「コメ政策と飼料用米に関する意見交換会」開催要領 |
会合名 : 第7回「コメ政策の飼料用米に関する意見交換会2022」
日 時 : 2022年11月18日(金)12:00(開場)午後1:00〜午後4:00
会 場 : 中央区日本橋小伝馬町15-15 食糧会館 会議室
http://www.zenbeihan.com/overview/outline.html (詳細はHPから)
開催形式:実会合とZOOMによるハイブリッドで開催します。
ZOOM参加者にはアドレスをお送りします。
対 象 : 行政・自治体、コメ生産者、畜産生産者、流通事業者、農業団体、飼料製造・販売事業者、物流事業者、
消費者団体・生活協同組合など、研究・教育・学生関係者、報道関係者 等
主 催 : 一般社団法人 日本飼料用米振興協会
参加費 : 無料
開催趣旨:
世界・日本の食糧、農畜産事業がこれまでにないような重大な危機を迎えています。
今、今だからこそ、これらの困難を克服するために、皆さんと一緒に情報を出し合い、共有しましょう。
これまでの飼料用米の活用を通じて得られた教訓を今後の一層の発展のために生かしていくために意見交換会を開催します。
プログラム
開会のあいさつ
一般社団法人日本飼料用米振興協会 理事長 海老澤恵子
話題提供者
@ 生産部門が「徳永養鶏場」、加工販売部門が「城井ふる里村有限会社」
氏名:徳永 隆康(とくなが たかやす) さん
住所:〒829−0113 福岡県築上郡築上町下香楽548-1
話題提供:「飼料用米利用による養鶏事業の成果と今後への課題提起」
A 株式会社 平田牧場 生産本部 研究・開発室
氏名:室長 池原 彩(いけはら あや) さん
住所:〒999-6724 山形県酒田市山楯字南山11-1
話題提供:「飼料用米利用による養豚事業の成果と今後への課題提起」
B 株式会社秋川牧園 生産部
氏名:長 村田 洋(むらた ひろし)
住所:〒753-0303 山口県山口市仁保下郷10317番地
話題提供:「飼料用米専用品種を普及、利用してきた成果と今後への課題提起」
C 進行;一般社団法人日本飼料用米振興協会 理事 信岡誠治
【政策提言】 一般社団法人 日本飼料用米振興協会 2022年10月4日
◆飼料用米の推進方策@⇒法制化による裏付け
◆飼料用米の推進方策A⇒新たな保管流通体系の構築(籾米流通を基本にすべき)
◆飼料用米の推進方策B⇒多収栽培に向けた支援策の強化
◆飼料用米の推進方策C⇒水管理と意識改革
質疑/応答
D 閉会のまとめ
一般社団法人日本飼料用米振興協会 副理事長 加藤好一
◆農林水産省からの資料提供
飼料用米をめぐる情勢について 令和4年10月 農林水産省農産局
PDFデータ http://www.j-fra.or.jp/sp/maff_feedrice202210file_02.pdf
事務局への連絡等の専用メール
postmaster@j-fra.or.jp(日本飼料用米振興協会 事務局)
案内ポスター
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食糧会館・案内地図
〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町15-15
飼料用米をめぐる情勢について 令和4年10月 農林水産省農産局 提供資料
下記の画像6枚は上記資料の最終頁の参考資料6ページ分です。
目次
○ 米の需要量の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
○ 水田の利用状況の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
○ 食料・農業・農村基本計画(令和2年3月31日閣議決定)
における飼料用米の位置づけ(抜粋)・・・・・・・・・・ 3
飼料用米の需要
○ 配合飼料原料に飼料用米を利用した場合の利用量(ケース別の試算)・・ 5
○ 飼料用米の需要量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
○ 飼料用米の畜種・業界団体別使用可能量 ・・・・・・・・・・・・・ 7
飼料用米の生産
○ 主食用米及び戦略作物等の作付状況 ・・・・・・・・・・・・・・・ 9
○ 飼料用米の取組の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
○ 水田活用直接支払交付金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
○ 飼料用米の供給状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
生産コストの低減
○ 飼料用米の生産コスト低減に向けて ・・・・・・・・・・・・・・・ 14
○ 担い手の飼料用米の生産コスト目標 ・・・・・・・・・・・・・・・ 15
○「飼料用米生産コスト低減マニュアル」の作成 ・・・・・・・・・・・ 16
○ 飼料用米の生産コスト低減に向けた具体的な取組 ・・・・・・・・・ 17
○ 多収品種について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
○「飼料用米多収日本一コンテスト」の開催 ・・・・・・・・・・・・・19〜23
流通コストの低減
○ 飼料用米の利用拡大のための機械・施設整備等に対する支援 ・・・ 25
○ 飼料用米の乾燥・調整・保管場所の確保に係る事例 ・・・・・・・ 26
○ 配合飼料メーカーの立地状況と飼料用米の集荷・流通体制 ・・・・ 27
○ 全国生産者団体による集荷・流通について ・・・・・・・・・・・ 28
○ 流通コストの低減に向けた取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
飼料用米を活用した畜産物のブランド化
○ 飼料用米を活用した畜産物の高付加価値化に向けた取組 ・・・・・・ 31
○ 飼料用米を活用した畜産物のブランド化事例@〜A ・・・・・・・32〜33
参考資料
○ 飼料用米の作付面積・生産数量等の推移 ・・・・・・・・・・・・ 35
〇 飼料用米の出荷方式、品種別面積 ・・・・・・・・・・・・・・・ 36
○ 飼料用米の加工と給仕方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
○ 飼料用米の畜種別供給量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
○ 配合飼料工場における飼料用米の利用事例 ・・・・・・・・・・・ 39
○ 自家配合などで工夫して飼料用米を給与している事例 ・・・・・・ 40
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【政策提言】 一般社団法人 日本飼料用米振興協会 2022年10月4日 |
◆飼料用米の推進方策@⇒法制化による裏付け
● 飼料用米への交付金は1,000億円以上に達しているが何ら法的根拠がない。
今後、 食料安全保障の要として法制化していくべきである。
スローガンは次の3点である。
@ 飼料用米等はわが国の食料安全保障の最大の要である。
A 飼料用米等は水田を水田として次代へ継承していく要である。
B 水田 (国土) と畜産を結び付け循環型畜産農業の要である。
◆飼料用米の推進方策A⇒ 新たな保管 流通体系の構築(籾米流通を基本にすべき)
● 飼料用米の保管・流通コストはJAを中心とした流通体制のなかでは食用米と飼料用米が一緒のプール計算である。
● 飼料用米の生産者手取りが 「ゼロ」、 あっても 「極わずか」という状態では多収のインセンティブが働かない。
● 飼料用米は太平洋岸にある配合飼料メーカーの飼料工場まで運び込み、 他の原料と混ぜ合わせている。
● 飼料用米を主原料とすれば、配合飼料工場で配合するのではなく畜産農場で副原料と混ぜ合わせて給与できる。
飼料用米の物流は籾米で常温保管、 常温流通とし地産地消が原則とするべきである。 その観点からの支援が求められる。
◆飼料用米の推進方策B⇒多収栽培に向けた支援策の強化
1) 飼料用米の多収を実現するには、地域に合った専用多収品種の導入が不可欠である。 この専用多収品種の種子増殖は各県に任されているが、 地域によって温度差はかなりある。 そこで、 各県にまかせるのではなく民間や団体が種子増殖を行い普及できるように支援策を拡充する必要がある。
2) 真に低コスト生産ができるようにするには、それなりの条件整備が必要である。その最大のポイントは堆肥の多投入である。 単収1t レベルの多収を実現するには、それに対応した施肥が必要である。 食用米生産では窒素成分量で施肥量は10a当たり6~8kgであるが、 専用多収品種はこの3~4倍程度の施肥量が求められる。
●高度複合化成肥料でこれだけの施肥を行うと肥料代はかなりのコストアッ
プの要因となる。 したがって、 投入資材でコストがかかる施肥は家畜のふん
尿を発酵させた堆肥の多投入が要となる。 そのためには、 堆肥を散布する機
械の導入やコントラクターによる堆肥散布作業への支援か必要がある。
◆ 飼料用米の推進方策C⇒水管理と意識改革
● 食用米栽培の水管理と飼料用米の水管理は多くの場合、 作業競合を避けるため時期がずれている。 一般的には食用米の収穫後に飼料用米の収穫が行われているが、 作期がずれると飼料用米の水田に用水が届かないということが発生し、 不稔が多発する。
● これを避けるためには食用米と飼料用米の水系を分けて管理する必要がある。こうした現場での水管理の調整についても支援が必要である。
● 飼料用米を現場で定着させていくための課題は山積しているが、 その最大の課題は「農家や関係者の意識改革」 である。 食用米ではなく、 家畜用の飼料穀物を作るということに対しては、 抵抗感があるように見受けられる。
● この課題を打破するには農家だけでなく関係機関やJAなど生産者団体の意識改革が求められる。 飼料用米の定着を図るには関係機関やJAなどがリーダーシップを発揮して両者を結びつけていくことが求められる。
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2022年(令和4年)6月24日 |
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
2022年定時社員総会 決議
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アピール「飼料用米は食糧安全保障の要である」
コロナ禍で国際的にサプライチェーンの混乱が続いている。
とりわけ人の命に直結する食糧においては世界穀物市場の混乱で、かつての穀物ショックに匹敵する穀物価格の暴騰が生じている。
加えてロシアのウクライナ軍事侵攻・黒海封鎖により穀物が戦争の武器(取引材料)とされており小麦、トウモロコシ、油糧種子(ヒマワリや大豆)などの流通が阻害され、世界規模の食糧危機が目前に迫ってきている。
そのため食料の需給逼迫を見越し、食料の輸出を規制する国が増えている。
国際食料政策研究所(ワシントン)によると、ウクライナ侵攻以降、2022年6月時点で合計26か国が食料や肥料に対して全面的な輸出禁止措置などを導入している。
さらに肥料原料(窒素、リン酸、カリ)の暴騰と入手難、原油・天然ガスの高騰によるガソリン、電気料金、ガス代の値上げに加えて、生産資材価格の値上げも相次いでいる。
畜産経営も配合飼料の価格の相次ぐ値上げで全く採算が取れない状況に陥っている。
グローバルな自由貿易で最も安く輸入できるところから調達していくという国際分業を前提とした自由主義経済体制そのものが根底から大きく揺らいでいるといっても過言ではない。
わが国の食料自給率は37%(カロリーべ―ス)と先進国では最低レベルである。
他方で、消費者のコメ離れは著しく1人当たりのコメ消費量はピーク時に比べて半分以下となっている。
そのため、過剰在庫で米価は低迷しコメは余って困っており作付転換を余儀なくされている。
過剰と不足が併存するといういびつな食糧の供給構造となっている
食料がままならないとなると水田を生かした自給戦略に大きく舵を切るというのが我が国の食糧戦略の柱となるべきである。
水田で作れるものといったら、最も適しているのはコメである。
政府は飼料用米の推進を農政の柱として位置付けてきたが、一昨年から財政審議会の提言を受けて飼料用米の推進を言わなくなった。
そのため、政府は飼料用米に本気で取り組むことを止めたのではないかと疑心暗鬼になっている。
しかし、海外からの輸入穀物価格が高騰を続ける中で、相対的に国産飼料用米は価格的に有利となってきており現場では飼料用米は奪い合いとなってきている。
ところが、政府が増産にブレーキをかけるという奇妙な構図が生じている。
本当にわが国で食糧安全保障を構築するためには水田をフル活用して飼料用米を大増産することが最も有効であり、消費者・国民に安心感を与えることが必要である。
そこで、政策提言として次の3点を提起します。
1)飼料用米の生産目標を70万tから280万tに大幅に引き上げ、飼料用米は食用米の作付転換の単なる受け皿ではないことを明確にし、食料自給率向上の柱として位置づける。
2)真に生産コストの低減ができるような施策の強化を図る。
3)飼料用米を水田フル活用の柱、食糧安全保障の要と位置づけ、安定供給に向けた条件整備を図るため、法制化及び価格形成・保管流通の合理化などを国家戦略として推進していくこと。
2022年7月15日
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
この「アピール」は、その一助として政府と多くの皆さまに提案するものです。
一般社団法人 日本飼料用米振興協会 理事会
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第9回(通算第16回)
飼料用米を活かす日本型循環畜産推進交流集会
令和4年度(2022年度)飼料用米多収日本一表彰受賞式
〜飼料用米普及のためのシンポジウム2023〜
第6回、第7回を中止しました。
第8回は、2022年3月18日(金)は規模を縮小して、ハイブリッドで開催しました。
開催会場は、日本橋小伝馬町の食料会館5階会議室A・Bで開催しました。
第9回を下記の日程で開催を準備しています。
今後のご案内をお待ちください。
開催日程(案) 現在諸事情を勘案しておりますが、
2023年6月下旬ないしは7月上旬を考えております。
併せて、「令和4年度飼料用米多収日本一表彰式」も併せて実施いたします。
【協会関連】(2022)日本飼料用米普及のためのシンポジウム2022
通算15回目となる「第8回飼料用米を活かす日本型循環畜産推進交流集会
〜飼料用米普及のためのシンポジウム2022〜
2022年3月18日(金)12:30〜15:40
東京都中央区日本橋小伝馬町「食糧会館」5階会議室で開催しました。
日本飼料用米振興協会がシンポジウム2022を開催
一般社団法人日本飼料用米掠興協会(J-fra、海老津恵子理事長)は3月18日、通算15回目となる「第8回飼料用米を活かす日本型循環畜産推進交流集会〜飼料用米普及のためのシンポジウム2022〜を、新型コロナウイルス(オミクロン株)の感染拡大が収まらない状況に配慮し、東京小伝馬町の食糧会館での対面参加とオンラインとのハイブリッド庁式で開催した。
口頭、海老澤理事長は主催者を代表して「主食用米の消費が急激に滅少、生産過剰となる一方で、飼料用米は増産が求められながら、生産は伸び悩み需要に追い付かないのが現状だ。飼料用米の普及と生産拡大については、課題とその解決のために何が必要かを問題提起しながら、飼料用米の本作化を求めてきた。食料自給率向上、水田保持、食料の安定生産・供給、持続可能な農業、SDGsの実行と、今後飼料用米の重要性は果てしなく広がると思われる。国が示した基本計画や『みどりの食料システム戦略』も検討しつつ、飼料用米を活かす日本型循環畜産の推進を目指していく」とあいさつ。
日本生活協同組合連合会の藤井喜継代表理事事業担当専務が「日本飼料用米振興協会は2007年の世界的な穀物相場高騰の中、畜産事業者の経営改善を図ることを目的に設立され、多収量米、とりわけ飼料用米の普及活動の発展に貢献されてきた。今般の情勢を見据えた時、貴会の活動がさらに重要な役割を果たされるものと期待している。
地域とともに歩む生協は、今後も飼料用米の作付面積・生産量の確保、販路の拡大、コストの低減、組合員認知の向上などの取り組みを通じて、飼料用米の利用を引き続き推進したい」と連帯のあいさつを述べた後、基調講演、2021年度の飼料用米多収日本一表彰者の紹介へと移った。
基調講演では、農林水産省農産局穀物課の角谷磨美課長補佐(企画班担当)が飼料用米をめぐる情勢について報告。
「主食用米の全国ベースの需要量は一貫して減少傾向。最近は人口減等を背景に年10万トン程度と減少幅が拡大している」とし、水田の利用状況の推移、食料・農業・農村基本計画(令和2年3月31日閣議決定)における飼料用米の位置づけを説明。飼料用米の需要量について「令和3年産飼料用米については畜産農家から約1万トン(53件、3年2月現在)の希望が寄せられている。
さらに、全農グループ飼料会社において約58万トン、日本飼料工業会において約66万トンの受入が可能であるなど、配合飼料メーカーからの要望もある」とした上で、国産飼料用米の年間使用可能数量を約130万トン、畜種別では肉用牛約7万トン、乳用牛約8万トン、豚約31万トン、採卵鶏約40万トン、ブロイラー約42万トンと推計した。
飼料用米「本作化」へさらにステップアップを
飼料用米多収日本一表彰者の紹介に続いて、
東京大学名誉教授の谷口信和氏が「日本農業の課題と飼料用米の今日的な意義」と題して特別講演を行った。
谷口氏は、日本農業の外的環境と基本問題、農政の課題などを概説した上で、みどりの食料戦略における飼料用米の特別な意義に言及。
アジアモンスーン型農業の発展と地球温暖化対応を掲げる同戦略は「水田農業の枠組みを最大限活用することでモンスーン型の意味がある」とし、
水田に飼料用米を作付けする意義について、
@ 食料安全保障(いつでも主食用米に転換できる水田維持に貢献)
A 日本型畜産の構築(自国の風土的条件に見合った飼料的基盤に基づく畜産物)
B 主食用米・飼料用米・麦・大豆の輪作体系(麦大豆の連作障害回避)
C 地球温暖化(日本の場合には豪雨の影響が大きい)
D 汎用化水田の普及は大きな意義があるが、長期間+資本を要するなどの観点から説明した。
コストと補助金問題では、飼料用米の作付が大規模経営にとって有利な条件を付与することを提案。
中小規模は主食用米中心、大規模経営は飼料用米を含む主食用米+麦・大豆+飼料用米の方向に誘導し、飼料用米作付を条件とした大区画水田圃場整備を創設(生産者負担ゼロ)すべきだとした。
併せて、数量払い基準単価の引き上げとスライドの緩傾斜化・上限の引き上げ、単収引き上げへの誘導、飼料用米生産量に応じた堆肥投入への耕畜連携特別助成金も提案。
基本計画とみどり戦略を統合した政策体系の明確化が必要とし、「理念なき短期的対策の寄せ集めでは乗り切れない気候変動・生物多様性に対応した統一的な農業政策体系を政策審議会・国民的な議論を通じて再構築することが急務」とした。
活動報告では、(株)木村牧場の木村洋文社長が「養豚事業における飼料用米利用の現状と今後の課題」、生活協同組合おかやまコープ商品企画の藤井達也氏が「おかやまコープにおける飼料用米を活用した食糧自給率向上・地産地消推進の取り組み」のテーマで講演。
引き続き、信岡誠治理事(元東京農業大学教授)の司会進行で座談会が行われた。
後に、加藤好一副理事長が「より需要なことは、本日の報告を踏まえつつ、今後に向けて飼料用米の日本農政における認識や位置づけを革新する、未来に向けた確固たる位置を明確にすることだ。飼料用米生産を安定化、恒久化させ、日本農業の根幹としていく。これらを改めて本会の課題として確認し、多くの方々とこの確信を共有すること。本日の交流集会を契機として、こうした方向で農業と農政の革新を図っていくべきではないか」とあいさつ。同協会が提起する飼料用米の本作化に向けて「さらにもう一段の運動のステップアップ」を訴えた。 以上 鶏卵肉情報(NEWS)2022年4月10日(毎月10,25日発行)から引用 |
発端となった取り組み |
2008年7月26日(土) 午後1時30分〜4時30分
畜産・大パニック阻止学習会
会場:新宿家庭クラブ会館 渋谷区代々木3-20-6 TEL 03-3370-6322
主催:畜産・大パニック阻止学習会実行委員会(準備会)
消費者と生産者の有志 20名による呼びかけで開催された。
消 費 者:浅井和雄、井口信治、伊藤和夫、上原公子、榎谷雅文、海老澤惠子、甲斐真澄、金子美登、
清水鳩子、辰濃和男、中塚敏春、蓮尾隆子、土方彰子、平田迪子、松村敏子、若狹良治、
生産者団体:青森ときわ村養鶏農業協同組合 専務理事 石澤直士
畜産農民全国協議会 会長 森島倫生
千葉県長生地域畜産振興協議会 会長 中村種良
農民運動全国連合会食品分析センター 所長 石黒昌孝
開催報告.pdf
基調講演.pdf 中央大学名誉教授 今宮健二 氏講演概要
●この学習会を契機にして、下記の第2回目の学習会の開催を目指して実行委員会が結成された。 |
第6回 コメ政策と飼料資料用米の今後に関する意見交換会2021
第2回 コメ政策と飼料用米に関する座談会
開催状況(当日の配布資料をダウンロードできます)
ご挨拶
本日は、コロナ禍の中で、従来、70名前後の参加で開催してまいりました「コメ政策と飼料用米に関する意見交換会」。
昨年は、第1回座談会という形で、参加を報道関係者のみに限定して開催し、ビデオ収録を行いホームページで発表をいたしました。
今年は、よく理由は不明ながら、ワクチンを集中的に摂取したからとも言われていますが、とにもかくにも第5波が収まり、小康状態になってまいりました。
今後、状況を見ながら、正常な運営に戻していきたいと考えます。
新たな変異株であるオミクロンによる感染に注視しつつ、飼料用米振興協会としては、本来の普及のためのシンポジウムや意見交換会などを再開してまいりたいと存じます。
今年は、コロナ禍による外食産業での業務用米の不振などで食用米が一段と過剰となる中で、飼料用米の生産が大きく増えました。
今後、米価急落に伴う稲作農家の離農加速の懸念や現在の民間主導型のコメ需給対策で改善が図れるのか、コロナ禍に伴う資源価格や食料価格高騰で世界的に大きく変化している食料需給に対応していけるのか、今後、私たちが声を大にして求めてきた飼料用米の「本作化」は実現できるのか、水田農家と畜産農家の連携や結合へ向けて、何をなすべきなのかなどしっかりと議論をしていきたいと考えます。
今後、一層の飼料用米の普及に向けて、お米育ちの畜産物のブランド化などを消費者と結びついて進めていきたいと考えます。
2021年12月3日
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
理事長 海老澤惠子
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基調報告(資料配布)
農林水産省 農産局穀物課課長補佐企画班長
角谷 磨美(かどたに まみ)さん
「飼料用米をめぐる情勢について」
活動報告
@(青森県の稲作生産者)
林 久利(はやし ひさとし)さん(15分)
▼主食用米の耕地面積 約2町歩
▼飼料用米の耕地面積 約53町歩
▼リンゴ畑の耕地面積 約2町歩
▼労働力について
家族経営(夫婦2人・長男夫婦・次男1人 計5人)
宮本 富樹(みやもと とみき)さん(補助発言)
株式会社木村牧場 参与 飼料課営業担当
▼養豚を中心として、飼料用米、再生可能エネルギー、精肉販売
の4本の柱で営業
https://www.kimurafarm.jp/
A(群馬県の畜産生産者)
櫻井 康生(さくらい やすお)さん(15分)
株式会社トマル常務取締役(群馬県前橋市)
▼採卵鶏、孵化場、和牛繁殖、酪農など売上146億円、
▼自家配工場を建設し飼料用米を配合
http://www.tomaru.com/production/
助言者 信岡 誠治
(一社)日本飼料用米振興協会 理事、元東京農業大学農学部教授、
(一社)日本養鶏協会 Executive Adviser(15分)
司 会 加藤 好一
(一社)日本飼料用米振興協会 副理事長
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 顧問
開催日時 2021年12月3日(金)14:00〜16:00(2時間)
参加者との意見交換と応答(質疑応答)16:10〜16:50(40分間)
会 場 食糧会館 5F会議室(東京都中央区日本橋小伝馬町15-15)
https://www.zenbeihan.com/assets/img/overview/map_tokyo.gif
主 催 一般社団法人 日本飼料用米振興協会
第6回 コメ政策と飼料用米に関する意見交換会2021
第2回 座談会 風景
左から 信岡さん、宮本さん、林さん、櫻井さん、加藤さん
会場全景
出席された皆様
ZOOM調整での発信状況
第5回 コメ政策と飼料資料用米の今後に関する意見交換会2020
第1回 座談会(目次)
第1回座談会 開催
第1回座談会 開催趣意書
司会進行について 加藤好一
問題提起 信岡誠治
飼料用米の取り組みについて 宮澤哲雄
飼料用米による資源循環型農業の確立を 澤田一彦
現代農業における飼料用米の位置づけ 村田 洋
業界紙の掲載記事の紹介
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令和2年度(2020年度)
第5回 飼料用米多収日本一表彰事業
受賞者決定
コロナ禍の中、受賞者の審査委員会を
令和3年(2021年3月5日)に開催し、受賞者を決定
受賞者の活動概要(全員)
【単位収量の部】
農林水産大臣賞 出島 博昭 さんのページ GO
政策統括官賞 有限会社 豊心ファーム 代表取締役 境谷 一智 さんのページ GO
全国農業協同組合中央会会長賞 農事組合法人 ふながわ 代表者 由井 久也 さんのページ GO
全国農業協同組合連合会会長賞 浅井 孝司 さんのページ GO
協同組合日本飼料工業会会長賞 高橋 俊惠 さんのページ GO
日本農業新聞賞 五十嵐 光博 さんのページ GO
【地域の平均単収からの増収の部】
農林水産大臣賞 農事組合法人 伏古生産組合 代表理事 柴田 隆 さんのページ GO
政策統括官賞 遠目塚 春生 さんのページ GO
全国農業協同組合中央会会長賞 伊藤 裕彦 さんのページ GO
全国農業協同組合連合会会長賞 天水 茂 さんのページ GO
協同組合日本飼料工業会会長賞 カンドーファーム株式会社 代表取締役 田尻 一輝 さんのページ GO
日本農業新聞賞 柿並 博志 さんのページ GO
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
理事長 海老澤惠子
役員一同
2021年(令和3年)6月10日 |
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
2021年定時社員総会 決議
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飼料用米普及に向けてのアピール2021
いま日本農業とその未来が問われています。
今こそ飼料用米の増産を呼びかけます!
近年日本の主食用米の消費は減少の一途をたどり、コロナ禍の影響があったとはいえ主食用米の過剰問題は、今後とも継続する日本農業の構造化された問題です。
一方で畜産業界では、高騰が続く輸入飼料に対し飼料用米の需要はとても高く、供給は現在全く足りていない状況です。
この需給緩和という問題には、生産基盤の脆弱さ(いわゆる担い手の確保と農地の減少・荒廃等)の、問題と合わせ、迅速で未来志向的な対応が求められます。
同時に、国連が定めた「持続可能な開発目標」(SDGs)は、コロナ禍の中でその進捗が大いに阻害され、「貧困」と特に「食料」(飢餓)の問題がますます深刻化することが予見されます。
わが国における飼料用米の増産と、これを長期的に裏づける諸施策の充実は、この人類史的課題とも言うべきSDGsの大目標に直結する課題であり、世界の中の日本の役割という観点からも捉えられる問題です(例えば途上国における穀物の欠乏への対処等)。
日本飼料用米振興協会は、以上のような問題意識を踏まえつつ、次の通り課題を提起します。
(1)飼料用米の増産に向け、主食用米と比して遜色ない安定的かつ恒久的な
助成制度が必要です。
交付金制度の「法制化」もその一案としつつ、同時に収量アップと、
投入資材のコスト低減のための助成制度の構築を提案します
(2)飼料用米を「転作作物」としてではなく積極的に国産飼料穀物の中核と して位置づけ、飼料自給率向上のために「本作」とすることを提案しま す。
(3)飼料用米が増産となれば、それにともなう保管・流通にかかわる諸施設 の拡充が必要となります。
飼料穀物原料としての物流は、主食用米とは違う大量流通で年間を通じ た安定供給が不可欠です。
そのためには飼料用米の保管・流通に関わる諸施設への助成制度の拡充 を提案します。
(4)飼料用米の増産でもう一つのネックとなっているのは単収が主食用米と ほぼ同等で伸びていないことです。
単収増のメリットが稲作生産者にないためなのか、あるいは技術的な
ネックがあるためなのかを早急に解明して、単収増の道筋を付けてい
くことを提案します。
(5)飼料用米は輸入穀物の代替であり、ゆえに食料自給率を高め、他国の食 料を奪いません。
それは耕種・畜産両生産者のよき関係=「耕畜連携」という、日本農業 のあるべき姿をも示しています。
つまり飼料用米はわが国の「食料主権」を強め、同時に世界に貢献する
取り組みです。米の消費促進の努力とともに、関係各所で広報的な活動 を強化し、国民の共感を強めていくべきと考えます。
日本飼料用米振興協会は消費者、生協、飼料会社、畜産生産者、流通企業、研究者などが結集した飼料用米の応援団ですが、日本の農業・農村の行く末はどうなのか、とりわけ水田農業は将来に向けて持続可能なのか、とても心配しています。
世界的な異常気象や大規模災害、感染症の流行など、私たちの食料や命を脅かす地球規模の異変が頻発していますが、生活者も日本の農業・食料問題を自分の問題として関心をもち、国産の飼料用米による畜産物の利用を広めるなど、出来るところから関わりながら生産者をはじめ流通、企業、研究者らと共に、持続可能な日本農業の発展と食料自給率・飼料自給率の向上のために、取り組んでいかなければと思います。
この「アピール」は、その一助として政府と多くの皆さまに提案するものです。
注:(5)の米は、主食用米・業務用米・飼料用米を示しています。
一般社団法人 日本飼料用米振興協会 理事会
理事長 海老澤惠子 中野区消団連 副会長
副理事長 加藤 好一 生活クラブ生協事業連合会 顧問
理事・事務局長 若狹 良治 NPO未来舎 副理事長
理事 柴崎 靖人 昭和産業株式会社
畜産飼料部選任部長
理事 岩苔 永人 木徳神糧株式会社
取締役常務執行役員 営業本部飼料事業統括
理事 信岡 誠治 有識者(元・東京農業大学農学部教授)
監事 岩野 千草 中野区消団連
※ 人事異動の時期で、組織の都合で理事の異動がありました。
昨年就任された理事の方で異動がありました。
青字の理事が2021年6月10日に新任されました。
2022年6月定時社員総会の役員改選までは以上のメンバーです。
日本農業新聞
2021年6月16日(木)
飼料米増産へ提言
「安定流通体制」構築を振興協会
日本飼料用米振興協会は16日、飼料用米の増産に向けて恒久的な助成制度の必要性や安定した流通体制の構築を政府へ訴える提言を公表した。
同協会は、主食用米が需給が緩和する中で、畜産業界への飼料用米の供給が全く足りていない現状を指摘。
輸入飼料の高騰が続き飼料用米の需要が高まっていることから、
提言には
@交付金制度の法制化や生産コスト低減のための助成制度構築
A転作作物から本作に位置付け
B保管、流通にかかわる施設への助成制度の拡充――などを盛り込んだ。
飼料用米の単収(10アール当たり収量)が主食用米とほぼ同等で伸びていないことに関して、原因の早期解明も訴えた。
主食用米、飼料用米両方の消費促進とともに、広報活動の強化で飼料用米の取り組みに対し国民の共感を強めることも求めた。
海老澤恵子理事長は交付金について「稲作生産者が安心して取り組むには毎年の予算計上ではなく、法制化が必須」と強調。生産、流通コストの削減が安定供給につながるとも指摘した。
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鶏鳴新聞
2021年7月5日(月曜日)
飼料用米普及へのアピール文を採択
日本飼料用米振興協会
(一社)日本飼料用米振興協会(海老澤惠子理事長)は6月10日、リモートで定時社員総会を開き、20202年度活動報告・決算、21年度活動計画・予算などの各議案を原案通り承認した。
木村友二郎理事と阿部健太郎理事の退任に伴う理事補選では、岩苔永人氏(木徳神糧且謦役常務執行役員)と柴崎靖人氏(昭和産業(株)飼料畜産部専任部長)が理事に就任した。
同協会は、消理者、生協、飼料会社、畜産生産者、流通企業、研究者などが結集した飼料用米の応援団として、飼料用米多収日本一表彰事業(農水省と共催)や飼料用米普及のためのシンポジウムなどを開催している。
今回の総会では「いま日本農業とその未来が問われています。今こそ飼料用米の増産を呼びかけます!」と題するアピール文を採択した。要旨は次の通り。
@ 飼料用米の増産に向け、主食用米と比べ遜色ない安定的・恒久的な助成制度が必要。交付金制度の「法制化」もその一案としつつ、同時に収量アップと、投入資材のコスト低減のための助成制度の構築を提案する。
A 飼料用米を「転作作物」としてではなく、積極的に国産飼料穀物の中核に位置付け、飼料自給の率向上のために「本作」とすることを提案する。
B 飼料用米が増産となれば、それに伴う保管・流通にかかわる諸施設の拡充が必要。飼料穀物原料としての物流は、主食用米とは違う大量流通で年間を通じた安定供給が不可欠なため、飼料用米の保管・流通に関わる諸施設への助成制度の拡充を提案する。
C 飼料用米の増産で、もう一つのネックとなっているのは、単収が主食用米とほぼ同等で伸びていないこと。 単収増のメリットが稲作生産者にないためなのか、あるいは、技術的なネックがあるためなのかを早急に解明して、単収増の道筋を付けていくことを提案する。
D 飼料用米は輸入穀物の代替であるため、食料自給率を高め、他国の食料を奪わない。それは耕種・畜産両生産者のよき関係=「耕畜連携耕事」という日本農業のあるべき姿も示している。つまり飼料用米はわが国の「食料主権」を強め、同時に世界に貢献する取り組みである。
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農業協同組合新聞
2021年6月17日
飼料用米の「本作」化を
日本飼料用米振興協会が決議
https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2021/06/210617-52044.php
(一社)日本飼料用米振興協会は6月16日、今こそ飼料用米の増産をと呼びかける「飼料用米普及に向けてのアピール2021」を発表した。
アピールは6月10日の総会で決議した。
同協会は飼料用米の増産と、それを長期的に裏づける政策の充実は、飢餓や貧困の解消など、途上国における穀物欠乏への対応など国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)に直結する問題であるとして、飼料用米を「転作作物」としてではなく、積極的に国産飼料穀物の中核として位置づけ、飼料自給率向上のために「本作」とすることを提案している。
また、増産に向けて主食用と遜色ない安定的、恒久的な交付金制度の法制化、収量アップと投入資材のコスト低減のため助成、保管・流通施設への助成の拡充などを提案した。
飼料用米の作付面積と生産量
飼料用米の作付面積と生産量
2019年産の飼料用米の作付け面積は前年産にくらべ7000ha減の7万3000haとなった。生産量は8.9%減の39万tとなった。
同協会は、飼料用米は輸入穀物の代替であり、他国の食料を奪うものではなく、国内では耕畜連携という日本農業のあるべき姿を示すであり、「食料主権」を強め世界に貢献する取り組みだと強調している。
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ご挨拶・お願い
2020年(令和2年)7月27日
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
理事長 海老澤 惠子
副理事長 加藤 好一
理事 信岡 誠治
理事 木村 友二郎
理事 阿部 健太郎
理事・事務局長 若狭 良治
監事 岩野 千草
飼料用米普及に向けてのアピール2020
いま日本農業とその未来が問われています。
今こそ飼料用米の増産を呼びかけます!
2020年7月吉日
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
当会は「日本飼料用米振興協会」という一般社団法人です。
この名称のとおり、わが国における飼料用米の増産が日本の農業や食料の未来にとって重要だという思いから、活動を続けている組織です。生産者、消費者、流通、飼料関係者、学識経験者、生協関係者などが主たる構成員です。
主な取り組みとしては、毎年11月に「コメ政策と飼料用米の今後に関する意見交換会」、そして3月には「飼料用米の普及のためのシンポジウム」を開催するなどして、この増産の夢を果たすべく、このような機会に多くのみなさんとの出会いを楽しみにしてきました。
ここ数年は、このシンポジウムの会場で、農林水産省と共同で進めている「飼料用米多収日本一コンテスト表彰事業と表彰式」(当協会、農水省共同開催)と「飼料用米活用畜産物ブランド日本一コンテスト表彰式」(日本養豚協会主催、農水省後援)の取り組みにも力を入れてまいりました。
しかし、今年は新型コロナウイルス禍で、このシンポジウムを中止せざるをえませんでした。
中止には大変残念な思いがあります。
そこで飼料用米の今後を重要視する観点から、意見(提言)を述べさせていただきます。
意見は、至って単純明快です。
それは「飼料用米の増産」です。いまが勝負どころだと考えるからです。
水田産業政策が3年前に転換し、「水田転作」の重要課題が、宙に浮く形になりました。このこと自体、色々な意見がありますが、現時点で確認したいことは、この転作の行方です。
私たちの主張は、飼料用米は『水田転作』ではなく『水田本作』です。
水田本作として飼料用米を増産し定着させていくことが本筋で、わが国の食料の安全保障に寄与すると考えるからです。
ここ数年、飼料用米の作付面積は減少傾向で推移しています。
背景にはこの2年間の主食用米の価格動向があります。
この2年間、大雨など異常気象による作況の低迷で米価は堅調に推移してきました。
問題は、この先です。みなさんとともに考えたいのです。
今回のコロナ禍で、世界の食料生産問題が注目を浴びています。
農業と畜産が食料問題のかなめであることが分かりました。
農業と畜産の連携が重要です。その中で日本ができる農産物としては、なんとしてもまず重要なのは米です。米作は、連作障害がなく、毎年同じ田んぼで生産ができます。
日本の農業・農村の現状は将来に向けて持続可能なのか、とても危惧されます。
さらに世界的な異常気象や大規模災害、感染症の流行など、これからも私たちの食料生産を脅かす地球規模の環境変化が予想されます。
消費者も日本の農業・食料問題を自分の問題として関心をもち、国産の飼料用米による畜産物の利用を広め、出来るところで関わりながら生産者をはじめ流通、企業、研究者らと共に、持続可能な日本農業の発展と食料自給率・飼料自給率の向上のために、取り組んでいかなければと思います。
日本飼料用米振興協会への、変わらぬご支援・ご助力を関係各位のみなさまにお願いしつつ、連帯の意志を表明させていただきます。
アピールl20200701.pdf
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