新聞を読んで(飼料用米に関して)


日本経済新聞 2016年7月6日朝刊を読んで思うこと

 2016年7月6日(水)朝刊2面に次のような記事が掲載された。
 刺激的な見出しと飼料用米普及を目指している方々から気になる記述が多々あり、
 この記事は本当なのかと質問もある。
 この記事で取材されたであろう方々はどう思っているのか?
 日本飼料用米振興協会の事務局で情報を収集した。
 記事内容と異なる見解を得たので、報告する。
 事務局としては、記事全部を否定するわけではありませんが、取材した内容を結論ありきに組み立てるような記事は好ましいと思いません。
 例えば、「牛のエサなら牧草やトウモロコシも作ってほしい」という滋賀県で池田牧場を営む池田喜久子専務はつぶやきが掲載されていますが、日本における農地の利用方法として、適切なのかどうかという議論が当然に必要です。記事でも指摘しているようにコスト問題は重要です。同時に、日本の国土(農地)をどう利用するのが良いのかということでコスト問題も変わります。生産者(耕畜)も立場により意見も様々です。
 飼料用米とトウモロコシ、牧草を対置する(敵対する)ような記事の書き方が果たして前向きの議論や政策ぬつながるのか、食糧自給率(力)やTPP、米穀のトウモロコシの輸出奨励金の問題など食料安全保障の課題も重要です。
 言いぱなし、書きっぱなしでは解決しません。マスコミの役割は重要です。賛否両論で紙面を構成していただきたいと思います。特に、経済問題は重要です。正しい情報の提供を望みます。
 
 いくつかのご指摘をいただきましたのでご紹介します。

(記事抜粋)
 長野県の酪農家、五味英介さんは「稲だと牛の消化に負担がかかり乳量が1日2` 落ちた」と話す。
(事実経過)
 五味氏の経営の中では飼料用米の利用実績は無い。記事はおそらくWSCのことと推察される。輸入乾草をWCSの給与に代替する試験に取り組んだ経緯がある。その際、TDN計算上問題なかったが、黄熟期前の8月収穫であったため、TDNが低めのWCSとなり乳量も落ちた経緯がある。 ・ 日経記者から取材は受けていないが、昨年、農林水産省本省で五味氏が講演※(深谷主査も聴講)した際、試験的給与実績を説明した際の発言の一部を切り取られている。 ※ 農研機構、畜産部牛乳乳製品課共催セミナー「酪農生産基盤の強化を通じた生乳の安定供給とブランド化」(H27.10.6(火)於 農林水産省 7階講堂)

(記事抜粋)
 東京農業大学では手聞をかけずに育てられる「もみ米」を開発し10アールで最大1600キロの収量を達成した。 流通コストの削減も課題だ。

(事実経過)
東京農大で4年前にモミロマンのポット栽培試験で行ったデータを基に3年ぐらい前に取材にきた日経の記者に「施肥や水管理などの条件を整えて登熟歩合を95%以上に上げれば籾重量で1600kg/10aの収量はモミロマンで達成できる」ということを話した記憶がありますが、今頃になっていきなり東京農大で「もみ米」を開発し、1600kgの収量を達成したという記事がでたのでびっくりです。
「モミロマン」と「もみ米」を混同していること、1600kgは条件付きであることを飛ばして書かれると新しい品種と栽培法が開発されたと誤解されます。
本当は訂正記事を出してもらいたいところですが、特に東京農大が傷つくことでもなさそうなので放置しておきたいと思います。信岡としては財務省の飼料米政策に対する要求(交付金の対象は多収性品種を基本とし、生産性が見込まれる場合に限定する)は、当然のことで反対するものではありませんが、皆さんの意見を聞いてみてください。
東京農業大学農学部畜産学科畜産マネジメント研究室 教授 信岡誠治


■膨らむ補助金 需要は伸びず    真相深層
ほころぶ飼料米シフ卜
市場の発想で付加価値を

主食用から飼料用にコメの生産をシフトさせる国の政策にほころびが目立ってきた。
補助金を投入して飼料用を増産し、主食用は供給を絞って価格を引き上げる狙いだったが、実際には価格を抑えても飼料用の利用は限られ、多大なコストをかけた政策の持続性には疑問も出ている。
政策の限界に気づいた農家は、飼料米のコストダウンなど独自の取り組みを加速させている。「牛のエサなら牧草やトウモロコシも作ってほしい」。滋賀県で池田牧場を営む池田喜久子専務はつぶやく。
政府が110万トンへの増産を促す飼料米は、もともと草をはむ牛には限度がある。
長野県の酪農家、五味英介さんは「稲だと牛の消化に負担がかかり乳量が1日2キロ落ちた」と話す。
農業・食品産業技術総合研究機構によると、牛の飼料に混ぜられる飼料米の上限は3割だ。
参院選の争点に それでも政府が飼料米にこだわるのは、民主党政権での「農家への戸別所得補償」が尾を引くからだ。2012年12月に自民党が政権復帰し、飼料米に転作した農家への補助は10アール〈1千平方メートル〉あたり8万円だったのを14年産から最大10万5千円に引き上げた。
飼料米の流通価格は1キロ30円程度で、米国産トウモロコシと同程度かやや高い。
10アールあたり約800キロ採れる多収米の「モミロマン」でも、10万5千円の補助は1キロあたり131円に相当。
補助金なしだと飼料米価格は161円になる計算だ。外国産トウモロコシの5倍の単価では買い手がつかないだろう。
飼料米の補助を強く訴えてきたのは元農相の西川公也議員。「必ず財源を恒久化する」と農家に説いて回り、今回の参院選公約では関連予算について「責任をもって恒久的に確保」との文言が入った。狙いは主食米の価格を引き上げることだ。
農林水産省は「コメの価格が上がるかは在庫200万トンが分かれ目」とみる。今年6月末の見通しは207万トンなので、政治的な庄力をかわすには一段と主食米の供給を減らす必要がある。 コメの1人当たり消費量は50年で約半分の年間55キロに減った。
市場は毎年8方トンずつ縮む。需要が減るのに減反で価格維持しようとして消費者のコメ離れを促してきた。同年度のコメの減反(生産調整)廃止は必須だ。
一方、減反廃止で「主食米が増加→価格下落→農家の反発」のシナリオは政治家が恐れる。緩衝材となるのが飼判用米だ。
コスト削減必須 矛盾を解消するには、飼料米が「市場ニーズに応じた生産」へ移行できるかがカギ。
日本は食料自給率が4割を下回り、畜産のエサは輸入に頼る。とくに鶏なら牛と異なり、堅い穀類もつぶせる砂肝があるのでコメをそのまま食べられる。
養鶏農家にエサを提供するゼンケイ(東京・渋谷)の石沢直士社長は「食味重視のコメ生産を転換し、農薬も減らすコスト削減が必須」と話す。
主食米は虫に食われた「着色粒」が少しでも混ざると2等米や3等米となる。飼料米は1等米でなくてもいいので殺虫剤を減らせる。
東京農業大学では手聞をかけずに育てられる「もみ米」を開発し10アールで最大1600キロの収量を達成した。 流通コストの削減も課題だ。
九十九里ファーム(千葉県匝瑳市)の林功社長は「農協ルートだと地域農協や系統飼料会社などから複数の手数料を取られ、コメ農家と直接取引したほうが農家も手取りが増える」という。補助金が減っても耐えられる取り組みも求められる。
鈴木養鶏場(大分県日出町)は現在ほど補助がなかった10年前から、地元農家と飼料米づくりを進めてきた。
年間1300トンをトラックで買い付け、お返しに鶏のフンを発酵した肥料600トンを農家に売って持続的な関係を築いてきた。
鶏卵は百貨店でブランド卵とし、通常卵の3〜4割高で販売。
鈴木明久会長は「マーケットインの発想で付加価値を高めるのも大事」と話す。
財務省は6月28日、飼料米政策に対し「多収品種を基本とし、生産性の向上が見込まれる場合に限定する」と改善を要求。
「自律的な経営判断を促すような支援のあり方を検討すべきだ」と指摘した。
国産飼糾としてコメを根付かせるには、補助金ありきでなく「畜産の需要があるから作る」という動機の逆転とコスト改革が必要だ。 (小太万久雄、筒井恒)



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実施案内



参加募集は、今年(平成29年5月1日から
行います。



開催予告

第4回(通算第11回)
飼料用米を活かす
日本型循環畜産推進交流集会

平成29年度飼料用米多収量日本一表彰式・
飼料用米普及のためのシンポジウム2018
は2018年3月9日に開催する予定です。

開催会場
東京大学 弥生講堂(一条ホール)

開催日時
2018年3月19日(金)
 時間は未定 (検討しています9
シンポジウム
展示・試食会
飼料用米多収日本一表彰式


意見/情報交換懇親会
 17:30〜19:00(予定)
(希望者有料 3,500円)
会場:東京大学消費生活協同組合
    農学部食堂

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