◆ 資料 第1回座談会 業界紙の掲載記事の紹介
第5回 コメ政策と飼料資料用米の今後に関する意見交換会2020
第1回 座談会(目次)
第2回座談会 開催(2021年12月3日)
第1回座談会 開催趣意書
司会進行について 加藤好一戦後の昭和史
問題提起 信岡誠治
飼料用米の取り組みについて 宮澤哲雄
飼料用米による資源循環型農業の確立を 澤田一彦
現代農業における飼料用米の位置づけ 村田 洋
報道記事紹介
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報道記事紹介
商経アドバイス
2020年12月14日(月)
【時の声】(1面コラム欄)
◆先ごろ都内で日本飼料用米振興協会が農業法人、食品メーカー、学識経験者による座談会を開いた。
概要は本紙既報(12月10日)の通りだが、平成21年の第1回交流会から10年以上の活動を重ねてきた情報交換会だけに、現場からの切実な課題提起、行政・農協組織に対する厳しい批判も相次いだ。
◆飼料用米に対する肯定的な意見としては、畜産分野から「国産のために燻蒸が不要で、飼料にした際、善玉菌が残っいる」「豚肉は脂身の白さが増し、見栄えが良くなる」などと挙がった。
耕種分野は、「専用品種はイモチ病に強い」な評価。
学識経験者は、「堆肥を多投しても倒伏せず、二酸化炭素を吸収し続けてカーボン・ニートラルに貢献する」との見方も示した。
◆一方、推進の支障となる課題も数多く挙がった。指摘の数だけでも、肯定的な意見の4倍に。
技術面では、「ウンカ被害に弱い」「晩生なため水不足に陥りやすい」「茎が太く、コンバイン負荷が大きい」ほか、「養鶏で給餌すると鶏卵の黄身が白く、変化してしまう」などの指摘だ。
◆制度面からは、次のような課題が相次いで示された。
「収量が減少した場合、補助金の減収分に収入保険が利かない」
「多収品種加算は複数年の取り組みが条件で、負担が大きい」
「物流費や保管経費が生産者負担となり、肥料代も含めれば採算が合わない」
「補助金はアタマ切り(=上限10アール10万5000円)で、増収意欲が一定以上働かない」
「機械・施設などハードへの補助金は出るが、技術普及などシフト面には出ない水田活用の直接支払交付金はコメ農家に届くが、畜産農家には届かない」など。
◆行政・JAグループへの批判も続出。
行政がタテ割で、穀物部と畜産部の連携、要するに農水省内部で“耕畜連携”ができていない」「組織内の耕畜連携が働いていないのは全農も同じ」と辛辣だ。
「カントリー・エンベーターやJA倉庫の稼働率が低いこも関わらず、飼料用米には使わせてちらえない」とのJA批判も噴き出した。
◆「米価上昇による消費者のコメ離れ」が指摘されて久しいが、「米価が回復すると、生産者が料用米の生産から離れ、生産量が減る。
米価維持効果にけのエサ米良いのか」という根本論も聞かれた。
とかくコメ政策は個別の施策を突き合わせるとチグハグだが、主食用米と飼料用米にも鏡の裏表のように似た構図
商経アドバイス
2020年12月10日(木)
地域設定し経費削減を
需要頭打ちで課題を整理
飼料用米振興協会が政策座談会
(一社)日本飼料用米振興協会(海老澤惠子理事長)はこのほど、東京都中央区の食糧会館で「コメ政策と飼料用米の今後に関する座談会」を開いた。
農業法人や食品メーカー・学識経験者がパネラーを務め、コメ・飼料用米をめぐる現状への認識を示すとともに、今後に向けた課題などを議論した。
座談会では、(農)北総養鶏組合(千葉県旭市)の宮澤哲雄理事が昭和産業鰍経由して約3000トンの飼料用米を養鶏農家に供給する千葉・旭市飼料用米利用者協議会に参画している現場の立場から出席。
また岩手県大東町などで飼料用米を給餌した養豚に取り組んでいる潟tリーデン (神奈川県平塚市)の澤田一彦相談役に加え、養鶏で飼料用米を給餌する鰹H川牧園(山口市)生産部の村田洋次長もオンライン出席。
東京農業大学農学部で耕畜連携について長年研究してきた元教授の信岡誠治氏による問題提起も行われた。
宮澤理事は席上、「旭市で飼料用米の取り組みが3000トンで頭打ちになっている」状況に触れ、飼料用米の販売価格の低さや収量が減った場合の補助金の減額に言及。
「肥料代を含めると採算に合わない」と指摘した。
次いで澤田相談役は、飼料用米について「出荷60日前の給餌で15%配合した場合に脂肪酸の組成で効果が上がる」と評価
しつつも、「多収技術が進展しないのは補助金が“頭切り”(=数量払いの上限が10アール15万5000円)のため、生産者がいまの収量で十分と思ってしまう」制度設計上の不備を問題視した。
さらに村田次長は、セーフティーネットのあり方に言及。
「飼料用米はウン力被害に弱く、収量が減りやすいが、減収部分の補助金の減少額に対して収入保険が適用されず、生産者の負担になる」問題を強調した。
一方で信岡元教授は、「飼料用品種の最大のメリットは堆肥を通常の10倍投入しても倒伏しない点で、カーボン・ニュートラル(=二酸化炭素の排出と吸収が同量)にも貢献できる」と評価。
ただし「晩生品種のため10月中旬でも水が必要だが、揚水の事情で9月上旬に切られることが起こりやすい」という水利問
題を指摘した。
飼料用米のさらなる推進に向けては、宮澤理事が「農地集積のために国がいまの2〜3倍の価格で農地を買い上げてまとめて安く払い下げるか、飼料用米エリアを設定してカントリーエレベーターを活用して運賃・倉庫費用を引き下げるべき」と提言。
専用品種開発をまた澤田相談役は、「地域ごとに品種に合った栽培マニュアルをつくる必要がある」と提起。
また信岡元教授は、「ウンカ抵抗性を持つ専用品種の開発が求められる」との見方を示した。
コメ政策と飼料用米の今後
飼料用米振興協が座談会
鶏鳴新聞 2020年12月15日(火)
(一社)日本飼料用米振興協会は11月17日、東京都中央区の食糧会館で第1回「コメ政策と飼料|用の今後に関する座談会」を開いた。
冒頭あいさつした海老澤恵子理事長は「本来であれば、この会場に100人くらい集まっていただいて意見交換会を開く予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中で致し方なく、座談会の模様を撮影してホームページに掲載することになった。
当協会の役割は、いろいろなところから情報をいただき、問題を提起して議論する場を作ることだと思っている。 飼料用米の生産量が減少ぎみになっていることを大変残念に思いながら、何とかしなければという思いでシンポジウムを毎年開いてきたが今年3月は中止になった。今の状況をみると、来年3月もどうなるか分からない。今回は生産現場から率直な意見を出し合って、課題をさらに深めていきたい」などと述べた。
座談会では、加藤好一副理事長 (生活クラブ事業連合生活協同組合連合会顧問)が司会、(農)北総養鶏組合 (千葉県旭市) の宮澤哲雄理事とフリーデン(神奈川県平塚市)の澤田一彦相談役、(株)秋川牧園(山口市)の村田洋生産部次長(電話参加)がパネラー、同協会の信岡誠治理事 (元東京農業大学農学部教授)が助言者を務め、?今の米情勢をどうみているか?付き合っている産地・生産者はどんな様子か?飼料用米を使う理由?飼料用米による耕畜連携の成果をどう評価するか?飼料用米の生産が2018年以降減産となった理由は?飼料用米助成の見直し圧力もあり得るがどう思うか?コメ政策・飼料用米政策はどのような改善方法があるか?日本農業の持続性を確保していくには?新基本計画をどう評価し期待するか―などを論点に意見交換した。
宮澤氏は「北総養鶏組合としては約400トンの飼料用米を購入しているが、自家配工場を持っていないため、提携している昭和産業に委託して飼料用米を配合したエサを作ってもらっている。
飼料用米は、輸入トウモロコシのように臭化メチルによるくん蒸・消毒作業が必要なく、鶏の嗜好性は高い。堆肥を水田で使ってもらえると、理想的な耕畜連携になると思っているが、日本全国で気候が異なるため難しい。堆肥を使いたいが、性状や成分によっては耕種農家の使い勝手が悪い。
飼料用米は収量の目標を超えないと交付金が減ってしまうため、たくさん堆肥を使っても収量が上がらないと、耕種農家の採算が合わなくなる。畜産農家が本当に望んでいる耕畜連携には至っていない」などと述べた。
澤田氏は「平成15年から飼料用米への取り組みを始めた。もともとのコンセプトはCSR(企業の社会的責任)であったが、現在はSDGs(持続可能な開発目標)に軸足を置いている。
耕畜連携については、研究サイドと現場はかなりやっているが、行政は縦割りで、米分野と畜産分野の連携がない。飼料用米の保管も大きな問題であり、コンタミを防止するために主食用米のサイロは使わせてもらえず、乾燥機の使用も一番最後。補助金も基盤整備に配慮しないとなかなか進まないとした。
村田氏は「山口県は今年、トビイロウンカの被害を受けて、水稲の作況指数はいまだかつてない73で不良。飼料用米で収入保険制度が対象になるのは、収穫した飼料用米の販売金額の部分のみで交付金(補助金)は含まれないため、ほとんどの作業は飼料用米を失敗すると、すべて自腹という状況。話としては分かるが、交付金は稲作農家の大事な収入源であるのも事実であり、大きな問題だと思っている。
国には、多収品種のみで飼料用米を生産していくことについて検討してほしい」などと述べた。
信岡氏は「いかに飼料用米を定着させ、増産を図っていくかが最大の課題」であるとし、
?米の民間在庫過剰に伴う米価下落と生産意欲の減退懸念。
?これに関連する飼料用米生産の動向、政策の整備・強化の必要性。
?コロナ禍における、かつコロナ後の世界の食料動向。
?2020年3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」の評価と計画実行への注視。
について説明した。
飼料用米の本作化を−日本飼料用米振興協会
JACOM 農業協同組合新聞
2020年11月25日
米の需給安定のため2021年産で主食用から飼料用米など非主食用米に作付け転換することが求められているが、短期的な生産調整の手段ではなく飼料用米を国産自給飼料の基幹として明確に位置づけるべきだとの声は多い。将来の水田農業を見据えた政策検討が求められるなか、(一社)日本飼料用米振興協会はこのほど米政策と飼料用米の今後を考える意見交換会を開き、畜産関係者も交えて議論した。
第1回座談会の様子
政策に不安 拡大進まず
千葉県旭市では2008年に畜産農家(養鶏・養豚)と耕種農家、飼料メーカーと行政で旭市飼料用米利用者協議会を設立、飼料用米の作付け取りまとめや価格決定、販売代金の管理などを行ってきた。
2019年産の飼料用米生産者は131人で協議会では413ha、2500tを受け入れた。
同市内の飼料用作付けの9割以上を協議会で扱った。北総養鶏組合理事で宮澤農産の宮澤哲雄代表理事は飼料を「輸入にだけ頼ってはだめ」と飼料用米を使った鶏卵を生産し、採算を取るためにブランド化をめざす。
ただ、米を給餌するとオレイン酸が増えて美味しくなるが「白っぽい黄身」はまだまだ消費者に認知されず、飼料にパプリカなどを追加して調整しているのだという。
稲作・養鶏・消費者のサイクル形成が必要だという。
ただ、地域の飼料用米生産は減ってきている。2017年には3000tを超えたが2019年産は2700tだった。協議会を設立した2008年は世界の穀物価格が高騰したとき。
当時は飼料用米もキロ50〜60円で契約したが、その後、国際価格が落ち着くなか現在は20円程度だという。
そこに主食用米の価格が維持されてきたため、今年も飼料用米から備蓄米に切り替えた生産者もいたという。
技術上の課題もある。飼料用品種「ゆめあおば」は多収だが茎が太くてコンバインに負担がかかるといい、複数品種で作期を分散させる必要がある。
そうした課題を現場では分かりつつも「政策がいつ変わるか分からないから、主食も作って販路を確保し、苦労しながら経営している」と地域の稲作農家の実情を話す。
米の機能をエサに活かす
(株)フリーデンの澤田一彦調査役は、米を飼料とするメリットを国が研究して畜種ごとに示すべきだと指摘した。米ヌカを飼料として活用することも考えられるという。
米の機能性をいかに飼料に活かし、畜産物の付加価値につなげるかという観点だ。同時に家畜を健康に育てるため害虫に強いインディカ米を品種開発して農薬使用量を減らし家畜へのリスクを下げることも重要になるという。
飼料用米を自給飼料と位置づけることは「輸入を減らしカーボンフットプリントに貢献する」と指摘し、とくに若い世代は世界中でどのような過程で生産された食料かに関心があるとして、飼料用米を使った畜産物も生産プロセスをアピールすることも大事になると指摘した。
一方、現状の支援策は稲作農家への助成などに限定されており、畜産農家の飼料保管料や輸送費用などの支援も検討すべきだと主張した。
栽培技術の向上も課題
元東京農大教授で飼料用米振興協会の信岡誠治理事は飼料用米が拡大しない理由は「政策」と指摘。米価が上昇すれば生産者は当然、実入りのいい選択をするからだ。増産するには政策誘導する必要がある。
ただ、飼料用米の生産にも土地利用や技術などに課題がある。団地化してコストダウンを図るのはもちろんだが、単収が上がらない理由に「水」を指摘する。多収米は晩生で十分に登熟させ収量を得るには10月中旬まで水が必要になる。
そのためには10月まで湛水できるよう、水系ごとに団地化するなどの取り組みが求められる。もちろん個人の農家ではできず、土地の特性をふまえた地域全体の戦略として土地利用計画を描き、飼料用米の本作化をめざす必要がありそうだ。農地と同様に大型機械の導入、さらにコントラクター制度の整備、JAの倉庫やカントリーエレベータの利活用も視野に入れて考える必要性も指摘された。また、今年はトビイロウンカの被害が各地で目立ったが、澤田氏も指摘したように家畜への農薬リスクを減らすために抵抗性品種の開発が必要とされるなど、飼料用米生産に求められることは何か、という観点も必要になる。
同振興会は飼料用米を主食用米の従属的な役割にとどめるのではなく、国産自給飼料作物の基幹として明確に位置づけるべきだと主張してきた。これによって転作の手段ではなく、自給率向上という日本の食料政策の根幹としての政策が鮮明になる。同会副理事長の加藤好一生活クラブ連合会顧問は「食料主権に基づく飼料用米生産という国民の納得も得られ理解も広がる」と指摘する。
日刊毎日経済通信
2020111.19
日本飼料用米振興協会第一回飼料用米座談会開催
(一社)日本飼料用米振興協会は11月17日、午後2時より、東京・日本橋の食糧会館会議室において、第一回コメ政策と飼料用米に関する座談会を開催した。
同座談会の出席者は、生産者から千葉県の農事組合法人北総養鶏組合宮澤哲雄理事(養鶏・肉用牛)、神奈川県の潟tリーデン澤田一彦相談役(養豚)、山口県の鰹H川牧園村田洋生産部次長(農業・養鶏)。
なお、村田生産部次長はスマホによる出席であった。
助言者として、村岡誠治元東京農業大学農学部教授。
司会進行は、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会加藤好一顧問。
第一回同座談会では、日本飼料用米振興協会海老恵子理事長のあいさつの後、生産者と助言者より飼料用米の利用についての発言が行われた。
続いて、司会者より座談会の論点として、
@今のコメをめぐる情勢をどうみているか、この事態を予想していたか。
Aつきあいをしている産地や生産者はどんな様子か。
B 飼料用米を使用する理由は何か。また、飼料用米を家畜に給与するメリットは何か。
C 飼料用米による「耕畜連携」という成果ををどう評価するか。 D財務省の飼料用米助成の見直し圧力もあり得るが、これをどう思うか。
これらのことが説明された。
この論点に対し、生産者と助言者より、率直な発言が多く行われた。
日本飼料用米振興協会、
コメ政策と飼料用米の今後に関する座談会
2020/11/24
農機新聞2020年(令和2年)11月24日付け
(新農林社 11月24日)
http://www.shin-norin.co.jp/wp/wp-content/uploads/1c88fe483b21fef7387a8a0b729c85bc.jpg
(一社)日本飼料用米振興協会(海老澤惠子理事長)は17日、第1回コメ政策と飼料用米の今後に関する座談会を東京都中央区の食糧会館で開催した。
例年、識者による講演会を盛り込んだ意見交換会として開催しているが、今回はコロナ禍により関係者限定のパネルディスカッション形式の座談会として実施。
ビデオ記録し、後日ホームページで公表する形を取った。現場の率直な意見を聞き、飼料用米の意義、メリットを共有する趣旨で行われた。