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日本農業新聞

2022年6月10日に掲載しました。

事務局長の独り言 新聞報道に見る「コープ低公害車開発株式会社の16年の歩み」


新聞報道に見る「コープ低公害車開発株式会社の16年の歩み」
2006年3月20日

編集発行・作成
コープ低公害車開発株式会社
横浜市港北区新横浜二丁目5番地11

【資 料】
 ワード版
 PDF版



事業用DMEトラック、神奈川県で公道走行試験を開始
2005/11/30, , 化学工業日報, 12ページ, , 561文字,

DME自動車実用化研究グループ、公道上での世界初の走行試験
2005/11/30 , , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 580文字,

京浜臨海部DME普及実行委、クレーン付きDMEトラックでの業務用行動走行を開始
2005/11/29, , プレスリリースデータベース, メーカー, ,1349文字,

コープ低公害車開発、「車両低公害化推進のためのシンポジウム2005」
2005/11/24, , 日刊自動車新聞, 20ページ, , 1023文字,

コープ低公害車開発、「車両低公害化推進のためのシンポジウム2005」講演要旨
2005/11/24, , 日刊自動車新聞, 20ページ, , 2498文字,

ガス燃料自動車、相次ぎ新モデル
2005/11/22, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 1803文字,

コープ低公害車開発、東アジア地域における自動車低公害化に向けたシンポジウムを開催
2005/11/11, , 日刊自動車新聞, 10ページ, , 646文字,

CNG、LPG利用の低公害車、燃料噴射系新技術が相次ぎ実用化
2005/11/01, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 1155文字,

東京トラックショーに10万人来場
2005/10/21, , 交通新聞, 2ページ, , 702文字,

日気サービスなど3社、電子制御気体噴射システムを採用したLPGエンジン搭載トラックを開発
2005/10/20, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 1867文字,

コープ低公害車開発、CO2排出13%削減のLPガストラックを開発
2005/10/14, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 309文字,

コープ低公害車開発、先進型LPGトラック開発
2005/11/14, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 443文字,

第2回アジアDMEフォーラム、生産の現状や開発状況について報告 普及に向けて知恵を絞る
2005/09/29, , 日刊自動車新聞, 20ページ, , 2755文字,

(環境リポート)日仏クリーンカーセミナーでDME中心に日仏の連携模索
2005/09/22, , 日刊自動車新聞, 16ページ, , 1915文字,

交通安全環境研究所がDME大型トラックのデモ走行
2005/08/11, , 日刊自動車新聞, 10ページ, , 1228文字,

DMEの実用化研究開発、実用化試験進む=エルピーガス振興センターセミナーから
2005/08/11, , 日刊自動車新聞, 10ページ, , 1694文字,

テクノロジー最前線−新エネルギー−新燃料のトラックを実際に利用 高い排出ガス性能、低価格化が強み−[ジメチルエーテル(DME)]
2005/07/08, , 日経エコロジー, 53ページ, 有, 1445文字,

DME車、実用化へ最終段階
2005/02/22, , 日刊自動車新聞, 18ページ, , 2087文字,

コープ低公害開発など、DMEトラック、川崎市で実用開始─―事業用では初
2005/02/16, , 日経産業新聞, 12ページ, ,427文字,

DME自動車実用化研究開発グループ、低公害
2005/02/16, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 627文字,

JFEがDMEトラックを事業用に導入 月1200キロメートル走行へ
2005/02/16, , 電気新聞, 4ページ, , 617文字, スコア:62

JFEなど、東日本製鉄所構内で実用化に向けクレーン付きDMEトラックの試験走行…
2005/02/15, 21:00, プレスリリースデータベース サービス, , , 1327文字, スコア:85

DMEトラック、公道走る長距離試験開始、供給インフラも評価。
2005/02/02, , 日経産業新聞, 10ページ, 有, 1353文字, スコア:58

コープ低公害車など、DMEトラック、長距離試験開始。
2004/12/17, , 日経産業新聞, 9ページ, , 365文字, スコア:70

DME自動車実用化研究開発グループ 8トンDMEトラック 初の長距離公道試験
2004/12/17, , 日刊産業新聞, 2ページ, , 471文字, スコア:68

[技術・未来への挑戦]DME燃料 期待集まる燃料技術〈下〉
2004/12/14, , 電気新聞, 4ページ, , 1544文字, スコア:60

大型LPGバスコープ低公害車開発、実証試験
2004/10/30, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 1361文字, スコア:94

コープ低公害車開発など、DME車、ナンバー取得。
2004/10/29, , 日経産業新聞, 13ページ, , 314文字, スコア:94

コープ低公害車開発、DMEトラックを開発−来月から公道走行
2004/10/29, , 日刊工業新聞, 5ページ, , 137文字, スコア:99

LPGエンジン搭載バス、実証試験を開始、コープ低公害車開発
2004/10/29, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 335文字, スコア:92

DMEトラック公道走行可能に 国交大臣認定を取得
2004/10/29, , 日刊産業新聞, 3ページ, , 164文字, スコア:74

DME利用計画推進会議、次世代燃料啓発セミナー。
2004/10/28, , 日本経済新聞 地方経済面 (北海道), 1ページ, , 173文字, スコア:74

次世代燃料トラック、来月末にも公道試験
2004/08/17, , 産経新聞 東京朝刊, 6ページ, 有, 370文字, スコア:70

低公害の次世代燃料DME*搭載トラック公道デビュー*来月末に試験開始
2004/08/14, , 北海道新聞朝刊全道, 11ページ, 写, 408文字, スコア:69

コープ低公害車開発など、自動車DME、新潟に調合設備――横浜に充てん拠点。
2004/08/13, , 日経産業新聞, 6ページ, 有, 411文字, スコア:88

次世代エコ燃料DME トラック、公道試験へ
2004/08/13, , 東京新聞朝刊, 8ページ, , 320文字, スコア:72

◎9月末にも公道試験 次世代燃料DMEのトラック 環境への影響少なくクリーン
2004/08/13, , 熊本日日新聞朝刊, 7ページ, , 383文字, スコア:69

DME自動車、実用化へ始動、公道走行テストへナンバー申請
2004/08/13, , 化学工業日報, 8ページ, 有, 1020文字, スコア:62

産総研など10社、来月末からの走行テストに向けDME充填設備が完成
2004/08/13, , 日刊工業新聞, 5ページ, , 437文字, スコア:68

「DME車」の公道走行テスト 今秋から長距離実施 中大型トラックで400キロ
2004/08/13, , FujiSankei Business i., 15ページ,  , 792文字, スコア:64

研究開発グループ、DMEトラック開発、今秋から公道試験
2004/08/13, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 690文字, スコア:65

JFEHDなど インフラ整備が完了 公道走行テスト向け 総重量8トン中大型DM…
2004/08/13, , 日刊産業新聞, 1ページ, , 720文字, スコア:64

官民合同でDMEトラック 10月に公道実験
2004/08/13, , 電気新聞, 4ページ, , 529文字, スコア:67

コープ低公害車開発・伊藤忠エネクスなど9社、中大型DMEトラックの公道走行テス…
2004/08/12, 17:29, プレスリリースデータベース メーカー, , , 2703文字, スコア:99

DME自動車実用化研究開発グループ、中大型トラックを開発
2004/05/28, , 化学工業日報, 7ページ, 有, 541文字, スコア:67

DMEトラックを10企業・団体が共同開発 150万台の普及めざす
2004/05/27, , 電気新聞, 4ページ, , 618文字, スコア:66

コープ低公害車開発など、中型DMEトラック、長距離で走行実験。
2004/05/26, , 日経産業新聞, 12ページ, 有, 573文字, スコア:99

排ガス中の粒子状物質94%減 クリーントラック 生協など共同開発
2004/05/26, , 東京新聞朝刊, 8ページ, , 391文字, スコア:69

すす排出しない新燃料トラック 福山通運など10社開発
2004/05/26, , 中国新聞朝刊, 8ページ, 有, 546文字, スコア:67

産総研、DME用いたトラックを9社と共同開発−長距離走行実証へ
2004/05/26, , 日刊工業新聞, 5ページ, , 610文字, スコア:66

産総研など10企業・団体 低公害DMEトラック開発
2004/05/26, , FujiSankei Business i., 21ページ,  , 801文字, スコア:64

DME自動車実用化研究開発、実証実験展開、8トントラック完成
2004/05/26, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 750文字, スコア:64

コープ低公害車開発、車両総重量8tトラックなどDME自動車の研究開発成果を報告
2004/05/25, 16:26, プレスリリースデータベース メーカー, , , 3026文字, スコア:97

◎福岡県/経済・暮らし=物流システム考える 3月トラックシンポ開催 小倉北区 …
2004/02/17, , 西日本新聞朝刊, 25ページ, , 577文字, スコア:66

コープEV、車両低害化推進のためのシンポジウム2003
2003/12/02, , 日刊自動車新聞, 16ページ, , 1469文字, スコア:60

シェルグループなど、日本初のGTL燃料使用実車走行試験を開始
2003/11/26, , 日本食糧新聞, 8ページ, , 1049文字, スコア:74

昭和シェル三菱商事、初の実証走行試験、GTL燃料実用化へ
2003/11/19, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 734文字, スコア:64

昭和シェル石油と三菱商事など4社、GTL燃料を用いた実車走行試験を開始
2003/11/18, 18:04, プレスリリースデータベース メーカー, , , 1119文字, スコア:88

ブタンガス活用のLPGバス、主要国の現状把握
2003/11/17, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 750文字, スコア:79

業務用車、低公害化シフト進む、コープ主催シンポジウムから
2003/10/09, , 化学工業日報, 12ページ,  , 1206文字, スコア:61

情報ファイル:コープ低公害車開発が「車両低害化推進のためのシンポジウム2003」
2003/09/19, , 日本工業新聞, 12ページ,  , 158文字, スコア:74

情報ファイル:コープ低公害車開発が環境学習・見学会
2003/08/08, , 日本工業新聞, 9ページ,  , 178文字, スコア:74

石油公団、DME成果報告会開催、9項目のテーマで発表
2003/06/17, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 715文字, スコア:65

燃料のゆくえ、巨大な投資や採算性課題
2003/06/04, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 1423文字, スコア:60

燃料のゆくえ、混合と単独に二分、バイオ系まだ検証が必要
2003/05/28, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 1476文字, スコア:60

生協東京マイコープ、東村山にLPGスタンド、一般車両にも対応
2003/03/12, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 687文字, スコア:65

コープ低公害車開発、車両低公害化推進のためのシンポジウム
2002/10/21, , 日刊自動車新聞, 11ページ, , 2013文字, スコア:74

コープ低公害車開発、石油公団と共同で
2002/10/05, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 918文字, スコア:71

環境をテーマに多治見でシンポ 「コープぎふ」が7日 /岐阜
2002/10/04, , 朝日新聞 朝刊, 25ページ, 無, 309文字, スコア:62

コープ低公害車開発、車両低公害化推進でシンポジウム開催(短信)
2002/09/18, , 化学工業日報, 12ページ,  , 198文字, スコア:91

自動車燃料テーマに、コープ低公害車開発がシンポ
2002/09/12, , 日刊自動車新聞, 10ページ, , 302文字, スコア:87

情報ファイル:コープ低公害車開発が環境シンポジウム
2002/08/27, , 日本工業新聞, 11ページ,  , 168文字, スコア:63

コープ低公害車開発、車両低公害化のためのシンポジウム開催
2002/08/14, , 日刊工業新聞 , 10ページ, , 166文字, スコア:77

コープ低公害車開発、事務所を移転(短信)
2002/07/12, , 化学工業日報, 7ページ,  , 101文字, スコア:77

粒子状物質の削減を ディーゼル車(社説)
2002/03/20, , 朝日新聞 朝刊, 2ページ, 無, 1111文字, スコア:56

[東京大気汚染訴訟・都政の挑戦](4)LPG車 進まぬスタンド増設(連載)
2002/02/16, , 東京読売新聞 朝刊, 36ページ, 写, 1179文字, スコア:56

環境と低公害車考える講演会 22日、福岡市で /福岡
2002/02/09, , 朝日新聞 朝刊, 28ページ, 無, 275文字, スコア:62

◎九州経済=九州国際観光シンポジウム開催 ほか
2002/02/08, , 西日本新聞朝刊, 9ページ, , 1318文字, スコア:56

コープ低公害車開発、シンポジウム2001を開催(短信)
2001/09/18, , 化学工業日報, 12ページ,  , 291文字, スコア:99

LPG車に転換終わる コープやまなし配送用トラック /山梨
2001/07/10, , 朝日新聞 朝刊, 34ページ, 無, 465文字, スコア:60

日石ガス、LPG直噴システムの輸入販売本格化、自動車用エンジン
2001/03/27, , 化学工業日報, 15ページ, 有, 1091文字, スコア:56

低公害LPG車、普及に光 規制緩和で実現(技あり)
2001/03/19, , 朝日新聞 夕刊, 17ページ, 有, 1914文字, スコア:55

コープ低公害車開発調べ 生協でのLPGトラック導入台数が2割超
2001/02/06, , 日本工業新聞, 15ページ,  , 478文字, スコア:69

生協、配送トラックのLPG比率、1月末で20%突破
2001/02/05, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 464文字, スコア:60

排ガス試験、甘い日本 欧米なら数値大幅増 法定走行、都市部の渋滞反映せず
2000/10/16, , 東京読売新聞 朝刊, 39ページ, 写, 2187文字, スコア:59

LGV研究会、先進型LPG車販売に本腰
2000/09/27, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 661文字, スコア:58

普及促進協 目玉はLPGハイブリッド車、展示・試乗会
2000/09/08, , 日本工業新聞, 10ページ,  , 750文字, スコア:58

LGV研究会、有賞モニター募集
2000/09/05, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 1277文字, スコア:56

コープ低公害車開発、シンポジウムを開催(短信)
2000/08/14, , 化学工業日報, 10ページ,  , 295文字, スコア:74

情報ファイル:◆コープ低公害車開発が車両低公害のためのシンポジウムを開催
2000/08/08, , 日本工業新聞, 11ページ,  , 125文字, スコア:77

【プリズム】都の低公害車推進作戦 実現険しい道
2000/06/22, , 産経新聞 東京朝刊, 27ページ, 有, 1950文字, スコア:55

LGV研究会、新型LPGエンジンの改造ノウハウを教授
2000/06/22, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 879文字, スコア:57

都のシンポで行政やメーカーに意見噴出
2000/05/15, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 1507文字, スコア:55

東京都、微粒子除去装置義務化へ関連業界と協力
2000/04/17, , 日刊工業新聞, 30ページ, , 707文字, スコア:58

コープ低公害車開発 2000年度の協賛会員募集
2000/01/05, , 日本工業新聞, 4ページ,  , 424文字, スコア:71

車両低公害化への挑戦、(4)新型LPGエンジン
1999/11/11, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 1494文字, スコア:55

車両低公害化への挑戦、(3)生協の取り組み
1999/11/04, , 日刊自動車新聞, 17ページ, , 1495文字, スコア:55

お知らせコーナー:◆99年度車両低公害化推進のためのシンポジウム
1999/10/29, , 日本工業新聞, 5ページ,  , 144文字, スコア:63

ディーゼル車に厳しい注文次々、東京都が公開討論会。
1999/10/22, , 日経産業新聞, 10ページ, , 666文字, スコア:58

コープ低公害車開発、シンポジウムを開催(短信)
1999/10/22, , 化学工業日報, 7ページ, , 305文字, スコア:86

ディーゼル車問題 都庁で公開討論会 予定上回る520人参加
1999/10/21, , 東京新聞朝刊, 25ページ, , 500文字, スコア:59

東京都、ディーゼル車NO作戦で公開討論会
1999/10/21, , 日刊工業新聞, 17ページ, , 393文字, スコア:60

コープ低公害車開発、LPガストラック導入2000台達成
1999/06/25, , 化学工業日報, 8ページ, , 178文字, スコア:77

LPGトラック、生協関係の保有は全国で2千台を突破
1999/06/17, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1586文字, スコア:66

通産解釈「走る燃料工場」 LPG加圧、欧州普及の低公害車
1999/04/08, , 朝日新聞 朝刊, 39ページ, 有, 1196文字, スコア:62

LPGエンジンシステム、新規事業として育成
1999/03/27, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 944文字, スコア:57

高圧ガス保安法、LPG車も緩和を、コープ低公害車開発
1999/02/09, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1029文字, スコア:70

ガソリンとLPG併用 ハイブリッド車研究 生協出資会社
1999/01/06, , 産経新聞 東京朝刊, 28ページ,  , 625文字, スコア:58

◎LPGとガソリン併用 生協が低公害車研究
1999/01/04, , 中国新聞朝刊, 24ページ,  , 559文字, スコア:59

機技工匠(3)、オランダ・フィアーレ社、LPG電子制御液噴
1998/11/10, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1454文字, スコア:55

とくしま生協がLPG車へ転換着々 配送トラックも環境に配慮 普及率35%
1998/07/14, , 徳島新聞朝刊, 0ページ, , 828文字, スコア:57

ガス燃料の可能性(中)、日本の展開
1998/07/08, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1326文字, スコア:56

ガス燃料の可能性(上)、欧州新事情
1998/07/07, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1397文字, スコア:55

<212土曜ひろば>北檜山*回れ のっぽの風車*研究センターに設置
1998/06/27, , 北海道新聞夕刊道央, 11ページ, 写, 490文字, スコア:59

北檜山の「自然エネルギーセンター」*中国製の風車2基設置*実用化に向けデータを…
1998/06/17, , 北海道新聞朝刊道南, 22ページ, 写, 659文字, スコア:58

配達車も地球に優しく、低公害トラック導入へ、コープあおもり
1998/06/13, , 河北新報 朝刊, 14ページ, 写, 443文字, スコア:60

コープ低公害車開発、車両低公害化ヘ、来月1日にシンポ
1998/06/09, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 399文字, スコア:93

若狭良治さん 低公害車の普及で表彰「コープ」で指揮をとる(ひと)
1998/06/06, , 朝日新聞 朝刊, 3ページ, 有, 787文字, スコア:57

「98車低害化推進のためのシンポジウム」を開催(短信)
1998/06/05, , 化学工業日報, 10ページ, , 391文字, スコア:82

生協の配送小型トラック、LPG車導入、10%に。
1998/05/12, , 日経流通新聞, 4ページ, , 489文字, スコア:59

低公害・低燃費のLPG車、生協で導入進む――小型トラックの1割に。
1998/05/11, , 日本経済新聞 夕刊, 5ページ, , 466文字, スコア:59

タカナシ販売、配送用にLPG車、代替検討で2台導入
1998/04/27, , 日刊自動車新聞, 4ページ, , 533文字, スコア:59

トヨタのLPGトラック、生協への導入が1,000台を突破
1998/03/26, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 546文字, スコア:68

横浜市、2010年度、市内低公害車20万台に――助成金や駐車割引検討。
1998/02/03, , 日本経済新聞 地方経済面 (神奈川), 26ページ, , 821文字, スコア:57

コープ低公害車開発、車両低害化でシンポジウム開催
1997/10/20, , 化学工業日報, 10ページ, , 433文字, スコア:70

普及が進まないLPG自動車
1997/10/03, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 557文字, スコア:68

生協、サポート不足と業界に苦言、LPガス自動車普及の懇談会で
1997/10/02, , 化学工業日報, 10ページ, , 397文字, スコア:71

コープ低公害車開発、車両低害化シンポジウムを開催(短信)
1997/09/17, , 化学工業日報, 8ページ, , 187文字, スコア:77

コープ低公害車開発、車両低公害化推進でシンポジウムを開催(短信)
1997/09/09, , 化学工業日報, 10ページ, , 406文字, スコア:81

LPGトラック、97年9月に導入1千台へ、生協まとめ
1997/07/23, , 化学工業日報, 10ページ, , 536文字, スコア:59

<消費社会考 減らして!排ガス>中*ディーゼル車*浮遊粒子が汚染助長
1997/07/12, , 北海道新聞朝刊, 15ページ, 写, 1562文字, スコア:55

LPガス自動車普及促進協議会、低公害車フェア参画などを計画
1997/07/11, , 化学工業日報, 10ページ, , 336文字, スコア:61

低公害LPG車、生協で導入活発――運輸業界など注目、給油所の不足が課題に。
1997/05/30, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 1269文字, スコア:62

低公害LPG車、生協で導入活発、運輸業界など注目――給油所の不足が課題に。
1997/05/29, , 日本経済新聞 地方経済面 (広島), 23ページ, 有, 1269文字, スコア:62

あしぎん暮らしと経営の相談センター、輸出実務セミナーなど(企業短信)
1997/05/29, , 日本経済新聞 地方経済面 (栃木), 42ページ, , 642文字, スコア:58

97低公害フェアー、LPガス自動車を出展(短信)
1997/05/21, , 化学工業日報, 8ページ, , 240文字, スコア:63

生協や宅配業界・自治体など、LPGトラック導入の動き急。諸規制の緩和が課題
1997/02/12, , 日刊工業新聞, 27ページ, , 1604文字, スコア:61

ディーゼルトラックからLPGトラックへ、生活協同組合やヤマト運輸などが導入
1997/02/07, , 流通サービス新聞, 1ページ, , 1864文字, スコア:60

生協のLPGトラック導入、全国で800台を達成
1997/01/21, , 化学工業日報, 10ページ, , 608文字, スコア:76

コープ低公害車開発、創立6周年記念シンポジウムを開催(短信)
1996/09/09, , 化学工業日報, 10ページ, , 246文字, スコア:90

[ビジネス情報]自動車の排ガスシンポジウムを開催−−コープ低公害車開発
1996/09/05, , 毎日新聞 朝刊, 10ページ, , 284文字, スコア:87

コープ低公害車開発、大気汚染と自動車排ガスでシンポ開催(短信)
1996/08/19, , 化学工業日報, 10ページ, , 698文字, スコア:74

大気汚染防止と自動車排ガス等に関するシンポジウム開催(短信)
1996/08/07, , 化学工業日報, 7ページ, , 302文字, スコア:74

人物―敗軍の将,兵を語る−山岸正幸氏[コープかながわ前理事長,日本生活協同組合…
1996/08/05, , 日経ビジネス, 81〜84ページ, 有, 5110文字, スコア:53

「低公害」が人気、LPGトラック−−トヨタなど共同開発
1996/07/13, , 毎日新聞 朝刊, 10ページ, 有, 575文字, スコア:68

液化石油ガス利用した低公害トラックが普及の兆し
1996/07/13, , 毎日新聞 大阪朝刊, 10ページ, 有, 624文字, スコア:67

組合員"反乱"、揺れるコープかながわ――現場軽視に不満(ニューススクランブル)
1996/07/02, , 日本経済新聞 夕刊, 3ページ, 有, 1439文字, スコア:55

"最後の別れ"は電気自動車に乗って 県が手放した公用車を霊柩車に改造−−神奈川
1996/07/02, , 毎日新聞 朝刊, 3ページ, 有, 655文字, スコア:66

コープ低公害車開発、全国で500台を突破、LPGトラック
1996/06/19, , 化学工業日報, 7ページ, , 273文字, スコア:88

コープ低公害車開発、電気自動車で霊柩車を開発
1996/06/14, , 化学工業日報, 9ページ, , 165文字, スコア:77

[ダッシュボード]生協の低公害車普及状況
1996/04/12, , 毎日新聞 夕刊, 5ページ, , 373文字, スコア:61

LPG車、低公害指定を 窪田研一(フォーラム東海) 【名古屋】
1996/03/09, , 朝日新聞 夕刊, 2ページ, 有, 2023文字, スコア:54

生協、三菱・マツダとも低公害車。
1996/02/29, , 日経流通新聞, 5ページ, , 428文字, スコア:71

コープ低公害車開発、新たに2車種、三菱自工・マツダと共同開発
1996/02/20, , 化学工業日報, 12ページ, , 561文字, スコア:77

自動車材料 夢の低公害車、本格普及へアクセル・オン
1996/02/10, , 化学工業日報, 11ページ, 有, 2576文字, スコア:54

いわて生協、保有車両の半分を低公害LPG車に切り替え。燃費30%超低減
1995/08/25, , 流通サービス新聞, 4ページ, , 737文字, スコア:58

窒素酸化物排出量 ディーゼルの半分以下*低公害トラックを導入*コープさっぽろ*…
1995/08/12, , 北海道新聞朝刊, 8ページ, 写, 496文字, スコア:59

低公害LPGトラック目玉に 生協出資会社とトヨタが開発【名古屋】
1995/07/06, , 朝日新聞 朝刊, 29ページ, 有, 1028文字, スコア:56

コープ低公害車開発、94年度受注が280台に、LPGトラック
1995/06/21, , 化学工業日報, 12ページ, 有, 971文字, スコア:78

生活けいざい/ 各地の生協 LPGトラック導入 順次切り替え
1995/06/07, , 中日新聞 朝刊, 23ページ, , 1146文字, スコア:62

燃料の値段も大切ですが… 生協の低公害車担当者の学習会 リポートを読んで
1995/05/12, , 毎日新聞 夕刊, 5ページ, , 616文字, スコア:58

共同購入用トラック、低公害車に切り替え、コープかながわなど
1995/04/15, , 日本農業新聞, 38ページ, , 605文字, スコア:67

コープ低公害車開発、94年度235台を受注、LPGトラック
1995/04/10, , 化学工業日報, 14ページ, , 542文字, スコア:77

配送も環境配慮、LPG車増やす――ユーコープ参加の3生協。
1995/04/06, , 日経流通新聞, 4ページ, 有, 505文字, スコア:69

コープかながわなど3生共、配送トラックにlPG車。保有の5割を転換
1995/04/04, , 流通サービス新聞, 5ページ, , 566文字, スコア:59

コープ神奈川など3生協、LPG化率を拡大、配送用小型トラック
1995/03/29, , 化学工業日報, 16ページ, 有, 635文字, スコア:58

自動車材料特集 動き出した低公害車・ディーゼル代替LPG車
1995/02/11, , 化学工業日報, 9ページ, 有, 302文字, スコア:62

LPGトラック、普及へ出足好調、94年度中に生産台数200台突破
1995/02/09, , 化学工業日報, 12ページ, , 740文字, スコア:82

山梨中央市民生協、低公害トラック導入 配送時のNOx減へ /山梨
1994/11/23, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 無, 639文字, スコア:67

配送も環境に優しく みえきた市民生協 LPGトラック導入
1994/11/09, , 中日新聞 朝刊, 16ページ, , 497文字, スコア:59

コープ低公害車開発、LPGトラック生産が100台を突破
1994/10/20, , 化学工業日報, 12ページ, , 434文字, スコア:70

ノー黒煙 環境に配慮 配送車にLPG車 岐阜地区生協が4台購入
1994/10/05, , 中日新聞 朝刊, 16ページ, , 453文字, スコア:60

低公害化へ"発車" LPGトラック2台 名古屋市民生協が導入
1994/10/05, , 中日新聞 朝刊, 16ページ, , 484文字, スコア:59

「LPガス車」テーマに29日に講演会(短信)
1994/09/26, , 化学工業日報, 14ページ, , 321文字, スコア:62

LPGトラック、クリーンに走る 将来全配送車に−−コープかながわ導入 /神奈川
1994/09/18, , 毎日新聞 地方版, 14ページ, 有, 542文字, スコア:59

低公害トラック導入、コープしずおか、配送車――96年度までに54台。
1994/09/15, , 日本経済新聞 地方経済面 (静岡), 6ページ, , 274文字, スコア:62

コープかながわ、配送用に低公害LPGトラック。
1994/09/10, , 日本経済新聞 地方経済面 (神奈川), 26ページ, , 236文字, スコア:63

ならコープ、低公害車を導入 /奈良
1994/08/03, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 292文字, スコア:62

京成電鉄・ちばコープ、低公害車に"乗り換え" /千葉
1994/07/19, , 毎日新聞 地方版, 12ページ, , 585文字, スコア:68

コープえひめ、LPGトラック導入、生協で第1号――NOxを大幅削減。
1994/07/08, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 445文字, スコア:60

とくしま生協、創立10年で初店舗――シンボルマークも制定。
1994/05/31, , 日経流通新聞, 6ページ, , 594文字, スコア:61

とくしま生協、年明けに店舗初出店、事業計画決まる――シンボルマーク制定。
1994/05/24, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 594文字, スコア:61

生協ひろしま、LPGトラック6月から導入。
1994/03/15, , 日本経済新聞 地方経済面 (中国B), 35ページ, , 213文字, スコア:68

エフコープが7月に導入、LPGエンジン使ったトラック。
1994/02/25, , 日本経済新聞 地方経済面 (九州B), 14ページ, , 411文字, スコア:78

[情報ネットワーク]LPGトラックエフコープ導入へ
1994/02/25, , 西日本新聞朝刊, 7ページ, , 291文字, スコア:66

生協ひろしま、低公害のLPG車導入。94年夏めどにまず10台、全車両の6割計画
1994/02/25, , 日刊工業新聞, 35ページ, 有, 812文字, スコア:60

えひめ生協 地球にやさしい配送車です 6月以降順次導入
1994/02/19, , 愛媛新聞, 15ページ, , 494文字, スコア:62

コープかがわが展示説明会、低公害のLPGトラック――配送車に導入検討。
1994/02/11, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 396文字, スコア:64

生協配送に低公害トラック発車――おおさかパルコープ、6月以降にLPG型10台。
1994/02/10, , 日経流通新聞, 6ページ, , 636文字, スコア:72

低公害のLPG配送車、生協などが開発 /大阪
1994/02/01, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 362文字, スコア:65

運転しやすいよ 低公害のLPG車試乗会 滋賀・生協コープしが
1994/01/25, , 中日新聞 朝刊, 17ページ, , 605文字, スコア:61

大気を汚さぬLPGトラック 名古屋にお目見え
1994/01/21, , 中日新聞 朝刊, 18ページ, , 427文字, スコア:63

みやぎ生協導入へ、配送に低公害のLPGトラック。
1994/01/14, , 日本経済新聞 地方経済面 (東北B), 24ページ, , 394文字, スコア:78

LPGトラック開発、コープ電動車両開発、NOx削減、騒音なし
1994/01/14, , 河北新報 朝刊, 8ページ, 写, 528文字, スコア:99

LPGトラック夏稼働、生協、配送でも「安全・安心」――排ガス・騒音抑える。
1994/01/13, , 日経流通新聞, 12ページ, 有, 1512文字, スコア:72

<列島ファイル>地球に優しい配送車
1994/01/08, , 北海道新聞朝刊, 21ページ, 写, 172文字, スコア:68

ケーススタディーにみる 食品企業の環境対策 (1994年版)完成、好評発売中
1993/12/08, , 日本食糧新聞, 1ページ, , 825文字, スコア:60

LPGトラックの導入を検討−コープしずおか
1993/11/26, , 静岡新聞 朝刊, 18ページ, , 408文字, スコア:64

低公害車(大気汚染 排ガス対策のいま:2) /東京
1993/11/10, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 1515文字, スコア:57

コープ電動車両開発、低公害トラックを開発、NOxを大幅削減
1993/10/01, , 日本食糧新聞, 2ページ, , 882文字, スコア:69

コープ電動車両、LPGトラックモニター車が完成へ(企業ファイル)
1993/09/29, , 化学工業日報, 14ページ, , 281文字, スコア:66

配送に電気トラック導入 生協が3年かけ開発
1993/05/19, , 産経新聞 夕刊, 9ページ, 写, 1186文字, スコア:67

都内の2生協、電気トラック導入――環境問題に積極対応。
1993/05/02, , 日本経済新聞 地方経済面 (千葉), 39ページ, , 461文字, スコア:63

電気トラックを導入 三鷹と立川の2生協が都の助成で
1993/04/13, , 東京読売新聞 朝刊, 27ページ, 写, 396文字, スコア:64

週間ニュースインデックス4月5日〜9日
1993/04/12, , 日本食糧新聞, 2ページ, , 726文字, スコア:60

コープ電動車両開発、電気トラックを開発。都内2生協が共同購入の配送で実用化
1993/04/05, , 日刊工業新聞, 14ページ, 有, 463文字, スコア:76

電気自動車の普及が非常にゆるやかだが進む、"セグメント化"がカギ
1993/03/17, , 日本食糧新聞, 9ページ, , 1583文字, スコア:64

[科学スコープ]生協が電気自動車を開発 配送トラック、来年デビュー
1992/11/04, , 毎日新聞 夕刊, 7ページ, , 595文字, スコア:61

[論説]失ってから知る代償の大きさ
1992/07/04, , 日本農業新聞, 2ページ, , 1467文字, スコア:57

コープ電動車両開発、2次試作車が完成――いすゞ自と共同、床低く。
1992/06/11, , 日経流通新聞, 11ページ, 有, 315文字, スコア:81

無公害の電気トラック試作 生協といすゞ 最高速度110キロ
1992/05/29, , 東京読売新聞 朝刊, 17ページ, 写, 420文字, スコア:77

コープ電動車両開発といすゞ自動車、第2次電気配送試作車が完成
1992/05/27, , 化学工業日報, 9ページ, 有, 371文字, スコア:79

無公害の電気トラックで配送 エフコープが試作車 福岡 【西部】
1992/05/25, , 朝日新聞 夕刊, 8ページ, 有, 315文字, スコア:65

配送に電気自動車、生協とメーカー共同開発
1992/05/22, , 河北新報 朝刊, 4ページ, 写, 303文字, スコア:66

電気配送自動車2次試作車が完成、エフコープなど全国生協
1992/05/22, , 西日本新聞朝刊, 7ページ, , 426文字, スコア:63

コープ電動車両開発といすゞ自、2トントラックで初の電気配送車の第2次試作を完了
1992/05/22, , 日刊工業新聞, 16ページ, , 440文字, スコア:77

えひめ生協 電気配送トラックを展示
1992/05/14, , 愛媛新聞, 16ページ, , 659文字, スコア:61

えひめ生協、電気配送トラック、四国で13日説明会。
1992/05/01, , 日経産業新聞, 2ページ, , 209文字, スコア:68

えひめ生協、電気配送トラック13日に展示説明会。
1992/05/01, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 410文字, スコア:64

成熟市場の企業戦略92第1回エネルギー・省エネ――電気自動車、高性能を競う。
1992/01/16, , 日経産業新聞, 16ページ, 有, 1832文字, スコア:63

電気自動車――あの町この町スイスイ走れ(NEWSスケッチ)
1991/12/28, , 日本経済新聞 夕刊, 8ページ, 有, 662文字, スコア:61

メーカー「環境に優しい車」競う あす26日開幕の東京モーターショーから
1991/10/25, , 東京読売新聞 朝刊, 17ページ, 写, 1302文字, スコア:58

コープ電動車両開発、ソーラー充電の電気配送車――路上実験始める。
1991/10/17, , 日経流通新聞, 16ページ, 有, 550文字, スコア:74

[トレンド]地球にやさしい電動トラック 1回の充電で100キロ走行
1991/10/10, , 読売家庭経済新聞, 10ページ, 写, 1499文字, スコア:72

ソーラー利用した電気配送トラック 大阪
1991/10/09, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 212文字, スコア:68

電動配送車、奈良コープで試乗会 95年からの導入めざす
1991/10/08, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 598文字, スコア:61

コープ電動車両開発、ソーラー配送トラックの走行実験を開始
1991/10/08, , 流通サービス新聞, 12ページ, 有, 328文字, スコア:81

コープ電動車両開発、電気配送トラック、走行実験を開始。
1991/10/03, , 日本経済新聞 地方経済面 (東京), 15ページ, 有, 441文字, スコア:77

コープしずおか、太陽電池の電動トラック――来月から公道で試走。
1991/09/27, , 日本経済新聞 地方経済面 (静岡), 6ページ, 有, 406文字, スコア:64

コープ電動車両、ソーラーバッテリーシステムを日本で初めて電気トラックに搭載
1991/09/26, , 日刊工業新聞, 17ページ, , 311文字, スコア:65

見直される電気自動車(上)米市場確保にらむ――蓄電池改良などなお課題。
1991/07/25, , 日本経済新聞 朝刊, 13ページ, 有, 1675文字, スコア:57

商品配達に電気自動車、大気汚染防止へ生協エフコープ・福岡
1991/06/22, , 西日本新聞朝刊, 7ページ, , 759文字, スコア:60

電気自動車の改良加速、「ガソリン車並み」追及――「環境に配慮」PR(月曜版)
1991/06/10, , 日本経済新聞 朝刊, 45ページ, 有, 1551文字, スコア:64

環境庁、6月、低公害車フェア、電気自動車も20台
1991/04/17, , 電気新聞, 1ページ, , 601文字, スコア:61

試乗の主婦に好評 電気配送トラック披露 春日井
1991/04/10, , 中日新聞 朝刊, 19ページ, , 363文字, スコア:65

人気は加速、電気自動車 環境への関心高まり、期待集める
1991/02/09, , 朝日新聞 夕刊, 5ページ, 有, 4070文字, スコア:54

各地生協の共同出資会社、自前の電動バイク開発へ。メーカーとタイアップ、50CC級
1991/02/04, , 日刊工業新聞, 14ページ, , 693文字, スコア:71

生協、電気自動車で環境対策を加速――94年度から500台(中部トレンディー)
1991/01/25, , 日本経済新聞 名古屋夕刊 (中部特集), 37ページ, 有, 1229文字, スコア:74

走れ電気トラック、コープ電動車両開発といすゞ自動車が試作車。
1991/01/24, , 日経流通新聞, 13ページ, 有, 468文字, スコア:76

灘神戸生協とコープかながわ(二都物語 横浜と神戸:40)
1991/01/21, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 1914文字, スコア:56

生協、電気配送トラックを94年から順次導入へ
1991/01/18, , 化学工業日報, 11ページ, 有, 1010文字, スコア:68

いすゞ、電気トラックを開発――速度など実用水準に。
1991/01/17, , 日本経済新聞 朝刊, 13ページ, 有, 665文字, スコア:61

いすゞとコープ電動車両、電動トラック開発――2トン積み級ベース。
1991/01/17, , 日経産業新聞, 8ページ, , 599文字, スコア:73

生協といすゞが電動配送トラックを試作 94年度の実用化をメド
1991/01/17, , 朝日新聞 朝刊, 8ページ, 有, 703文字, スコア:60

生協といすゞ、電気配送車試作 94年度の実用化めざす 【大阪】
1991/01/17, , 朝日新聞 朝刊, 11ページ, 有, 432文字, スコア:63

v生協といすゞ自動車が世界初の電気配送トラックを試作 課題は電池の計量化
1991/01/17, , 毎日新聞 朝刊, 8ページ, , 608文字, スコア:61

コープといすゞが2トン級電気配送トラックを試作
1991/01/17, , 東京読売新聞 朝刊, 6ページ,  , 148文字, スコア:68

いすゞと13生協、電気トラックの開発に成功−世界初、最高時速110キロ。3年後…
1991/01/17, , 北海道新聞朝刊, 9ページ, 写, 715文字, スコア:71

電動配送トラック開発 いすゞとコープが共同 94年度までに実用化図る
1991/01/17, , 中日新聞 朝刊, 9ページ, , 459文字, スコア:63

☆電気で走る2トン・トラック、いすずなど2社が開発
1991/01/17, , 西日本新聞朝刊, 8ページ, , 0文字,

コープ電動車両開発、いすゞ自動車、2トンクラスの電気トラックを試作。実用化へ
1991/01/17, , 日刊工業新聞, 15ページ, 有, 676文字, スコア:83

クリーンです電気トラック−いすゞが試作車−生協の配送用に計画
1991/01/17, , 日本農業新聞, 3ページ, , 579文字, スコア:61

いすゞ自動車とコープ電動車両開発、電動トラックを試作
1991/01/10, , 化学工業日報, 1ページ, , 470文字, スコア:76

電気スポーツカー、新型モデル続々開発中 "脱石油"今年は元年?
1991/01/04, , 朝日新聞 朝刊, 31ページ, 有, 932文字, スコア:59

価格凍結宣言の「責任」と「戦略」、コープかながわ、半年間、200品目。
1990/11/13, , 日経産業新聞, 32ページ, 有, 1893文字, スコア:56

コープ電動車両開発内田敬之氏――配送用電気自動車、生協以外にも拡販(現地直送)
1990/11/08, , 日経流通新聞, 11ページ, 有, 292文字, スコア:82

旗振り役 山岸正幸さん(キーパースン 神奈川の顔:4)
1989/10/18, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 1122文字, スコア:70

第3部新文明を迫る環境秩序(2)緑の生涯教育(地球号のSOS)
1989/10/14, , 日本経済新聞 朝刊, 1ページ, 有, 1725文字, スコア:69

コープかながわ・山岸正幸理事長(アセスメント)
1989/09/29, , 化学工業日報, 10ページ, , 366文字, スコア:96

電気自動車開発めざす 神奈川と静岡の2生協、2年後に試作車
1989/09/26, , 朝日新聞 夕刊, 19ページ, 有, 807文字, スコア:99

コープかながわ・コープしずおか両生協、電気自動車導入を検討へ
1989/09/22, , 化学工業日報, 11ページ, , 941文字, スコア:99

コープかながわコープしずおか、配送用に電気自動車開発へ
1989/09/16, , 電気新聞, 1ページ, , 409文字, スコア:88

神奈川・静岡、生協が電気自動車――配送用、来秋に試作車。
1989/09/15, , 日本経済新聞 朝刊, 34ページ, , 622文字, スコア:88

配達は無公害で−−神奈川、静岡の生協が電気自動車開発へ
1989/09/15, , 毎日新聞 朝刊, 26ページ, , 692文字, スコア:84

[おあしす]「コープかながわ」と「コープしずおか」が電気自動車の共同開発へ
1989/09/15, , 東京読売新聞 朝刊, 31ページ,  , 257文字, スコア:97

低公害車の開発へダッシュ(経済スコープ)
1989/08/28, , 朝日新聞 朝刊, 9ページ, 有, 4614文字, スコア:68

エコロジー研、8日に初会合 コープかながわ
1989/06/08, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 無, 257文字, スコア:85

業務用DMEトラック、神奈川県で公道走行試験を開始
2005/11/30, , 化学工業日報, 12ページ, 有, 561文字

 京浜臨海部DME普及モデル事業実行委員会ならびにDME自動車実用化研究開発グループは二十九日、クレーン付きDMEトラックについて、国土交通大臣から試験自動車としての認定を受けるとともにナンバープレートを取得、同日に神奈川県下を中心とした公道走行を開始したと発表した。クレーン付きDMEトラックは、JFEスチール・東日本製鉄所構内で鋼材搬送のロープを回収する作業車として実証試験走行を実施しており、ナンバー取得後は走行範囲を広げ、公道走行による実用性の実証と実用化に必要な技術的な基盤づくりに必要なデータ採取を行う。
 京浜臨海部DME普及モデル事業実行委員会は神奈川県とJFEホールディングスや日本DME、JFE物流、いすゞ中央研究所、伊藤忠エネクス、岩谷産業、京浜物流、日本通運の民間八法人で構成、DME自動車やDMEコージェネ発電システムなどの分野でDMEの実用化・普及に向けたモデル事業を実施。
 一方、DME自動車実用化研究開発グループはコープ低公害車開発、産業技術総合研究所、伊藤忠エネクス、JFEホールディングス、伊藤忠商事、三菱ガス化学、岩谷産業、福山通運、小野測器の九法人で構成、DME自動車開発、ステーション、ローリーなどのインフラ整備や長距離走行試験、DME自動車構造取り扱基準の検討などを実施してきた。


DME自動車実用化研究グループ、公道上での世界初の走行実験
2005/11/30, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 580文字

 神奈川県と自動車、燃料関連企業など8社で構成される京浜臨海部DME(ジメチルエーテル)普及モデル事業実行委員会と民間企業9社によるDME自動車実用化研究グループは11月29日、クレーン付きトラックで、国から試験自動車としての認定を受け、公道上での走行実験を開始したと発表した。DME自動車が公道走行を伴う実作業にかかわるのは、世界初の試みとしている。
 両者は、DME自動車の実用化やDMEコージェネレーションの普及モデルの検証に取り組むグループで、JFEホールディングスやコープ低公害車開発、岩谷産業、神奈川県などが参画している
 今回、公道上での作業実験を開始したクレーン付きDMEトラックは、いすゞ中央研究所に開発を依頼し、今年2月に完成した車両。小型トラック「エルフ」がベースで、コモンレールによる燃料供給の最新システムを可能な限り流用した。これまで、JFEスチール東日本製鉄所(神奈川県川崎市)において、ロープ回収など構内作業に使用、実証実験を進めてきた。公道上でも同様に使用し、DME自動車の実用化に不可欠なデータを収集する。
 DMEは、ディーゼルエンジンに適したクリーンな新燃料で、排気ガスに硫黄酸化物(SOX)を含まず、窒素酸化物(NOX)、粒子状物質(PM)、二酸化炭素(CO2)を大幅に減らすことができることから、軽油の代替が期待されている。


京浜臨海部DME普及実行委、クレーン付きDMEトラックで業務用公道走行を開始
2005/11/29, 15:02, プレスリリースデータベース メーカー, , , 1349文字  配信日時:2005/11/29 16:30

発表日:2005年11月29日
DMEトラック 世界初の業務用公道走行を開始
 神奈川県が参加している京浜臨海部DME普及モデル事業実行委員会*1(以下「普及実行委員会」という。)は、クレーン付DMEトラックについて国土交通大臣より試験自動車としての認定を受け、運輸支局においてナンバープレートを取得し、神奈川県下を中心とした公道走行を本日開始しました。今回のナンバー取得により、DME自動車としては世界で初めて業務用として公道走行を伴う実作業に携わることが可能になりました。
 DME(ジメチルエーテル)は、ディーゼルエンジンに適したクリーン燃料であり、排気ガスに硫黄酸化物を含まず、PMとNOxを大幅に削減することができ、軽油と比較し燃焼時の二酸化炭素排出量が削減されます。
 DME自動車実用化研究開発グループ*2(以下「実用化グループ」という。)は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の公募共同研究事業としてDME自動車の実用化研究を進めて参りました。今回ナンバーを取得したクレーン付DMEトラックは、「DME自動車の実用化試験研究開発」事業の一環として、株式会社いすゞ中央研究所に開発を依頼して本年2月に完成したものです。
 本事業では、車両の開発を実用化グループが実施し、ステーションの設置および走行試験などを普及実行委員会が行いました。このクレーン付DMEトラックは、JFEスチール東日本製鉄所の構内において鋼材搬送のロープを回収する作業車として実証試験走行を行っています。ナンバー取得後は走行範囲を広げ、公道走行によるDME自動車の実用性の実証と、DME自動車の実用化に必要な技術的な基準作りに必要なデータ採取を実施いたします。普及実行委員会と実用化グループは、今後もDME自動車の導入および実用化にむけての取組を推進してまいります。
*1  京浜臨海部DME普及モデル事業実行委員会
 神奈川県では京浜臨海部における新エネルギー関連産業の集積を促進するとともに既存産業の環境に配慮した事業展開を支援しています。この一環として、県と民間8法人(JFEホールディングス株式会社、日本DME株式会社、JFE物流株式会社、株式会社いすゞ中央研究所、伊藤忠エネクス株式会社、岩谷産業株式会社、京浜物流株式会社、日本通運株式会社)で構成される普及実行委員会は、DME自動車やDMEコージェネ発電システムなどの分野でDMEの実用化・普及に向けたモデル事業を実施しています。
*2  DME自動車実用化研究開発グループ
 DME自動車の実用化研究を行う9法人(コープ低公害車開発株式会社、独立行政法人産業技術総合研究所、伊藤忠エネクス株式会社、JFEホールディングス株式会社、伊藤忠商事株式会社、三菱ガス化学株式会社、岩谷産業株式会社、福山通運株式会社、株式会社小野測器)。DME自動車開発、ステーションやローリーなどのインフラ整備、長距離走行試験、DME自動車構造取扱基準の検討などを実施してきました。
以上
(*参考画像あり)

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参考画像
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ジェイ エフ イー ホールディングス(株) ホームページ (http://www.jfe-holdings.co.jp/)


コープ低公害車開発、「車両低公害化推進のためのシンポジウム2005」
2005/11/24, , 日刊自動車新聞, 20ページ, , 1023文字

 コープ低公害車開発が主催する「車両低公害化推進のためのシンポジウム2005」が、11月18日に横浜市港北区のホールで開かれた。中国、韓国からも講演者を招き、日・中・韓それぞれが、輸送用燃料に関しエネルギー供給の持続性と環境負荷の低減という二つの課題を負っていることが浮き彫りになった。
 特にエネルギー問題は、中国で急激な自動車保有の増加から深刻な問題になっており、日本、韓国ともに中国における石油エネルギー消費の拡大の影響をこうむることになりそうだ。日本でも省エネのために、ディーゼルエンジンの高度化が不可欠という認識が強い。
 中国、韓国ともにディーゼル車への関心は高まっている。
 その中で、環境衛生学の立場から、ディーゼルエンジンの高度化(=燃料噴射の高圧化)にともない排ガス中に含まれるようになったナノ粒子(10億分1メートルの超微粒子)の健康への深刻な影響が指摘されだしている。ナノ粒子と健康被害への関連では、粒子に付着している多環芳香族系炭化水素や硫酸塩などさまざまな化学物質の影響なども考えられている。
 最新のディーゼルエンジンを開発している立場では、酸化触媒やディーゼル粒子フィルターで後処理することで、排ガス中のナノ粒子はほとんど除去できる。それでも取りきれない微粒子があり、その極わずかな部分の粒子の影響がはっきりしていないようだ。PM(粒子状物質)、NOX(窒素酸化物)発生を抑えるために、ディーゼルエンジンの精密制御を進めると、燃料は一定した品質が望ましいことになり、「DME(ジメチルエーテル)は理想的」というのも印象的だった。
 コープ低公害車開発は、生協というユーザー組織が自ら宅配車として使用する小型トラックの低公害化を進めるために発足。電気自動車の開発を始め、実用車としてのLPG自動車に行き着いた。さらに進め、日気サービスなどともに地球環境問題と経営コストとの低減からLPG気体噴射インジェクションシステム(VPI)を搭載した1・5トン積み小型トラックを今年10月に開発、発表している。
 シンポジウムの最後に、主催者であるコープ低公害車開発の若狭良二代表専務が、コープ低公害車開発の足跡を振り返るとともに、09年の「ポスト新長期」規制実施に伴い、小型トラックの分野では排ガス規制対応でディーゼル車両の価格アップが見込まれること、同時に燃料価格面などから考え、LPG(VPI)トラックのメリットが期待されると結んだ。


コープ低公害車開発、「車両低公害化推進のためのシンポジウム2005」講演要旨
2005/11/24, , 日刊自動車新聞, 20ページ, , 2498文字

▽ナノ粒子と健康への影響 東京理科大薬学部 武田 健教授
 化学物質の影響は、成獣より胎児のほうが、その影響が高いと考えられている。母マウスにディーゼル排ガスを吸わせ、胎仔(たいじ)や生まれた子マウスの雄性生殖系及び脳神経系への影響を検討した。
 その結果、ディーゼル排出ガス中のナノ粒子(超微粒子)が母マウスから胎仔に移行し、胎仔の脳血管や精巣血管を通り抜けること、その粒子は出生後も、子マウスの特定細胞の特定のオルガネラに蓄積された状態で残り、周辺の細胞に影響を及ぼす可能性も示された。
 暴露したディーゼル排ガスは、都内重汚染地域に匹敵する濃度ないしその10倍ほどの濃度である。観察された機能変化のうちナノ粒子がどこまで影響してるかは、今度の検討課題。ナノテクノロジー産業から生み出されるさまざまなタイプのナノ粒子についての研究も始めたところである。
     ◇
▽LPG車の普及と業界有志企業の取り組み 伊藤忠エネクス低公害エネルギー部 古田洋二部長
 LP(液化石油)ガスはPM(粒子状物質)の排出がないなど環境負荷が相対的に小さく、天然ガスとともにクリーンなエネルギーである。今年2月に京都議定書が発行し、温室効果ガスの削減が重要な課題として浮上しており、運輸部門でもクリーンエネルギー車の普及が求められている。
 環境問題は、地域環境のNOX(窒素酸化物)、PMから、地球環境のCO2(二酸化炭素)に移っている。LPG車も業界の率先した取り組みとCO2削減のエンジン開発が進めば、クリーンエネルギー自動車としての普及が見込める。
 このため、国の補助事業としてCO2削減効果のある先進型LPG車を開発。VPIシステムを搭載した車種の拡大も進める方向にある。さらにDME(ジメチルエーテル)とLPGの混合によるさらなる環境負荷低減も研究を始めている。
     ◇
▽排出ガスと燃費を高度化に向け精密制御が進む いすゞ中央研究所エンジン研究第一部 西村輝一部長
 エネルギーセキュリティーと地球温暖化対策の同時解決に向けて、排出ガスを悪化させずにあらゆるエネルギーを効率よく利用することが求められている。それを達成する可能性が高いのが、クリーンなディーゼルエンジンを開発することである。
 国内の規制との関連でみると、「ポスト新長期」と燃費低減を同時に達成することで、新燃焼技術領域の拡大と後処理措置の効率化が重要になっている。また燃焼制御、後処理制御を統合的に制御する技術の開発も必要になる。PMはDPFを取り付けることで、ほぼ取りきることができる。
 新燃焼では、EGRの精密制御により着火次期を一定に保つことなどが重要になる。これらの精密制御が進むことで、燃料品質も一定のものが望まれる。その点で合成燃料であるDMEは理想的なディーゼル燃料であるといえる。
     ◇
▽自動車保有の急増に伴い燃料が緊迫化、その対応が課題に 中国・全国清潔汽車行動協調領導小組専家組 王乗剛組長
 中国は04年に、年間507万4千台の自動車生産を行い世界第4位の自動車生産大国となった。国内新車販売台数も世界第3位のボリュームで、04年の保有台数は2742万台に達している。2020年までに自動車車の総需要は2千万台、総保有台数は1億5千万台を突破すると予測されている。
 急激な保有の伸びは、エネルギー供給の緊迫と大気汚染などの問題をもたらしている。自動車保有が1億5千万台に達すると、年間1億8千万トンの石油エネルギーが必要になる。燃費を平均25%上昇し、25%分を代替燃料でまかなうとしても、年間0・9億トンの石油が必要になる。
 このためハイブリッド自動車の導入や天然ガス自動車導入などいろいろな政策が取り組まれているが、国内の意見はなかなかまとまらない。現在、石油系自動車でディーゼルエンジンの割合が増えており、今後ディーゼル車の発展と代替燃料開発の2点が重要なテーマになる。
     ◇
▽DMEの都市バス開発、大量普及を目指す 上海交通大学・燃焼&環境技術センター  黄震教授
 中国の1次エネルギー自給率は94%に達しているが、自動車保有の増加に伴い石油消費が急速に拡大している。1人当たりエネルギー消費は、増長期に入っており、エネルギーセキュリティーの問題と環境負荷の低減という同時解決が求められている。
 政府は「乗用車燃料消費量規制」を今年7月1日付で実施。2020年までに、乗用車1台当たりの年間石油消費量は1トン(現在の3分の1)、自動車用燃料の需要を年間1億5千万トンとし、うち代替燃料を20%(3千万トン)などの目標を設定した。
 新燃料は、中国国内資源の活用が重要で、石炭をベースとしたCTL(石炭液化燃料)やバイオマス燃料が期待されている。DMEはディーゼルエンジン利用に適した代替燃料で、DME都市バスの研究・開発を進めており、上海万博をめどに大規模普及を目指している。
     ◇
▽韓国の自動車産業 韓国・仁荷大学 李大〓教授
 韓国では一時期LPG自動車が拡大したが、輸送用燃料課税の調整により01年から販売が鈍り、ディーゼル車が増加した。貿易摩擦の回避のために、燃料課税の2次調整が行われ、燃料の相対価格がOECD加盟国の平均値であるガソリン100対軽油85対LPG50になるように調整することを今年6月に決定し、調整が始まっている。
 LPG乗用車は一般の人は使えないが、タクシー車両はすべてオートガスを使っている。現代自動車とルノー・サムスンがLPG液状噴射システムを開発し、タクシー車両で供給している。06年7月に実施されるK〓ULEVをクリアするため、LPG気体噴射システムも開発された。
 ディーゼル乗用車に対する排ガス規制は06年からユーロ4になる。起亜自動車の「プライド」がユーロ4で今年5月に認証を受け販売を始めた。韓国メーカーは、輸出しているディーゼル乗用車を国内でも販売したいという要望が持っており、現代自動車、ルノー・サムスン、GM大宇とディーゼル乗用車の販売が始まっている。


ガス燃料自動車、相次ぎ新モデル
2005/11/22, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 1803文字

 低公害車として期待されるガス燃料自動車で、新商品の投入が相次いでいる。自動車メーカーが新型車投入やモデルチェンジに合わせ、ガス仕様車をラインアップするケースが増えており、販促イベントなども各地で開催されている。特に、最近の新型車では、クリーンな排ガスを維持しながら、エンジンパワーを向上させるなど実用面の付加価値も高まっている。これまでは商用車を中心に普及してきたガス燃料自動車だが、今後はマイカーなどに普及する可能性も出てきた。
 都市ガス業界の団体である日本ガス協会(安西邦夫会長、東京都港区)は、天然ガス自動車(NGV)の普及促進を目的に「天然ガス自動車ショー」を定期的に開催している。今年も9月下旬に東京・新宿で開催、最新の天然ガス自動車(NGV)や関連部品などを展示した。
 同ショーは、NGVの認知度アップと普及を狙いに、都市ガス業界が中心となって開催している。今回は3年ぶり、6回目となった。
 主な展示内容は、国内メーカー各社のNGV22台のほか、タンクや燃料噴射装置を始めとする関連部品で、車両については、軽自動車から普通トラック、フォークリフト、ゴルフカーなど多様なモデルが出展された。
 今回も自動車メーカー各社から最新の市販モデルをベースにしたNGV車が展示された。中でも三菱自動車は、「ミニキャブバンCNG車」を出展、軽自動車としては最大容量(81リットル)のタンクを装備し、実用性の高さをアピールした。また、部品関係ではケーヒンが新たな燃料噴射システムを出展した。インジェクターとドライバーユニット(制御装置)、レギュレーター(減圧器)など、システム構成品の全般にわたり、従来品より約30%の小型・軽量化を実現したほか、コスト競争力も一段と高めた。ホンダの新型「シビック」用に供給する予定。
 一方、LPG車についても、10月に開催された東京トラックショーやLPガス業界の展示会などで、新商品が相次いで公開されている。東京トラックショーでは、LPG自動車普及促進協議会が設置したブースにコープ低公害車開発(小林勉社長、横浜市港北区)が開発した最新の小型トラックが出展された。
 新型トラックは、日産自動車の小型トラック(1・5トン)をベースにLPG仕様に改造したもの。大手部品メーカー、ニッキの関連会社であるニッキソルテックが開発した最新インジェクションシステムである「VPI」を採用することで、性能を大幅に高めた。このインジェクションシステムは、LPGをガスの状態で噴射するため、従来のミキサー(キャブレター)方式に比べ、出力、トルクのダウンがなく、ガソリン車よりCO2(二酸化炭素)排出量は13%、NOX(窒素酸化物)は48%低減できるという。同社では、同様の車両を計5台製造し、新型車を導入した場合のCO2削減シミュレーションなども行う。すでに乗用車では搭載実績があるが、商用車では初の試みとなる。
 また、LPガス業界系のLPG自動車普及促進協議会では、一般ユーザー向けの展示会を今月上旬に開催した。会場の東京・豊島区の池袋西口公園には、国内外のメーカーから計13台のLPG車が持ち込まれた。ニッキソルテックのシステムを採用する日産自動車では、「ティーダラティオVPI」や「ティアナVPI」などのCNG乗用車を展示、国内では唯一、インジェクションを採用する強みをアピールした。また、LPG車先進国の韓国からは現代自動車が高級サルーンの「グランジャーLPI」を出展、来年以降の日本市場投入に意欲を示した。
 日本国内のガス燃料自動車の保有台数は、LPガス自動車が約29万台、CNG自動車が約1万1300台で、両者を合わせた保有比率は約0・5%。欧州各国や韓国など、普及先進国に比べ、非常に低いが、それだけに今後急速に伸びる可能性もある。
 国なども優遇税制や購入補助制度を通じ、普及促進に力を入れており、事業用車両(商用車)ではランニングコストや環境性能の高さが評価されている。今後の普及のカギを握るのは、マイカーや個人事業主向けの車両だが、従来は、走行性能や航続距離などでガソリン車に劣る点がネックとなっていた。将来的には直噴タイプのガスエンジンなど、より高度な技術開発も期待されるが、ここ数年の技術や商品動向を見る限り、本格普及につながる可能性も高まっていると言えそうだ。
(柳生 伸)


コープ低公害車開発、東アジア地域における自動車低公害化に向けたシンポジウムを開催
2005/11/11, , 日刊自動車新聞, 10ページ, , 646文字

 コープ低公害車開発は18日、横浜市港北区新横浜のユウホールで「車両低公害化推進のためのシンポジウム2005」を開く。中国、韓国でクリーン自動車開発の最先端に携わる研究者を講演者に招き、日・中・韓の東アジア地域における自動車低公害化に向けたシンポジウムになる。
 現在、CO2排出を抑制する内燃機関としてディーゼルエンジンが注目されている。その一方でナノ粒子による健康への影響がクローズアップされるとともに、低公害化要求のレベルアップや化石燃料の枯渇に伴う代替燃料のウエートが高まることも予想される。
 中国でDME研究に携わる上海交通大学の黄震教授、中国・全国清潔汽車行動協調領導小組の組長を務める精華大学の王乗剛教授が、中国での最新の研究開発状況やクリーン自動車の普及方策の最新情報を報告。また韓国からは自動車工学・低公害自動車研究の第一人者である李大〓教授が韓国の低公害自動車にかかわる最新情報と研究成果を報告する。
 日本からはいすゞ中央研究所の西村輝一部長が、DMEやGTLを含めたディーゼルエンジン研究の最前線について講演。また、資源エネルギー庁の研究事業として進められているLPGの高度化調査やDMEとLPGの混合燃焼についての最新情報が披露される予定だ。
 有料のシンポジウムで参加費は1人9千円(資料代、昼食代含む)、協賛団体・シンポジウム後援団体同7千円。詳細はホームページ(http://web.co-opev.co.jp/)に掲載。問い合わせはTEL045―472―7913。


CNG、LPG利用の低公害車、燃料噴射系新技術が相次ぎ実用化
2005/11/01, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 1155文字

 圧縮天然ガス(CNG)や液化石油ガス(LPG)を燃料とする低公害車で、燃料噴射系の新技術が相次いで実用化されそうだ。装置の小型・軽量化やエンジン出力の向上などが主な特徴で、ガス燃料自動車の普及に伴い、通常のガソリン車などと同等のニーズが高まっていることに応えた格好。部品メーカーを中心に新技術の製品化は進んでおり、一部の製品は、市販車への搭載も決まった。
 ガス燃料による低公害車としては、商用車を中心にCNGとLPG方式の二種類が普及している。既存のエンジンを改良し、ガス燃料に適応させる技術は、早くから確立されているが、燃料供給インフラやエンジン出力、航続距離などの課題は少なくない。
 こうした中、ガス燃料エンジンの性能向上を目指し、燃料噴射装置の改良、新技術開発が活発になっている。
 コープ低公害車開発(小林勉社長、横浜市港北区)は、LPG車最大の弱点であったエンジンパワーの脆弱(ぜいじゃく)さを克服した先進型LPGトラックを開発した。
 新型トラックは、日産自動車の小型トラック(1・5トン)をベースにLPG仕様に改造した。ニッキの関連会社が開発したLPガスを気体にして噴射する最新インジェクションシステムを採用することで、性能を大幅に高めた。従来のガスミキサー(キャブレター)方式に比べ、出力、トルクのダウンが無く、ガソリン車よりCO2(二酸化炭素)排出量は13%、NOX(窒素酸化物)は48%低減できる。同社では、同様の車両を計5台製造、新型車を導入した場合のCO2削減シミュレーションなども行う。
 LPG車の燃料噴射装置に関しては、愛三工業も次世代システムを開発、第39回東京モーターショーで公開した。コープとニッキの方式と同様、気体噴射方式により、高出力と低公害を両立させた。小型トラックをはじめ、タクシー車両などをターゲットに自動車メーカーへの拡販に注力する。
 一方、CNG用では、ケーヒンが新たな燃料噴射システムを実用化した。インジェクターとドライバーユニット(制御装置)、レギュレーター(減圧器)など、システム構成品の全般にわたり、従来品より約30%の小型・軽量化を実現した。また、コスト競争力も高め、より廉価なシステムを目指している。ホンダが新型「シビック」シリーズに追加設定するCNG車向けに供給する。
 日本国内のガス燃料自動車の保有台数は、LPガス自動車が約29万台、CNG自動車が約1万1300台で、両者を合わせた保有比率は約0・5%。欧州各国や韓国など、ガス燃料車の先進国に比べ、非常に低く、今後、急速に伸びる可能性もある。高圧ガスの取り扱いなど各種規制や燃料供給インフラなどの課題はあるが、今後の技術革新で、ガソリンやディーゼル車などとの垣根が下がる可能性は高い。
(柳生 伸)


東京トラックショーに10万人来場
2005/10/21, , 交通新聞, 2ページ, , 702文字

 最新鋭のトラック百五十台と関連用品などを集めた「2005東京トラックショー」が十二日から四日間、東京都内で開かれ、物流・自動車業界の関係者ら十万人以上が来場した=写真=。
 東京・臨海副都心の東京ビッグサイトを会場にトラックに絞った展示会は今回で十二回目で、展示内容が競合していた東京モーターショー(商用車)が昨年の三回目で打ち切りになったことから、トラック関係の出版社が主催し、全日本トラック協会が後援するこのショーが唯一の展示会になった。テーマは"笑顔を運ぶ まちに暮らしにユーザーに"で、軽トラックから超重量級のトレーラーまで約百五十台のトラックを公開。トラック業界は軽油価格の高騰とともに荷主企業による運賃切り下げ、環境・安全に対する規制強化といった厳しい状況下に置かれており、そうした経営環境への対応に向け燃費改善や業務効率化を支援する新車が数多く出展された。
 初日の十二日はLPガス自動車普及促進協議会が主催するセミナーが開かれ、国土交通省総合政策局環境・海洋課地球環境対策室の寺田吉道室長が「改正省エネルギー法と自動車保有者に対する影響」のタイトルで講演。また、全国の生活協同組合で使用するトラックを製作するコープ低公害車開発が、商品配送用に開発した低公害トラックを展示し、ユーザーによる環境負荷軽減策として来場者の注目を集めた。
 併せて、会場では一九六〇年代のトラックが勢ぞろいする「クラシックトラック展」とともに、エンジンと電気モーターを組み合わせて走るハイブリッドトラックの体験運転コーナーといった多彩なアトラクションのメニューが用意され、一般来場者や自動車ファンの関心を集めていた。


日気サービスなど3社、電子制御気体噴射システムを採用したLPGエンジン搭載トラックを開発
2005/10/20, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 1867文字

 電子制御燃料噴射システムを採用したLPG(液化石油ガス)エンジンを搭載した小型トラックが開発された。LPGは、ガソリンなどに比べてエネルギー消費原単位が小さく地球環境に優しいエネルギーといわれるが、日本国内では燃料供給系を改善し、二酸化炭素(CO2)排出を削減することが課題になっていた。 (論説委員・青山信一)
 開発に取り組んだのは、日気サービス(野澤信吾社長、東京都板橋区)、伊藤忠エネクス株式会社(山田清實社長、東京都目黒区)、コープ低公害車開発株式会社(小林勉社長、横浜市港北区)の3社。
 資源エネルギー庁の05年度補助事業により、先進型LPガス自動車によるCO2削減効果と技術可能性についての実証調査を行ったものだ。
 調査事業は、5車種のガソリン自動車を先進型LPG自動車に改造、CO2削減効果を調査するもので、調査車両の一つに、全国の生活協同組合が配送車両に採用している1・5トン積載小型トラックを挙げていた。
 実験では、日産アトラス10(ガソリン車)に、日産特販とニッキソルテックが共同開発したVPI(電子制御LPG気体噴射=インジェクションシステム)を搭載し、先進型LPG自動車に改造した。ベース車両のガソリンエンジンと同等な出力性能を保ちながら、大幅なCO2削減を実現している。
 従来のLPG車改造技術であるミキサー方式(ガソリン車でのキャブレター方式と同等)では、パワーダウンがネックであったが、気体噴射のインジェクター方式にし、電子制御することで、気体燃料であるLPGの良さが引き出され、従来のガソリン車と同等の出力と排出ガスのクリーン化、CO2削減を可能にしている。ニッキソルテックのVPIシステムは、高級セダンの「ティアナ」や「ADバン」にも採用、LPGを気体で噴射する先進型LPG自動車へ改造されている。
 ベース車の日産アトラス10(エンジン排気量2千cc、AT車)を改造前と改造後に10・15モードで測定し比較した結果、走行1キロメートル当たりのCO2排出量は、289・0グラムだったものが251・7グラムとなり、13%減の削減効果が実証された。また、NOX(窒素酸化物)も同じく0・019グラムから0・010グラムへと、48%減という大幅な削減効果が得られたという。
 実証データでは、1・5トン積クラスで全国の生協が使用しているディーゼルトラックや従来方式のLPG改造車トラックと比較しても、最新技術により改造したアトラスVPIは、大幅にCO2排出の面での性能を上げている。
 ちなみに排出量を燃費に換算すると、アトラスVPIは1リットル当たり4・76キロメートルとなり、走行1キロメートル当たりの燃料代は13・65円(LPG価格65円/リットルで試算)となる。排気量3・1リットルのディーセル車は1リットル当たり7・00キロメートルとなるが、走行1キロメートル当たりの燃料代は15・00円(105円/リットルで試算)となるというデータをコープ低公害車開発は公表している。
 全国の生活協同組合は、93年にLPGトラックをトヨタ自動車と共同開発し、導入を進めた。その後、主要小型トラックメーカーから供給を受け、現在、使用トラックの35%強に当たる5400台がLPG車になっている。
 ただし、現行のミキサー方式によるLPG改造車は、気体燃料を使うという面での優位性はあっても、始動性とともに燃費が悪く、使用する現場から高い評価を得ているものではなかったのが実情だ。今後、生協では新システム採用のLPGトラックの優位性をアピールし、普及の中心に据えたい考えだ。走行試験を行い、来年初頭には発売を開始する予定である。改造費などでベース車に対して35万〜40万円程度のコストアップになる。 
 なお、このアトラス10のVPI改造車は、同様のシステムを搭載したティアナなどとともに東京ビッグサイトで開かれた「東京都トラックショー2005」に参考出品された。軽油と価格体系が違うため、LPGの価格は値上がりが抑えられていることもあり、昨今の軽油高の中で、運送業者からも注目を集めていた。
 先進型LPG自動車は、液噴インジェクションのものもあり、欧州、韓国で実用化されている。液噴タイプに比べ、気噴タイプは燃料タンク内に加圧用のポンプを必要としないなど構造的にシンプルで、所定性能を引き出せるメリットがある。このため、現在、改造車の販売に取り組んでいる日産特販は、気噴タイプの「VPIシステム」を主力とすると話している。


コープ低公害車開発、CO2排出13%削減のLPガストラック開発
2005/10/14, , 日刊工業新聞, 5ページ, , 309文字

 コープ低公害車開発(横浜市港北区、小林勉社長、045・472・7913)は、伊藤忠エネクス、日気サービス(東京都板橋区)と組み、ガソリン車に比べ二酸化炭素(CO2)排出量を13%削減したLPガストラックを開発した。ガソリン車をLPガス車に改良したもので、06年初頭には商品化する計画。生活協同組合で導入を加速する方針。改造した小型トラックは「日産アトラス」をベースに、電子制御LPG気体噴射(インジェクション噴射)を搭載、燃料をガソリンから環境負荷が小さいLPGに切り替えることで、CO2排出量を抑制する。
 全国の生協では94年以降、低公害車への切り替えを進めており、現在までに5423台(転換率35%)を達成している。


コープ低公害車開発、先進型LPGトラック開発
2005/10/14, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 443文字

 コープ低公害車開発(小林勉社長、横浜市港北区)は、エンジンパワーの向上と排出ガスの低公害化を両立した先進型LPG(液化石油ガス)トラックを開発したと発表した。LPG用の電子制御気体燃料噴射を採用したことで、ガソリンエンジンと同等の出力、トルクを確保しながら、有害ガスを大幅に削減できるとしている。
 資源エネルギー庁の助成を受け、先進型LPガストラックの実証調査にも取り組む。
 新型トラックは、日産自動車の小型トラック(1・5トン)をLPG仕様に改造した。燃料ガスを気体で噴射する最新インジェクションシステムを採用することで、性能を大幅に高めた。従来のガスミキサー(キャブレター)方式に比べ、出力、トルクのダウンがなく、ガソリン車よりCO2排出量は13%、NOxは48%低減できる。
 また、先進型LPガストラックの実証調査は、日気サービス(野澤信吾社長、東京都板橋区)と伊藤忠エネクスと共同で取り組み、同様の車両を計5台製造、新型車を導入した場合のCO2削減シミュレーションなどを行う。


第2回アジアDMEフォーラム 生産の現状や開発状況について報告 普及に向け知恵を絞る
2005/09/29, , 日刊自動車新聞, 20ページ, , 2755文字

 第2回アジアDMEフォーラムが、中国・上海市にある上海交通大学を会場に9月18日から20日まで開かれた。日・中・韓を中心に100人を超える関係者が集まり、DME生産の現状や応用技術の開発状況について報告を行うとともに、普及に向けた課題について意見交換した。
 DME(ジメチルエーテル)は、日本ではディーゼル自動車の排出ガスをクリーンにする低公害燃料として、応用技術の開発が進んでいる。一方で、DMEに対する期待は、フォーラムに参加した国や地域によってずれがある。
 DMEは合成プロセスが簡単で、低コストであることから中国、韓国などでは昨今のエネルギー価格の高騰に対して、供給不足を緩和する新しい燃料としての期待が強い。また、欧州は地球温暖化防止という視点で、バイオガスをDMEに転換し、循環型エネルギーとして利用するプロセスを開発している。
 今回のフォーラムのホスト役を務めた上海交通大学は、黄震教授を中心に排出ガスによる大気汚染を防止するという視点で、上海市内を走るDMEバスの開発を進めてきた。プロトタイプの都市バス開発が完成しており、この報告を今回のフォーラムで行った。
 一方で、中国国内では安価な民生用燃料としてDMEへの期待が高まっている。日本と中国の大きな違いがここにあり、日本では工業用の需要にとどまっているものの、すでに中国で燃料としての供給が始まっている。実際、燃料供給しているいくつかのプラント建設も進んでおり、山東省臨沂市にある山東久泰化工科技股〓有限公司は、さらに大規模に供給する計画を今回のフォーラムで報告した。
 中国のDMEプラントは、天然ガスや石炭ガスを原料に合成したメタノールから脱水プロセスを経て、DMEを生産している。プラント建設が進む背景には、化石燃料の高騰がある。天然ガスは、インフラ整備が必要で維持コストもかかることから、北京、上海などの大都市や天然ガス産地以外では、民生用燃料にLPG(液化石油ガス)を使うところが多い。
 こうした民生用LPGに安価なDMEを混入し、いわば燃料の水増しをしながら燃料コストの上昇を抑えている。中国国内で生産されるLPGは精製精度が低く、パラフィン分などを多く含んでおり、質の悪いLPGを効率的に燃焼させるためにDMEを混入することが効果的だそうだ。
 合成プラントを造った企業は、DMEの大量供給を目指しており、その需要先として自動車燃料へ高い関心を持っている。韓国でも、韓国ガスなどが同じような視点でDMEへの関心を高めており、2010年には日量3千トンのDMEプラントを稼働させる計画を進めている。
 いずれにしても東アジア地域で、高まるエネルギー需要にクリーンなエネルギーを供給することは今後の大きな課題になっている。とりわけガソリン、軽油に大きなウエートを置く自動車燃料を何によって代替していくかが問題で、未確認ながら山西省では、ガソリン、ディーゼルにメタノールを混入したものが燃料として供給されだしている。
 中国ではエネルギー政策が一様ではなく、中央政府のコントロールも利かなくなっている。上海市のDMEはその好例で、中央政府のある北京市はタクシーではLPG車がガソリン車に切り替わり、バスでは天然ガス車の導入が進んでいる。国産LPGの質が悪いため、LPGの普及をあきらめた格好だ。
 さらに各省のレベルでは、地域のエネルギー需要をどのような手段で賄うかが課題になっている。地域の実情に応じた解決策を求めて、自動車燃料を含めた民生用の分野では、DMEに限らず急速な利用エネルギーの多様化が進み出しているようだ。
     ◇
 今回のフォーラムで、日本からはコープ低公害車開発が事務局となり、タスクフォースを組んで取り組んでいるDME自動車普及に向けたDMEスタンド設置も含めた開発・実用化実験の状況と、関連した経済産業省系の産業総合研究所によるDME自動車の開発状況などを報告した。
 これとは別のプロジェクトとして、国土交通省系の交通安全環境研究所が日産ディーゼルと共同で進めたGVW(車両総重量)20トンのDME大型トラック開発も報告された。後処理技術を加えて、ポスト新長期のディーゼル車排出ガス基準を達成しているというディーゼル車の低公害化対策では高レベルに仕上がっている。
 また、製造関係に関しては、JFEが完成させたDME直接合成法についての発表を行った。メタノール合成プロセスを経ないため、プラントとしても効率的で合成効率も高い。
 低公害性に着目してDME自動車を走らせるという点で、日本は高い技術水準に達している。中国側の発表などは排出ガス規制の面では、NOXレベルで日本の長期規制に匹敵する「ユーロ〓」レベルをどうクリアするかが課題になっている。こうした技術差は歴然としているものの、日本では現時点で輸送用エネルギーとしてDMEの安定供給が見込めないという欠陥がある。
 天然ガス資源をわずかな投資で液化し、大量に長距離輸送するためにはDME合成は最も有効な手段だが、日本の場合はLNG(液化天然ガス)で輸入し、国内供給するというインフラが整備されている。既存のエネルギーインフラがあることが、ひとつの障壁になっている。
 新燃料の商業化は、一定の消費量が見込めなければ踏み切れないが、消費量を確保するには経済的なメリットなどが必要になる。しかもインフラがすでに整っている燃料との比較で、メリットを測られる場面が多くなる。だから踏み切れないのだが、燃料の供給が見込めなければ、自動車開発そのものも、かつてのメタノール自動車同様に頓挫する可能性は高い。
 その一方、中国では天然ガスのパイプライン整備やLNG基地の建設なども進んでいるが、国土に対しては未整備な状況になっている。自国内の石炭資源有効活用を含めて、固定されたインフラが整っていない分、DMEは有効な選択肢のひとつになる。
 さらに発展するエネルギーを感じる点は、日本では実験段階にあるDME自動車を実際に走らせてしまっていることだ。構造基準などが作られているわけではないが、軽油、LPGに混入したり、ガソリン車のバイフューエル燃料として利用する方向で実用化技術の開発を進め、実際に走らせている。
 DMEの普及促進というフォーラムの一致した願望の中で、中国側は日本の高い技術力に期待を寄せる一方、実用化の進展では壁に囲まれている日本側は、中国での利用が進展することで壁がうち破られること、特に日本の自動車メーカーに、中国という市場との対比でDME利用技術の重要性を認識させたいという思いがにじみ出た。次回DMEフォーラムは来年韓国で開かれる。
(論説委員 青山信一)


(環境リポート)日仏クリーンカーセミナーでDME中心に日仏の連携模索
2005/09/22, , 日刊自動車新聞, 16ページ, , 1915文字

 フランス経済財政産業省と日本貿易振興機構(JETRO)が共催した「日仏クリーンカーセミナー」は、燃料技術開発、自動車開発の両面で日本とフランスの連携の道が模索された。仏エネルギー大手のトタル社は、クリーン燃料のDME(ジメチルエーテル)を2010年から供給する計画を進めているという。日本ではDME自動車の開発が済んでいる。普及の可能性はあるのか。
 セミナーは9月5日に東京・港区赤坂のジェトロ東京本部で行われた。
 フランスからは経済財政産業省企業総局長のルック・ルソー氏、トタル社北東アジア代表のユベール・ド・メスティ氏、ルノートラック(ボルボ)エンジン開発部長のジャン・ポール・ファヨール氏らが講演した。
 日本側は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)エネルギー技術開発部の大坪勝治氏、コープ低公害車開発代表専務の若狭良治氏が出席した。
 フランス政府は、企業の国際競争力を強化するため産・官・学連携による技術革新を進めることを基本にした産業政策に本腰を入れて取り組んでいることをアピールした。
 今年7月からは、リヨンの「トラック・バス2015年計画」、アルザス地方の「クリーンカープロジェクト」を政府として産業クラスターに認定し、予算の重点配分や研究開発にかかわる優遇税制を設けるなど、クリーンカーの技術育成についての取り組みを強化している現状にある。その中でDMEは一つのキーテクノロジーになるようだ。
 リヨンのトラック・バスプロジェクトには、ルノートラックも参画している。将来のパワートレーン開発から着手し、よりクリーンで、安全かつ効率的な都市型車両の開発を進め、08年から11年にかけて将来のトランスポーテーションシステムとしてまとめ上げていく。
 研究開発の目標として、粒子状物質(PM)と窒素酸化物の大幅な削減とともに、騒音の低減も進める計画だ。また、米国ではEGR(排気循環装置)によるNOXコントロールを行うが、ヨーロッパではSCR(選択還元触媒)でコントロールする方向にあるという。
 こうした中でボルボは、DMEトラックを開発している。ディーゼル燃料は今後の20年間、支配的な燃料であり続ける。天然ガスやバイオガスは地域的に使われることはあるものの、さらに将来の燃料を考えたときDMEが有力な自動車燃料になるとみている。
 一方、トタル社によると、DMEが最もクリーンなディーゼル代替燃料だという見方をしている。GTL軽油やバイオディーゼルなどのディーゼル代替燃料は、セタン価は高いが、PMなどの除去が必要になる。
 現在、同社はLNG(液化天然ガス)の大規模供給者だが、天然ガスをさらに大量に供給するためにDMEへの関心を高めているという。簡単に液化できる性質を持つため、貯蔵や輸送が経済的で、LNGほどの大規模投資を必要としないことも魅力となっている。含酸素燃料であるため、PM排出がゼロで、最もクリーンなディーゼル代替燃料として普及する可能性が高いとみている。
 このため同社は、日本で取り組まれているDME合成技術の開発プロジェクトに参加し、技術動向を見守っている。DME自動車の車両開発などへも高い関心を示している。さらに現在、中東地域でDMEの大規模生産について企業化調査を進めていることを明らかにし、10年から日本及びアジア市場に供給する計画を持っている。
<日本側の技術開発動向>
 日本では、DMEはハイブリッドなどともに、ディーゼルクリーン化のオプションの一つとして取り組まれている。
 NEDOが支援しているクリーンディーゼルプロジェクトは04年に始まり、08年にかけてクリーンディーゼルエンジンの開発、GTL軽油ディーゼル開発、排ガス浄化システムの開発に取り組んでいる。ターゲットとしているのは、新長期規制の規制値に対し、NOXで10分の1、PMで2分の1にすることだ。
 DME自動車開発のコンソーシアムの中心にいるのが、コープ低公害車開発だ。配送車両の低公害化を進めるため、電気トラックの開発をスタート、実用性を求めてLPGトラックの開発に行き着いたこと。将来的にクリーンディーゼル燃料として期待できることから、現在、DMEの開発にかかわっている。
 DME自動車は、02年にJFEが開発したいすゞのエルフベースの改造車、いすゞが開発したDMEバスなどがある。また、交通安全環境研究所のトラックなどはポスト新長期の基準を達成したものもある。燃料供給面では、独自のDMEスタンドの開発が完了しているほか、DMEのローリーも開発が完了していることをコープ低公害車開発は、プレゼンテーションした。


交通安全環境研究所がDME大型トラックのデモ走行
2005/08/11, , 日刊自動車新聞, 10ページ, , 1228文字

 交通安全環境研究所は、埼玉県熊谷市の同研究所自動車試験場で車量総重量(GVW)20トンのDME(ジメチルエーテル)大型トラックのデモ走行を行った。中・小型トラックの分野では、コープ低公害車開発や経産省系の産業技術総合研究所などによるDME自動車実用化研究開発グループによる実用化テストが進んでいる。安定的な燃料供給が確保できれば、DMEトラックは実用域に向かっている。
 交安研のデモ走行は、8月2日に行われた。同トラックは国土交通省の次世代低公害車開発促進プロジェクトで取り組まれ、昨年のモーターショー(トラックショー)でも交安研のブースで展示されていた。
 直列6気筒、総排気量6・9リットルのDMEエンジンは、インタークーラーターボ付きで、最高出力は199キロワット/2700回転。大量EGR(排気循環)システムと専用の排気後処理システムの開発により、排ガスの大幅なクリーン化を達成した。
 交安研は同トラックについて、年内に大臣認定を取得し、公道走行試験を行う計画を立てており、これに向けてのデモンストレーションになる。
 新長期規制と同じ測定方法による排出ガス試験(JE―05モード)では、NOX(窒素酸化物)は0・11グラム/キロワット時で、新長期規制の規制値の20分の1レベルを達成。PM(粒子状物質)については0・001グラム/キロワット時と、新長期の規制値に対し20分の1以下のレベルに達した。09年に実施予定のポスト新長期の規制値も大幅にクリアする結果となった。
 排出ガスのクリーン化は、まず大量EGRを採用し、酸素と燃料が結び付きやすい環境で、温度を抑制しながら燃焼させることで、NOX生成を抑制する。吸蔵還元型のNOX低減触媒と2個の酸化触媒により構成する排気後処理システムで、クリーンアップする。還元剤には燃料として搭載するDMEを使用し、NOX低減触媒の入り口で吹き、溜め込んだNOXをNO2やCO2に変え、無害化する。還元剤として噴射するDMEの未燃分などをNOX低減触媒の後方に配置された酸化触媒で取り除く。
 走行性能面では、開発に協力している日産ディーゼル工業のテストコースで行った試験で、0〜200メートルの発進加速性能が、通常のディーゼルトラックとそん色ないことが確認されている。
 エンジン排気量は6・9リットルで、最大積載量10トンの大型トラックに対しては小さめのエンジンとなるが、DMEエンジンは中低速のトルクがベースとなったディーゼルエンジンに対し高めになる。燃料にPMになる成分がほとんどないため、負荷をかけることに強く、非力感を与えることはないという。
 171リットル入りの燃料タンク2個を搭載、排ガス試験時のデータで計算すると、満タンの燃料搭載で627キロメートルの走行が可能になる。今後、フル積載時、半積載時、空荷時などさまざまな条件での走行性能や実燃費などの計測を行うため、公道走行実験に取り組むことになる。


DMEの実用化研究開発、実用化試験進む=エルピーガス振興センターセミナーから
2005/08/11, , 日刊自動車新聞, 10ページ, , 1694文字

 自動車燃料としてDME(ジメチルエーテル)を実用化するための研究開発、実用化試験が進んでいる。窒素酸化物(NOX)、粒子状物質(PM)の排出規制強化の中で軽油ディーゼルの代替エンジンとして注目される一方、バイオマス燃料をDMEに混入することで二酸化炭素(CO2)の排出抑制にもつながる。供給インフラは、LPガスの供給インフラで十分対応できる。あとは安定供給を待つばかりなのか、実用化の現状をエルピーガス振興センターが主催したセミナー「DME燃料の普及促進について考える」からまとめた。
 DMEは、天然ガスなどから合成ガスを経て製造される液化ガスで、いったんメタノールを合成し、脱水プロセスを経て合成する方法と、直接合成する方法がある。直接合成法は高効率だが、需要先が確定していない段階ではプラント建設は難しい。中国ではメタノール工業製品の原料として使われることから、需要先の多いメタノールを合成、付帯設備としての輸送燃料用のDMEプラントを作る方向にある。
 一般的にはDMEは、天然ガスから合成する。輸送効率のために天然ガスを液化する施設、LNGプラントの建設が採算に合わない中小ガス田を有効利用できる可能性がある。また瀝(れき)青炭など粗悪な石炭をガス化し、クリーンなエネルギーに転用することができる。このほか重質油・タール、有機性廃棄物、バイオマスを原料に合成することも可能だ。
 三菱重工は、バイオマスからDMEを合成する技術開発する研究を進めてきた。このバイオマスガス化液体燃料(DME)プロセスにより、100万人都市で、1日100トン程度の街路樹剪定(せんてい)材から年間9千トンのDMEを合成、自動車1万台分の燃料(年平均走行距離1万キロ)を得ることも可能だという。
 またエルピーガス振興センターは、経済産業省からの委託事業としてDME燃料実用化基盤実証試験研究に取り組んできた。その結果、輸入から産業用需要家レベルまでのLPガスインフラをDMEに転用することが十分可能だと結論付けている。課題は施設改造にかかわるコスト低減と家庭用分野での安全性を含む技術的検証にある。
 輸送分野の技術開発は、現在は、中国で盛んに取り組まれている。今年5月に中国DMEフォーラムが、DMEを使用燃料とする都市バスを完成した。上海交通大学と上海汽車工業公司が中央政府の支援を受けて開発を進めたもので、上海申沃バス有限公司や上海ディーゼルエンジン有限公司などがプロジェクトに協力している。
 06年から07年にかけて30台ほどのDME都市バスを製作し、臨沂市で走行させるなどの計画も進んでいるようだ。
 このほか、DMEバスはデンマークで「スカンジナビアンバスプロジェクト」としてユーロ4をクリアする大型バスの開発プロジェクト行われた。米国でもペンシルバニア州立大学で02〜03年度にかけて大学内のシャトルバスをDMEで動かすデモ走行が行われた。
 DMEトラックの開発も韓国、デンマークで取り組まれている。ロシアでは軽油とDMEのバイフューエルエンジンを搭載したトラックの走行試験が行われてもいるそうだ。
 日本では90年代後半に高効率クリーンエネルギー自動車の研究開発やDME自動車の評価事業として取り組まれはじめ、JFEフォールディングス(旧NKK)がレトロフィットによる2トン小型トラックを形にした。同時にDME中型バスの研究開発(交通安全環境研究所、いすゞ自動車)、総重量8トンDMEトラックの開発(コープ低公害車開発、産業総合研究所、伊藤忠エネクスなど)などが取り組まれ、現在に至っている。
 ディーゼルエンジンをDME用に改造するのだが、産総研によると、べースエンジンとの比較で、全エンジン回転領域で軸トルク、エンジン出力がアップし、排ガス性能も大幅に改善している。
 現段階では実用化に向けた自治体などが加わった実証実験が計画されているほか、DME燃料の規格化や技術基準の策定が進められている段階にある。今後、DMEにバイオマス燃料を混合することで、CO2低減につながる可能性も出てきている。


テクノロジー最前線−新エネルギー−新燃料のトラックを実際に利用 高い排出ガス性能、低価格化が強み−[ジメチルエーテル(DME)]
2005/07/08, , 日経エコロジー, 53ページ, 有, 1445文字

文/斉藤勝司 科学ジャーナリスト
 ガソリンや軽油と比較して、環境負荷が少ない燃料として注目を集めているジメチルエーテル(DME)。JFEグループが中心になり、既に北海道で天然ガスを原料にした日産100tの実証設備を稼働させ、大量生産に向けて準備を進めている。しかし、一方の用途開拓となると、とても十分とはいえない。
 そこで、JFEホールディングスなどが参加する実用化グループ(脚注参照)は、自動車用途を開拓するため、今年2月から3.5t積みのクレーン付きDMEトラックをJFEの東日本製鉄所(川崎市)の構内で活用し始めた。鋼材搬送用のロープの回収作業に使う。国内4カ所目のDMEステーションも川崎市に開設した。
 DMEは、天然ガスや石炭、発酵メタンガスなどを分解した、水素と一酸化炭素を原料にして化学合成する。硫黄を全く含まないことから、燃やしても硫黄酸化物(SOx)が発生せず、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)もほとんど排出しない。
 発電用燃料や家庭用都市ガスの代替などが想定されているが、JFEホールディングスは、軽油に代わるディーゼル車の燃料としてDMEの普及を狙っているわけだ。
 JFE技研機械研究部の林宏優主任研究員は、「ディーゼル車の排出ガス規制の強化がDMEの普及に追い風になる」と指摘する。
 今年10月から始まる新長期規制(NOx2.0g/kWh以下、PM0.027g/kWh以下)に続き、2009年にはポスト新長期規制(NOx0.7g/kWh以下、PM0.01g/kWh以下)が導入される見込み。さらにNOxにはポスト新長期規制の3分の1の挑戦目標もある。
 規制強化に対して、トラックメーカー各社は排出ガス浄化技術を開発中だが、NOxとPMが共に少ないDMEの利点は大きいようだ。
 「今回のトラックは、いすゞ自動車の中央研究所が開発したもの。新長期規制だけでなく、ポスト新長期規制にも十分対応可能な潜在能力がある(上の図中の〓)」と林主任研究員は説明する。
 さらに、国土交通省の交通安全環境研究所が開発したDMEエンジンは、ポスト新長期規制に加えて、その挑戦目標も達成している(NOx0.11g/kWh:図中の〓)。これは、あくまでもエンジン単体のテストだが、DMEの将来性を期待させる結果だ。
 2009年以降における自動車燃料の選択の際、この排出ガス性能はDMEの大きな強みになるだろう。もちろん新しい燃料の普及には燃料供給インフラの整備が課題になる。まだインフラ整備に向けての具体的なシナリオは見えていないという弱みもある。
 「ただ、DMEを海外で生産して輸入すれば、2009年以降には、タクシーなどに使われている液化石油ガス(LPG)並みの低価格を実現できるだろう。小売価格は軽油よりも安くなると思う」と、林主任研究員は価格面での優位性も強調する。
 DMEの排出ガス性能と低価格化への可能性をアピールしながら、トラックなどでの実用化推進を自動車メーカーに訴えていく。
世界一厳しい新規制クリア
さらに挑戦目標も達成
●ディーゼル排出ガス規制と
DMEトラックの性能
図中の〓はクレーン付きDMEトラック(下)の排出ガス性能。〓、〓はバスと総重量8tのトラック。〓は国交省の研究所が開発している低公害エンジン単体の排出ガス性能
実用化グループ:正式名称はDME自動車実用化研究開発グループ。JFEホールディングスのほかコープ低公害車開発、産業技術総合研究所など9法人で形成


DME車、実用化へ最終段階
2005/02/22, , 日刊自動車新聞, 18ページ, , 2087文字

 軽油の代替として期待されるDME(ジメチルエーテル)を燃料とする自動車の実用化が最終段階に入った。コープ低公害車開発(小林勉社長、神奈川県横浜市)、JFEホールディングス、産業技術総合研究所など9法人が参画し、新燃料のDMEによる低公害車の実用化に取り組むDME自動車実用化研究開発グループは、新たに「クレーン付きDMEトラック」を開発、神奈川県内での事業用試験を開始した。DME車としては初めて、実際の荷役業務に使用、経済性や安全性の検証データを収集する。浮遊粒子状物質(PM)排出がゼロで、排気ガス中の有害物質も少ないDME車は、これからの商用車に最適な素質を持つが、コスト低減や新たな環境要請への対応という課題もある。
 次世代の燃料として期待されるDMEは、低毒性の有機化合物で、化学的にはメタンやメタノールと似ているが、常温下で容易に液化できる点など、物性としてはLPG(液化石油ガス)に近い。すでにフロンガスの代替品として、塗料や化粧品、農薬のスプレー噴射剤として広く利用されている。
 自動車燃料として注目されたのは、ディーゼルエンジン内での着火性を示すセタン価がLPGの10倍以上、軽油と比べても高いことが最大の要因。また、分子構造上、PMが全く発生しないという優位性のほか、天然ガスや石炭、バイオマス(家畜ふん尿等)などからの製造が可能で、他の燃料のように石油産油国に依存せずに調達できるメリットも注目されている。さらに、流通・供給のためのインフラも既存のLPG施設に準ずる部分が多く、比較的低コストで整備できる。現在の世界需要は年間約15万トンだが、海外では新たな生産設備も増えており、日本でも08年をめどに燃料用途のDME輸入が本格化する見通しだ。
 DMEを燃料とする車両の実用化研究は、01年にスタートした。小型トラックなどでは、事実上、燃料タンクを変えるだけで良好な性能を示すほどマッチングしていたが、ホースやシール類に多用されているゴムを溶解するという弊害があった。このため、当初は小型トラック向けのレトロフィットでの実用化を目指し、燃料供給系の耐久性アップが研究された。
 研究体制は、トラックユーザーや石油業界、行政による官民一丸の取り組みで、包括的な計画が策定されている。計画の全体像は、まず既存車両を改造する「レトロフィット対応DMEディーゼル自動車の早期実用化研究開発」(01〜02年)、次いで、「中大型DME自動車の実用化研究開発」(02〜03年)、「DME自動車の実用化フリート試験研究開発」(03〜04年)という三つのプロセスで構成されている。
 1号車の開発は01年で、いすゞ中央研究所が路線バスをベースに開発した。02年にはJFEスチールが2号車を開発、国土交通大臣の認定を受け、一般道路を走行できるようになった。その後も、研究目的の開発が続き、他のグループが開発した大型トラックを含め、計6台のトラック、バスが完成している。
 こうした中、今月15日には、新たに「クレーン付きDMEトラック」を開発、実際の事業用車両としての使用を開始した。フリート試験の最終段階として、DME普及モデル特区に認定されている神奈川県京浜臨海地域で導入、物流会社において、月間走行1200キロメートル程度の資材回収・運搬に使用する。これにより車載クレーンを装備した実用性の高いDMEトラックとして、実際の業務に使用、検証の精度向上につなげる。
 グループては、DMEの輸入と本格供給に先行し、07年中には構造取扱基準を策定、DME車を商業的に生産、使用できる体制を整える方針だ。
 DME車の実用化は、あと一歩という段階だが、未解決の課題や今後の環境政策によっては、新たな弊害が生まれる可能性もある。まず、DMEのコストが高いことが挙げられる。すでに国内(新潟県)でも生産が始まっているが、現状では事業用車両の燃料として使用できる水準にはない。グループでは、将来的には軽油と同等の流通価格を目指すとしているものの、輸入、国内生産ともに高コスト体質にあるのは事実で、本格普及のためには公的な助成策が不可欠と見られる。また、DME車については、排ガス成分の大気中での化学的な振る舞いを十分に検証し、環境ホルモンなど未規制物質の発生に対しても、注意深い対応が求められる。加えて、05年以降のいわゆるポスト新長期規制においては、DME車でもNOX削減対策が避けられず、こうしたコスト要因をどのようにクリアするのかも課題だ。
 京都議定書の発効により、日本はCO2など地球温暖化ガスの削減で、厳しい目標に直面することになる。鉄道や海運などを利用したモーダルシフトが進展しているものの、今後もトラックが物流の主役を担うことは間違いない。小型商用車では、ガソリンハイブリット車などの普及が予想されるものの、普通トラックではディーゼルエンジンを使用せざるを得ないのが実情だ。DME車は、低公害車として優れたポテンシャルを持っているだけに、実用化への期待も急速に高まりそうだ。


コープ低公害車開発など、DMEトラック、川崎市で実験開始――事業用では初。
2005/02/16, , 日経産業新聞, 12ページ, , 427文字

 コープ低公害車開発(横浜市、小林勉社長)などが参加する「DME自動車実用化研究開発グループ」などは十五日から、環境負荷の低いDME(ジメチルエーテル)を燃料に使うクレーン付きトラックの走行を川崎市内で開始した。合わせてDME充てんスタンドも設置。当面はJFEスチール東日本製鉄所の構内で鋼材搬送ロープを回収する作業車として使われる。
 クレーン付きDMEトラックの走行は独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の公募共同研究事業の一環として実施する。トラックはいすゞ中央研究所が開発。DMEスタンドはJFE都市開発(東京・千代田)が運営するベンチャー企業集積地区「テクノハブイノベーション川崎」内に設置した。ポンプを使わず、窒素との圧力差でDMEを車に充てんする方式を採用した。
 DME自動車実用化研究開発グループは八トンDMEトラックで新潟―つくば―横浜間を長距離走行する実験などをすでに実施しているが、車両が事業用に使われるのは今回が初めてという。


DME自動車実用化研究開発グループ、低公害
2005/02/16, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 627文字

 コープ低公害車開発(小林勉社長、神奈川県横浜市)、JFEホールディングスなど9法人が参画し、新燃料のDME(ジメチルエーテル)による低公害車の実用化に取り組むDME自動車実用化研究開発グループは15日、「クレーン付きDMEトラック」を新たに開発し、神奈川県内での使用を開始すると発表した。
 DME車としては初めて、事業用車両として使用、経済性や安全性の検証データを収集するほか、DME車の認知度アップを図る。
 DME車は、天然ガス由来で、軽油の代替燃料として期待されるDMEの有効利用と環境負荷低減のために発案され、01年に実用化に向けた取り組みがスタートした。トラックユーザーや石油業界、行政による官民一丸の取り組みとして段階的な計画が策定され、既存車両を改造する「レトロフィット対応DMEディーゼル自動車の早期実用化研究開発」(01、02年)、「中大型DME自動車の実用化研究開発」(02、03年)、「DME自動車の実用化フリート試験研究開発」(03、04年)など三つのプロジェクトに取り組んでいる。
 昨年までに計5台のトラック、バスを開発し、現在は燃費や耐久性、安全性を立証するためのフリート試験を進めている。
 今回開発した「クレーン付きDMEトラック」は、フリート試験の最終段階として、DME普及モデル特区に認定されている神奈川県京浜臨海地域で導入する。車載クレーンを装備した実用性の高いDMEトラックとして実際の業務に使用、検証精度を高める。


JFEがDMEトラックを事業用に導入 月1200キロメートル走行へ
2005/02/16, , 電気新聞, 4ページ, , 617文字

 官民合同のDME(ジメチルエーテル)自動車実用化研究開発グループと京浜臨海部DME自動車普及モデル事業実行委員会は15日、3・5トンのクレーン付きDMEトラックを開発し、同日から走行を開始すると発表した。JFEホールディングスの事業用トラックとして用いられる。まず、同社の京浜事業所内で運転を開始し、国土交通省からナンバープレートを取得した後、公道での走行を開始する予定。これまでにも燃料にDMEを使ったトラックの実証試験は行われていたが、実際の事業に用いるのは今回が初めて。
 DMEは燃やしてもすすが出ず、窒素酸化物の排出が軽油より少ないことから、クリーンエネルギーとして、発電用や軽油代替燃料として期待されている。
 今回のDMEトラックを開発したのは、全国の生活協同組合が出資するコープ低公害車開発や三菱ガス化学、伊藤忠商事、JFEホールディングスなど9者で構成するDME自動車実用化研究開発グループ。クレーン付きDMEトラックは、JFEスチール東日本製鉄所構内で、鋼材搬送に使われるロープを回収する作業車として使われる。月間1200キロメートルを走行する予定。また、燃料となるDMEは、神奈川県などが参加する京浜臨海部DME自動車普及モデル事業実行委員会が、川崎市に設置したDMEステーションで供給する。
 両者では、実際の事業にDMEトラックを使い、排気ガス性能や耐久性能、燃料効率を実証することで、実用化に結びつけたい考え。


JFEなど、東日本製鉄所構内で実用化に向けクレーン付きDMEトラックの試験走行開始
2005/02/15, 21:00, プレスリリースデータベース サービス, , , 1327文字 配信日時:2005/02/16 10:55

発表日:2005年2月15日
初のDMEトラックの事業用走行開始とDMEステーション増設

 DME自動車実用化研究開発グループ*1(以下「実用化グループ」という。)は、神奈川県が参加している京浜臨海部DME自動車普及モデル事業実行委員会*2(以下「普及実行委員会」という。)と協力し、DMEトラックの事業用走行を本日より開始します。このDMEトラックへの燃料充填を行うため、普及実行委員会は全国で4ケ所目のDMEステーションを川崎市川崎区に設置いたしました。
 DME(ジメチルエーテル)は、ディーゼルエンジンに適したクリーン燃料であり、排気ガスに硫黄酸化物を含まず、PMとNOxを大幅に削減することができ、軽油と比較し燃焼時の二酸化炭素排出量が削減されます。
 このクリーンな燃料の導入の為に、実用化グループは独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の公募共同研究事業として、車両総重量8トンDMEトラックの開発および新潟、神奈川、つくばに三ケ所のステーションを設置し、長距離実証公道走行試験を実施してきました。今回走行を開始するクレーン付DMEトラックは、新たに株式会社いすゞ中央研究所がこの事業用走行を目的として開発を行ったもので、公募共同研究事業の一環として製作されました。
 このクレーン付DMEトラックは、実用化にむけた技術開発の成果により、DME自動車としては初めて事業用として使用可能な、完成度の高い車両です。この車両は、JFEスチール東日本製鉄所の構内において鋼材搬送のロープを回収する作業車として試験走行します。
 また普及実行委員会は、これまでDMEトラックの公道走行試験やモデル事業の検討を実施してきましたが、DME自動車の先進的な導入を図るため、2004年12月にDMEステーションを川崎市の研究開発地域であるテクノハブイノベーション川崎(通称THINK)内に設置しました。今回の設備は、窒素との圧力差を利用して充填を行う方式です。DME自動車はこうした簡易で効率的な設備により充填を行うことが可能です。
 今後、実用化グループと普及実行委員会は、車両総重量8トントラックとクレーン付DMEトラックなどの走行試験を実施し、排気ガス性能・耐久性能・燃料効率などを実証し、DME自動車の導入および実用化にむけての取り組みを推進してまいります。
*参考図あり
*1 DME自動車実用化研究開発グループ
 コープ低公害車開発株式会社、独立行政法人産業技術総合研究所、伊藤忠エネクス株式会社、JFEホールディングス株式会社、伊藤忠商事株式会社、三菱ガス化学株式会社、岩谷産業株式会社、福山通運株式会社、株式会社小野測器(9法人)

*2 京浜臨海部DME自動車普及モデル事業実行委員会
 神奈川県、JFEホールディングス株式会社、日本DME株式会社、JFE物流株式会社、いすゞ中央研究所、伊藤忠エネクス株式会社、岩谷産業株式会社、京浜物流株式会社、日本通運株式会社(県および8法人)
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参考画像
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0093388_01.jpg


DMEトラック、公道走る長距離試験開始、供給インフラも評価。
2005/02/02, , 日経産業新聞, 10ページ, 有, 1353文字

普及シナリオなお課題
 排ガスがクリーンな軽油代替の新燃料DME(ジメチルエーテル)を使うトラックの開発が最終段階を迎えた。昨年十二月から公道を走る長距離走行試験を開始、燃費や耐久性などの評価を詰める。ただ実用化にはインフラ整備や安定供給などの課題が残る。
 公道を走るDMEトラック(重量八トン)は経済産業省の支援を受け、コープ低公害車開発(横浜市)や産業技術総合研究所、伊藤忠エネクスなどが、いすゞのトラックをベースに開発した。
 DMEは常温で無色透明なガスでプロパンなど液化石油ガス(LPG)と似た性質を持ち、六気圧まで加圧すると液体になる。スプレー缶の噴射剤向けなどに少量生産されている。石炭や重質油残さ、天然ガスなどから製造する。
 自動車燃料としては、軽油を使うディーゼル車で問題となる粒子状物質(PM)などの黒煙を出さないのが長所。実際、このトラックの排気口に白い紙をあててみても黒ずむことはなく、クリーンさを実感できる。これまでの評価試験で、現行のディーゼル車排ガス規制値より一酸化炭素とPMを九割以上、炭化水素は七割、窒素酸化物は三割低減できることが分かった。
 ただ、重量当たりのカロリーが低いので、軽油と同一熱量を得るには約二倍の量が必要。トラックでは軽油並みのパワーを出せるように、燃料噴射ポンプなどのエンジン部品や燃料供給装置を再設計した。搭載タンクは軽油タンクよりも大型にし、約六百キロの走行距離を確保した。
 公道走行試験は茨城県つくば市の産総研と横浜市、DME燃料の製造施設がある新潟市の三拠点を回る形で実施する。トラックは既に産総研の試験コースで二千五百キロ走行しているが、公道では山間部の急坂や都市部の渋滞などが経験できるので「様々な走行状態での排ガスを計測でき、実用的な燃費や開発部品の耐久性などが評価できる」(産総研の小熊光晴研究員)。
 供給インフラの実証研究も狙い。三拠点にはDME供給スタンドを整備、ローリー車も作った。これら施設を運用して使い勝手や運用費などを評価、実用的な供給インフラのあり方を探る。
 国土交通省関連では交通安全環境研究所が日産ディーゼル工業のトラックをベースにした大型トラック(重量二十トン)を開発、来年度、公道走行試験を計画している。
 燃料生産ではJFEなどが高効率の製造技術を開発、経産省の支援を受けて日産百トンの実証プラントを二〇〇三年十一月に完成させた。
 技術的には詰めの段階を迎えたDMEトラックだが、普及の見通しはまだ立たない。大型プラントを建設し安価に供給する体制ができたとしても、最初からトラックが大口消費先になるとは考えにくい。まず火力発電や家庭用のLPG代替として大口需要を確保し、徐々に自動車燃料向け市場を育てることになる。
 「だが、関連業界はその方向では動いていない」(東京ガスR&D企画部の兼子弘主席研究員)。利用技術の研究グループに電力ガス大手やトラックの大口ユーザーとなる運輸業者の参加が少ないことが関心の低さを物語る。
 普及には説得力のあるデータを積み重ね、官民協力のもと、しっかりしたシナリオを作ることが求められる。
(つくば支局長
中島林彦)
【図・写真】DMEトラックには供給スタンドが欠かせない(産業技術総合研究所)


コープ低公害車など、DMEトラック、長距離試験開始。
2004/12/17, , 日経産業新聞, 9ページ, , 365文字

 コープ低公害車開発(横浜市、小林勉社長)など八社と独立行政法人産業技術総合研究所は低環境負荷燃料である「DME(ジメチルエーテル)」を使う八トントラックの長距離公道走行試験を開始した。十五日につくば市を出発し、約四百キロメートルを走って同日、新潟市に到着した。排ガス中の粒子状物質(PM)などを大幅に減らせる結果が得られた。
 DMEは次世代のクリーン燃料として注目されている。今回の走行試験では排ガス中の一酸化炭素とPMの濃度が、いずれもディーゼル車の排ガス規制である「新短期規制」の規制値より九割以上低減できた。同トラックはDME燃料の調合・供給設備がある新潟市でDMEを補給し、十七日につくば市まで走行する。
 開発には伊藤忠エネクス、JFEホールディングス、伊藤忠商事、三菱ガス化学、岩谷産業、福山通運、小野測器も参加した。


DME自動車実用化研究開発グループ 8トンDMEトラック 初の長距離公道試験
2004/12/17, , 日刊産業新聞, 2ページ, , 471文字

 8社1法人で構成するDME自動車実用化研究開発グループは16日、車両総重量8トンのDMEトラック=写真=で初の長距離公道走行試験を開始したと発表した。試験は茨城県つくば市から新潟県新潟市の往復約800キロメートルを走行する。同時に新潟市、つくば市、横浜市に充填設備を設置し、インフラ整備を進める。
 メンバーはコープ低公害車開発(横浜市)、独立行政法人産業技術総合研究所、伊藤忠エネクス、JFEホールディングス、伊藤忠商事、三菱ガス化学、岩谷産業、福山通運、小野測器の各社・団体。
 長距離公道走行試験では、15日につくば市から新潟市へ走行。復路は17日に新潟市を出発し、つくば市に戻る。産業技術総合研究所での約2500キロメートルの試験コース走行を踏まえ、公道走行で耐久性や実用性を実証する。
 同時にDME充填ステーションをつくば市、横浜市、新潟市の3カ所に設置し、4カ所目を川崎市に建設中。また、DME自動車燃料は新潟市の設備で潤滑性向上剤を添加している。長距離走行試験をサポートし、DME自動車のインフラ整備に向けて研究開発を進めていく。


[技術・未来への挑戦]DME燃料 期待集まる燃料技術〈下〉
2004/12/14, , 電気新聞, 4ページ, , 1544文字

◆2010年商用化へ需要開拓急ぐ
 製鉄所から排出するガスで燃料が作れないものか――。鉄鋼メーカーであるJFEホールディングスの次世代クリーン燃料DME(ジメチルエーテル)への挑戦はここから始まった。排出ガスの主成分は一酸化炭素、二酸化炭素、水素。これを使いガソリンを製造できるのではないかと考えたからだ。しかし、その途中段階でできるDMEが燃料として優れているのではないかと方向転換を図った。
■製造法は確立
 DMEを製造する技術には、直接法と間接法の2種類ある。間接法が水素と一酸化炭素からメタノールを製造し、そこからDMEを作りだすのに対し、直接法は1つの反応器の中でDMEを作る。化学反応は間接法も直接法も同じだが、直接法では1段階の反応でDMEを製造できるため、設備も小さく、生産効率は間接法より2割高い。JFEが直接法での開発を始めたのは、1989年。東京大学と共同研究を開始した。
 その結果、開発したDME製造方法の仕組みはこうだ。液体状の触媒を入れたタンクの下から原料となる一酸化炭素と水素を注入、一酸化炭素と水素はガスの気泡となり触媒をかくはんしながら上昇し、その間に一連の化学反応が進む。その結果、タンクから気体状のDMEができる。
 直接法では、従来、金属などの固体物を触媒としていたが、この場合、金属と接触する面でしか反応しないという課題があった。JFEでは、液体の触媒を使うことで、全体を均一に反応させることに成功した。
 JFEではこの技術をもとに、02年、同社が出資するDME開発(東京都港区、大野陽太郎社長)で日産100トンのプラントの稼働を開始。04年1月には、試験運転に成功した。「技術開発には一定のめどを得た」とJFEホールディングスの金澤一輝専務は自信を見せる。
 一方、間接法での商用化を目指すのは、三菱ガス化学、三菱重工業、伊藤忠商事を中心に設立した日本DME(東京都千代田区、中村博海社長)。もともとメタノール製造を行ってきた三菱ガス化学では、スプレー用の噴射剤としてDMEを製造してきた実績がある。「すでに確立した技術。大型化にも対応できる」と三菱ガス化学天然ガス系化学品カンパニー企画開発部長の小西規夫氏は言う。
■発電向け狙う
 残る課題は市場をいかに立ち上げるかだ。
 11月に千葉県・幕張メッセで行われた「第38回モーターショー2004」には、燃料にDMEを用いた20トントラック、4トントラックが展示された。また、コープ低公害車開発(神奈川県横浜市、小林勉社長)など9企業・団体は、8トンのDMEトラックを使い、約800キロメートルの長距離走行実証試験を予定している。DME車は、軽油に比べ窒素酸化物(NOx)の排出量を低減できるため、自動車分野での取り組みが進んでいる。
 だが、市場を一気に立ち上げるためには、大規模な需要が必要となる。「火力発電所など発電用に使ってもらわないことには、商売が立ち上がらない」(金澤JFE専務)、「火力発電所やLPGを使ったボイラーなど集中的に使う場所が重要になる」(大塚寿・伊藤忠商事環境新エネルギー室長)と声をそろえる。
■認知度を向上
 その第一歩として、JFEでは子会社のJFEエンジニアリングを中心に、1250キロワットのディーゼルエンジン発電システムを開発、9月から試験稼働を開始した。機能や信頼性能の確認を行い、08年度からは販売を開始する予定だ。発電容量としては500―5千キロワットを想定している。
 2010年までには商用化したい――。関係者の思いは強い。それには需要開拓が不可欠だ。まず「認知を得るまでが大きな挑戦」と小西氏は言う。DMEにとって、今が正念場だ。(この連載は浅田翠が担当しました)


大型LPGバスコープ低公害車開発、実証試験
2004/10/30, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 1361文字

 LPG(液化石油ガス)エンジンを搭載の大型バス実用化に向けた取り組みがスタートした。コープ低公害車開発(小林勉社長、神奈川県横浜市)は、伊藤忠エネクスと共同で、大型LPGバス実用化の実証試験を開始(一部既報)、11月中旬までに路線バスの運行や排ガス試験、各地での説明会などを行う。大型LPGバスは、開発コストや燃費特性、液化ガス容器(燃料タンク)の安全基準などから「日本での実用化は不可能」とされていたが、欧州や韓国など、ディーゼル車からLPG車への代替を急ぐ各国の状況を調査した結果、最新モデルでは、ディーゼルや日本で一般的なCNG(圧縮天然ガス)バスと同等のポテンシャルが期待できることが明らかとなった。バス事業者の理解や代替助成制度など今後の課題も少なくないが、実証試験を通じて、性能やランニングコストの面で優位性が立証されれば、実用化への大きなステップとなりそうだ。
 一般的なLPG車の特性は、一般道を走行できる車両としては、燃料代が最も安価なことや、騒音、振動が少ないことが挙げられる。これに対し、燃費や開発コストの面では、ディーゼルやガソリン、CNG燃料の車両に劣るとされている。このため国内では、タクシーや小型トラックには利用されているが、大型商用車では未開拓の分野であった。
 コープ低公害車開発では、昨年度にディーゼル代替LPGバスの調査研究事業に着手した。諸外国の利用状況を把握するとともに、日本への導入の可能性を探るのが狙いだ。
 今回の実証試験は、国が取り組むブタンガス(LPGの一種)の利用促進策を受けたもので、正式名称は「ブタンガス有効活用の為のバス等におけるディーゼル代替LPGバスの実用化可能性調査」。経済産業省資源エネルギー庁の補助を受けて実施する。
 実際に使用する車両は韓国製の路線バスで、最新の燃料噴射システムを搭載している。韓国政府や関連企業など11社(機関)が02年に共同開発した。現代自動車製のターボインタークーラーディーゼルをベースにLPG単体燃料方式とした。技術的には、燃料系に液状加圧噴射システムを搭載したのが特徴で、これにより出力、トルクなどLPGエンジンの弱点を克服、低騒音、低振動というメリットを最大限に引き出すことができる。排気量は12リットル、最大出力は、290馬力。また、ディーゼル車に比べ、黒煙排出量はゼロ、NOX(窒素酸化物)など有害ガスも半減できる。価格はディーゼル車より高く、CNG車より安いという。日本のメーカーにおいては、一世代前の噴射システムで事実上開発が止まっているため、韓国製の最新モデルを導入することにした。
 コープ低公害車開発では、西武バスの協力で11月上旬まで埼玉県狭山市内の路線で試験運行を実施、燃費や操作性などのデータを収集した後、国の排ガス試験や高速走行試験などを実施する。
 今回の実証試験により、性能面で実用化の水準にあることが分かれば、CNGインフラの未整備地区などで、大型LPGバスの導入機運は高まると見られる。ただ、液化ガスを搭載するタンクの基準・認証の国際化対応やバス事業者の啓もう、国など公的機関による代替助成制度の検討など課題も多い。同社では、今後、国内の関連メーカーにも大型LPGバスの研究、商品化を働きかけていく。


コープ低公害車開発など、DME車、ナンバー取得。
2004/10/29, , 日経産業新聞, 13ページ, , 314文字

 コープ低公害車開発(横浜市、小林勉社長)など八社と産業技術総合研究所は二十八日、低環境負荷燃料の「DME(ジメチルエーテル)」を使う八トントラックで国土交通大臣認定とナンバーを取得したと発表した。公道走行が可能になったことを受け、十一月中旬から下旬にかけて、つくば―新潟―横浜間約八百キロメートルの長距離走行試験を実施する。
 DMEは硫黄酸化物(SOx)やススを出さないクリーン燃料として実用化が期待されている。
 開発には伊藤忠エネクス、JFEホールディングス、伊藤忠商事、三菱ガス化学、岩谷産業、福山通運、小野測器が参加した。ディーゼルトラックをベースにDMEトラックを共同開発し、DME供給設備の整備などに取り組んでいる。


コープ低公害車開発、DMEトラックを開発−来月から公道走行
2004/10/29, , 日刊工業新聞, 5ページ, , 137文字

コープ低公害車開発(横浜市港北区、045・472・7913)はJFEホールディングス、三菱ガス化学、岩谷産業など9社・研究所で車両重量8トンのDME燃料トラックを開発、国土交通省から大臣認定を受け、11月から公道走行に入る。
新潟、神奈川、つくば間の長距離実証公道走行を行う。


LPGエンジン搭載バス、実証試験を開始、コープ低公害車開発
2004/10/29, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 335文字

 コープ低公害車開発(小林勉社長、神奈川県横浜市)は28日、伊藤忠エネクスと連携し、LPG(液化石油ガス)エンジンを搭載した大型バスの実用化を探るため、埼玉県狭山市内で、路線バスによる実証試験を開始すると発表した。LPGバスの実証試験としては国内初の試み。29日から11月5日まで運行し、燃費や操作性などのデータを収集した後、排出ガス検査や高速走行試験などを実施する。
 今回の実証試験は、国が取り組むブタンガスの利用促進策を受けたもので、ディーゼル車の代替としてLPGバスの可能性を探るのが狙い。
 使用する大型LPGバスは韓国製の路線バスで、最新の燃料噴射システムを搭載している。出力、トルクともにディーゼルと同等以上の性能が期待できるほか、黒煙排出量はゼロとしている。


DMEトラック公道走行可能に 国交大臣認定を取得
2004/10/29, , 日刊産業新聞, 3ページ, , 164文字

 JFEホールディングス、コープ低公害車開発〓、伊藤忠商事など9社は28日、「車両総重量8トンDMEトラック」がこのほど国土交通大臣認定を受けて車両ナンバーを取得、公道走行が可能となったと発表した。取得したナンバーは「土浦130 さ 2004」。車両整備を完了次第、新潟、神奈川、つくば間の長距離実証公道走行試験を実施する予定。


DME利用計画推進会議、次世代燃料啓発セミナー。
2004/10/28, , 日本経済新聞 地方経済面 (北海道), 1ページ, , 173文字

 ■DME利用計画推進会議 二十九日午後一時半から釧路市の釧路工業技術センターで次世代クリーン燃料として期待されるジメチルエーテル(DME)の普及啓発セミナーを開く。コープ低公害車開発の若狭良治専務らがDME自動車の開発状況やDMEの利用分野・市場性などについて講演する。参加無料。問い合わせは釧路市産業推進室((電)0154・31・4550)。


次世代燃料トラック、来月末にも公道試験
2004/08/17, , 産経新聞 東京朝刊, 6ページ, 有, 370文字

 環境への影響が少ないトラックの普及を目指すコープ低公害車開発(横浜市)などが、ジメチルエーテル(DME)を使う次世代燃料トラックの公道走行テストに必要なナンバー取得を、国土交通省に申請した。
 5月に完成した車両総重量8トンのトラックに加え、新潟市、茨城県つくば市、横浜市の3カ所に燃料補給設備の設置が完了。9月末にもナンバーを取得し、3拠点を回る形で公道での試験走行を開始し、燃料効率や耐久性をチェックする。
 DMEは天然ガスなどが原料の化学品で、燃焼時に硫黄酸化物やすすが発生しない上、窒素酸化物の発生量も大幅に削減が可能。環境への悪影響が指摘されるディーゼル車の軽油燃料に替わるクリーンな燃料として、期待されている。
 このため各地の生活協同組合でつくる同社や、伊藤忠商事、JFEホールディングス、福山通運などが共同で開発を進めている。


低公害の次世代燃料DME*搭載トラック公道デビュー*来月末に試験開始
2004/08/14, , 北海道新聞朝刊全道, 11ページ, 写, 408文字

 環境への影響が少ないトラックの普及を目指すコープ低公害車開発(横浜市)などは十三日までにジメチルエーテル(DME)を使う次世代燃料トラックの公道走行テストに必要なナンバー取得を、国土交通省に申請したと発表した。
 五月に完成した車両総重量八トンのトラックに加え、新潟市、茨城県つくば市、横浜市の三カ所に燃料補給設備の設置が完了。九月末にもナンバーを取得し、三拠点を回る形で公道での試験走行を開始し、燃料効率や耐久性をチェックする。
 DMEは天然ガスなどが原料の化学品で、燃焼時に硫黄酸化物やすすが発生しない上、窒素酸化物の発生量も大幅に削減が可能。環境への悪影響が指摘されるディーゼル車の軽油燃料に替わるクリーンな燃料として、期待されている。
 このため各地の生活協同組合でつくる同社や、伊藤忠商事、JFEホールディングス、福山通運などが共同で、トラック開発を進めている。
 【写真説明】DMEを使った次世代燃料トラック


コープ低公害車開発など、自動車DME、新潟に調合設備――横浜に充てん拠点。
2004/08/13, , 日経産業新聞, 6ページ, 有, 411文字

 コープ低公害車開発(横浜市、小林勉社長)などが参加する「DME自動車実用化研究開発グループ」は十二日、低環境負荷のDME(ジメチルエーテル)を自動車用燃料にする設備=写真=や充てん拠点を整備したと発表した。同グループはDMEトラックのナンバーを取得する十月をメドに横浜―新潟―つくば間の走行試験を始める。
 DMEは天然ガスなどから精製、硫黄酸化物(SOx)やススを出さないクリーンエネルギーとして注目されている。新潟市につくった国内初の燃料製造設備はDMEの貯槽と、純粋なDMEに潤滑向上剤を混ぜる装置で構成する。横浜市に開設したDME充てんスタンドは一分当たり二十五リットルの充てん能力がある。同様のスタンドを年末に川崎市に建設する予定。
 DME自動車実用化研究開発グループは三菱ガス化学、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、JFEホールディングス、福山通運、小野測器、岩谷産業と独立行政法人産業技術総合研究所が参加している。


次世代エコ燃料DME トラック、公道試験へ
2004/08/13, , 東京新聞朝刊, 8ページ, , 320文字

 環境への影響が少ないトラックの普及を目指すコープ低公害車開発(横浜市)などは十二日、ジメチルエーテル(DME)を使う次世代燃料トラックの公道走行テストに必要なナンバー取得を、国土交通省に申請したと発表した。
 五月に完成した車両総重量八トンのトラックに加え、新潟市、茨城県つくば市、横浜市の三カ所に燃料補給設備の設置が完了。
 九月末にもナンバーを取得し、三拠点を回る形で公道での試験走行を開始し、燃料効率や耐久性をチェックする。
 DMEは天然ガスなどが原料の化学品で、燃焼時に硫黄酸化物やすすが発生しない上、窒素酸化物の発生量も大幅に削減が可能。環境への悪影響が指摘されるディーゼル車の軽油燃料に替わるクリーンな燃料として、期待されている。


◎9月末にも公道試験 次世代燃料DMEのトラック 環境への影響少なくクリーン
2004/08/13, , 熊本日日新聞朝刊, 7ページ, , 383文字

 環境への影響が少ないトラックの普及を目指すコープ低公害車開発(横浜市)などは十二日、ジメチルエーテル(DME)を使う次世代燃料トラックの公道走行テストに必要なナンバー取得を、国土交通省に申請したと発表した。
 五月に完成した車両総重量八トンのトラックに加え、新潟市、茨城県つくば市、横浜市の三カ所に燃料補給設備の設置が完了。九月末にもナンバーを取得し、三拠点を回る形で公道での試験走行を開始し、燃料効率や耐久性をチェックする。
 DMEは天然ガスなどが原料の化学品で、燃焼時に硫黄酸化物やすすが発生しない上、窒素酸化物の発生量も大幅に削減が可能。環境への悪影響が指摘されるディーゼル車の軽油燃料に替わるクリーンな燃料として、期待されている。
 このため各地の生活協同組合でつくる同社や、伊藤忠商事、JFEホールディングス、福山通運などが共同で、トラック開発を進めている。


DME自動車、実用化へ始動、公道走行テストへナンバー申請
2004/08/13, , 化学工業日報, 8ページ, 有, 1020文字

 DME(ジメチルエーテル)自動車が実用化へ向け動き出した。コープ低公害車開発、産業総合研究所、JFEホールディングス、三菱ガス化学など九者で構成するDME自動車実用化研究開発グループが、先に完成した中大型トラックの公道走行テストのためナンバーの申請を行ったほか、新潟や横浜で建設中だった燃料製造設備や充てんスタンド、ローリー(配送車)が完成、インフラが整ったもの。すでに燃費や騒音といったテストで好成果が得られているが、ナンバー取得が見込まれる九月末から十月初旬以降、長距離行動など本格的な実証テストを実施し耐久性などを検証していく。
 研究開発は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(旧石油公団)の公募事業「石油・天然ガス開発・利用促進型特別研究」に応募・受託したうち、「中大型DME自動車の実用化研究開発」と「DME自動車の実用化フリート試験研究開発」の二テーマに基づき実施するもの。
 DMEは硫黄酸化物やすすを排出しない環境配慮型の次世代燃料として注目されている。この五月に車両総重量八トンの中大型トラックを開発した。この間、新短期規制車より優れたクリーン性、軽油使用トラックに比べ低速域から高速域までの高出力、騒音低減効果と実用性を実証してきた。また産業技術総合研究所のテストコースで一千二百キロメートルを走行、燃費・騒音テストを実施し好成果を出している。
 今後は新潟−つくば、新潟−横浜の長距離フリート試験を実施予定で、今回こうしたデータを基に、公道走行テストにあたりナンバー取得のため国土交通省に申請書類を提出した。九月末ないし十月初旬に交付される見通し。
 一方、インフラ面では、東邦アーステック内(新潟市)に建設中だったDME燃料製造設備が完成、充てんスタンドも併設した。また横浜でもニヤクコーポレーション首都圏センター内に充てんスタンドが完成、年末には川崎市内にもスタンドが建設される。さらにスタンド供給と自動車へ直接充てんできる両用の専用配送車両も完成した。
 とくに新潟の設備は、純粋なDME用貯槽とともに潤滑向上剤を混合させる装置、向上剤を混入した燃料用DME貯槽を完備しているのが特徴。
 今秋には公道走行テストを実施し耐久性などの実証に入る見通しで、本格実用化に向けて着実に成果が積み上げられている。
 なお、この研究開発グループには、産総研など四者のほか、伊藤忠、伊藤忠エクネス、福山通運、小野測器、岩谷産業が参画している。


産総研など10社、来月末からの走行テストに向けDME充填設備が完成
2004/08/13, , 日刊工業新聞, 5ページ, , 437文字

環境負荷が小さいといわれるDME(ジメチルエーテル)燃料を用いたDME自動車の研究を進めてきたコープ低公害車開発(横浜市港北区)や産業技術総合研究所など10社・団体は12日、完成した中大型トラックの公道走行テストを早ければ9月末にも開始すると発表した。
インフラ面でも新潟市と横浜市に建設してきた充填設備が完成、DME車実用化に向けた動きが具体化されてきた。
走行テストに先立ち、車両総重量8トンのDMEトラックでナンバーを取得するため国土交通省に申請資料を提出。
9月末ごろには取得できる見通しで取得次第、走行試験を始める。
走行試験は長距離行動実証テストとし「新潟―つくば間」(約400キロメートル)、「新潟―横浜間」(同)などで実施し、耐久性や実用性を検証する。
自動車用DME燃料製造設備は東邦アーステック(新潟市)内に完成。
DME用貯槽、潤滑向上剤を混合させる装置、潤滑向上剤を混入したDME貯槽で構成されている。
自動車用DME燃料を製造するわが国初のプラントになるという。


「DME車」の公道走行テスト 今秋から長距離実施 中大型トラックで400キロ
2004/08/13, , FujiSankei Business i., 15ページ,  , 792文字

 排ガスがクリーンなDME(ジメチルエーテル)自動車の実用化が近づいている。産業技術総合研究所、三菱ガス化学などが参画する「DME自動車実用化研究開発グループ」は十二日、今秋からDMEを燃料とする中大型トラック(積載重量四トン)の長距離公道走行テストを実施すると発表した。
 国土交通省に、ナンバー取得の特認を申請した。ナンバーは早ければ九月末か十月初旬に交付される見通しで、ナンバー取得と同時に、新潟−つくば(茨城県)、新潟−横浜の四〇〇キロメートルで走行テストを進める。
 これまでも、二−三トン車で、つくば地区など限定した地域で公道走行テストを実施してきた。今回、新たに自動車用DME燃料製造設備を設け、DMEスタンドも増設、耐久性・実用性などをチェックするための長距離走行テストを実施する。
 良好なテスト結果を得られれば、DME自動車として実用化レベルに達するとしている。その後は、DMEスタンドなどインフラ整備が課題になる。
 実用化研究開発グループの中核メンバーは、産業技術総合研究所、三菱ガス化学、コープ低公害車開発、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、JFEホールディングス、福山通運、小野測器、岩谷産業の九社。いすゞ車体など十五社が協賛している。 建設中だったDMEスタンドを併設した製造設備=写真=は、協賛企業の東邦アーステック(新潟市)内に完成。従来、茨城県つくば市と横浜市の二カ所しかなかったDMEスタンドも新潟に加えて、今年中に川崎市にも設ける。製造拠点のある新潟から各スタンドにDMEを輸送する専用ローリー車も開発した。
 DMEは硫黄酸化物やすすを全く発生させず、窒素酸化物の発生量も大幅に低減できるクリーンエネルギー。物性は液化石油ガス(LPG)に類似している。現在は、化粧品や殺虫剤の噴射剤として利用され、自動車分野でディーゼル車の軽油代替燃料として期待されている。


研究開発グループ、DMEトラック開発、今秋から公道試験
2004/08/13, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 690文字

 コープ低公害車開発(小林勉社長、横浜市)、独立行政法人・産業技術総合研究所(吉川弘之理事長、東京都千代田区)などで構成する「DME(ジメチルエーテル)自動車実用化研究開発グループ」は12日、車両総重量8トンのDMEトラックを開発し、今秋から公道走行テストを開始すると発表した。これに合わせて、新潟市と横浜市にDMEの充てん設備も設置した。新潟〜つくば間(約400キロメートル)や新潟〜横浜間(同)などで長距離行動試験を実施し、耐久性や実用性を実証する。
 同研究グループには三菱ガス化学、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、JFEホールディングス、福山通運、小野測器、岩谷産業も参加しており、計9者で構成する。
 DMEは物性がLPGに類似しており、燃料として使用しても硫黄酸化物やすすなどを全く発生せず、同時に窒素酸化物の発生量も大幅に削減できるという。ディーゼルエンジン用燃料の代替品として期待されている。
 今回開発したDMEトラックは、排ガスの「新短期規制車」よりもクリーンな排ガス性能を確保した上で、軽油を燃料とした同規模のエンジン搭載車と比較しても低速域から高速域まで高出力が可能になったという。同グループでは国土交通省にナンバー取得に関する申請を行い、9月末にもナンバーが取得できる見通しだという。
 日本で初めて自動車用DME燃料を製造する設備は新潟市の東邦アーステック内に完成、充てんスタンドも併設した。横浜市のニヤクコーポレーション首都圏センター内にも充てんスタンドを設けており、長距離便への燃料充てんに対応する。さらに、日本で初めて自動車用DMEの専用配送車両も製作した。


JFEHDなど インフラ整備が完了 公道走行テスト向け 総重量8トン中大型DME自動車
2004/08/13, , 日刊産業新聞, 1ページ, , 720文字

 JFEホールディングス、コープ低公害車開発、伊藤忠商事、産業技術総合研究所など9社は12日、DME(ジメチルエーテル)自動車実用化研究開発で車両総重量8トンの中大型DMEトラックのナンバー申請と公道走行テスト実施に伴うインフラ整備が完了したと発表した。インフラ整備では新潟、横浜にDMEの充填設備、輸送車が完成。ナンバー申請も大臣認定のため国土交通省に申請書類を提出、9月末か10月初旬に交付される見通しだ。
 DME自動車開発は石油天然ガス・金属鉱物資源機構の公募事業「石油・天然ガス開発・利用促進特別研究」の中大型DME自動車の実用化研究開発、DME自動車の実用化フリート試験研究開発に基づいて実施される。硫黄酸化物、煤を発生せず、窒素酸化物の発生量も大幅に削減、環境負荷の少ないクリーンエネルギーであるDMEを燃料とするDMEトラックを開発、公道での長距離走行試験を行い、自動車燃料としてのDMEの実用性を実証する。
 新潟―つくば約400キロメートル、新潟―横浜400キロメートルの長距離フリート試験を通じ、耐久性、実用性の試験を行う。完成したインフラ設備は自動車用DME燃料製造設備、DMEスタンド増設、DME(自動車用燃料供給用)ローリーで、燃料製造設備は純粋なDME用貯槽、潤滑向上剤を混合する装置と、潤滑向上剤を混入した自動車燃料となるDMEの貯槽から構成される。DMEスタンドはDME充填用として横浜市に完成。さらに今年末にも川崎市内4カ所に建設する予定だ。DMEローリーは国内初の自動車用燃料とDME専用配送輸送車両で、これらスタンドへ供給と併せて自動車燃料タンクに直接充填する。インフラ未整備地域への供給用に機能させる。


官民合同でDMEトラック 10月に公道実験
2004/08/13, , 電気新聞, 4ページ, , 529文字

 官民合同のDME自動車実用化研究開発グループは12日、次世代のクリーンエネルギーとして注目されるDME(ジメチルエーテル)を燃料とする8トン中型トラックの公道実験を10月中旬から行うと発表した。すでに国土交通省に対し、ナンバー取得を申請。9月末から10月初旬に交付の見通し。今年度末まで、新潟―つくば(約400キロ)と新潟―横浜(同)で長距離走行を行い、耐久性・実用性を実証する。
 同グループは、全国の生活協同組合が出資するコープ低公害車開発(横浜市)や産業技術総合研究所、JFEホールディングス、三菱ガス化学、伊藤忠商事などで構成している。
 また公道実験に備えて、このほど日本初となる自動車用DME燃料プラントが新潟市内に完成。充てんスタンドも併設しているという。つくば市と横浜市内にも充てんスタンドを開設、年末には川崎市にも4カ所目を設置する予定だ。このほか約2・6トン(約4000リットル)のDMEを一度に輸送できるタンクローリー車も完成した。
 DMEトラックは、大気汚染の原因となる硫黄酸化物やすすを全く排出せず、窒素酸化物の発生も大幅に削減できるとされ、テストコースでの実験では軽油使用トラックと燃費は同等、騒音は低下する成果を上げているという。


コープ低公害車開発・伊藤忠エネクスなど9社、中大型DMEトラックの公道走行テストを開始
2004/08/12, 17:29, プレスリリースデータベース メーカー, , , 2703文字 配信日時:2004/08/12 17:40

発表日:2004年8月12日
車両総重量(注1)8t中大型DME(注2)トラックのナンバー申請と公道走行テスト実施に伴うインフラの整備について

 コープ低公害車開発株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:小林 勉)、独立行政法人産業技術総合研究所(本部:東京都千代田区 理事長:吉川弘之)、三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小高英紀)、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小林栄三)、伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:山田清實)、JFEホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:下垣内洋一)、福山通運株式会社(本社:広島県福山市、代表取締役社長:小丸成洋)、株式会社小野測器(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:小野雅道)岩谷産業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:牧野明次)は、硫黄酸化物や煤を全く発生せず、窒素酸化物の発生量も大幅に削減できる等環境負荷が小さいクリーンなエネルギーであるDME燃料を用いたDME自動車に関する研究開発を進めてきました。このほど完成した中大型トラックの公道走行テストを開始するに当たり、ナンバー取得のため大臣特認を受けるために国土交通省に申請書類を提出し、9月末ないしは10月初旬に交付される見通しです。
 公道走行テストを前にして、新潟、横浜に建設中であった充填設備や輸送車などが完成しました。
 本研究開発は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(旧 石油公団)の公募事業「石油・天然ガス開発・利用促進型特別研究」に応募受託した以下の2テーマに基づき、実施するものです。
 「中大型DME自動車の実用化研究開発」(平成14年〜15年)、「DME自動車の実用化フリート試験研究開発」(平成15〜16年)
(注1)車両総重量:空車重量+積載重量+人員(2名×55kg)の合計重量。一般的には車両総重量の半分が最大積載重量であり、車両総重量が8トンの場合は一般的には4トン」というが、荷物室をどのようなもの(冷凍室、保冷室、ドライバン、平台などで重量が異なる)にするかによって、最大積載重量が異なる。本車両の場合、3,300kgとなる。
(注2)DME:ジメチルエーテル、物性がLPGに類似している化学品。化学式は『CH3OCH3』で、溶解性があり、現在は化粧品や殺虫剤などの噴射剤として利用されている。DMEは硫黄酸化物や「すす」を全く発生せず、窒素酸化物の発生量も大幅に削減できる等環境負荷が小さく、ディーゼル自動車燃料、発電用燃料、LPガス代替燃料等の幅広い用途に使用可能なクリーンエネルギーである。
【 取り組みと成果 】
(1)車両総重量8トンDMEトラックのナンバー取得のため申請書類を提出しました。
1)排気ガスがクリーンで、高出力な車両総重量8t中大型DMEトラック(以下中大型DMEトラックと略記)を開発しました。
 今回開発した中大型DMEトラックは、新短期規制車(注1)と比較し大幅な改善ができました。これによりDME自動車の排気ガスのクリーン性を実証しました。
 また、この中大型DMEトラックの出力は、軽油の同エンジンと比較し低速域から高速域まで高出力が可能となり、一方騒音テストでは低減効果が認められる等、DME自動車の実用性を実証しました。
2)中大型DMEトラックは、産業技術総合研究所テストコースにて既に1200km走行し、好調な走りを見せております。また、燃費・騒音テストを行い、軽油使用トラックと比較し、燃費は同等、騒音が低下という好結果を出しております。
3)大臣特認によりナンバーの取得後、長距離行動実証テストを行う中で、耐久性能など検証してまいります。
新潟−つくば(距離:約400km)、新潟−横浜(約400km)の長距離フリート試験を実施し、耐久性・実用性を実証します。
(注1)新短期規制車: 大気汚染防止法により定められた排ガス規制値をクリアした初年度登録車
(2)公道実証走行実施のためのインフラの整備
1)自動車用DME燃料製造設備の完成
 自動車用DME燃料製造設備を株式会社東邦アーステック内(新潟市)に完成しました。
 充填スタンドも併設しております。
 純粋なDMEは、潤滑性が乏しいため、脂肪酸系の潤滑性向上剤を添加することにより、軽油と同等の利用が可能になります。
 本設備は、純粋なDME用貯槽と潤滑向上剤を混合させる装置および潤滑性向上剤を混入した自動車用燃料であるDME貯槽から構成されています。
 自動車用DME燃料を製造する日本で最初のプラントです。
2)DMEスタンドの設置(増設)
 DME充填スタンドが株式会社ニヤクコーポレーション首都圏センター内(横浜)に完成いたしました。このスタンドは普及初期段階のものとして、運輸会社などの自家給油用、フリート系ガソリンスタンド併設用として考案されたものです。
 ポンプや散水設備を持たない第二種製造設備のため、低コストで、大量普及が可能となります。また、高圧ガス取り扱い資格者が不要で、誰もが取り扱いできます。
 充填方法が簡単で、かつ、火気距離8mを確保すれば設置可能であることから、近い将来の普及可能なスタンドとして期待できます。
 さらに、今年末に川崎市内にも4ケ所目のDMEスタンドが建設される予定です。
3)DME(自動車用燃料供給用)ローリーの完成
イ、今回製作したDMEローリーは、充填スタンドへのDME供給はもとより、自動車燃料タンクに直接充填する機能を持ち合わせた両用供給設備です。日本で初めての自動車用燃料としてのDME専用配送車両です。
ロ、DME導入初期段階において、インフラ未整備地域でのDME供給機器として大いに役立つと期待されます。
以 上

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
自動車用DME燃料製造設備(新潟市)
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0078703_01.jpg
DMEローリー(自動車用燃料供給)
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0078703_02.jpg
車両総重量8トンDMEトラック
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0078703_03.jpg
車両総重量8トンDMEトラック
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0078703_04.jpg
 コープ低公害車開発(株) ホームページ (http://www.co-opev.co.jp/)
 独立行政法人 産業技術総合研究所 ホームページ (http://www.aist.go.jp/)
 三菱ガス化学(株) ホームページ (http://www.mgc.co.jp/)
 伊藤忠商事(株) ホームページ (http://www.itochu.co.jp/)
 伊藤忠エネクス(株) ホームページ (http://www.cifuel.co.jp/)
 ジェイ エフ イー ホールディングス(株) ホームページ (http://www.jfe-holdings.co.jp/)
 福山通運(株) ホームページ (http://www.fukutsu.co.jp/)
 (株)小野測器 ホームページ (http://www.onosokki.co.jp/)
 岩谷産業(株) ホームページ (http://www.iwatani.co.jp/)



DME自動車実用化研究開発グループ、中大型トラックを開発
2004/05/28, , 化学工業日報, 7ページ, 有, 541文字

 コープ低公害車開発、産業総合研究所、JFEホールディングス、三菱ガス化学などDME(ジメチルエーテル)自動車実用化研究開発グループは、DMEを燃料とする中大型トラックを開発した。一充てんの航続距離が軽油と同等の六百キロメートルで、フリート試験(走行試験)を実施して実用性、耐久性を検証する予定。
 同グループには他に伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、岩谷産業、福山通運、コモテック、小野測器が参加した。開発した中大型DMEトラックは軽油エンジンと比較し提訴区域から高速域まで高出力、高トルクが可能で、DME自動車の実用性を実証した。今後のDME自動車普及に必要な「DME自動車構造取扱基準(自主検討案)」を国土交通省に参照提出している。
 フリート走行試験は距離四百キロメートルの新潟−つくば、新潟−横浜間で実施する。今秋、神奈川県京浜臨海部DME自動車普及モデル事業実行委員会と共同で、事業用DME自動車のモデルとしてさらに実用性の高いDMEトラックを導入し、実際の業務に使用する予定。
 また、つくば市、横浜市にはDME燃料の充てんスタンドを設置、さらに年内に新潟市、川崎市にも設置する。DME充てんスタンドやDME自動車燃料タンクに充てんするための両用専用ローリーの開発も推進している。


DMEトラックを10企業・団体が共同開発 150万台の普及めざす
2004/05/27, , 電気新聞, 4ページ, , 618文字

 全国の生活協同組合が出資するコープ低公害車開発(本社=横浜市、馬場昭夫社長)、JFEホールディングス(本社=東京都千代田区、下垣内洋一社長)、三菱ガス化学など10企業・団体はこのほど、次世代のクリーン燃料として期待されるジメチルエーテル(DME)を燃料とする中型トラック(総重量8トン、積載量4トン)を共同開発し、都内で公開した=写真。
 トラックは、一般のディーゼルエンジン(軽油)をDME用に改良し、馬力やトルクでディーゼル車を上回る性能を発揮しながら、排ガス中の一酸化炭素(CO)を軽油に比べて95%、窒素酸化物を74%削減する。エンジンの回転数を急に上げても、軽油で生まれるような黒煙は一切、発生しない。今後、新潟―つくば間(約400キロメートル)や新潟―横浜間(約400キロメートル)で長距離走行試験を行い、巡航性能などを確認する。
 DMEは天然ガスや石油から製造する液化天然ガスに似た性状の燃料。硫黄分を含まず、燃やしてもすすを排出しないクリーンな点が注目される。ただし、製造コストの高さが難点。
 開発した企業陣は「DMEが大量生産されるようになれば、軽油に十分匹敵する競争力を持つようになるので、流通業界から普及するはず」として今後、燃料充てんステーションなど、普及に必要な環境を整備する。将来的には150万台の普及を目指す。
 トラックは、横浜市みなとみらい21で来月5日から開かれるエコカーワールド2004に出展される。


コープ低公害車開発など、中型DMEトラック、長距離で走行実験。
2004/05/26, , 日経産業新聞, 12ページ, 有, 573文字

 生活協同組合が出資するコープ低公害車開発(横浜市、馬場昭夫社長)など九社と産業技術総合研究所は共同で、低環境負荷燃料のジメチルエーテル(DME)を燃料にする中型トラック=写真=を開発した。積載量四トン級のいすゞ自動車製トラックに新開発の燃料タンクや燃料供給システムを搭載、軽油を使うディーゼル車と同等の出力やトルクを確保した。
 天然ガスなどから精製するDMEは硫黄酸化物(SOx)やススを出さない次世代クリーンエネルギーとして注目されている。排ガス試験で現行の規制値に対して、一酸化炭素(CO)が九五%減、粒子状物質を九四%減という結果を得た。
 容量百三十五リットルの燃料タンクを二個搭載し、六百キロメートルの走行を可能にした。開発車両は横浜―新潟―つくば間(約千キロメートル)の長距離走行試験などで燃費や排ガス性能などを確認する。小型トラックは開発済みだが、燃料噴射システムが異なる中型での開発は初めて。
 ほかに開発に参加したのは伊藤忠エネクス、JFEホールディングス、三菱ガス化学、伊藤忠商事、岩谷産業、福山通運、ディーゼル関連技術開発のコモテック(埼玉県戸田市、小森正憲社長)、小野測器。コープ低公害車開発は全国二十生協が輸送用トラックの低公害化を目指して一九九〇年に設立。電気自動車や液化石油ガス(LPG)自動車の研究開発を進めてきた。


排ガス中の粒子状物質94%減 クリーントラック 生協など共同開発
2004/05/26, , 東京新聞朝刊, 8ページ, , 391文字

 次世代のクリーンエネルギーとして注目される「ジメチルエーテル(DME)」を燃料とする中型トラック(総重量八トン、積載量四トン)の試作車が二十五日、東京都内で公開された。全国の生活協同組合が出資するコープ低公害車開発(本社・横浜市)やJFEホールディングス、三菱ガス化学、伊藤忠商事など十企業・団体が共同開発した。
 一般のディーゼルエンジンに改良を加え、天然ガスなどから製造するDMEを燃料に使用。軽油を上回る馬力を出しながら、排ガス中の粒子状物質(PM)は、現行の排ガス規制比で94%減を実現。アクセルを吹かしても黒煙はまったく上がらなかった=写真。
 今後は、DME充てんスタンドを設置した新潟−横浜間などの長距離走行試験を行い、二〇一〇年ごろの実用化を目指す。このトラックは、六月五日から横浜みなとみらい21で開かれる「エコカーワールド2004」(環境省など主催)に展示される。


すす排出しない新燃料トラック 福山通運など10社開発
2004/05/26, , 中国新聞朝刊, 8ページ, 有, 546文字

すす排出しない新燃料トラック
福山通運など10社開発
 生協ひろしま(広島県大野町)などが出資するコープ低公害車開発(横浜市)や福山通運(福山市)など十社は二十五日、共同開発していたガス体燃料のジメチルエーテル(DME)を燃料とするトラックが完成したと発表した。福山通運は年内にも、公道での長距離走行試験に乗り出す。
 JFEホールディングス(東京)や独立行政法人産業技術総合研究所(同)なども参加。それぞれが二〇〇一年からDME自動車の研究を続けてきた取り組みを一本化し、実用化を目指す。
 DMEは天然ガスなどからできる化学品で、燃焼時に大気汚染の原因となる硫黄酸化物やすすが発生せず、クリーンな次世代燃料として期待されている。
 福山通運のドライバーが年内にも、茨城県つくば―新潟、新潟―横浜間(いずれも約四百キロ)を、いすゞ自動車(東京)の四トントラックで長距離走行し、試験を実施。荷物の積載なども検討しており、産総研にデータを提出し、分析に役立てる。
 完成したトラックは、二本のタンクにDMEを満タンにすれば六百キロの走行が可能という。既につくば市と横浜市内に、DMEの充てんスタンドを設置。今年中に新潟市と川崎市にもスタンドを設ける。
【写真説明】次世代燃料ジメチルエーテルで走行するトラック


産総研、DME用いたトラックを9社と共同開発−長距離走行実証へ
2004/05/26, , 日刊工業新聞, 5ページ, , 610文字

クリーン燃料のジメチルエーテル(DME)を用いた車両重量8トンのトラックをコープ低公害車開発(横浜市港北区)、JFEホールディングス、三菱ガス化学、岩谷産業、伊藤忠商事など9社と産業技術総合研究所が開発、軽油燃料のディーゼルエンジン車をあらゆる性能面で上回るデータを得た。
排ガスの性状は一酸化炭素(CO)、粒子状物質(PM)とも94%以上削減された。
横浜、つくば、新潟を結んでの長距離走行実証に入り、DMEの普及を加速していく。
DMEは天然ガスやバイオマスなどから得られるクリーン燃料。
液化石油ガス(LPG)代替として発電所や自動車などでの実用化が期待されている。
DME車はこれまでディーゼル車を改造してJFEや産業技術総合研究所などが開発し、走行実証している。
今回これらの企業などが一体となって8トンのDMEトラックを開発、実用化の領域に到達した。
基本的にディーゼルエンジンをそのまま活用し、DME用燃料タンクとポンプを開発した。
燃料噴射圧力はディーゼルの1000気圧以上に対し400―500気圧。
出力が軽油燃料より優れ、特に低速トルクが強い。
排ガスは軽油と比べ窒素酸化物27%、CO95%、炭化水素74%、PM94%カットを実現している。
今後、横浜―新潟間600キロメートルでの走行実証に入るほか、04年度には神奈川県に2カ所目のDMEスタンドを建設し、DME車をもう1台製作してJFE系の運送会社で実用走行に入る。


産総研など10企業・団体 低公害DMEトラック開発
2004/05/26, , FujiSankei Business i., 21ページ,  , 801文字

 産業技術総合研究所と全国の生活共同組合が出資するコープ低公害車開発、JFEホールディングス、三菱ガス化学、伊藤忠商事など十企業・団体は二十五日、次世代のクリーンエネルギーとして注目されるジメチルエーテル(DME)を燃料とする中・大型クラスの低公害トラック「DMEトラック」=写真=を共同開発したと発表した。
 今後、同車両で新潟−横浜間(約四百キロメートル)などの長距離公道試験を実施、実用化に向けた耐久性や燃料インフラ利用の実証を行う。
 DMEは、トラック排ガス中の公害物質として問題視されている硫黄酸化物やすすをまったく発生しない新燃料で、これに対応したDMEトラックは軽油を燃料とする既存のディーゼルトラックの代替車両として将来の普及が期待されている。
 新開発した車両は車両総重量八トン、積載量四トンクラスの中大型トラックをベースとしており、百三十五リットルの燃料タンクを二本搭載。一回の燃料充填(じゅうてん)で最大約六百キロメートルの走行が可能。
 産総研と各社は、公道での長距離走行で車両の実用性を検証する一方、将来の普及利用に向けて今秋には神奈川県京浜臨海部DME自動車普及モデル事業実行委員会と共同で実際の業務に車両を活用する事業化モデル利用も実施する。
 今回の開発は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の実施する「石油・天然ガス開発・利用促進型特別研究」の受託研究の一環。
                  ◇
 ■ジメチルエーテル 天然ガスや石炭などの化石燃料から組成可能な気体状の化学物質。化粧品や塗料、農薬向けのスプレー用噴射剤としての利用が大半だが、液化転換すれば自動車用の低公害燃料となる。硫黄(S)や窒素(N)などの不純物が含まれていないため、硫黄酸化物(SOx)や、すすを全く発生させない。窒素酸化物(NOx)の発生量も大幅に削減でき、軽油代替のクリーン燃料として期待されている。


DME自動車実用化研究開発、実証実験展開、8トントラック完成
2004/05/26, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 750文字

 コープ低公害車開発、産業技術総合研究所、伊藤忠エネクスなどが共同で推進する「DME(ジメチルエーテル)自動車実用化研究開発」は車両総重量8トン中大型DMEトラックを開発した。いすゞ「フォワード」をベースに、燃料系装置をDME用に変更したもの。軽油の同エンジンと比較して、D13モードで窒素酸化物(NOX)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、粒子状物質(PM)すべてにおいて新短期規制値を大幅に下回る排ガス性能を確保するとともに、出力・トルクともに上回る性能を実現。航続距離においても600キロメートル以上をクリアした。今後は、JFEホールディングスや国土交通省のDME自動車検討会などで開発中の技術を結集し、実用化から普及を目指した実証試験を展開する。
 (最終面に関連)
 DME中大型トラックの開発は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(旧石油公団)の公募事業として行ったもの。排出ガス対策が遅れている一方、改良による大幅なコストアップが普及の阻害要因となるとして、50万円以下での改造を目指して、研究開発を進めてきた。
 今回開発したトラックは、エンジンの改造はせず、燃料供給系の改造にとどめた。ボッシュAJの協力を得て、専用燃料噴射システムを開発。JFEホールディングスが車両設計を行った。
 また、三菱ガス化学と伊藤忠商事が、DMEの潤滑性などを確保する適正な添加剤を検証。これらの結果、D13モード試験値で、新短期規制値に対し、NOXが27%減、HCが74%減、COが95%減、PMが94%減という排出ガス性能を得た。
 この結果、軽油ディーゼル車の後処理技術に掛かる費用と比較して、低コストでDME車生産が可能となる見通しとなった。
 今後は、大臣認定を受け次第、長距離走行による実証試験を行う。


コープ低公害車開発、車両総重量8tトラックなどDME自動車の研究開発成果を報告
2004/05/25, 16:26, プレスリリースデータベース メーカー, , , 3026文字 配信日時:2004/05/25 16:40

発表日:2004年5月25日
車両総重量(注1)8t中大型DMEトラックなどのDME自動車研究開発成果  
 コープ低公害車開発株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:馬場昭夫)、独立行政法人産業技術総合研究所 (本部:東京都千代田区 理事長:吉川弘之)、伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:山田清實)、JFEホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:下垣内洋一)、三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小高英紀)、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:丹羽宇一郎)、岩谷産業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:牧野明次)、福山通運株式会社(本社:広島県福山市、代表取締役社長:小丸成洋)、株式会社コモテック(本社:埼玉県戸田市、代表取締役社長:小森正憲)、株式会社小野測器(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:小野雅道)は、硫黄酸化物やすすを全く発生せず、窒素酸化物の発生量も削減しやすい等環境負荷が小さい、クリーンなエネルギーであるDME燃料に用いたDME自動車に関する研究開発を進め、実証的な研究開発に取り組み、成果を得ております。
 本研究開発は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(旧石油公団)の公募事業「石油・天然ガス開発・利用促進型特別研究」に応募受託した以下の3テーマにより実施いたしております。
 「レトロフィット(注2)対応DME(注3)ディーゼル自動車の早期実用化研究開発」(平成13〜14年)、
 「中大型DME自動車の実用化研究開発」(平成14年〜15年)、
 「DME自動車の実用化フリート試験研究開発」(平成15〜16年)
注1)車両総重量:
 空車重量+積載重量+人員(2名×55kg)の合計重量。一般的には車両総重量の半分が最大積載重量であり、車両総重量が8トンの場合は一般的には4トンというが、荷物室をどのようなもの(冷凍室、保冷室、ドライバン、平台などで重量が異なる)にするかによって、最大積載重量が異なる。本車両の場合、3,300kgとなる。 
注2)レトロフィット:
 使用過程車の改造 
注3)DME:
 ジメチルエーテル、物性がLPGに類似している化学品。化学式は『CH3OCH3』で、溶解性があり、現在は化粧品や殺虫剤などの噴射剤として利用されている。DMEは硫黄酸化物やすすを全く発生せず、窒素酸化物の発生量も削減しやすい等環境負荷が小さく、ディーゼル自動車燃料、発電用燃料、LPガス代替燃料等の幅広い用途に使用可能なクリーンエネルギーである。
1.主な取り組みと成果
(1)DME自動車開発がステップアップしました。
 [1]排気ガスがクリーンで高出力な車両総重量8t中大型DMEトラック(以下、中大型DMEトラックと略記)を開発しました。
今回開発した中大型DMEトラックは、新短期規制車(注1)と比較し大幅な改善ができました。これによりDME自動車の排気ガスのクリーン性を実証しました。
 また、この中大型DMEトラックは、軽油の同エンジンと比較し低速域から高速域まで高出力、高トルクが可能となり、DME自動車の実用性を実証しました。
 [2]DME自動車構造取扱基準の調査と検討を実施しました。
 今後のDME自動車普及に必要となる、「DME自動車構造取扱基準(自主検討案)」を調査、検討し、国土交通省に原案を参照提出しました。今後、実際に保安対策会議(注2)が設立される場合の原案として生かされます。
  注1)新短期規制車: 大気汚染防止法により定められた排ガス規制値をクリアした初年度登録車。 
  注2)保安対策会議: 国土交通省が自動車構造取扱基準を作成する場合は、この会議の発足により進められる。 
(2)フリート試験(走行試験)により実用性、耐久性を実証します。
 [1]これまで試作されていたDME自動車のフリート走行実験を推進中です。
 トラック2台(JFE1台、産総研、三菱など1台(注1))、バス2台(いすゞ中型1台、三菱福祉マイクロ1台(注2))の試験走行により、DME自動車の燃料効率、実用性、耐久性が実証されつつあります。
 [2]今回開発した中大型DMEトラック(注3)の長距離フリート走行を開始します。
 この中大型DMEトラックは一充填の航続距離が600kmと、軽油と同等です。新潟−つくば(距離:約400km)、新潟−横浜(約400km)の長距離フリート試験を実施し、耐久性・実用性を実証していきます。
 [3]今秋、神奈川県京浜臨海部DME自動車普及モデル事業実行委員会(注4)と共同して、事業用DME自動車のモデルとして、さらに実用性の高いDMEトラック(注5)(1台)を導入し、実際の業務に使用予定です。
注1)三菱トラック、注2)三菱福祉マイクロバス: 
 これらのバスは、大臣特認(自動車取扱基準を持たない特殊車両がナンバー取得時に必要な国土交通省大臣の特別認可のこと)を取得し、走行中。 
注3)中大型DMEトラック:
 今後大臣特認を申請。 
注4)神奈川県京浜臨海部DME自動車普及モデル事業実行委員会: 
 2002年「構造改革特別区域計画」の「DME普及モデル特区」として国から認定を受け、現在実行委員会にて本事業を推進中。神奈川県京浜臨海部は、DMEに関連する産業が集積しており、今後DME自動車の普及による地域産業活性化や、大気環境改善を目的として活動している。 
注5)いすゞ中央研究所で本事業により製作する車両総重量6トン予定の新車両。
(3)実用的なDME自動車用インフラを開発・設置しました。
[1]自動車用DME燃料の充填スタンドを4ケ所に設置中です。
 つくば市、横浜市には設置を終了し、新潟市、川崎市に本年設置予定です。
[2]DME自動車用燃料供給用としてローリー開発を行っています。
 DME充填スタンドやDME自動車燃料タンクに充填するための両用専用ローリーを開発中です。
2.エコカーワールド2004へDME車を2台出展します。
 今回開発された中大型DMEトラックと、現在川崎市で走行している中型DMEバスの2台を「エコカーワールド2004(低公害車フェア」に出展します。 
 「エコカーワールド2004(低公害車フェア) http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4941 
 [1]月日:6月5日(土)12:00〜17:00〜6日(日)10:00〜16:00 
 [2]場所:横浜市みなとみらい21赤レンガ倉庫 広場 http://www.yokohama-akarenga.jp/
 [3]主催:環境省、独立行政法人 環境再生保全機構、横浜市
 DME自動車は、環境特性・実用性において高いポテンシャルを有しております。今後、DME自動車を導入、普及させることが早急に可能となるよう、総合的に活動を進めていきます。
 DME自動車実用化研究開発の取り組み概要及び各社の役割 
   (※ 関連資料参照)
以上
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
参考資料:DME自動車実用化研究開発の取り組み概要及び各社の役割
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0072378_01.pdf
 コープ低公害車開発(株) ホームページ (http://www.co-opev.co.jp/)
 独立行政法人 産業技術総合研究所 ホームページ (http://www.aist.go.jp/)
 伊藤忠エネクス(株) ホームページ (http://www.cifuel.co.jp/)
 ジェイ エフ イー ホールディングス(株) ホームページ (http://www.jfe-holdings.co.jp/)
 三菱瓦斯化学(株) ホームページ (http://www.mgc.co.jp/)
 伊藤忠商事(株) ホームページ (http://www.itochu.co.jp/)
 岩谷産業(株) ホームページ (http://www.iwatani.co.jp/)
 福山通運(株) ホームページ (http://www.fukutsu.co.jp/)
 (株)コモテック ホームページ (http://www.comotec.co.jp/)
 (株)小野測器 ホームページ (http://www.onosokki.co.jp/)



◎福岡県/経済・暮らし=物流システム考える 3月トラックシンポ開催 小倉北区  /北九州・京築ワイド
2004/02/17, , 西日本新聞朝刊, 25ページ, , 577文字

 「北九州で語るモーダルシフトの未来」をテーマに三月二日、西日本総合展示場新館(小倉北区浅野三丁目)で「2004西日本トラック物流シンポジウム」(西日本産業貿易見本市協会主催)が開かれる。物流拠点都市の形成を目指す北九州市で、トラックをキーワードに、物流システムを再考する試み。会場では東京都の排ガス規制に対応する新型トラック十五台を展示する「新型低公害トラック展」も同時開催される。
 シンポジウムでは神奈川大経済学部の中田信哉教授が「これからの物流を考える」と題して講演。国内各企業が加わり、技術改善や経営革新の研究、企業活動の支援をしている日本ロジスティクスシステム協会の稲束原樹専務理事、全日本トラック協会の豊田栄次専務理事、コープ低公害車開発の若狭良治専務、TOTOの広瀬政文物流本部長がパネリストとなってパネルディスカッションを開催。韓国、中国を視野に入れた国際物流や、国内貨物輸送でトラック輸送を鉄道や海運に転換することで省エネ・低公害を図るというモーダルシフトに対応したトラックの使い方などを協議。新時代に向けた一環輸送と環境保全を検討する。
 参加無料だが、シンポには事前登録が必要。申し込みは二十八日までに、ファクス=093(521)8845=か、インターネットホームページ「http://www.nissin-news.co.jp」で。


コープEV、車両低害化推進のためのシンポジウム2003
2003/12/02, , 日刊自動車新聞, 16ページ, , 1469文字

 生活協同組合連合会で車両開発を担う、コープ低公害車開発(コープEV、馬場昭夫社長)はこのほど「車両低害化推進のためのシンポジウム2003」を開催した。「大気汚染と健康被害の撲滅に私たちは何ができるのか」をテーマに、ディーゼル排気ガス対策を中心に車両技術と燃料の将来展望などについて関係者を招き、それぞれ講演した。
 コープEVは電気トラック、LPGトラックと、ユーザーの立場から低公害車の開発と普及に取り組んでいる。LPGトラックでは、全国の生協で使用している配送車のディーゼル車からの転換率は30%を超え、確実に拡大している。
 若狭良治専務はシンポジウムの冒頭、「LPGトラックは特に都市部でのディーゼル車代替車として認知されてきた。このシンポジウムがさらに次につながることを期待したい」と述べ、車両技術の改良、燃料性状の改善などが規制強化とともに行われているが、中にはガソリン車にも達していないものもあり、「クリーン」について問題提起した。
 まず生活協同組合連合会首都圏コープ事業連合の小沢一郎エコサポート常務が、ユーザーの取り組みとして「アイドリングストップ運動」について紹介した。98年から毎年実施しているもので、車両の二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOX)の排出量を測定し、有害排出物の削減に取り組むというもの。
 今回は、アイドリングストップ装置装着実験なども実施している。その結果、「運転者の意識がまず重要であり、効果を上げられる方策として運転者教育を重要視していく必要を感じる」と紹介した。
 三菱商事石油事業本部の松原秀樹氏は「日本のエネルギー政策と温暖化ガス削減・大気汚染防止の両立」をアーマに、バイオディーゼル、GTL軽油といった新燃料の可能性と同社の取り組みについて解説。新燃料の特性などを分析し、市場創造、製造プロジェクトから流通・販売までの一貫体制を目指すという同社の方針を示した。
 いすゞ中央研究所エンジン研究第1部の西村輝一部長は、排ガス規制に対応する燃料噴射システムを初めとした新しいディーゼルエンジン技術を紹介。「今後はPMから燃費改善へのウエートが高まるという見通しで、ハイブリッドや新燃料ベースのシステム開発や、予混合圧縮着火や可変バルブなど、ポスト新長期規制を想定した技術開発に取り組んでいる」
 「GTL・DMEの燃料特性と利用」について解説した石油公団石油技術センター主任調査役の鈴木信市氏はGTLについては、ライフサィクルでのエネルギー効率やCO2排出量について、DMEは多くのエネルギー源の中での位置づけの明確化が必要だと問題点を指摘していた。
 JFEホールディングス環境ソリューションセンター企画部長の小倉康嗣氏は、DMEパイロットプラントプロジェクトやDME試作車の開発、神奈川県における普及モデル事業などについて紹介した。
 また韓国仁荷大学の李大〓助教授は「韓国におけるLPG/DME最新情報」について講演。大型LPGバスの開発状況やや、DMEパイロットプラント、DME車両の研究と今後の方向性などについて紹介した。
 最後に産業技術総合研究所の後藤新一室長がLPG、GTL、DME燃料の今後を展望。「燃料には適材適所がある」とし、都市内部や近距離交通システムでDMEディーゼル車やLPG車、CNG車が、都市間長距離交通システムにおいて低硫黄軽油やGTL軽油を用いたスーパークリーンディーゼル車というように、エネルギーのバランスを考えながら(新燃料を)伸ばしていくのが流れ」とまとめた。


シェルグループなど、日本初のGTL燃料使用実車走行試験を開始
2003/11/26, , 日本食糧新聞, 8ページ, , 1049文字

 ディーゼルエンジンの規制が厳しくなるなかで、昭和シェル石油(株)、シェルインターナショナルガス社、三菱商事(株)、生協の首都圏コープ事業連合の四社は18日から、天然ガスを原料にした液体燃料であるGTL燃料を使った実車走行試験を始めた。日本ではじめてのGTL燃料の走行試験。期間は来年6月まで。LPG(液体プロパンガス)など他の代替燃料と異なり、GTL軽油は既存のディーゼルエンジンでも使え、稼働中のトラックにも導入しやすい。四社は公道での試験で、環境負荷や商業利用の可能性を探る。生協でも物流用の大型車は排ガス改善が遅れていたが、GTL導入で低公害化を促進させたい意向だ。
 生協における低公害車の普及は、九四年からコープ低公害車開発(株)がLPGを燃料とするトラックを開発して進めてきた。すでに全国一〇〇生協で四五〇〇台弱を導入。生協や生協から委託を受けた物流業者は、共同購入の配送用として、一・五tクラスのトラックは三台に一台がLPG車となっている。ただ、LPG供給スタンドは地域的に偏在し、配送センターが近くにない立地ではディーゼル車から転換しにくい。また、長距離を走る大型車などにも活用しづらかった。
 首都圏コープはアイドリングストップ運動など取引先や組合員と環境問題に取組んで来た。今回の実験ではGTLと軽油を混合した燃料を、埼玉県三郷市の給油ポイントから供給する。改善が遅れていた中大型車として首都圏コープの物流委託先である全通と流通サービスの一三t車と四t車二台を使う。
 GTLは天然ガスからできる特殊な合成燃料で、無色透明な液体、硫黄分を含まず、高いセタン価(ディーゼルエンジンの着火性指数)などが特徴。窒素酸化物、粒子状物質、一酸化炭素、未燃炭化水素のような有害物質を含んだ排ガスが少ない超クリーンなエネルギー源。今回の実験で使用されるGTL燃料はシェルのマレーシア・ビンツールの商業用GTLプラント(日量一万二五〇〇バレル、約二〇〇〇お/日)から日本に運ばれる。
 四社は二〇〇二年度から、(独)産業技術総合研究所(AIST)とコープ低公害車開発の協力で、共同研究を開始。今年度、つくば市のAISTテストコースで実証走行に用いるGTL燃料を用いて一万一〇〇〇キログラムのトラック走行試験を終え、実用面・安全面の確認をしていた。シェルは二〇〇九年初頭の生産を目途にカタールにGTLプラントを五〇億ドル(約五四五〇億円)かけて建設中で、稼働すれば日量一四万バレルの生産量が見込まれる。


昭和シェル三菱商事、初の実証走行試験、GTL燃料実用化へ
2003/11/19, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 734文字

 昭和シェル石油と三菱商事は18日、生活協同組合連合会首都圏コープ事業連合と共同で、GTL(ガス・ツー・リキッド)軽油による自動車の実証走行試験を開始すると発表した。通常の軽油と混合したGTLを用いて来年5月までの7カ月間、公道試験を実施し、耐久性と実用性についての確認を行う。日本で本格的にGTL燃料の実用化試験を行うのは初めて。
 今回使用するGTLは、97年に三菱商事が15%出資し、シェル・インターナショナル・ガスとマレーシア・ビンツールに設置したテストプラントで生産したものを輸入する。昭和シェルが調合から供給までを受け持ち、埼玉県三郷市のスタンドに設置した仮設給油設備で実験車両に給油する。
 走行試験は首都圏の特定コースで実施。首都圏コープ傘下の、輸送会社の営業用ディーゼルトラック2台(4トン、13トン)を使用する。大型車は幹線道路などを中心に6万キロメートル、小型車は主に市街地などで2万キロメートル走行し、運転性能や燃費性能、エンジンの耐久性などを検証する計画だ。
 GTL軽油は、天然ガスや石炭ガスから合成する液体燃料。硫黄分や多環芳香族炭水化物(アロマ分)を含まないことから、クリーンな排ガスが期待される上、既存のディーゼルエンジンをほぼそのまま使えるというメリットがある。
 生協の有志により設立されたコープ低公害車開発では、こうした経済性を伴う環境性能に着目し、エンジン燃焼試験やテストコースにおける走行試験など実用化に向けた検討を重ねてきた。
 一方、ロイヤル・ダッチ/シェルグループは中東カタールに世界最大規模のGTLプラントを建設し、08〜09年に本格的な生産開始を計画している。今回の試験結果を基に、日本における市場調査を本格化したい考えだ。


昭和シェル石油と三菱商事など4社、GTL燃料を用いた実車走行試験を開始
2003/11/18, 18:04, プレスリリースデータベース メーカー, , , 1119文字 配信日時:2003/11/18 18:30

発表日:2003年11月18日
シェルグループ、三菱商事(株)、生活協同組合連合会・首都圏コープ事業連合による日本初のGTL燃料実車走行試験開始について
 昭和シェル石油(株)、シェルインターナショナルガス社、三菱商事(株)、生活協同組合連合会・首都圏コープ事業連合(以下コープ)の4社はGTL燃料を用いた、日本初の実車走行試験を本日より7ヶ月にわたり開始します。この試験は、輸送用途GTL燃料の世界的な普及活動を展開しているシェルグループと、低公害燃料導入の可能性につき以前から共同研究を行っていた首都圏コープ及び三菱商事が、昨年から取り組んでいる実証試験の最終ステージとなります。
 この試験では昭和シェル石油のサービスステーションにてコープのディーゼルエンジン車両にGTL混合燃料を供給し、首都圏の公道にて走行して、車両の走行性、排ガス特性などの実用性を検証致します。
 シェル独自の技術を用いたGTL燃料は天然ガスから合成する特殊な燃料であり、それを用いることで、排気ガス中の窒素酸化物、一酸化炭素など有害な物質を減少させることができるため、環境に優しい燃料として大きな注目を集めています。
 今回の公道での実車走行試験の結果を用いて、GTL燃料がどの程度環境にメリットを与えるか、また、既存のディーゼルエンジンにどのような影響を与えるかを、今後さらに検証してゆき、近い将来の燃料として実用化を目指します。
参考
[1]GTLについて
 ・天然ガスからできる特殊な合成燃料です。
 ・無色透明な液体、硫黄分を含まない、高いセタン価(ディーゼルエンジンの着火性指数)、などの特徴があります。
 ・窒素酸化物、粒子状物質、一酸化炭素、未燃炭化水素のような有害物質を排ガス中から減少させます。
 ・今回の試験で使用されるGTL 燃料はマレーシアのビンツールの商業用GTLプラント(12,500バレル/日、約2000kl/日)から日本に運ばれます。
 ・既存のディーゼルエンジンに使用可能です。
[2]今までの経緯
 ・2002年度より上記4社は(独)産業技術総合研究所(AIST)・コープ低公害車開発(株)の協力を得て共同研究を開始しました。既に今年度、つくば市のAISTテストコースで今回実証走行に用いるGTL燃料を用いて11,000kmのトラック走行試験を完了し、実用面及び安全面の確認を致しました。
 ・シェルインターナショナルガス社は今年度ドイツにてフォルクスワーゲン社、ロンドンにてダイムラークライスラー社と100%GTL燃料を用いて実車走行試験を行っております。
 ・シェルはカタールに世界初の大規模GTLプラントの建設を計画している旨の発表を行いました。
 昭和シェル石油(株) ホームページ (http://www.showa-shell.co.jp/)
 三菱商事(株) ホームページ (http://www.mitsubishi.co.jp/)
 首都圏コープ事業連合 ホームページ (http://www.pal.or.jp/)



ブタンガス活用のLPGバス、主要国の現状把握
2003/11/17, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 750文字

 コープ低公害車開発(馬場昭夫社長)は、伊藤忠エネクス、アート・サプライと共同で、ブタンガスを有効活用したディーゼル代替LPG路線バスの普及の可能性について、調査を開始する。資源エネルギー庁が今年度募集した補助事業、「石油ガス販売事業者構造改善調査事業」として行うもので、韓国や中国、欧州などの主要国での現状を調査するとともに、韓国からLPGバスを借用し、国内での利用の可能性や流通インフラなどを調査する。来年3月末を期限とし、報告書としてまとめる計画だ。
 補助事業は、エネルギー競争の中、工業用ブタンが余剰傾向にあることから、ブタンガスの有効活用とLPガススタンドの構造改善を模索する目的で今年度実施している。このほど25件が選ばれた。1件当たりの補助額は2千万円。
 コープ低公害車開発は、環境対策として生活協同組合の配送車用にLPGトラックを開発し、積極的に導入を進めている。9月には、全国の配送車にLPGトラックの占める割合が3割を超えた。一方、LPGバスについては、日本ではこれまで大型LPG車の導入は困難とされており、1台もないのが実情。欧米ではブタン活用策として大型路線バスが普及しているほか、韓国、中国でも利用が進んでいることから、日本における可能性を本格的に検証することにした。
 飯田訓正・慶応大学教授を座長とし、LPG事業者やバス事業者、学識経験者、関連団体などで構成する「大型LPG路線バス実態調査委員会」を発足させる。各国の資料や調査団の派遣を始め、実際にLPGバスを国内に持ってくることで、各国の実態や国内で利用する際の問題点などを整理する。消費機器としてのブタン需要の想定からバス事業者による利用の可能性、導入方法や国産開発の可能性など幅広い観点から報告書をまとめる方針だ。


業務用車、低公害化シフト進む、コープ主催シンポジウムから
2003/10/09, , 化学工業日報, 12ページ,  , 1206文字

 トラックなど業務用車のディーゼル車離れが進んでいる。生活協同組合連合会首都圏コープ事業連合が、六、七月の二カ月間実施した「第六次アイドリング・ストップ運動」に、トラックなど業務用車六千七百七十八台が参加、とくに業務用車ディーゼル車は前年比二八%減少する一方で、LPG(液化石油ガス)車は同三三%増加した。車の低公害化対応が進んでいることが確認された。ただLPG車の場合、他の燃料に比べ燃費が欠点となる。運転者の意識改革が重要としており、加えてアイドリング・ストップ装置の改良・開発の進展が期待される。
◇◇◇
 コープ低公害車開発が開いた「車両低公害化推進のためのシンポジウム2003」で、首都圏コープ事業連合・エコサポートの小沢一郎常務が報告した。首都圏コープ事業連合は、地球温暖化抑制と大気汚染低減などを目的に、アイドリング・ストップ運動に一九九八年から取り組んでいる。第六次の今年は、首都圏コープ事業グループのうち六生協のほか、物流協力会社、メーカー、生産者団体、連合子会社など百十団体(前年比二%増)が参加した。参加台数は、業務用車両が前年を二〇%上回る六千七百七十八台。生協組合員、参加企業従業員のマイカー三千五百五十九台(同七四%増)も参加した。前年に比べ、業務用車両、マイカーともディーゼル車が減少し、LPG車が増加するという車両の低公害化の動きが進んでいる。とくに業務用車両のLPG車への移行は著しく、参加台数で前年を三三%上回る一千六十台となり、参加車両全体に占める割合でも前年の二二%から三三%に増加した。
 第六次運動の成果として、参加団体の八二・四%が提出した報告書を基にCO2、NOX(窒素酸化物)の排出量および燃料消費量を集計した。それによると、同運動でCO2総排出量を二〇・六%削減、NOXは二五・七四%減らすことができた。
 一キロメートル当たりのCO2排出量は、ディーゼル車が前年比一四・五六%減の〇・一四九〇キログラム、ガソリン車が同一五・九一%の〇・〇八八二キログラム、LPG車〇・一二〇四キログラムとなり、LPG車はディーゼル車に比べ二〇・八%少なかった。またNOXは、ディーゼル車が同一五・九一%減の〇・〇〇三七キログラム、ガソリン車同八・三三%減の〇・〇〇一一キログラム、LPG車は同横ばいの〇・〇〇一二キログラムで、LPG車のNOX排出量はディーゼル車の三分の一以下だった。
 一リットル当たりの燃料消費は、ディーゼル車が同一七%増の四・九三二キロメートル、ガソリン車同七%増の七・四一一キロメートル、LPG車同四%減の三・八七六キロメートル。LPG車は低公害だが燃費の改善が課題となっている。
 アイドリング・ストップ装置を装着したトラックをテストした結果、車両停止五秒後にエンジンが停止する全自動では燃費が〇・六%伸び、マニュアル操作の車両では六五%の燃費向上がみられた。


情報ファイル:コープ低公害車開発が「車両低害化推進のためのシンポジウム2003」
2003/09/19, , 日本工業新聞, 12ページ,  , 158文字

 10月2日、横浜市港北区の横浜ラポールシアターで。午前10時から午後4時30分。テーマは「大気汚染と健康被害の撲滅に私たちはなにができるのか」。車両、エネルギーなどの専門家が車両の低害化推進、各種エネルギー問題について講演。参加費・一般8000円。(TEL045・472・7913、FAX045・472・7924)


情報ファイル:コープ低公害車開発が環境学習・見学会
2003/08/08, , 日本工業新聞, 9ページ,  , 178文字

 「生協車両低公害化検討実務担当者会議」の一環として、8月21、22日に実施。初日は横浜市港北区の金子第1ビルで学習会を開催。「車両低公害化の行方」などをテーマに講演を行う。2日目はいすゞ自動車藤沢工場(神奈川県藤沢市)などの見学会。参加費は1万円(資料代など。宿泊費、交通費などは別途)。(TEL045・472・7913、FAX045・472・7924)


石油公団、DME成果報告会開催、9項目のテーマで発表
2003/06/17, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 715文字

 石油公団はこのほど、平成14年度研究成果報告会として「DME(ジメチルエーテル)燃料利用技術の研究開発」の成果報告会を開催した。次世代の自動車燃料として注目されるDMEを使用する自動車の実用化研究をはじめ、9項目のテーマについて成果を発表した。これらの研究成果については26、27日に最終報告会を行う。
 具体的な研究テーマと研究主体は次の通りとなっている。
 ▽燃料グレードDME高効率燃焼システム(日立製作所、電源開発、中部電力、茨城大学)▽既設ボイラのDME燃料レトロフィット技術の実証(三菱重工業)▽ディーゼルエンジンおよびマイクロガスタービンへのDMEの適用性に関する研究開発(三菱重工、出光興産、出光ガスアンドライフ、茨城大学)▽DMEコージェネレーションシステム用ディーゼルエンジンの研究開発(ヤンマー、岩谷産業、産業技術総合研究所)
 ▽レトロフィット対応DMEディーゼル自動車の早期実用化研究開発(岩谷産業、産業技術総合研究所、コモテック、三菱ふそうトラック・バス)▽中大型DME自動車の実用化研究開発(コープ低公害車開発、産業技術総合研究所、伊藤忠エネクス、三菱瓦斯化学、伊藤忠商事、JFEホールディングス、岩谷産業)
 ▽DMEから都市ガス(SNG)製造、触媒性能テストおよび検証、ならびにプロセス最適化に関する研究開発(日揮、三菱瓦斯化学、京葉瓦斯、大阪ガスエンジニアリング、伊藤忠商事)
 ▽分散化電源機器としての固体高分子型燃料電池の構成要素に関するDME適用性に関する研究開発(三菱重工、出光興産、出光ガスアンドライフ)▽小型で高効率なDME燃料電池システムの開発(大阪ガス、三菱瓦斯化学、日揮、伊藤忠商事)


燃料のゆくえ、巨大な投資や採算性課題
2003/06/04, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 1423文字

 ガソリンスタンドは、街中に当たり前の風景として存在する。全国の給油所数は94年の6万拠点強をピークに減り続け、現在では5万拠点程度になったとはいえ、この供給基盤は新燃料にとって垂ぜんの規模だ。逆に言うと、このインフラをうまく生かせるかどうかも、次世代燃料としての地位を得るための重要なカギを握る。
 ■二番手なし
 実際、ガソリン・軽油以外の供給インフラはぜい弱だ。タクシーや小型トラック(積載量2トン級)を中心に28万9千台と最も普及しているLPG車向けの供給拠点ですら1900拠点。圧縮天然ガス(CNG)などを供給するエコ・ステーションは258拠点(03年3月末時)に過ぎない。既存インフラを活用しないとなると、インフラ整備投資額は莫大なものとならざるを得ない。
 CNG車は、NOx・PM法も絡んで地方自治体やトラック事業者を中心に1万6561台(03年3月末時)まで増えた。しかし、肝心の燃料供給施設が輸送ルート上にないと、ユーザーは不便を強いられる。もともと既存のガソリンスタンドに併設、という形でスタートしたが、「CNGなどを扱うエコ・ステーションで採算がとれているのは全体の1〜2%程度」(エコ・ステーション推進協会)という状況だ。
 ■利便性
 国は都市内輸送を中心に、CNGトラックを来年度までに1万台普及させる政策を持つが、とくに法規制などで厳しい対応を迫られている陸運業界は、「輸送事業者は元売り系でも4万拠点、全体では5万拠点に達する現行の軽油供給体制を基本に考える」(全日本トラック協会、鷹觜豊二交通環境部長)と懸念を示す。10年までにCNGスタンドを2千〜3千拠点設置する国の目標も、事業者にとっては心細く映る。まして、その他の燃料供給設備については数値目標すらないのが現状だ。
 経済産業省では、クリーンエネルギー自動車等導入促進事業として、日本電動車両協会や日本ガス協会、エコ・ステーション推進協会を通じて補助金制度を実施している。昨年度は、自動車1万1204台分と新設天然ガスエコ・ステーション42基用などに約88億円を交付した。しかし、今後の普及目標と使い方を考えると、補助金頼みではなく、供給者と利用者双方に経済的メリットをもたらす整備スキームが欠かせない。
 ■広範囲の影響
 保管と供給からなるインフラの機能は、燃料の性質によって求められる能力も異なる。例えば経産省などが検討中のエタノール混合ガソリン。水溶性が非常に高いエタノールを混合すると、燃料の徹底した水分管理が必要になる。水分が混じるとエタノールとガソリンが分離してしまうからだ。現在のガソリン系インフラを活用する場合、「油槽所から配送ローリー、スタンドの地下タンクまで水分管理のため投資が必要になる」(出光興産)。石油税など課税対象の見直しも必要だ。法改正後、翌日からすぐに切り替える、とはとてもいかない。
 「低硫黄軽油導入の時もそうだったが、われわれに話がくるタイミングが遅い感じがある」(全国石油商業組合連合会)というように、インフラは重要な問題なのに、軽視されている感が否めない。
 「LPG(液化石油ガス)もCNGも、ディーゼルにかなうものはない。インフラと車両特性を含め、低公害化を実現するには、現行のディーゼルを大幅に変えないかたちで一歩ずつ進めていかないと、変わらないだろう」(コープ低公害車開発、若狭良治専務)という言葉が説得力を持ってくる。


燃料のゆくえ、混合と単独に二分、バイオ系まだ検証が必要
2003/05/28, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 1476文字

 現在、検討されている次世代燃料は大きく二つに分類される。ガソリンや軽油に混ぜて使用する混合燃料と、単独で使用されるものだ。
 サトウキビなどを原料とするバイオマスエタノール、廃食油などからつくるバイオディーゼルといった含酸素燃料は、運輸部門における二酸化炭素(CO2)排出削減の有力なカードとして期待がかけられている。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)ルールによれば、バイオマスエネルギーの使用は原則、CO2排出がゼロカウントとされるからだ。「E10」(エタノール10%混合ガソリン)だと、10%のCO2削減になる計算。
 国内では生産していないバイオマスエタノールの事業化を目指す三井物産は、世界最大の生産地ブラジルや、今後、生産が拡大しそうなインドからの輸入をもくろむ。同社は、使用エネルギーを半減するエタノール生産法を現地に導入するという。
 ただ、本格展開には曲折が予想される。栽培や製造過程で、実際にカーボンニュートラル(新たなCO2を発生しない)かどうかの検証が必要。燃料系統への腐食影響もあるため、既販車は3%など少量の混合しかできず、対策車が大勢を占めるまで長期導入シナリオを用意する必要がある。
 さらに「水分が混じると相互分離するため、燃料インフラ全般にわたり相当な設備投資が必要になる」(出光興産)として、石油業界はエタノールにイソブチレンを混合してつくるETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)の方が現実的と主張する。
 バイオディーゼルは、京都市が廃食油から精製したメタノールを軽油に混合し、ゴミ収集車などで実験を重ねている。一般車よりも特定業務車両で使用されそうだ。
 GTL(ガス・ツー・リキッド)は、天然ガスや石炭ガスを液体燃料に加工する技術で、軽油や灯油の代替燃料として使用される。硫黄分、芳香族を含まずクリーンな排ガスが期待でき、軽油とブレンドしても使える柔軟性もある。昭和シェル石油は「次世代燃料では最も期待している。時期を見極めて、例えばインタンク(運送業者などの大口用)販売などが考えられる」と話す。
 ただ、ガソリン需要が強い現状から「GTLは軽油需要が旺盛な欧州に向いている」(日本エネルギー経済研究所、森田裕二・石油グループマネジャー)とする意見もある。シェルは独フォルクスワーゲンと、GTLのディーゼル車使用実験を今月からスタートした。
 DME(ジメチルエーテル)はLPG(液化石油ガス)によく似た性質を持つ合成ガス。1970年代、フロンガスの代替品として研究が始まり、91年の湾岸戦争で石油危機感が高まるとガソリン合成の一歩前の燃料として研究が行われた。
 天然ガスや石油、バイオガスなどさまざまな原料から合成することができ、硫黄酸化物(SOX)や粒子状物質(PM)を出さないクリーン性もある。「未利用の低品位炭からも作れ、資源を有効活用できる」(大野陽太郎・ディーエムイー開発社長)こともメリット。LPGのインフラが活用でき、さらに将来の水素供給用にも転用できる。「トラック、バス用の供給インフラ構築は1500億円で5年程度と試算している」(梶谷修一・茨城大学教授)という。
 民生用燃料をはじめ幅広く利用できるが、自動車ではDME専用車が必要なため、量的普及に時間がかかるのが難点。
 一方、ガソリンやディーゼルも2008年から含有硫黄分が10ppm以下の「サルファーフリー」が実現する見通し。「10ppm以下になれば実質、新燃料といえる」(コープ低公害車開発、若狭良治専務)という巻き返しもある。


生協東京マイコープ、東村山にLPGスタンド、一般車両にも対応
2003/03/12, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 687文字

 生活協同組合東京マイコープ(増田レア理事長)は四月一日、東京都東村山市にLPG営業スタンド「東京マイコープ・エコ・ステーション」を開設する。全国の生協でも導入が進んでいる自営スタンドで、一般への販売も行うもの。今年十月から始まる東京都環境確保条例(都民の健康と安全を確保する環境に関する条例)を前に、ディーゼル代替車両としてLPGトラックを積極的に導入するとともに、生協初のエコステーションとして、地域での低公害車の普及を図る。
 排出ガス内のNOX、SPMが少ないLPG車は、他の低公害車と比較して車両価格が安いことから、全国の生協で積極的に導入を進めている。しかし、LPGスタンドがタクシー用として偏在していることから、地域における利便性が低く、普及が進まない大きな要因になっている。
 このため自営スタンドの設置と併せて車両の普及を進めようと、コープ低公害車開発と岩谷産業が共同で簡易型の「セルフステーションα」を開発。これまでに七生協が導入している。東京マイコープもこのタイプを東村山センター内に設置。十一日から利用を開始した。
 セルフステーションαは、ポンプによる加圧ではなく、プロパンガスとオートガスの蒸気圧の差圧を利用してLPGを移動させるシステム。第二種製造設備として認定され、高圧ガス保安責任者が不要など、自営設備として簡素化、低コスト化を図っている。
 東京マイコープは、設置に当たってエコステーション推進協会から半額の助成を受けており、エコステーションとして、近隣の運送事業者などへも販売していく。なかなか進まないディーゼル規制対策に一石を投じたい考えだ。


コープ低公害車開発、車両低公害化推進のためのシンポジウム
2002/10/21, , 日刊自動車新聞, 11ページ, , 2013文字

 コープ低公害車開発(馬場昭夫社長、本社=横浜市)はこのほど「車両低害化推進のためのシンポジウム二00二」を開催した。「始まった次世代燃料への胎動−ユーザーはどの燃料を選択するか」をテーマに、現在から十年後までの自動車燃料を展望した。将来の本命とされる燃料電池自動車が普及する前に、実効があり実用的な低公害車としてガス体燃料に焦点を当て、その動向などについて講演。二日目には、生協の自営LPGスタンドや日本鋼管・JFEのジメチルエーテル(DME)関連施設見学を実施した。
 コープ低公害車開発の若狭自治専務は、ディーゼル車の排ガス規制が強化されているが「PMなどが完全に除去されるわけではない。引き続き、健康被害を起こす物質の排出レベルを大幅に強化することが求められる」と、シンポジウムに先駆けて問題提起した。
 生協の配送車などに積極的に導入を進めているLPGトラックについて「ディーゼル車と対等なコストであれば(LPGに)百パーセント移行していく」とし、「現実的な対応が可能なもの」(若狭専務)が排ガス抑制に必要な条件であることを強調する。
 九月から、東京都内のガソリンスタンドて低硫黄軽油の販売が開始された。川崎市では軽質軽油を「クリーン軽油」として試験的に導入している。また、LPGや天然ガスを原料に合成するDMEやGTLなどのガス体燃料、バイオマス燃料など、排ガス抑制に向けて燃料が多様化している。こうした燃料の現状や今後の可能性などについて、報告を行った。
 LPGは、硫黄の含有量がゼロに近く、ベンゼンなどの発がん性物質を含まないなどの特性から自動車燃料としてはガソリンよりもクリーン性において優れている。LPG用の電子制御燃料噴射システムなど技術開発も進み、利用範囲も広がってきている。生協を始め、日本通運やヤマト運輸など大手運送事業者も積極的に導入を進めており、今後も増加傾向にある。
 LPGトラックのリース残存価格評価も上がってきていることなどから、ディーゼル車との導入コストの差は縮まっているようだ。その一方で、LPGの燃料スタンドは、タクシー用として偏在していることなどから使い勝手が悪く、インフラ整備に課題を残している。コープ低公害車開発は岩谷産業と共同で自営LPGスタンドを開発し、これまでに七生協八カ所で導入。さらに廉価版スタンドを開発し、普及に乗り出している。
 産業技術総合研究所エネルギー部燃焼工学研究室の後藤新一室長は「ガソリンに十分対向できるだけのメリットがなければユーザーは離れていく」と、ユーザー視点の重要性を強調する。新日本石油ガス販売部の後藤忠夫理事も「ユーザーに良さの情報と現物をいかに届けられるか」を課題に挙げていた。
 日本鋼管・JFEは副生ガスの有効利用を目的に事業化を進める一環として、DME自動車の開発に取り組んでいる。これまでに、燃料系を改造することで、燃料転換のみで新長期PM値をクリアするとともに、NOXを四割削減、黒煙発生なし、軽油と同等の熱効率を達成。0六年から見込まれている本格供給開始に向けて実用化に期待している。
 コープ低公害車開発は、日本鋼管を始め、伊藤忠商事、岩谷産業など八社共同で「DME中大型自動車研究会初事業」を立ち上げた。使用過程車を改造することで排出ガス規制をクリアすることが目的。石油公団との共同研究で来年末までに四トンクラスの試作車を完成させる計画だ。量販段階で改造部品総価格は五十万円を下回り、新短期規制をクリアするという現実的な成果を目指している。
 川崎市で展開している自動車排ガス対策は「過去の工場など固定発生源による大気汚染の対策に有効だったという経験から燃料に着目」(広瀬健二川崎市環境局郊外部自動車対策課主査)し、軽質軽油を試験的に導入。現在、市バス、民間バス、ゴミ収集車、消防車の八百四十四台が使用している。
 東京都内で販売を開始した低硫黄軽油が硫黄分を五0ppm以下に落としたのに対し、軽質軽油は灯油流分を増やし、多環芳香族炭化水素の含有量を低減させたもの。「今導入できる最善の技術」として導入事業をスタートさせたが、給油場所や燃料価格差への対策以上に、「ユーザーの認識を高めていくことが簡単なようで一番難しい」(同)とみている。
 このように改質した軽油やガス体燃料など、複数の燃料が排ガス対策の候補として挙がってきている。慶應義塾大学理工学部の飯田訓正教授は「排出ガス対策としてだけでなく、一0年以降のエネルギーセキュリティーを考えていくと、複数の燃料を使い分けていくことが大事」だと指摘。「それぞれの取り組みを行い、輪を作っていくことが大切だ」とする。また「車体構造や道路インフラなど、事故を認めて初めていい物が生まれたように、コストはかかるし公害も起こる、というところから始めないと」と、意識改革の必要性を強調していた。


コープ低公害車開発、石油公団と共同で
2002/10/05, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 918文字

 コープ低公害車開発(馬場昭夫社長、本社=横浜市)は産業技術総合研究所、伊藤忠商事など八社と「中大型DME(ジメチルエーテル)自動車の実用化研究開発」事業を立ち上げた。石油公団との共同研究として行うもので、車両開発、燃料供給、利用の三者が参加するものとして注目される。既存ディーゼルエンジンと同等以上の熱効率で、二00五年の新長期規制値を視野に入れた排ガス性能を持つ試作車を来年末までに完成させる計画だ。
 今回の事業は、石油公団が公募した平成十四年度石油・天然ガス開発・利用促進型特別研究(共同研究)の一つとして採択された。0三年度までの二年計画で、初年度の研究助成は二億円。
 天然ガスなどを原料に合成するDMEは、二酸化炭素(CO2)排出削減をはじめ、粒子状物質(PM)、硫黄酸化物(SOX)、窒素酸化物(NOX)といった大気汚染物質を大幅に削減する効果が期待できることから、ディーゼル代替燃料として注目されている。
 同事業では、来年十月からディーゼル車の規制がスタートするという中、即効性が高く効果の大きいものとして中大型DME車開発を行う。
 利用者がすぐに使用できる実用的な技術を目指すことから、使用過程車の改造という手段をとる。改造費用は量産段階で五十万円以下を目指す。燃料供給は既存のLPG(液化石油ガス)ルートを活用する方針だ。0三年施行予定の新短期規制値を下回るとともに、既存ディーゼルエンジンと同等以上の熱効率四0%以上を確保するのが第一目標。さらに、0五年の新長期規制値以上の達成も模索するとともに、今後需要が急増するとみられる中国などへの導入も視野に入れる。
 今回の開発体制は、コープ低公害車開発が全体総括、産業技術総合研究所が技術総括を行い、燃料の最適化を三菱ガス化学、日本鋼管、伊藤忠商事が、また燃料充填システム開発を岩谷産業が、改造部品の設計製作などに伊藤忠エネクス、門倉商店が参加するなど、車両開発から燃料供給、市場調査までさまざまな企業が連携して当たるのが特徴だ。このほか、いすゞ自動車、三菱自動車工業、ボッシュジャパン、中央精機、フラットフィールド、生活協同組合、ヤマト運輸などが協力企業に加わっている。


環境をテーマに多治見でシンポ 「コープぎふ」が7日 /岐阜
2002/10/04, , 朝日新聞 朝刊, 25ページ, 無, 309文字

 生活協同組合コープぎふ(各務原市、水野隼人理事長)は、7日午前10時から多治見市旭ケ丘10丁目のコープぎふ多治見支所で「環境に配慮した地域づくりシンポジウム」を開く。
 コープぎふは配送用トラックの脱ディーゼル車化を図るため、黒煙が出ないLPG(液化石油ガス)車の導入を進めており、これまで175台のうち95台を切り替えた。多治見支所には8月、初めて自前のLPGスタンドも設置している。
 パネリストは、コープ低公害車開発株式会社専務の若狭良治さん、多治見市環境課の仙石浩之さん、同支所環境委員会の塚本幸子さん、水野理事長の4人。第2部としてLPG車の試乗などもある。参加申し込みは同支所(0572・27・8752)へ。


コープ低公害車開発、車両低公害化推進でシンポジウム開催(短信)
2002/09/18, , 化学工業日報, 12ページ,  , 198文字

 ◇車両低公害化推進のためのシンポジウム コープ低公害車開発は、10月3日午前10時からユウホール(横浜市港北区新横浜2−6−23)で「現在から10年後までの自動車燃料を展望する」というテーマでシンポジウムを開催する。今回のシンポジウムでは、電子制御LPガス液状加圧噴射システムの現状や自動車排ガス規制の動向などの紹介する予定。問い合わせはコープ低公害車開発(電話045−472−7913)まで。


自動車燃料テーマに、コープ低公害車開発がシンポ
2002/09/12, , 日刊自動車新聞, 10ページ, , 302文字

 コープ低公害車開発(馬場昭夫社長、本社=横浜市)は十月三日、横浜市港北区のユウホールで「車両低害化推進のためのシンポジウム二00二」を開催する。今回は「現在から十年後までの自動車燃料への胎動−−ユーザーはどの燃料を選択するのか」をテーマに、慶応義塾大学理工学部の飯田訓正教授や産業技術総合研究所の後藤新一部長らを招き「自動車排ガス規制と自動車及び燃料の将来」などの講演を行う。
 開催時間は午前十時から午後四時。定員は百二十人。参加費用は八千円(協賛会員は六千円、生協組合員は三千円、昼食代込み)
 参加申し込み、詳細はホームページから。問い合わせはコープ低公害車開発(電話0四五−四七二−七九一三)まで。


情報ファイル:コープ低公害車開発が環境シンポジウム
2002/08/27, , 日本工業新聞, 11ページ,  , 168文字

 「現在から10年後までの自動車燃料を展望する−始まった次世代燃料への胎動−ユーザーはどの燃料を選択するか」と題し、10月3日、横浜市港北区のユウホールで。個別テーマは「ディーゼル車、軽油はどこまで改善されるか」「燃料電池、水素スタンドはどこまできたか、どこまで行くのか」など。参加費は一般8000円。(TEL045・472・7913)


コープ低公害車開発、車両低公害化のためのシンポジウム開催
2002/08/14, , 日刊工業新聞 , 10ページ, , 166文字

コープ低公害車開発(045・472・7913)は10月3日、「車両低公害化推進のためのシンポジウム」を開く。
「現在から10年後までの自動車燃料を展望する」をテーマ。
現状から、将来の排出ガス規制の動向と、排ガス抑制の手法、燃料の改良について講演する。
参加費は8000円(協賛会員は6000円、生協組合員は3000円)。
定員は120人。


コープ低公害車開発、事務所を移転(短信)
2002/07/12, , 化学工業日報, 7ページ,  , 101文字

 ◇コープ低公害車開発が事務所移転 新住所は〒222−0033横浜市港北区新横浜2−5−11金子第1ビル2階。電話045−472−7913、FAX同7924。6月18日から新事務所で営業を開始している。


粒子状物質の削減を ディーゼル車(社説)
2002/03/20, , 朝日新聞 朝刊, 2ページ, 無, 1111文字

 中央環境審議会がディーゼル自動車の排ガス規制を強化する答申を出した。05年から販売される新車には、欧米並みの厳しい規制が適用される見通しだ。
 ディーゼル車は、日本の自動車台数の2割強だが、車から出る窒素酸化物の4分の3を占め、粒子状物質(PM)では大部分が、ディーゼル車から排出されている。
 新たな規制は、今年から始まる規制に比べて窒素酸化物を半減させる。PMは3・5トン以下の車で75%減、大気汚染への影響が大きい大型車では、85%減らす。
 車の買い替えが進めば、大気汚染の改善が期待される。それでも都市部の大気の環境基準達成は簡単ではないだろう。
 ディーゼル車では、燃料を完全燃焼させると窒素酸化物が増え、窒素酸化物を減らすと不完全燃焼の物質がPMになる。エンジンの改良だけで、両方を同時に減らすのは難しい。これまでは窒素酸化物減らしに主眼が置かれ、かなり改善された。
 その結果、PMこそが健康被害を起こしている主犯だという疑いが濃くなってきた。道路沿線の被害が問われた尼崎大気汚染公害訴訟でも、ぜんそくとの因果関係が認められた。最近では発がん性や、花粉症を悪化させることも指摘されている。
 今回の規制はPM減らしに重きを置いているのが特徴だ。今後もこの方向をより明確にした対策が望まれる。
 ディーゼル車の規制が大きく遅れたのは、メーカーがエンジンの改良は難しいと主張してきたからだ。ディーゼル車に使われる軽油の税金を低く抑えるトラック優遇策など政府の姿勢も甘かった。
 風穴を開けたのは、99年に東京都が発表した「ディーゼル車NO作戦」である。「ディーゼル乗用車には乗らない、買わない、売らない」と呼びかけ、大型車には「排ガス浄化装置の装着義務づけ」など、都独自で規制する方針を打ち出した。
 「浄化装置は高すぎる」など反対も多かったが、埼玉、千葉、神奈川の3県が同調するところまで支持が広がり、今回の国の規制強化につながった。
 浄化装置の値段も下がった。厳しい目標をたてれば技術開発は進むのである。
 軽油の低硫黄化やディーゼル車の数を減らすことも有効な対策だ。横浜市の「コープ低公害車開発株式会社」は、全国の生協の小型トラックを液化石油ガス車やガソリン車に替える運動を続け、35%を「脱ディーゼル化」した。
 ただ、ディーゼル車には、ガソリン車よりも燃費がいいという長所もある。地球温暖化の原因とされる二酸化炭素対策を重視する欧州では、燃料の低硫黄化と厳しい排ガス規制をおこなったうえで、乗用車のディーゼル化を進めている。
 日本でも大気汚染の改善とディーゼル車の技術改良が進めば、こうした方向が可能になるかもしれない。


[東京大気汚染訴訟・都政の挑戦](4)LPG車 進まぬスタンド増設(連載)
2002/02/16, , 東京読売新聞 朝刊, 36ページ, 写, 1179文字

 ◆業界頼りの普及、限界
 「LPG(液化石油ガス)のスタンドを、今年度末までに都内十か所に新設する」
 ディーゼル車から、低公害車への転換を目指す都主催の「新市場創造戦略会議」が、一昨年十一月に宣言した公約だ。
 「スタンドが少ないから車を買わない。利用者が少ないからスタンドが増えない。需要がないから、車を安く作れない」
 この悪循環を解消しようと、関係業界が一堂に会した会議だった。「ここに集まった方々が、鈍感な国を動かす引き金を引いて欲しい」と、石原知事もその席で訴えた。
 しかし、一年余がたった今も一つの新設もなく、"机上の空論"に過ぎなかった。
 LPG車は、ディーゼル車が大量に吐き出す黒煙や微粒子を全く出さず、窒素酸化物の排出も極めて少ない。都はCNG(天然ガス)車とともに、有力な低公害車とみている。
 昨年十二月、都内で開かれた都エルピーガススタンド協会の理事会では、都の期待に反し、スタンド増設のことは、話題にもならなかった。
   □■□
 「この不況の最中、億単位の投資が必要なスタンド増設なんて無理な話」と、都内のスタンド経営者は、吐き捨てるように言う。
 都内でLPGタクシーが初めて走ったのは、一九六三年。燃料の価格の安さからタクシーを中心に普及し、LPG車は九〇年、都内で約五万七千台が登録された。
 ところが、思うように増えないLPGスタンドの不便さなどの理由から、同年をピークに減少し始めた。昨年九月現在の登録台数は、四万九千台。七五年に百十五あったLPGスタンドも、現在は百という。
 スタンド協会専務理事の内田賢(ただよし)(58)は、「業界はいま、水面すれすれで、浮いたり沈んだりの状態。都の期待にこたえたいのは山々だが、現実は厳しい」と苦しげに話す。
   □■□
 東名高速の川崎インターチェンジの近くに昨年十一月、生協組織「コープかながわ」が新しいLPGスタンドを設置した。生協は十年前から、配送車にLPGの導入を進める"優等生"だ。普及率は全国でようやく約25%(三千四百七十三台)に達したが、やはりスタンド不足は最大のネックになっている。
 旗振り役を務める「コープ低公害車開発」(横浜市)の若狭良治(57)は一昨年三月、都が発行した「環境白書」を読んで驚いた。CNG車の三倍近いページを費やし、LPG車のメリットが解説されていた。「ようやくやる気になってくれた」と喜んだが、期待は失望に変わりつつある。
 「七千五百台もある公用車に、LPG車をたった二台しか導入していない都が、都民に呼びかけても響かないのは当然。業界頼りの普及策も、もう限界ではないか」と憤る。
 悪循環を断ち切る妙案はあるのか。都政の手腕が問われている。(敬称略)
   写真=トラックへのLPG導入は盛んになってきたが、スタンド不足で二の足を踏む事業所も少なくない


環境と低公害車考える講演会 22日、福岡市で /福岡
2002/02/09, , 朝日新聞 朝刊, 28ページ, 無, 275文字

 22日午後1時30分から福岡・天神のアクロス福岡で「環境問題と低公害車についての講演会」(主催・県中小企業団体中央会)が開かれる。
 環境管理の国際規格ISO14001を取得した福岡都市圏のごみ集配業者らでつくる「福岡EMS推進協議会」が、低公害車普及を進めようと企画した。朝日新聞総合研究センター主任研究員の杉本裕明記者と、低公害車の開発を手がけるコープ低公害車開発の若狭良治専務がそれぞれ講演。環境・廃棄物問題全般や、低公害車普及を巡る課題について意見交換をする。入場無料。定員30人。参加希望者は御笠環境サービス(092・575・2789)へ。


◎九州経済=九州国際観光シンポジウム開催 ほか
2002/02/08, , 西日本新聞朝刊, 9ページ, , 1318文字

 ●きょうの動き=九州国際観光シンポジウム開催
 九州運輸局や九州7県などでつくる九州国際観光推進実行委員会は、福岡市のシーホークホテル&リゾートで「九州国際観光シンポジウム」を開く。中国からの団体観光客を九州にどう呼び込むかをテーマに、国際観光振興会北京観光宣伝事務所の井久保敏信所長が基調講演し、観光関係者らが具体的な誘致策を討議する。
    ×      ×
 ▼グリーンシート市場「参考推薦企業」18社
 ベンチャー企業支援組織、フクオカベンチャーマーケット(FVM)協会に参加した証券会社などでつくる「FVMグリーンシート推進連絡会」はこのほど、未公開企業の株式などの売買を行うグリーンシート市場への「参考推薦企業」18社を公表した。参考推薦企業の公表は、昨年7月の25社に続き2回目。推薦企業は以下の通り。
 【福岡県】アンソネット(旧コア・クリエイトシステム)▽壱岐国際航空▽エヌ・ビー・エス▽九州基盤情報管理センター▽九州計測器▽システムフロンティア▽ジーンアクト▽ピー・ビー・システムズ▽フィルドサイエンス▽フォーリンクシステムズ▽メディオス【長崎県】菱興産業【熊本県】アクアシステム▽プレシード【大分県】サークル・ワン▽リラコーポレーション【山口県】エムビーエス▽オオシマ自工
    ×      ×
 ▼九州7県の中小企業 2期ぶりにDI悪化
 中小企業金融公庫福岡支店(福岡市)が7日発表した昨年10―12月期の九州七県の中小企業動向調査によると、業況判断指数(DI、前年同期より「改善」と回答した企業割合から「悪化」の割合を引いた値)は、全業種平均でマイナス25・6と前期(昨年7―9月期)から3・6ポイントマイナス幅が拡大した。DIの悪化は2期ぶり。
 製造16業種では一般機械や電気機械など8業種で悪化。非製造は10業種中、建設など4業種でマイナス幅が拡大した。
    ×      ×
 ▼低公害車をテーマに22日に福岡で講演会
 福岡県中小企業団体中央会は22日午後1時半から、福岡市・天神のアクロス福岡で、環境問題と低公害車をテーマにした講演会を開催する。入場無料。コープ低公害車開発の若狭良治専務らが低公害車開発と普及促進活動の現状などについて講演する。問い合わせは全国エルピーガススタンド協会九州地方本部=092(761)1735。
    ×      ×
 ●ひと=情報公開で信頼獲得 九州電力副社長・肥前洋一氏
 原子力発電所の原子炉熱出力を一定に保つ「定格熱出力一定運転」を今春にも川内原発(鹿児島県川内市)と玄海原発(佐賀県玄海町)で実施する予定。発電量を一定に保つ現行の「電気出力一定運転」に比べ、冷却水(海水)の温度が下がる冬場は発電量が2―3%アップするのが特長だ。排水温上昇など環境面の影響が懸念されているが「安全上の問題はない。地元の理解を得て実施したい」と話す。二酸化炭素(CO2)の排出削減など地球温暖化防止の効果が期待される原発だが、安全性への疑念の声は根強い。それだけに「『原子力は絶対安全』という前提では信頼されない。電力事業者が情報公開を徹底することで、信頼を高めてゆきたい」と強調する。


コープ低公害車開発、シンポジウム2001を開催(短信)
2001/09/18, , 化学工業日報, 12ページ,  , 291文字

 ◇車両低害化推進のためのシンポジウム2001 コープ低公害車開発は10月26日午前10時から午後5時、横浜市港北区のユウホールで開く。テーマは、低公害車をめぐる動き(ユーザーから見た技術動向など)、エネルギー資源論の立場で見た燃料問題、具体的な活動課題の確認(ユーザーから見て何が優先課題か)−など。講演は、LPG/DMEなど燃料面から見た低公害車の研究(産業総合技術研究所後藤新一氏)、ユーザーから見た選択基準(コープ低公害車開発若狭良治氏)など8タイトル。
 参加費は8千円(食事・資料代含む)、問い合わせはコープ低公害車開発(電話045−472−7913、FAX同7924)。


LPG車に転換終わる コープやまなし配送用トラック /山梨
2001/07/10, , 朝日新聞 朝刊, 34ページ, 無, 465文字

 コープやまなし(本部・甲府市)は、95年度から配送用トラックを、軽油使用から排ガスの少ない液化石油ガス(LPG)使用に切り替えてきたが、最近、33台すべてのトラックのLPGへの切り替えが終わった。LPGトラックへの転換率100%を達成したのは、全国の生協で初めて。
 地球温暖化の防止を図るため、コープやまなしは、95年度から実験的に、配送用の2トンLPGトラックの導入を進めてきた。初年度は4台だけだったが、昨年までに32台に増え、先週、最後の1台目を替えた。
 LPG車は、電気自動車や天然ガス車など、環境省が定義する低公害車には含まれていない。しかし、黒煙や発がん性物質などを含む浮遊粒子状物質を排出しないのが特徴で、窒素酸化物の排出量もディーゼル車に比べて約3分の1ほどとされる。
 コープやまなしのLPGトラックは、横浜市に本部があるコープ低公害車開発株式会社が、トヨタ自動車などと共同開発した。今年7月現在、全国の生協に登録されている配送トラックは1万4332台あり、そのうち約22%の3150台がLPGトラックだという。


日石ガス、LPG直噴システムの輸入販売本格化、自動車用エンジン
2001/03/27, , 化学工業日報, 15ページ, 有, 1091文字

 日本石油ガス(東京都千代田区、河合正人社長)は自動車用LPG供給システムの輸入販売を本格化させる。オランダ・ヴィアレ(VIALLE)社が独自開発した「LPi(リキッド・プロパン・インジェクション)システム」と呼ばれる電子制御液体プロパン直接噴射システムで、LPGが従来のように気化することなく、液体のままエンジンマニホールドで噴射される技術。エンジンに供給するLPG燃料の量を正確に制御でき、排ガス中の有害物質を減少させることが可能となる。またLPGとガソリンの両方の燃料をボタン操作ひとつで切り替え、走行することができるバイフューエル方式を採用している。現在国内で個人タクシーなど二百台でモニターを実施中。今年九月から一般販売に乗り出す。
 日石ガスはLPGの輸入元売りの大手として、LPGの需要開拓の一環として環境負荷が少なく、燃料費も安いLPG車の普及に取り組んでいる。
 しかし現在のLPG車は液体のLPGを暖めて気化してエンジンに送るため体積が増えて空気量が足りないことから出力不足とされてきた。またLPGスタンドも全国に約一千九百カ所と少なく、自動車の普及面から限度があった。
 今回、日石ガスが輸入販売するオランダ・ヴィアレ社のLPiシステムは第五世代の先進型燃料供給システム。燃料容器内に液体LPGを循環させるポンプが装備されており、LPGを加圧噴射するため気化したガスが体積膨張して空気量を増やしガソリンと遜色ない出力が得られるのが特徴。またコンピューター制御でエンジンへ吹き込む燃料の量やタイミングを制御でき、従来のLPG車より一−二割低燃費となる。エンジンはガソリンで始動しインジェクター部分が暖まったら一、二分でLPGに切り替わる。バイフューエル方式でLPGとガソリンの両方の燃料を切り替えスイッチ一つで走行できる。
 ヴィアレ社は五年ほど前に実用化し、欧州を中心にこれまでに約五万システムを普及させているが、日本でも昨年、高圧ガス保安法の改正で加圧噴射装置が使えるようになった。
 日石ガスは独占販売契約を結ぶとともに、コープ低公害車開発、片倉チッカリン、中央精機、門倉商店の計五社で「LGV研究会」を設置し、個人タクシー、LPG事業者、スタンド経営者などによる二百台のモニター車により本格普及を開始している。
 トヨタのクラウン、カローラ、ハイエースの三車種についてシステム開発しており、三十万から五十万円台で改造できる。また新年度から国の補助金が、上限二十五万円の二分の一が改造費として補助を受けることができる。同社では九月から商用車を対象に一般販売を開始する。


低公害LPG車、普及に光 規制緩和で実現(技あり)
2001/03/19, , 朝日新聞 夕刊, 17ページ, 有, 1914文字

 液化石油ガス(LPG)でもガソリンでも走る自動車が街にデビューした。LPGは環境負荷が少なく燃料費も安いが、出力が小さくLPGスタンドも全国約千九百カ所しかないことから、タクシーを除いて普及は進んでいなかった。併用車なら、スタンドが少なくても安心して乗れる。出力も向上した。LPGで走るディーゼル車も登場した。LPGの時代はくるか。(黒沢大陸)
 (1)ガソリンと併用 始動時、自動切り替え
 従来型のLPG車が出力不足だったのは、液体でタンクに入っているLPGを暖めて気化させただけのガスをエンジンに送るため、体積が増えて薄い混合気しかできなかったためだ。LPGを加圧すれば混合気を濃くでき、ガソリンにそん色ない出力が得られる。加速の際に低速ギアを長く使わなくて済み、燃費は向上する。
 高圧ガス保安法で規制されていた加圧・噴射装置が昨年から使えるようになり、LPG車に改造するセットがオランダのヴィアレ社から輸入され、改造された国産や輸入車が昨年末から出回るようになった。
 一つのエンジンで二つの燃料が使え、出力も維持できるのは、エンジンに燃料を吹き込む量やタイミングを制御するためだ。同社は、ガソリン車にガスタンク、圧力調整器、ガス用の噴射弁と制御コンピューターを取り付ける=図。
 エンジンはガソリンで始動させる。エンジンが暖まり、LPGに気泡ができないような圧力になるなど一、二分で条件が整うと、LPGに切り替わる。LPGが空に近くなったら走行中でもボタンを押すだけでガソリンに切り替わる。
 LPGは粒子状物質など有害物質が出にくい。このシステムを輸入・販売する日本石油ガスなどによると、ガソリン車の二〇〇〇年規制と比べて排ガス中の一酸化炭素(CO)は十分の一、炭化水素は八分の一、窒素酸化物(NOx)も四割ほど少ない。
 改造は工賃を含め三十六万円から五十五万円程度。一キロ走るのに必要な燃料費は、トヨタ・クラウンクラスでLPGの方がガソリンより三円ほど安い。
 十数万キロ走らないと改造費の方が高くつくが、タクシーなら年間、十万キロは走る。ガソリンを使う個人タクシーを切り替えたとすると、一年半ぐらいで改造費が賄える計算だ。
 同社販売部の後藤忠夫部長(技術担当)は「従来型のLPGタクシーと実際の走行で比較したら燃費が一五%から二〇%よかった」と話す。
 気化したLPGに圧力をかけて噴射させるなど別の方法の開発も進んでいる。今は走行距離が少ない自家用車は費用面で厳しいが、欧州並みに安くなればガソリンに対抗できそうだ。
 日本への導入を進めてきたコープ低公害車開発の若狭良治専務は「世界ではLPG自動車が評価され普及している。日本でも規制緩和が進めばもっと安くなる」と話している。
 (2)ディーゼル車に応用 添加剤で燃えやすく
 ガソリン車にLPGが使えるなら、排ガス中の粒子状物質が問題になるディーゼル車にも使えないか。
 ディーゼルエンジンは、点火プラグがなく、燃料の軽油を高温のエンジン内で自己着火させている。LPGは軽油に比べて燃えにくいため、そのままでは使えない。岩谷産業は着火性を高める添加剤を加えることで、この問題を解決した。
 これまでの添加剤でもLPGの量の一五%入れればエンジンは動く。しかし、価格が高くなり実用に向かない。同社は有機過酸化物系と直鎖状の炭化水素を混ぜることで、添加量を一%以下に抑えた。これで単位距離あたりの燃費を軽油の同等以下にできたという。
 噴射の制御は車種によって、噴射ノズルの口径を変えたり、コンピューターを使ったりして行う。
 排ガス中の粒子状物質は非常に少なくなると期待される。計測済みのCOは新短期規制をかなり下回っているが、炭化水素やNOxは未達成だ。
 LPGは硫黄分が多い軽油と違って排ガスを処理する触媒も使いやすい。同社の森牧彦理事は「触媒の性能が向上すれば、さらに削減が可能だ」と話す。
 ただ、課題は残る。ガソリンとの併用車も同様だが、LPGは軽油に比べて潤滑性に劣ることだ。潤滑性が悪いと燃料を送るポンプの耐久性が落ちてしまう。同社ではポンプ内のピストンを炭素コーティングすることで耐久性を高めているが、実際に走行テストを重ねて確認しなければならない。
 LPGは利用できるスタンドは少ないものの、ほかの低公害車に比べれば多く、簡易型スタンドも開所しつつある。運送会社がLPGトラックを導入する例も増えており、LPGを燃料にした自動車の開発・普及が注目されている。
 【写真説明】
 改造作業は現在は2人で1日かかるが、慣れれば半分以下の時間に短縮できそうという=東京都足立区で


コープ低公害車開発調べ 生協でのLPGトラック導入台数が2割超
2001/02/06, , 日本工業新聞, 15ページ,  , 478文字

 コープ低公害車開発(社長・馬場昭夫氏、横浜市港北区、TEL045・472・7913)は、全国の生活協同組合で使用するLPG(液化石油ガス)トラックの導入台数が、全体の二割を超える二千九百二台と発表した。同社では、LPG車が、ガソリン車と価格面でほぼ同等な点や、黒鉛の排出がないなど環境面に優れる点を総合的に考慮しLPGトラックの導入促進を図ってきた。
 生協では九四年から低公害車としてLPGトラックの導入を進めてきた。全国百の拠点のなかで、導入台数が最も多いのは、東京都の首都圏コープパルシステムの三百五十四台。また、LPGトラックへの転換率が最も多いのは山梨県のコープやまなしで、九四・一%となっている。コープやまなしでは早ければ三月中に一〇〇%導入に踏み切る予定だ。
 また、LPG車は、六年に一回燃料タンクの整備が必要だが、整備工場に出すと一週間から十日かかり、その間トラックが使用できなくなる。この点を解消するため、同社では、他の拠点で整備に出されたタンクを再利用する形で、即日交換が可能となる仕組みを整えた。これによりタンクの有効利用を実現する。


生協、配送トラックのLPG比率、1月末で20%突破
2001/02/05, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 464文字

 コープ低公害車開発は、全国の生協(生活協同組合)が導入を進めている低公害LPG配送トラックが一月末現在で、二千九百二台に達し、導入比率が全配送トラック(一万四千四百七十台)の二0%を突破したと発表した。LPGトラックの普及としては、流通業界でも非常に高い導入比率となっている。
 全国にある生協(百組合)では、低公害車を配送に使用する環境対応を以前から積極的に推進しており、特にLPGトラックの導入に力を入れている。
 その結果、一月二十六日現在で、LPG配送トラックが二千九百二台に達し、導入比率は二0・0八%となった。導入状況をブロック別に見ると、北海道は十一台、東北百五十二台、関東・甲信越千二百十四台、東海・北陸三百三十七台、近畿四百三十八台、中国二百二十五台、四国二百七台、九州・沖縄三百二十台となり、関東・甲信越での導入が目立っている。
 また、導入車両をメーカー別で見ると、トヨタが千六百二十九台(五六・一%)、三菱七百十八台(二四・七%)、いすゞ三百三十八台(一一・六%)、マツダ二百十七台(七・五%)となっている。


排ガス試験、甘い日本 欧米なら数値大幅増 法定走行、都市部の渋滞反映せず
2000/10/16, , 東京読売新聞 朝刊, 39ページ, 写, 2187文字

 ◆オランダの研究機関調査
 自動車の排ガスをチェックする日本の試験方法は、米国やEU(欧州連合)の試験方法に比べ、排ガス中に含まれる有害物質の割合が低い結果が出る仕組みになっていることが十五日、オランダの研究機関の調査で分かった。日本で試験をパスした車両の排ガスを三つの方法で検査した結果、有害物質の一つ、炭化水素(HC)がEU方式の三十三分の一しか排出されない車種もあった。試験方法の差異は、想定する走行パターンの違いに基づくもので、東京都は「現行の試験方法は都市部の走行実態を反映していない」と指摘している。試験方法の抜本的見直しが迫られそうだ。
 国内で販売される自動車は、道路運送車両法に基づく法定の走行方法に沿った排ガス試験で、規制値をクリアする必要がある。特殊な測定機の上でアイドリング、加速、低速など複数のパターンで走らせ、排ガスの濃度を測定するが、走行パターンは各地の走行実態を考慮するため日、米、EUそれぞれ異なっている。
 今回の調査は、低公害車の開発を進める「コープ低公害車開発」(本社・横浜市、馬場昭夫社長)などが、先進型LPG車の開発のため、車両をオランダに送った機会に、政府系研究機関「TNO・道路車両研究所」に委託し、今年五―六月に行われた。
 使われた車両は、国産のワンボックス車、ライトバン(以上、使用過程車)、乗用車(新車)と三車種のガソリン車。燃料は現地で市販されているガソリンを使い、日本、米国、EUがそれぞれ定める法定の試験方法で、HC、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)について走行距離一キロ当たりの排出量を測定した。
 その結果、HCとCOについては、すべての車種で日本の方法は最も排出量が少なかった。NOxの場合、乗用車ではEUの方法が最も少なかったが、ワンボックス車とライトバンでは、日本の方法では排出量が欧米の二割以下と極端に少なかった。特に乗用車のHC排出量はEUが〇・三三グラム、米国が〇・二三グラムだったのに対し、日本はわずか〇・〇一グラムで、EUの三十三分の一に過ぎなかった。
 一般に自動車排ガス中の有害物質は、渋滞時のように加速と減速を繰り返すと排出量が増える。日本の法定走行は、こうした走行パターンが占める割合が欧米に比べて少ない。特に、米国では大気汚染が激しい都市部に焦点を当て、一般道での渋滞やハイウエーでの高速走行を走行試験に反映させているが、日本の場合は、全国各地の走り方を平均値化した走行パターンとなっている。
 東京都が都内を実際に走っている車両を独自に調査した結果によると、特に渋滞がひどい区部の平均車速は時速約十八キロで、全国平均(約三十五キロ)の半分程度となっている。都は「米国のように、都市部の実際の走行実態を反映した方法に改めるべきだ」と主張している。
 調査を行ったコープ低公害車開発の若狭良治専務理事は「政府が十年以上も試験方法の見直しを行わず、欧米との違いも調べていないのは怠慢だ。日本の試験方法は条件が甘く、実際には規制値を厳しくしても、効果が出ていないのではないか。メーカーは国内向けの車両にも可能な限りの排ガス対策を盛り込むべきだ」と話している。
 また、自動車排ガス問題に詳しい河野通方・東大大学院教授(航空宇宙工学)は「このデータだけで、一概に日本の試験法が甘いとは言い切れないが、現状が走行実態の変化に対応しきれていない面があるのも事実。大都市部の走行実態に焦点を当てた見直しを検討する必要がある」と指摘する。
 現行の試験方法は八九年十二月の中央環境審議会の答申に盛り込まれ、九一年十一月以降に生産の車に適用されている。環境庁は現在、専門家による検討会を設置、新しい試験方法の検討を進めているが、非公開で、メンバー八人のうち、五人は運輸省と自動車メーカーの関係者が占めている。
 ◆各社 輸出用には手厚い対策
 自動車メーカーは車を輸出する際、輸出先で排ガス試験を受け、規制に対処する。このため、ほとんどの自動車メーカーは輸出用に排ガス除去装置を追加するなど、国内外を使い分ける"ダブルスタンダード(二重基準)"で対応。主要自動車メーカー八社に尋ねたところ、全社が国内用、輸出用で排ガス除去装置などの仕様を使い分けていた。
 大半の社は「燃料の調節方法などを変えている」(本田技研工業、マツダ)、「(有害物質をこし取る)触媒の容量などを変えている」(日産自動車、三菱自動車工業、富士重工業)としているが、国内用より、輸出用に手厚い排ガス対策をとったかどうかについては、「検査方法が違うので、どちらが優れているとは言えない」(本田技研工業)、「地域の特性に応じた規制に対応している」(日産自動車)などとして、明言を避けている。
 しかし、業界最大手のトヨタ自動車は「ガソリン車の場合、排ガスを除去するためのセンサーを、国内向けでは一つだが、輸出用には複数搭載しているケースがある」と認めたうえで、「現状では各地の国内法に合わせなければならないが、大気汚染から消費者を守るという観点から、また製造コストの面でも、地域による試験法の違いは少ない方がいい」(広報部)と話している。
  写真=オランダでの法定走行試験。試験方法により結果に大きな違いが出た
 図=法定走行試験によるNOx排出量の違い


LGV研究会、先進型LPG車販売に本腰
2000/09/27, , 日刊自動車新聞, 3ページ, , 661文字

 日本石油ガス(河合正人社長、東京都千代田区)などで組織するLGV研究会は、LPi(電子制御LPG液状噴射システム)を搭載した先進型LPG自動車の本格販売に向けた取り組みを開始する。今年十一月ごろをめどに二百台のモニター車の販売を開始。これに基づいて燃費やユーザーの反応を調査したのち、来年早々にも本格的な販売開始につなげたい考え。同研究会では、二00二年をめどに年間およそ二千台規模で販売したいとしており、LPG自動車の普及を大きく前進させる。
 昨年九月の通産省による高圧ガス保安法の規制緩和措置で、液状で加圧燃料噴射するLPi装置の使用が可能となった。これによって、出力性能をガソリン車並みとしながら従来のLPG車に対しては燃費を約一五〜二0%改善できる先進型LPG自動車が実現した。日石ガスやコープ低公害車開発、門倉商店など関連五社で組織するLGV研究会は、同装置がガソリン車にほぼそのままで搭載できる点などから普及を見込む。
 LPiシステム装置は同研究会で、オランダ・ヴィアーレ社から輸入し、販売・改造、メンテナンスなどを行う。改造費はおよそ三十五万〜五十五万円。搭載車種は、商用の小型トラックやバンなどが中心と見られるが、トヨタ・クラウンや日産・プリメーラなど乗用車タイプもラインアップする。同研究会は、先進型LPG自動車に対するユーザーの関心が高く、東京都が「新市場創造戦略会議」でLPG自動車の積極的な導入を検討していることなどから、本格的な販売開始で多ければ来年度に千台、0二年度には二千台の販売を見込む。


普及促進協 目玉はLPGハイブリッド車、展示・試乗会
2000/09/08, , 日本工業新聞, 10ページ,  , 750文字

 LPガス自動車普及促進協議会の主催による「LPガス自動車展示会・試乗会2000東京」が七日、東京・西新宿の新宿住友ビル屋外駐車場で開催された。あいにくの雨にもかかわらず、自治体やタクシー、運送会社関係者のほか、オフィス街のサラリーマンらも多数見受けられた。環境意識の高まる中、排ガスのクリーン性などで知られるLPG(液化石油ガス)車にも大きな期待が寄せられているようだ。
 同展示会の最大の目玉は、ガソリン、LPGのハイブリッド車だ。ハイブリッドとはいえ、自動車メーカーが、巨費を投じて開発したものではない。従来のガソリンエンジンに専用の改造キットを組み込んで製作したもので、始動時にガソリンを使い、走行時にLPGに切り替わるという。ところがこの車、ガソリン車と同等な燃費、乗り心地を実現し、窒素酸化物や黒煙、炭化水素、二酸化炭素など、環境負荷物質の排出を大幅に低減。ある自動車メーカーの開発担当者に「この自動車であればLPGが夢の燃料になる」と言わしめたほどの代物だ。
 コープ低公害車開発の若狭良治専務は「LPGはガソリンと同じ圧縮比では燃えないとされ、特に乗用車への適用は難しいと思われてきたが、実は併用できることが最近、確認された」と説明。「専用キット(オランダ製)を取り寄せて、四十万円程度で改造でき、車検も通る。今後(乗用車分野でも)一気に拡大する可能性もある」と期待を寄せる。説明員の声にも自然と力が入り、多くの来場者が聞き入っていた=写真。
 LPガス自動車普及促進協議会の吉田稔事務局長は「昨年高圧ガスの保安関連法が改正され、昨今のガソリンエンジンの主流である加圧方式でLPGを制御できるようになった」と語る。法制度、技術両面で吹く追い風に、LPG車普及への手ごたえを感じているようだ。


LGV研究会、有賞モニター募集
2000/09/05, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 1277文字

 新型のLPGエンジン車の普及が始まろうとしている。日本石油ガス、コープ低公害車開発などで作ったLGV(液化石油ガス自動車)研究会がLPi(LP液体噴射)システムの開発・搭載のためオランダ・フィアーレ社に送っていた車両三台がこのほど日本へ帰還、これ受けてLPiシステムの有償モニターの募集を始めた。
 LPiシステムは、LPGを液体のままエンジン気筒内に噴射する電子制御式の燃料噴射システム。従来の自動車用LPGキットに比べて、低公害であると同時に低燃費、高出力となり、画期的な性能を発揮する。日本では、高圧ガス保安法に関連した規制緩和で、昨年十月以降こうした新タイプのLPGエンジンが認められるようになった。
 日石ガス、コープEVと中央精機、片倉チッカリン、門倉商店は共同で新型のLPG車を普及させることを目的に、LGV研究会を設立した。具体的なLPiシステム開発のため、トヨタ自動車の協力を得て「カローラバン」「ハイエース」「ロイヤルクラウン」の三台をフィアーレ社に送った。改造を終えた車両は、日本の排ガスモードでは低公害車に位置づけることが可能としている。
 募集するモニター車は、キット製造依頼したものとフィアーレ社が欧州市場向けに独自開発した日産「プリーメーラ」用などと合わせて七タイプ。有償のため、希望者は車両購入費と別に、LPiキット購入価格と改造工賃を負担。モニター車の改造費はキット、工賃込みでカローラバンで三十六万〜三十九万円、ハイエースなどで四十九万〜五十三万円を見込んでいる。
 燃料価格でみると、LPGはガソリンに比べ廉価であること、LPiシステムにするとガソリンエンジンと同等の出力性能を得られるなど、経済性と走行性の両面でメリットがある。このためLPi車はディーゼル車の代替車として普及が進む、と期待している。
 フィアーレ社のシステムはすでに欧州で五万台以上の販売実績を持つ。日本のLPG車は二十三万台のタクシー車両が中心だが、LPガス自動車普及促進協議会によると、今後、こうした新システム搭載LPG車の普及が始まることで、二0一0年までに日本でも六十二万台から百万台のLPG車が走ることになるみられるという。
 モニター対象は以下の通り(カッコ内は社名、車種、エンジン型式、排気量、モニター用改造価格目安)。
 ▽トヨタ・カローラバン(5E−FE、一五00cc、三六0〜三九0千円)▽同・ハイエース(1RZ−E、二000cc、四九0〜五三0千円)▽同・クラウンロイヤル(1JZ−GE、二五00cc、四九0〜五三0千円)▽トヨタ/日野、ダイナ/トヨエース/デュトロ(3RZ−FE、四九0〜五三0千円)▽日産・プリメーラ(SR20、二000cc、四二0〜四六0千円)▽BMW・318i(194E、四九0〜五三0千円)▽ダイムラークライスラー、ベンツE240(1121、二四00cc、四九0〜五三0千円)
 問い合わせ先は日本石油ガス内のLGV研究会事務局電話0三−三二八六−四八五二、または門倉商店東雲営業所電話0三−三五二九−0四六六。


コープ低公害車開発、シンポジウムを開催(短信)
2000/08/14, , 化学工業日報, 10ページ,  , 295文字

 ◇コープ低公害車開発がシンポジウム 「今、なぜLPG車なのか」と題して、「車両低害化推進のためのシンポジウム2000」を8月31日午後1時から5時まで、横浜市港北区のユーホール(ユーコープ事業連合大会議室)で開く。内容は(1)なぜ、今、LPG自動車なのか(後藤新一LPG先進型エンジン普及検討委員会座長)(2)LPGでディーゼルが動く(岩谷産業)(3)LPiシステム搭載車モニター募集について(日本石油ガス・LGV研究会)(4)ディスカッション。
 参加費は資料代込みで3千円。問い合わせは、電話045−472−7914、FAX同7924、E−mail=head@co−opev.co.jp


情報ファイル:◆コープ低公害車開発が車両低公害のためのシンポジウムを開催
2000/08/08, , 日本工業新聞, 11ページ,  , 125文字

 31日午後1時から横浜市港北区のユーホールで。「今、なぜLPG(液化石油ガス)車なのか」をテーマに、自動車燃料の将来像、自動車の進む方向などについてディスカッションする。参加費3000円。詳細はコープ低公害車開発。(TEL045・472・7913)


【プリズム】都の低公害車推進作戦 実現険しい道
2000/06/22, , 産経新聞 東京朝刊, 27ページ, 有, 1950文字

 「ディーゼル車NO作戦」を推進する東京都の大気汚染対策が真価を問われる時期にきている。なかなか進まない低公害車の普及へ向けて、自動車メーカーと運輸業界、給油業者の三者を一堂に集め、相互協力態勢の構築に取り組み始めた。もう一つの柱であるディーゼル微粒子除去装置(DPF)義務付けでは、目標年度を明示して国や周辺自治体などの追随の流れを作った。しかし、新たな流れを作り出すまでには、まだまだハードルは多い。全国初の取り組みの現状と問題点を追った。(篠田哉)
 ■悪循環…
 都によると、都内の低公害車の普及台数は今年三月現在で、約二千四百台余(CNGとLPG車のみ)。都は「十七年度までに約七十万台普及」という目標を設定していたが、これには遠く及ばないペースで、下方修正は必至とみられる。
 普及のネックについて都では、「売れないから製造しない」「車が少ないからスタンドを作らない」「スタンドがないから車を買わない」という"三すくみ"の悪循環があると指摘。三すくみ打開の一歩として、全国で初めてメーカー、ユーザー、燃料関連事業者の三者を集めた「新市場創造戦略会議」を設け、今月十五日に初会合を開いた。
 しかし、会合では三者の言い分がやはり平行線をたどった。「車両価格が高い」というユーザーに対し、メーカーが「どこまで需要が伸びるのか疑心暗鬼で開発している」と不信感をやんわり表現。「スタンド不足」を指摘するメーカーに対し、給油業者は「現状の都内のスタンド数だけでCNG車四千台分はカバーできる」と反論した。
 旗振り役の都自動車公害対策部の松葉邦雄部長は「一堂に会して意見を出し合えることが大事」と評価。都は会議の参加業者に個別に導入計画、開発計画を提出してもらう方針で、「スタンド立地に適した場所を探したり、開発費の低減化を働きかけたり、細かい部分でも調整役を果たしていきたい」(同部長)としている。
 ■予算の壁
 「ご自身のところから導入を進めていくというのが第一ではないか」−。
 都が五月に開いたシンポジウム「ディーゼル車代替を考える」では、パネリストの自動車メーカーから都に厳しい言葉が浴びせられた。
 都交通局が管轄する都バスの低公害車導入数は、ディーゼル車約千六百五十台に対してCNG車は百四台と一割に満たず、都としても胸を張れない現状だ。
 民間バス業者の低公害車の導入はほとんど進んでいないだけに、都庁内からは「民間に比べれば都バスはマシ」との声も聞かれる。
 交通局は「民間に先駆けて導入を進めるという立場は変わらない」(松尾均自動車部長)と、具体的な導入計画を検討しているが、交通局もユーザーの立場。「やはりコストが高い。都の財政状況も厳しいので…」と説明する。
 ■積極派も
 普及のカギを握る運輸業界では、積極的な企業も現れている。
 大手の「佐川急便」は平成九年にCNG車を導入して以降、着実に台数を伸ばし、今年三月末で全国で約二百台になったという。同社によると、これは全国のCNGトラックの一四%を占める台数で、都内では六十八台が走る。東京支社内に独自に設置した燃料スタンドがあるのも強み。
 また、LPG車の導入には生協が積極的に取り組んでいる。「コープ低公害車開発」社によると、現在全国の生協で約二千六百台を導入。生協のトラック全体の約一八%にあたり、平成六年以降、年五百台以上のペースで導入を進めている。
 運輸大手の「ヤマト運輸」などでも、LPG車を増やす動きは広がりつつある。同社の若狭良治専務は「インフラ整備の中でも燃料スタンドの充実が当面の問題だが、LPG車が環境、健康に良いということが浸透しつつある」と話している。
                  ◇
 ■CNG車 圧縮天然ガスを燃料とする自動車。粒子状物質の排出はほとんどなく、窒素酸化物や一酸化炭素などの排出量は少ないが、現状では価格が通常のディーゼル車の1.5−2倍と高い。燃料スタンドは都内に19カ所。1回の燃料補給で250キロ程度しか走らないなどの欠点もあり、昨年度の都内普及台数は約1100台程度にとどまっている。
 ■LPG車 LPガスを燃料とする自動車。粒子状物質をほとんど排出せず、窒素酸化物はディーゼル車の3割程度。燃料スタンドは10年度末で105カ所。燃費ではディーゼル車にやや劣るが、車両価格は生産台数の増加に伴い低下傾向にある。タクシーでは一般的だったが、トラックでも導入が進んでいる。欧州や香港などでも低公害車として普及が進んでいる。
【写真説明】
東京都が平成10年度から都バスに導入している「CNGノンステップバス」。福祉にも配慮した設計だが、価格は通常の倍の約3000万円で、導入は11台にとどまっている


LGV研究会、新型LPGエンジンの改造ノウハウを教授
2000/06/22, , 日刊自動車新聞, 2ページ, , 879文字

 日本石油ガス(本社=東京)など民間五社で組織するLGV(液化石油ガス自動車)研究会は、横浜市磯子区の日石三菱中央研修センターで、LPG車改造事業者を対象にした新型LPGエンジン改造研修を始めた。今月中に計二回の研修を行い、三十事業者に取り付けノウハウを教授する。十月から全国でモニター車の走行を予定、今回研修を受けた事業者がモニター車の改造に当たる。
 LGV研究会は、今年中に二百〜二百五十台の新型LPGモニター車を走らせ、性能評価を行う。小型トラックの改造キットもあり、低公害車として来年から本格販売する。
 新型LPGエンジンは電子制御式、気筒数に応じた専用インジェクションをインテークマニホールドに取り付け、燃料のLPGを液化したまま加圧噴射する。オランダのフィアーレ社が開発した。日本の従来型のLPGシステムに比べ、運転性能、燃費性能が向上する。ガソリンとのバイフューエルのため、改造車はオートガススタンドの配備による走行の制約を受けにくいなどの特徴を持つ。
 日本石油ガス、コープ低公害車開発(本社=横浜市)、門倉商店(同東京)中央精機(同愛知県安城市)、片倉チッカリン(同東京)の五社は、フィアーレ社LPGシステムを実用的な低公害エンジンとして着目、LGV研究会を発足させた。同時にトヨタ自動車の協力を得て、日本市場用のLPGエンジンシステムを作るため、実車(クラウン、カローラバン、ハイエース)をオランダに輸送し、開発を進めてきた。
 オランダでのシステム開発が完了したため、LGV研究会は改造事業者を育成し、販売網づくりに乗り出した。十月から発売するモニター車はオランダに輸送した三車種のほかに、フィアーレ社が欧州市場向けに開発したキットを取り寄せ、トヨタ自動車のダイナ、日産自動車のプリメーラ、およびBMW318iも改造の対象にする。排ガスデータも公表し、低公害車として普及を目指す。
 なお、モニターは有償。ユーザーが購入した車両に指定の改造メーカーでキットを装着する。キット価格(取り付け費用込み)は乗用車タイプで四十五万円程度になる見込み。


都のシンポで行政やメーカーに意見噴出
2000/05/15, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 1507文字

 「東京都はもっとエコステーションを造るべきでは」「自動車メーカーは、やる気になったらできるので、もっと健康を考えて(環境対策を)やるべきだ」−−。都が開催したシンポジウムで、都や自動車メーカーに対する要望や意見が噴出した。本来、ディーゼル車からの代替の可能性を探るためのシンポジウムだったはずだが、行政、自動車メーカー、ユーザーの環境に対する認識の違いから、苦言を呈するパネリストの意見が相次いだ。
 シンポジウムは、ディーゼル車NO運動などのディーゼル車規制を行打ち出している都が「第二回東京青空フォーラム」として開催したもの。
 パネリストは、LPG(液化石油ガス)とらっくを積極的に導入している小口貨物運送事業者アシストの村上哲生統括役、新宿を中心に貨物の共同運送を行い、CNG(圧縮天然ガス)トラックを導入している協同組合新宿摩天楼の村上正治理事長、生協の配送に使う低公害車を開発しているコープ低公害車開発の若狭良治専務。自動車メーカーから、トヨタ自動車の山本啓特販・特装車両部特販室長、日産ディーゼル工業の南清志低公害車担当商品開発主管の五人。都環境局自動車公害対策部の谷島明彦事業推進課長がコーディネーターを務めた。
 冒頭、ユーザーの立場としてアシストの村上統括役、新宿摩天楼の村上理事長から、LPG車やCNG車を導入した経緯や現状、低公害車の今後に期待することなどが説明された。苦言の口火を切ったのは新宿摩天楼の村上理事長。「都は、都庁への納入業者は低公害車だけにすると言ってほしい。納入業者が無理というなら、都心周辺でわれわれが積み替えて配送する準備はできている。ディーゼル車NOというなら、まず足元から正すべきだ」と、コーディネーターの谷島課長に向かってバッサリ。
 続いて自動車メーカーのトヨタ、日産ディーゼルから、現状の低公害車の開発の説明や、普及のための燃料供給施設などのインフラ整備の必要性を強調した。このなかでトヨタの山本室長は「環境はお金で買うものだということを理解してほしい。低コスト化に努力はするが、コストはどうしてもアップする」とユーザー側に理解を求めた。
 しかし、ユーザーと低公害車開発の立場で参加したコープの若狭専務は「(低公害の)代替車両が高くなるという認識はおかしい。それだとメーカーを甘やかすだけで、高いならどうやって安くするかをお互い考えていきたい」と述べた。加えて「日本の規制は甘い。メーカーは、規制値の厳しい海外向けには適合した物を投入しており、やろうと思えばできるはず。厳しい規制値に適合したものだとコストが上がるなら、これにコストがかかったというべきで、それで売れなくなるなら、その時にまた対策を考えるべきだ」とメーカーの対応を批判した。
 さらに、谷島コーディネーターが「どの程度のコストなら、低公害車への代替が進むとみているか」との質問に対し、新宿摩天楼の村上理事長が「都はディーゼル車NOといって代替すべきというが、十トントラックには代替車両がないことを考えてもらいたい。都バスは低公害車に代替できるのか」というと、日産ディの南主管も「都はCNGバスを百台持っているのに、燃料の充てん所は三カ所しかない。すべての都ばすをCNGに代替して充てん所を整備して一般にも開放すれば、CNGトラックの普及にもつながる」と低公害車普及を提案した。
 また、南主管は「都の塵かい車は、使い方がCNGに合っているのに、試作車を貸し出しても購入に至っていない」とも。谷島コーディネーターは「われわれもお金がないので、大変苦慮している」と述べるのが精いっぱいだった。
 (野元政宏)


東京都、微粒子除去装置義務化へ関連業界と協力
2000/04/17, , 日刊工業新聞, 30ページ, , 707文字

東京都はディーゼル代替車の導入を促進する。
微粒子除去装置(DPF)の装着義務付けとともに、ディーゼル車排ガス対策の推進力にする。
自動車メーカー、ユーザー、ガソリンスタンド(SS)など関連業界と一体になって取り組み、5月にも一堂に会して方策を検討する。
バス、清掃、コンビニ、運送など特定業界に焦点を当てて代替車の導入を促し、量産化を可能にして代替車の市場形成を図る方針。
これまで排出抑制など規制を中心としてきた行政が、自動車公害対策を新市場形成という川上からアプローチして解決を見いだす戦略をとる。
都は5月12日に東京・西新宿の都庁でシンポジウム「ディーゼル車代替を考える」を開く。
運送業のアシスト(足立区)、輸配送業の協同組合新宿摩天楼(新宿区)、コープ低公害車開発(横浜市)、トヨタ自動車などがパネリストとして出席、排ガス対策などの取り組みについてパネルディスカッションを行う。
都はこれを契機にガソリン車も含め、圧縮天然ガス(CNG)や液化石油ガス(LPG)車など、いまだ"真空市場"といわれるディーゼル代替車の市場形成を模索する。
燃料電池車も視野に入れる。
今月中にもトヨタや三菱、いすゞなどの自動車メーカーから個別に代替車生産動向などを情報収集するとともに、5月にはメーカー、ユーザーなど関連業界などと意見交換して、新市場の可能性と形成への方向をを探る。
CNGやLPGなどのクリーン車は、需要量が小さく受注生産が余儀なくされているが、ディーゼル車排ガス対策を強く推進する都は、2003年4月からのDPF装着の段階的義務付けを推進する一方で、粒子状物質(PM)を排出しないクリーン車の早期普及が不可欠と判断した。


コープ低公害車開発 2000年度の協賛会員募集
2000/01/05, , 日本工業新聞, 4ページ,  , 424文字

 コープ低公害車開発(社長・馬場昭夫氏、横浜市港北区、TEL045・472・7913)は、二〇〇〇年度の協賛会員登録、協賛金の募集を開始した。募集金額は一口一万円で、口数の制限はない。環境負荷の小さいLPG(液化石油ガス)トラックなどの調査、開発を加速していく。
 同社は、トヨタなどと協力し、九〇年から車両の低公害化に取り組んできた。最近ではオランダの部品メーカーなどとも協力し、LPG燃料自動車の性能向上や普及に注力している。
 協賛金の用途は、こうしたLPG燃料自動車の高度化のための調査、研究開発費などに当てられるという。協賛会員には、低公害車に関連する情報を集めた技術誌を送付する。
 LPGは、硫黄酸化物やばい塵、二酸化炭素排出量を大幅に低減できる「環境にやさしい」燃料。九九年十月に高圧ガス保安法が改正されたことで、LPG自動車でもガソリンエンジンと同様な電子制御式加圧噴射システムの採用が可能となり、今後開発競争が加速するとみられている。


車両低公害化への挑戦、(4)新型LPGエンジン
1999/11/11, , 日刊自動車新聞, 12ページ, , 1494文字

 政府が進める規制緩和推進三カ年計画で、通産省は先月、所管する高圧ガス保安法を見直した。これによりLPGエンジンが新世代へと進化する可能性がでてきた。この規制が、日本のLPGエンジン開発を遅らせた面がある。新世代のエンジンが製品化されれば、燃費や排ガス性能が向上し、さらに使いやすくなる。
 LPGエンジンに関し、通産省は改正法で「道路運送車両法に規定する原動機、燃料装置において、車両の走行のために行われるLPGの加圧または圧縮は高圧ガス保安法上の高圧ガス製造に該当しない」ということを明示した。
 裏を返せば、これまでLPGエンジンにおいて噴射装置など燃料に圧力がかかる装置は、高圧ガス保安法上の製造行為とみなされ、実質的に使えなかった。
 天然ガス(CNG)車も同様だが、政策的な導入が目指されたことや二十へクトパスカル(二百気圧)の超高圧で燃料をボンベに搭載するため、運輸、通産両省で整合性を図り、CNG独自の道路運送車両法の保安基準と構造規則が作られた。だが、長年の経過からCNGにおいても燃料噴射タイプは本田技研工業のCNG「シビック」まで、日本車では製造されていなかった。
 燃料噴射ができないような法規制があったことで、日本におけるLPGエンジンの開発は遅れた。
 基本的なLPGの燃料供給の仕組みは、燃料ボンベから気化・減圧装置、混合装置(ミキサー、ガソリンエンジンのキャブレターに当たる)を介し、空気・LPGの混合気がエンジンに供給される。排ガス規制の強化とともに電子制御されるようになり、気化・減圧装置からコントロールするためステッパモーター(噴射調整装置)を介し、LPGが混合装置に送られるようになった。
 前者が第一世代のLPGエンジンなら、後者は二世代に当たる。ごく最近になってミキサーの部分に低圧の燃料噴射装置を使用するタイプのものが出てきているが、日本のLPGエンジンはこの第二世代のままにとどまっている。
 その間、世界的には第三世代へ移行した。コンピューター制御による燃料噴射が本格的に行われるようになり、気体噴射、液体噴射それぞれのタイプのものが開発、実車に搭載されている。この開発に遅れた結果、日本の部品メーカーは韓国や中国のLPG車市場に参入できない状況も出てきた。
 さらに最近の海外での研究開発は、ガソリンの直噴エンジンのようにLPGを気筒内に直接噴射する新タイプへと進んでいる。日本でLPGエンジンがタクシー専用にとどまっている間にその技術開発が大きく遅れたことは否めない。
 実用化されている第三世代のLPGエンジンは制御がさらに精密になり、出力も向上、燃費も良くなっている。オランダのフィアーレ社が開発した電子制御式LPG液体噴射システムなどもそのひとつ。規制緩和で、これらのエンジンを搭載した車両を日本で走らせることが可能になった。
 LPG車の導入を積極的に進めてきたコープ低公害車開発などが注目しているのが、第三世代LPGエンジンの中でフィアーレ社が開発したLPGを液体のまま噴射する「LPiシステム」だ。同システムは、欧州でも後付けでLPG/ガソリンのバイフューエル(二種燃料)車に取り付けられている。欧州で販売される日本車向けのキットも開発・販売されており、理屈の上ではキットを輸入し、日本車に搭載することは可能だ。
 その性能は、ボルボ「V70」、BMW「318i」の比較テストでは走行性能はベース車と同じ。V70の燃費はLPGで一リットル当たり七・六キロメートル(ガソリン使用時同七・四キロメートル)と、ガソリンを上回るデータも報告されている。


車両低公害化への挑戦、(3)生協の取り組み
1999/11/04, , 日刊自動車新聞, 17ページ, , 1495文字

 LPG(液化石油ガス)トラックユーザーの第一人者は、全国の生活協同組合だ。有志生協の出資によって作られたコープ低公害車開発(コープEV)を中心に、車両の開発、普及を進め、この十月末で関連を含む生協百一組織の導入が二千百八十八台に達した。その保有車両一万四千台のうち一五%強をLPG車に転換したことになり、低公害車としてのLPG車の実用性を示している。
 取り組みのきっかけは、組合員の家庭に食品などを配って回る配送車の低公害化を図りたい、というものだった。最初は「ゼロエミション」の夢を追って電気自動車の開発を進めた。電気自動車は車両コストが高く、一台、二台を使うことでの宣伝効果はあっても、大量導入ができないために断念した。
 そこで着目したのがLPGだ。オートガススタンドも整っており、天然ガスのようなインフラ整備を待たずにある程度導入できることも魅力だった。
 トラック輸送業は、かつてLPG車を導入しようとした時期があったが、当時は低温始動性が悪いことやトルクが落ちるなどで使いものにならなかった苦い経験を持つ。プロのトラックメーカーも同じ見解で、結局、生協の働きかけに興味を示したのはトヨタ自動車だけだった。
 九三年からLPG車の共同開発に着手し、翌年七月から本格導入が始まった。当初の反応はまちまち、つきあい程度で入れていこうというところもあったようだ。だが、参加生協の車両担当者は自動車排ガスのクリーン化に熱心な人が多く、現場の配送員や上役の理事を説得し、導入の輪を広げていった。
 生協といえども営利組織。自然食品などが大手スーパーで簡単に手に入るようになった時代で、流通業界の競争は厳しく、使用車両の採算性は重視される。採算性と環境問題のバランスが実務的には問われることになる。
 この中でLPG車の選択が広まった。原因は燃料としてLPG価格がリーズナブル、オイル交換などトータルのメンテナンスコストが抑えられること。コスト計算がぎりぎりのところでは、配送ルート効率化などを積み重ね、導入台数を増やしてきている。
 また、暖気運転をするような冬場、ディーゼル車中心だった時には排ガスでもうもうとした配送センター内部の空気が、LPG車に切り替えてからクリーンになったなどの副次的効果ももたらした。理解も深まり、九四年七月の第一号車の導入から千台突破までおよそ三年半かけたが、千台から二千台突破までは二年半と、普及スピードを上げてきている。
 車両面でトヨタ自動車だけだった市場に、三菱、マツダ、そしていすゞが加わった。さらに降雪地用の4WD車や燃料の搭載効率を上げるためのダブルタンク車、一トン積みトラックなどバリエーションも広がっている。
 こうした軌跡を振り返ると、「ディーゼル車に代わる実用的な低公害車がない」とだけ主張するのは、「努力を手抜きしている」と謗られても仕方がないようだ。
 競争が厳しい流通業界の中で生協がLPG車を活用していることは、なによりも低公害車としてのLPG車の実用性を証明するものだからだ。
 だが、一方で日本国内で本格的なLPGエンジンの開発が滞っている現実がある。
 現在のエンジン方式では、これ以上、燃費性能や排ガス性能を向上させるのに限界がある。海外ではLPGエンジンも電子制御になっている。
 この十月からの規制緩和で、LPGの電子制御液体噴射エンジンを国内の車両に搭載することも可能になった。実現すれば、LPG車はさらに使いやすくなることは間違いない。新開発のLPGエンジン導入に生協も興味を持ち始めている。
 (次回は11日付、一部地域12日付で掲載)


お知らせコーナー:◆99年度車両低公害化推進のためのシンポジウム
1999/10/29, , 日本工業新聞, 5ページ,  , 144文字

 12月3日午前10時から、横浜市北区の横浜市スポーツ医科学センター大研修室で。主催は生協系のコープ低公害車開発。LPガスを燃料とした自動車の普及、活用課題、技術動向について、学識経験者などが報告、討論する。参加費1万円(生協組合員、登録者割引あり)。
 (TEL045・472・7913)


ディーゼル車に厳しい注文次々、東京都が公開討論会。
1999/10/22, , 日経産業新聞, 10ページ, , 666文字

 ディーゼル車からの排ガス削減を――。東京都がこのほど開いた「ディーゼル車をどうする」と題する公開討論会で、保健学の専門家や住民代表から「健康、環境の面からディーゼル車は有害だ」との厳しい意見が相次いだ。排気ガスに含まれる二酸化窒素(NO2)や浮遊粒子状物質(SPM)を改めて問題視し、行政や自動車メーカーに改善を強く迫った。もっとも抜本的な対策は現状では難しく、自動車メーカーや運送業界の代表は「渋滞解消など総合的な対策が必要」と、批判をかわすのが精いっぱいだった。
 討論には嵯峨井勝・青森県立保健大教授ら七人が参加。入場者は約五百二十人にのぼり、「ディーゼル問題」への関心の高さをうかがわせた。
 嵯峨井氏や環境カウンセラーの崎田裕子氏は、ディーゼル車の排気ガスの有害性を指摘。コープ低公害車開発の若狭良治専務は、ディーゼル車の代替車としてLPガス車の導入効果を披露した。
 これに対し、メーカー代表として参加した日本自動車工業会の松林努・環境委員会副委員長(いすゞ自動車常務)は「排ガス削減技術は着実に進んでおり、現時点では最新規制車への買い替え促進策が最も現実的」としたうえで、「都は総合的な道路環境政策を早急に提示してほしい」と行政に注文を付けた。
 また東京都トラック協会の鈴木成正・副会長は「排ガス対策はアイドリングストップの徹底など業界の自助努力で進めるべきだ」とし、都が検討している低公害車の義務付けに反対の姿勢を強調した。討論会では議論がかみ合わない場面も見られ、ディーゼル問題の難しさばかりが浮き彫りになった格好だ。


コープ低公害車開発、シンポジウムを開催(短信)
1999/10/22, , 化学工業日報, 7ページ, , 305文字

 ◇コープ低公害車開発が「99年度車両低害化推進のためのシンポジウム」 LPGトラック生協への導入2千200台を記念して12月3日午前10時から午後4時まで、横浜市港北区の横浜市スポーツ医科学センター(横浜国際競技場内)で開く。内容は(1)生協の普及活動報告(2)LPガス自動車普及の意義と背景(3)LPガス加圧噴射の実現と最新技術動向(欧州における最新情報)(4)車両低害化事情の現状と課題のディスカッション。参加費は技術・法令関係など資料込みで一般1万円。
 問い合わせ・申し込みはFAX(045−472−7924)かホームページ(http://www.co-opev.co.jp)でコープ低公害車開発まで。


ディーゼル車問題 都庁で公開討論会 予定上回る520人参加
1999/10/21, , 東京新聞朝刊, 25ページ, , 500文字

 都は二十日、大気汚染の改善を目指す「ディーゼル車NO作戦」の一環として、都庁内で公開討論会「ディーゼル車をどうする!」を開いた。
 参加者を一般公募したところ、定員の倍以上の五百二十六人の申し込みが寄せられ、会場を当初予定の都民ホールから大会議場に変更。約五百二十人が出席した。
 環境ジャーナリストの岡島成行氏を進行役に、健康科学や自動車エンジンの専門家、自動車工業会や都トラック協会の代表者ら七人がパネリストとなり、それぞれの立場から主張した。
 嵯峨井勝・青森県立保健大学教授は「ディーゼル車NO作戦」について「非常にタイムリーで、いい考え」と評価。松林努・日本自動車工業会環境委員会副委員長はディーゼル車の意義を強調。「環境への取り組みは最優先課題にしている」と述べ、最新のディーゼル車の窒素酸化物や粒子状物質の排出が大幅に改善されていることを紹介、大気汚染対策には道路事情の改善など総合的な取り組みが必要であると提言した。
 若狭良治・コープ低公害車開発代表取締役専務は、ディーゼル車の代替車としてLPG自動車の普及を進めている状況を説明。消費者に対して環境問題を考慮した上での選択を呼びかけた。


東京都、ディーゼル車NO作戦で公開討論会
1999/10/21, , 日刊工業新聞, 17ページ, , 393文字

東京都は20日、東京・西新宿の都庁舎内でディーゼル車NO作戦に関する公開討論会を開いた。産業界や生活者など500人を超える来場者があった。討論会は産学官および生活者ら8氏のパネリストが出席し、都が打ち出したディーゼル車NO作戦に対する賛否両論の意見を応酬させた。
この中で日本自動車工業会の松林努環境委員会副委員長、東京都トラック協会の鈴木成正副会長は「ディーゼル車は生活関連物資の輸送に欠かせない。旧排ガス規制適合車を最新適合車に代替すれば、都内特定地域内のNOx排出量を20%程度削減できる。一層の排ガス削減策を進めることが必要だが、同時に道路整備による交通渋滞解消など多面的組み合わせも大事だ」と理解を求めた。
これに対して、青森県立保健大学の嵯峨井勝教授やコープ低公害車開発の若狭良治専務らは、都の作戦を「非常にタイムリーでいい考え」
「基本的に賛成」などと評価、立場の違いを示した。


コープ低公害車開発、LPガストラック導入2000台達成
1999/06/25, , 化学工業日報, 8ページ, , 178文字

 全国の生協に低公害車のLPガストラック(一・五トン前後クラス、共同購入用配送車両)を導入しているコープ低公害車開発(本社・横浜市、馬場昭夫社長)は、六月十七日時点で導入台数が二千台に達したと発表した。
 第一号を九四年七月にえひめコープに導入してから約五年で達成したことになる。対象台数はおよそ一万四千台あるが、これで転換率は一四・三%になったとしている。


LPGトラック、生協関係の保有は全国で2千台を突破
1999/06/17, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1586文字

 生協が実用的低公害車として導入を進めてきたLPG(液化石油ガス)トラックが、六月十五日現在で全国九十七生協・組織で合計二千台に達した。生協関係で保有する全国一万四千台の小型トラックのうち一四・三%に当たる。低公害車として地味な存在のLPGトラックだが、関係者の努力で快走が続く。
 LPGトラックは、生協組合員の家庭に食品などを配送するとき使用する小型トラックを低公害なものにするため、有志生協が設立した「コープ低公害車開発」とトヨタ自動車が共同開発した。第一号車は九四年七月に愛媛県のコープえひめに導入した。
 現段階で最も保有台数が大きいのはちばコープ(千葉県)の百八台、転換率トップは生協ゆい(神奈川)の七三・三%(保有二十二台)。二千台まで五年の年月をかけたが、積極的に導入を進める生協が増えており、「今年度末には二千五百台まで拡大したい」(コープ低公害車開発・若狭良治専務)という。コープかがわのように今年度中にさらに二十台加え、保有百七台中九十一台をLPGトラックにする計画の生協もある。
 同トラックを開発した当初、LPGがすでにタクシーとして普及していたこともあり、性能について誤解を解消することや、低公害車としての認知度を上げることなども必要だった。また、普及しているとはいえ、LPGスタンドの数は限があり、トラックの配送ルートに補給場所をどう組み込むかといった実務的な課題もあった。
 スタンドに関しては、コープかがわやならコープ(奈良県)のように自前のスタンドを設置したところも出てきた。とくしま生協(徳島県)や竹原生協(広島県)など今後、自前スタンドの建設を検討している生協もある。西日本地域で積極的なのは、取り組みへの熱意と「東高西低」のLPG価格によるものだ。
 現在、LPGトラックを販売しているのはトヨタをはじめマツダ、三菱、いすゞの四社。もっとも二千台のうち圧倒的なシェアホルダーは先行したトヨタで、小型トラックの総市場では二割に満たないが、この分野では七割近くに達している。取り扱いメーカーだけでなく、四駆のトラックや航続距離を延ばすためのダブルボンベ搭載車など車種バリエーションも増え、使い勝手も上がった。
 こうした普及の成果が、行政の目も変えた。導入を始めたときには、LPGが石油に付随するエネルギーであり、ガソリンエンジンと同じ排ガス規制を適用されているといった理由から、低公害車としての行政的な位置付けが与えられていなかった。今では低公害車の一つとして、低公害車フェアなどでもその展示場所を与えられるまでになった。
 一時期、LPGは「開発途中である天然ガス車の敵」と行政的に見られていたこともあった。しかし、LPGは天然ガスに随伴し産出したり、天然ガスの精製過程でも生じる。このため、「天然ガスの時代にも生き残る燃料」と、新たな目を向けられるようになってもいる。
 LPGトラックの台数増とともに、それをとりまく環境は変化した。今後の課題はLPGエンジンが日本国内にあってどう進化するかにかかっている。
 欧米ではガスエンジンはキャブレター方式からも電子燃料噴射方式に切り替わってきている。日本で開発が進んでいなかったのは、ガス自動車の市場が小さくメーカーにとって魅力がなかったことと、同時に高圧ガス保安法という自動車とは関係のない法規制を受けていることによる。
 このためLPGトラックの普及の推進してきたコープ低公害車開発は、オランダ製のLPIエンジンシステムが、日本でも自動車に取り付けられることができるよう行政に働きかけている。同エンジンは液体のままのLPGを電子制御でエンジンに過給する。燃費、排ガス性能が向上する。
 LPGエンジンの性能が向上すれば、LPGトラックの使用環境はさらに拡大することになるからだ。
 (編集委員青山信一)


通産解釈「走る燃料工場」 LPG加圧、欧州普及の低公害車
1999/04/08, , 朝日新聞 朝刊, 39ページ, 有, 1196文字

 ふだんは液化石油ガス(LPG)を燃料に使い、予備の時にはガソリンでも走れる。欧州で普及しているそんな「低公害車」が、日本では走行できない状態になっている。LPGを加圧・噴射する燃料供給装置が、高圧ガス保安法で「燃料の製造行為」と見なされ、車の周囲8メートル以上の「保安間隔」が必要なためだ。この乗用車を3台完成させた、全国の生協で作るコープ低公害車開発会社(横浜市)は「欧州の規格では合格なのに、日本で認められないのはおかしい」と経済企画庁に救済を訴えている。
 低公害車は、ガソリンエンジンをLPGでも走行できるように改造した。そのために開発された燃料供給装置は、燃料ボンベのLPGを一度加圧してエンジンに供給する。高圧のLPGを送り込むことで燃費を一割近く高めることができ、排ガスに含まれる炭化水素などの有害物質も減る。燃料タンクはLPGとガソリンの二つあり、切り替えられる。LPG給油所が少なくても、安心して走れるという長所がある。
 コープ低公害車開発ではこれまで、メーカーとLPGトラックを開発。生協、運輸業界を中心にLPGトラックを採用する業者が増えてきたが、ガソリンに比べ給油所が少ないことがネックになっていた。
 同社がオランダ製の低公害車用の燃料供給装置を導入しようとして、通産省に相談したところ、「加圧する行為は高圧ガス保安法の高圧ガスの製造行為に当たる」と言われた。製造と見なされると、車の周囲八メートル以上の保安距離が求められ、事実上、走れない。同社は昨秋、海外のキットを輸入し、海外のメーカーの担当者を呼んで低公害の乗用車三台を完成させたものの、走行できないままになっている。
 先月、同社は、市場開放問題の苦情を受け付ける経企庁の市場開放問題苦情処理対策室に「燃焼効率がよくなり環境負荷を低減させる方法で、国連欧州経済委員会の規格にも合格しているのに、日本だけだめというのはおかしい。改造キットとLPGタンクは、法の規制対象から外して走れるようにしてほしい」と訴えた。これに対し、同庁から照会された通産省は「装置については技術情報を収集し、保安の確保を前提に緩和すべき点について具体的な検討をしている。九月までに法律の解釈を明確にしたい」と答えた。
 これに対し、同社は「二年前から要望していたのに何の進展もない。その回答では信用できない」と再回答を求めている。再回答の内容によっては行政訴訟も辞さない構えだ。
 フランス、イタリア、ベルギー、オランダなどでは最近、LPG車を天然ガス車とともに低公害車に位置づけて普及を図る動きが強まっている。一方、日本では、環境庁がLPGトラックを「LPGは代替エネルギーではない」ことを理由に低公害車と認めていないこともあり、技術開発の動きは緩慢だ。
 【写真説明】
 低公害車として改造したのに道路を走れないLPG・ガソリン車=横浜市内で


LPGエンジンシステム、新規事業として育成
1999/03/27, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 944文字

 トヨタ自動車系列のホイールメーカー、中央精機(武藤尤示社長、本社=愛知県安城市)は、新世代LPGエンジンシステムの生産を始めるため、企業化調査に乗り出すことを決めた。システムはインジェクターでLPG燃料を液噴する「LPI」と呼ばれるもので、オランダで開発、実用化された。低公害車普及を図るための新ビジネスと位置付け、ライセンス生産なども視野に入れ、企業化調査を進める。
 同社はLPGシステムに関し、タクシー車両用などの燃料タンクを製造、市場に供給している。現在、売上高の三%程度。LPIシステムが、車両の燃費と排ガス問題を同時に解決できるシステムであるため、環境ビジネスに関わる新規事業分野として育成を図ることにした。
 システムはインジェクション部分と燃料タンクで主要装置が構成される。同社は従来から手がけている燃料タンク部分で事業化を進める。
 LPIシステムについては、オランダ政府機関の支援を受けて、同国のフィアーレ社が開発、製造に当たっている。日本市場へは、LPG燃料を提供する日本石油ガスと、低公害車の普及を進める生協組織のコープ低公害車開発が、フィアーレ社からキットを取り寄せモニター車を製作、普及を図ろうとしている。
 中央精機も日石ガス、コープEVの二社と共同で市場開拓を図ることになる見通し。中央精機はエンジンへの燃料供給装置は手がけていないが、親会社であるトヨタ自動車や名古屋圏の同業者に働きかけるなどし、全体システムを国内で調達できるような体制整備なども検討する。
 日本市場で天然ガスを含むガスエンジンは、通産省が所管する高圧ガス法の規制で、加圧してエンジンに燃料供給するインジェクターを使用することができず、基本的にはキャブレター方式の旧式タイプのエンジンしか車両として運行できない。キャブレター方式では燃費、排ガス両面でガスエンジンの性能向上が遅れることになり、経団連などもこの高圧ガス法に関連した規制緩和を要望している。
 中央精機・武藤尤示社長の話:「当初CNGの燃料タンクで新規事業分野を考えていたが、圧力が高すぎ事業化するのが難しい。LPGでは技術的に問題ないし、LPIシステムは環境問題もクリアできる。地球環境のためのビジネスとして育成したいと思っている」


高圧ガス保安法、LPG車も緩和を、コープ低公害車開発
1999/02/09, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1029文字

 コープ低公害車開発(馬場昭夫社長、本社=横浜市港北区新横浜)は、LPG(液化石油ガス)自動車の高度化のため、通産省が所管する高圧ガス保安法についての規制緩和要望事項をまとめ、同省に提出した。通産省はCNG(圧縮天然ガス)、LNG(液化天然ガス)を燃料とする自動車の公道走行を容易にするため、高圧ガス保安法にかかわる規制緩和を行う方針を固めている。これに合わせて、同じガス自動車であるLPG車も性能アップができるよう規制の緩和を求めたものだ。
 コープ低公害車開発は有力生協が出資し、自動車環境問題の改善のために設立した会社で、トヨタ自動車などとLPGトラックを共同開発し、実用的な低公害車として導入・普及を進めてきた。
 国内のLPG車などのガス自動車は、高圧ガス保安法による規制で一気圧まで減圧してエンジンに送り込むことが求められ、事実上、キャブレター方式のエンジンベースでないと公道を走れない。一方、オートガスの利用が進んでいる欧米では、電子制御燃料噴射装置で加圧して燃焼室に送り込む方式が認められるため、LPG車の燃費性能、排ガス性能は日本のそれに比べて遙かに高い水準になっている。
 このため、コープは電子制御LPG噴射システムの改造キットを、おらんだのフィアーレ社から購入し、高性能LPG車を実現しようとしたが、高圧ガス保安法の規制がクリアできず、車検を受ける段階までに至らないでいる。
 通産省が高圧ガス保安法の見直しに乗り出したのは、直接的にはLNG車の走行を可能にすることがきっかけ。これに合わせてコープは、電子制御LPG噴射システムの搭載車の走行も可能になるよう規制緩和するよう求めている。
 具体的要望事項は、同システムに採用されている燃料噴射装置、燃料容器内に設置されている液中ポンプなどについて製造設備とせず、これらのシステムを使用できるようにして欲しいという内容。同システムはEU域内では統一基準で認証されており、輸入先のオランダなどから非関税障壁とのクレームを呼びそうだ。
 高圧ガス保安法は、一九五一年に制定されたもので、自動車燃料にガスエネルギーが使用されることは念頭にない規制内容となっている。このため燃料噴射装置で燃料を供給すると、ガスが加圧されるため、同法が規定する製造行為になる。現在、開発中のLNG車も、移動製造設備という規定で走行可能範囲を限定し、テスト走行を認めている形で、公道を走れるようにするには規制緩和が必要になる。


ガソリンとLPG併用 ハイブリッド車研究 生協出資会社
1999/01/06, , 産経新聞 東京朝刊, 28ページ,  , 625文字

 ハイブリッド(異種混合)車といえば、ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせた大手メーカーの車が有名だが、ガソリンと、大気汚染物質の排出が少ない液化石油ガス(LPG)の二つの燃料を併用できる新しい車を普及させる調査研究が、このほど国内で始まった。
 全国各地の生協が出資してつくる「コープ低公害車開発」(横浜市)が中心となり、国産乗用車を改造して試験車を製作。今後、環境面での効果に関するデータを集めたり、導入に向けて国に働き掛けたりする。
 LPGは発がん物質のベンゼンなどを含まず、窒素酸化物はディーゼル車の五分の一程度。
 併用車は、オランダのメーカーが開発した乗用車用の改造システムを使い、ガソリンエンジンの燃料と空気の混合装置を交換して、噴射燃料の制御用コンピューターを増設。燃料の切り替えが運転席から自由にできるため、普段は低公害のLPGを使い、LPGスタンドのない地域などでは、ガソリンで走るといった使い方が可能になる。
 同社は今後、トラックなどに使われる大型のエンジンでも併用タイプを試作する予定。しかし、エンジン内に噴射する燃料の圧力に規制があって、今回の併用車では国内の道路は走行できない。このため、通産省に欧米並みの規制撤廃を求めていく。
 同社の若狭良治取締役は「平成十二年以降、ガソリン車への排ガス規制が強化されれば、規制の緩いディーゼル車が増えることになりかねない。LPGの併用は車の低公害化の手段として有効だ」と話している。


◎LPGとガソリン併用 生協が低公害車研究
1999/01/04, , 中国新聞朝刊, 24ページ,  , 559文字

 ハイブリッド(異種混合)車といえば、ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせた大手メーカーの車が有名だが、ガソリンと、大気汚染物質の排出が少ない液化石油ガス(LPG)の二つの燃料を併用できる新しい車を普及させる調査研究が、このほど国内で始まった。
 全国各地の生協が出資してつくる「コープ低公害車開発」(横浜市)が中心となり、国産乗用車を改造して試験車を製作。今後、環境面での効果に関するデータを集めたり、導入に向けて国に働き掛けたりする。
 LPGはガソリンに含まれる発がん物質のベンゼンなどを含まず、窒素酸化物はディーゼル車の五分の一程度。浮遊粒子状物質(SPM)も出ないとされる。
 併用車は、オランダのメーカーが開発した乗用車用の改造システムを使い、ガソリンエンジンの燃料と空気の混合装置を交換して、噴射燃料の制御用コンピューターを増設。燃料の切り替えが運転席から自由にできるため、普段は低公害のLPGを使い、LPGスタンドのない地域などでは、ガソリンで走るといった使い方が可能になる。
 同社は今後、トラックなどに使われる大型のエンジンでも併用タイプを試作する予定。しかし、エンジン内に噴射する燃料の圧力に規制があって、今回の併用車では国内の道路は走行できない。このため、通産省に欧米並みの規制撤廃を求めていく。


機技工匠(3)、オランダ・フィアーレ社、LPG電子制御液噴
1998/11/10, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1454文字

 日本のLPGエンジンは単一燃料(モノフューエル)自動車としてタクシーなどに利用されているが、欧州では二重燃料(バイフューエル)自動車として普及している。EC内部で地球温暖化対策に関連した政策として、LPG車の普及を進める動きもある。
 エンジン技術の進歩も著しい。日本ではキャブレター式エンジンをベースに改造されたものが主流で、せいぜい空燃比制御が行われているに過ぎない。一方、欧州ではバイフューエルエンジンとして発展してきたため、ベースエンジンの電子制御技術の高度化に合わせて、LPGエンジンシステムも進化を遂げた。
 オランダ・フィアーレ社のLPG電子制御液噴(LPi)システムもその一つだ。キャブ方式の第一世代エンジンに空燃比制御を加えたものが第二世代とするなら、LPiシステムはいわばLPGの「第三世代エンジン」なのである。システムはボンベ、インタンクポンプ、レギュレーター、インジェクション、サブコンピューターなどで構成する。
 欧州においてフランスのルノーなどのように一部LPG車のライン生産を行っているところもあるが、通常は改造キットで売られるシステムを購入し、ガソリンエンジンに後付け改造する。車種に合わせLPG、ガソリンのインジェクションを組み込める樹脂製インテークマニホールドまでキットに組み込まれ、改造はしやすい。欧州車のほうもLPG改造を考慮し、配管用の穴など完成車に開けてあったりもする。
 LPiの仕組みは通常のガソリンエンジンと同じ、インテークマニホールドに配置されたインジェクションで吸気バルブの直前で液体のLPGを噴射する。LPGの噴射コントロールはガソリンエンジンのECU(メーンコンピューター)から信号をサブコンピューターが受け、行っている。LPGはインタンクポンプで五気圧に加圧され、十三気圧程度でシステム内を循環する。あまったLPGをボンベに回収する際、気化することを防ぐためなどで加圧している。
 日本へは日本石油ガス(河合正人社長)がシステムの輸入販売を模索し、コープ低公害車開発などとともにBMW318i、ボルボV70、日産プリメーラで試作車を作った。プリメーラの場合、欧州で販売されているものと国内販売とメーンコンピューターが違っているせいで、うまくLPiシステムが作動しないという。
 ただしBMWとボルボV70については表の通り。日本車両検査協会に持ち込んで実施したLPG走行による10・15モードによる排出ガスの測定結果では、自動車排出ガスの二000年基準値をクリアしたばかりか、BMWに至っては環境庁が低公害車の技術開発指針として示そうとしている「J−ULEV」(超低排出ガスレベル)をクリアしている。
 さてLPiシステムを搭載した低公害LPG車が日本の公道を走れるかというと、現行法規制との関連で走ることができない。高圧ガス保安法で、加圧して液体にしたガスを直接エンジンに噴射する行為は「製造」とみなされ、運転者は特別な資格が必要となるなどの規制があるためだ。LPGは燃料としてのクリーン度が注目され出しているだけに規制緩和が待たれるところである。
 LPG先進国のオランダでは、シリンダー内にLPGを液状のまま直接噴射する直噴エンジンの開発も進んでいる。オランダのTNO(オランダ産業研究所)で三菱自動車工業のGDIエンジンにより、LPGを燃料にしたテストを行っており、さらに燃費性能を高めた第四世代LPGエンジンの開発が進行している。
 (編集委員青山信一)


とくしま生協がLPG車へ転換着々 配送トラックも環境に配慮 普及率35%
1998/07/14, , 徳島新聞朝刊, 0ページ, , 828文字

 とくしま生協(本部・板野郡北島町中村、林みす子理事長)は配送車の低公害化を目指して、二酸化炭素排出量の少ないLPG(液化石油ガス)トラック(一・五トン)の導入を進めている。現在、配送車百五台のうちLPG車が三五%を占めており、全国の約百五十生協の中で普及率は第六位。同生協では「LPG車の弱点をうまく克服しながら、一〇〇パーセントの導入を目指す」と話している。
 とくしま生協の保有する配送用車両百五台のうち、LPG車は三十七台で、残りはディーゼル車。消費者組織として市民の生活環境を第一に考えようと、一九九四年にLPG車十一台を購入。以来、毎年十台程度の新車を加えてきた。本年度からは配送トラックの数は増やさず、購入したLPG車を順次、ディーゼル車と入れ替えていく。本年度は今月末と十二月に計六台の購入を予定している。
 生協が出資してつくる「コープ低公害車開発」(本社・横浜市)によると、生協全体で保有する配送車は約一万四千台で、このうちLPG車は約一割の千四百八十台。同社では、全体の半分にあたる七千台以上を転換目標にしている。LPG車への転換率が最も高いのがコープ熊本で七一・二%。とくしま生協は毎年、ディーゼル車と交換して十年以内に配送車すべてをLPGトラックにしたい考え。
 LPG車はディーゼル車と比べて▽黒煙や浮遊粒子状物質が出ない▽二酸化炭素排出量が約二五%削減できる▽放出される窒素酸化物はディーゼル車の約二%▽低騒音―などのメリットが挙げられる。半面、走行距離はガソリン、ディーゼル車ほど伸びず、ガスの充填(じゅうてん)回数が多いなどの弱点もある。また県内ではLPGガススタンドが少ないため、とくしま生協はコープ香川のように自前のスタンドの設置も検討しているという。
 とくしま生協管理部の安原敬係長は「将来的にはLPG車よりクリーンな電気自動車への移行も考えている。まずはLPG車を導入して他の流通業界などにアピールしたい」と話している。


ガス燃料の可能性(中)、日本の展開
1998/07/08, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1326文字

日本における小型LPG(液化石油ガス)トラックの市場が今年、年間千台規模に拡大する見通しだ。LPGといえば石油系エネルギーの一種とされ、これまで政府見解の「低公害車」に含まれない時代が長かった。だが、総合エネルギー調査会の長期需給見通しなどで「LNG(液化天然ガス)とともにクリーン」なエネルギーと評価が変わるなど、その位置付けが改められようとしている。
自治体も積極導入
業界筋のまとめによると、積載量二トン以下の小型トラック分野でLPG車の販売台数は今年一〜五月で四百二十八台に達した。このペースで販売が進めば年間千台程度の市場に育つ。
タクシーが中心だったLPG車に、トヨタ自動車が小型LPGトラックを設定し、低公害車として売り出したのは九四年七月のこと。車両は生協関係者が造ったコープ電動車両開発(現・コープ低公害車開発)と共同開発した。四年余りをかけてトヨタが売った台数を今年一年余りで達成する勢いで販売が伸びている。
現在では生協関係者ばかりでなく、東京都などの自治体が塵かい車としてLPG車を積極的に使い出しているほか、宅配便関係の輸送業者も導入し始めた。ライバルメーカーも指をくわえてばかりもいられず、三菱自動車、マツダ、いすゞ自動車の順で小型LPGトラックを投入したことも市場を刺激した。
低公害車として導入を始めた全国の生協が保有する小型トラックの数は全国で一万四千台。このうち今年三月末までにおよそ一割がLPGに切り替わり、六月末には全国八十一生協で千五百六台のLPG車が稼働するまでになった。大阪府の泉北生協や熊本県のコープ熊本のようにスタンドやその他の条件が折り合ったところでは、保有車両の七0%をLPG車に転換したところもある。
同じガス燃料の低公害車としてCNG(圧縮天然ガス)トラックもあるが、現状では今年五月末までの段階で二千二百三十四台ある天然ガス自動車のうち小型トラックは三百十五台にとどまっている。八十二台あるCNG塵かい車と合わせても四百台弱の水準だ。
大手の運送事業者が環境問題に積極的に取り組んでいることをアピールするため、CNGトラックを導入しているが、実際の事業活動に利用しようとするとガス供給インフラなど問題で利用範囲は限られたものになる。
実用面で勝るLPG
実際、九州のある市では環境問題に熱心な市長が塵かい車にガス自動車の導入を計画したところ、供給インフラとの関係でLPG車に落ち着くことになったという。航続距離の問題を含めて実用性の点で、現時点ではLPG車が勝っているようだ。公的助成がほとんどないような状態でLPGトラックの保有台数が伸びていることが何よりもその実用性を証明している。
半面、実用車であるがゆえに車両の減価償却や燃料コストを含めて、ディーゼル車やガソリン車との厳しいコスト比較にさらされるという問題を抱える。オートガス業界側のLPG価格の設定などもあり、導入した側からみると、使用コストに対する割高感は否めないようだ。
各地の生協が導入する上で力強さに関する当初の不安は、導入台数が増えるにつれ薄れていった。半面、LPGトラックの燃費性能向上について、強い要求がが寄せられるようになってきている。


ガス燃料の可能性(上)、欧州新事情
1998/07/07, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 1397文字

地球温暖化に対し今後の十年、二十年というスパンで見たとき、日本では燃費効率が良いディーゼルエンジンの排ガス性能を向上させて当面のエンジンとしようとするアイデアが中心を占める。一方、欧米、特に欧州では天然ガス、LPGなどのガス燃料に高い評価を寄せている。欧州は税制面の優遇措置を設け、ガス自動車による自動車燃料の分散化を進ませようと動き出している。
「欧州ではバイフューエルをベースにしたガス自動車の普及が進んでいる」との日本石油ガス技術部による報告が、コープ低公害車開発が主催した車両低害化推進のためのシンポジウムで行われた。日本石油ガス技術部は四月二十七日から約三週間にわたり欧州のLPGの自動車調査を行った。報告はこの調査に基づくものだ。
バイフューエル自動車とは二種類の燃料をスイッチで切り替え使用し、走行する自動車のことだ。ガソリンエンジンと天然ガス(CNG)、ガソリンエンジンと液化石油ガス(LPG)という組み合わせがある。ボルボがガソリン・CNGのバイフューエル車の国内販売を始めており、欧州でガス自動車の普及が進み始めたことの一端をのぞかせる。
英王室もLPG
ただ、欧州ではガソリン・LPGが中心のようだ。フランスで現在高成長し始めているし、英王室が環境への配慮をアピールするため、専用車を同様なLPG車に改造し、バッキンガム宮殿にLPGスタンドまで設けた。
インフラ面ではスタンドが未整備なところも多いので、二種の燃料を使うようになっているのだが、ガス供給会社は「普及のためには車両よりスタンドの建設が優先する」との考え方に立ってガススタンドの建設を進めようとしている。特にバケーションに伴う長距離移動での不便を解消するため、高速道路沿いにガススタンドの整備を始めている。
日本でLPG車といえばタクシーで、しかもLPG単一燃料で使っているが、欧州では一般のユーザーがバイフューエル車として利用している点が特徴だ。LPG車へは改造キットを購入することで変更できる。新車ディーラーでもキットを取り扱っているし、メーカーが改造車の設定を行っているケースもある。
また今後、急激にLPG車が増えるとみられるフランスでは、プジョー、シトロエンが主要車種にLPG仕様車を設定し、ライン生産するようになってきてもいる。
現在、国別のLPG車保有動向を見ると、百七万七千台のイタリア、三十六万五千台余りのオランダが普及の進んでいる国になっている。今後はフランス、ベルギー、イギリスなど市場が広がるとみられている。
例えばフランスでは九七年の八万台という保有台数が二00二年には四十五万台超に拡大すると見られている。東欧のポーランド、チェコでもそれぞれ二十三万台、二十万台のLPG車が五十万台、四十万台へと二00二年には倍増する見込みだ。
優遇税制が起爆剤
LPG車の普及が進む背景に、行政の積極的な後押しがある。LPGは日本では石油燃料の一つとして扱われてているが、欧州では「低公害燃料」位置づけられ、ECレベルでLPGに対する税制面での優遇措置を導入することを決めている。天然ガスよりも取り扱いが容易な点やドライバビリティーがガソリンと同等である点もユーザーにとって受け入れやすい。
イタリア、フランス、オランダではバラバラだったガスの充てん孔を統一しようと検討し始めており、さらに普及がスピードが加速しそうだ。


<212土曜ひろば>北檜山*回れ のっぽの風車*研究センターに設置
1998/06/27, , 北海道新聞夕刊道央, 11ページ, 写, 490文字

 檜山管内北檜山町太櫓地区の高台にある北檜山自然エネルギー開発研究センター(センター長・大友詔雄北大工学部助手)に、中国製風車二基が設置された。
 同地区の風の状況を調査、実用化へ向けたデータ収集が目的だ。
 同センターは三洋技研工業(本社・札幌市)などが中心となって昨年春に設立した民間の研究機関。同社の関連会社が所有する別荘地約六ヘクタールなどで、小型風車による風力発電や、家畜のふん尿から取り出すバイオガスの活用などを目指して研究を進めている。
 同センターは昨年十一月、小型風車の開発で実績のある中国の瀋陽工業大学風力エネルギー技術研究所と友好協力提携を結んだ。今回設置された風車は同大学から贈られた。
 プロペラの回転直径八メートルで出力五キロワットと同二・八メートル、一キロワットの風車は、頑丈で常時強い風の吹く太櫓地区でのデータ収集に最適。風車の耐久性も含めて調べる。出力五キロワットの風車は、同センターがコープ低公害車開発(本社・横浜市)から三年間、無償で借りる電気自動車のバッテリー充電にも活用される。
 【写真説明】風を受けてゆっくり回るプロペラ回転直径8メートルの風車

北檜山の「自然エネルギーセンター」*中国製の風車2基設置*実用化に向けデータを収集*耐久性など調査
1998/06/17, , 北海道新聞朝刊道南, 22ページ, 写, 659文字

北檜山の「自然エネルギーセンター」*中国製の風車2基設置*実用化に向けデータを収集*耐久性など調査
 【北檜山】町内太櫓地区の高台にある北檜山自然エネルギー開発研究センター(センター長・大友詔雄北大工学部助手)に十二日、中国製の風車二基が設置された。同地区の風の状況を調査、実用化へ向けたデータ収集が目的だ。
 同センターは三洋技研工業(本社・札幌市)などが中心となって昨年春に設立した民間の研究機関。同社の関連会社が所有する別荘地約六ヘクタールなどで、小型風車による風力発電や、家畜のふん尿から取り出すバイオガスの活用などを目指して研究を進めている。
 同センターは昨年十一月、小型風車の開発で実績のある中国の瀋陽工業大学風力エネルギー技術研究所と友好協力提携を結んだ。今回設置された風車は同大学から贈られた。
 九日から十二日にかけて、大友センター長、早坂正・三洋技研工業社長ら関係者数人が来町。プロペラの回転直径八メートルで出力五キロワットと同二・八メートル、一キロワットの風車を設置した。
 大友センター長によると、中国製風車は頑丈なため、常時強い風の吹く太櫓地区でのデータ収集に最適で、風車の耐久性も含めて調べる。
 昨年五月に同センターに設置した試験用の国産小型風車二基のうち一基は、強風のため壊れてしまった。
 出力五キロワットの風車は、同センターがコープ低公害車開発(本社・横浜市)から三年間、無償で借りる電気自動車のバッテリー充電にも活用される。
 
【写真説明】風を受けてゆっくり回るプロペラ回転直径8メートルの風車

配達車も地球に優しく、低公害トラック導入へ、コープあおもり
1998/06/13, , 河北新報 朝刊, 14ページ, 写, 443文字

配達車も地球に優しく/低公害トラック導入へ/コープあおもり
10月から/雪道向け四輪駆動
 生協のコープあおもり(本部青森市、組合員約8万2000人)は、共同購入用配達車にLPG(液化石油ガス)を燃料に使う低公害トラックを10月から順次導入する方針を決めた。12日、青森市文化会館で開いた総会の後に導入予定の低公害車を同会館の駐車場で組合員らに披露した=写真=。
 LPGトラックは全国で80生協が1500台近くを購入しているが、コープあおもりの場合、雪道に強い四輪駆動車で全国で初めての試みとなる。生協関連のコープ低公害車開発と自動車メーカーが共同開発し、価格は1.5トン車で300万円前後とディーゼル車より1割ほど高い。
 LPGトラックは(1)黒煙や浮遊粒子状物質が発生しない(2)窒素酸化物などの排ガス規制物質が大幅に削減される(3)エンジン音が静かで騒音や振動が少ない−などの特徴がある。コープあおもりは「将来的には現在87台ある配達車の6、7割をLPG車に切り替えたい」としている。

コープ低公害車開発、車両低公害化ヘ、来月1日にシンポ
1998/06/09, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 399文字

コープ低公害車開発は「98車両低害化のためのシンポジウム」を七月一日、東京都渋谷区千駄ヶ谷の日本生活協同組合連合会本部で開催する。各地の生協における低公害車導入の取り組みに関する報告、およびディーゼル排出ガスによる健康への影響やヨーロッパにおける量産低公害車の普及状況について最新情報が提供される。
生協関係者は、コープ低公害車開発を中心に「実質的な低公害車」としてLPGトラックの導入に努めてきた。現在、保有台数が千四百台を突破し、各生協保有の小型トラックを一割を超えるほどになっており、シンポジウムはこの成果を記念したものとなる。
▽欧州におけるLPG自動車事情(日本石油ガス技術部・後藤忠夫部長)▽ディーゼル排ガスの健康影響(環境庁国立環境研究所・嵯峨井勝総合研究官)の報告がある。
参加費用は三千五百円(昼食・資料代を含む)。問い合わせ、申し込みはコープ低公害車開発
電話0四五−四七二−七九一三。

若狭良治さん 低公害車の普及で表彰「コープ」で指揮をとる(ひと)
1998/06/06, , 朝日新聞 朝刊, 3ページ[ひと], 有, 787文字

人(ひと)
 生協のマークをつけたトラック型のLPG車が目につく。食料や日用品を配達するための、液化石油ガスで動く低公害車だ。
 いくつもの生協が出資したコープ低公害車開発(本社・横浜市)が五日、環境庁の地域環境保全功労者に選ばれた。統括マネジャーとして開発を考え、全国の生協に導入を働きかけてきた。「といっても、正社員は私一人」と笑うが、千四百八十台まで増やした立役者だ。
 日本生協連合会に勤めていた七年前、幹部に請われて職場を変わり電気自動車づくりを始めた。数千万円かけて試作車ができたが、バッテリー不足で長く走れなかった。
 「使い勝手が悪いし、値段も高い。だからといって一台しか造れないのでは、組合員に納得してもらえない」
 途方に暮れているとき、LPGを使うごみ収集車をトヨタ自動車が開発していると聞いた。ディーゼル車に比べ窒素酸化物が少なく、黒煙も粒子状物質も出ない、という。
 はたして売れるかと不安そうなトヨタの技術者を「普及できます」と説得し続けて一年、一回り小さなエンジンをつけた第一号ができた。
 全国を歩いた。ある市で「一番急な坂道を上ったら信用する」と言われ、挑戦する車を応援しながら見守った。今では全国の生協がトラックの一割強を乗り換えている。
 電気や天然ガスで動く低公害車四種の開発には国から補助がでる。「役人は補助で低公害車を増やせばよいという発想です」。金がメーカーに流れ、開発の自主努力をはばんでいると批判的だ。
 「千四百台にもなるとメーカーも行政も評価せざるをえなくなった」
 そばで手伝う女性たちは「出世欲、損得なしに世の中をよくしたいと思っている」と評する。北大で学生運動に没頭して自治会をつくったころの情熱を持ち続けている。
 (文・杉本裕明 写真・高波淳)
     *
 わかさ・りょうじ 「環境をよくする生協運動とは何か、をいつも考えています」。53歳。

「98車低害化推進のためのシンポジウム」を開催(短信)
1998/06/05, , 化学工業日報, 10ページ, , 391文字

 ◇「98車低害化推進のためのシンポジウム」開催 生活協同組合におけるLPGトラックが10%(1千400台)を突破したことを記念して、コープ低公害車開発の主催で東京都渋谷区千駄ヶ谷の生協会館で7月1日午前10時から開催する。参加募集は約150名(生協組合員・自動車メーカー・燃料メーカー・スタンド業界・学識経験者・官公庁・報道など)、参加費3千500円。全国の生協における車両低害化の取り組み、日本石油ガス・後藤忠夫氏の欧州におけるLPG自動車事情、環境庁環境科学研究所・嵯峨井勝氏のディーゼル排ガスの健康影響、コープ低公害車開発・若狭良治氏の車両の低害化考などが内容。
 参加申し込みはコープ低公害車開発、電話045−472−7913、FAX045−472−7924。
 生協におけるLPGトラックの導入については99年3月末で1千750台、2000年3月末に2千台が見込まれている。


生協の配送小型トラック、LPG車導入、10%に。
1998/05/12, , 日経流通新聞, 4ページ, , 489文字

 全国の生協で低公害・低燃費のLPG(液化石油ガス)車両の導入が進んでいる。三月末の時点で、配送などに使う小型トラックの一〇%に達した。LPG車は黒煙・浮遊粒子状物質が発生せず、ガソリン車と比べて一〇―二〇%ほど燃費も良い。周辺住民の出資をもとに運営する生協としては、地域環境に配慮する姿勢を打ち出す考えだ。
 LPG車の普及にあたったのは、コープかながわなどが出資するコープ低公害車開発(横浜市)。同社によれば、全国の生協で使用している小型トラックは一万四千台弱で、その内、千四百十六台がLPG車。例えば、コープかながわの導入率は配送用トラックの一一・七%、本部で使用するライトバンの五〇%に達する。
 コープかながわなどは当初、環境問題への配慮から電動トラックの開発を進めてきたが、車両コストが下がらず断念した経緯がある。そこで九三年に、よりコストの低いLPGトラックの導入に踏み切った。
 低公害車については、環境庁が全国の官公庁に対し、二〇〇〇年までに使用車両の一〇%を置き換えるよう指導している。また、宅配業者など民間でもLPG車の導入に取り組んでいるが、普及は遅れている。


低公害・低燃費のLPG車、生協で導入進む――小型トラックの1割に。
1998/05/11, , 日本経済新聞 夕刊, 5ページ, , 466文字

 全国の生協で低公害・低燃費のLPG(液化石油ガス)車両の導入が進んでいる。三月末の時点で、配送などに使う小型トラックの一〇%に達し、来春には全車両の一五%に達する見込みだ。LPG車は黒煙・浮遊粒子状物質が発生せず、ガソリン車と比べて一〇―二〇%ほど燃費も良い。周辺住民の出資をもとに運営する生協は、地域環境に配慮する姿勢を前面に打ち出したい考えだ。
 LPG車の普及を進めているのは、コープかながわなどが出資のコープ低公害車開発(横浜市)。同社によると、全国の生協で使用の小型トラックは一万四千台弱で、この内、千四百十六台がLPG車。コープかながわの導入率は、配送用トラックの一一・七%、本部で使用するライトバンの五〇%に達する。
 コープかながわなどは当初、環境問題への配慮から電動トラックの開発を進めてきたが、車両のコストが下がらず断念した経緯がある。そこで九三年に、よりコストの低いLPGトラックの導入に踏み切った。
 低公害車については、環境庁が全国の官公庁に対し、二〇〇〇年までに使用車両の一〇%を置き換えるよう指導している。


タカナシ販売、配送用にLPG車、代替検討で2台導入
1998/04/27, , 日刊自動車新聞, 4ページ, , 533文字

車両の低公害化のためにLPGトラックを導入しようとする動きが広がっている。タカナシ乳業の販売子会社、タカナシ販売(高梨昌芳社長、本社=横浜市旭区)はLPGトラック二台を導入し、配送車のどの程度がLPG車に代替できるかの検討を始める。評価をまって次期会計年度が始まる九八年十年以降、本格導入を検討する。
同社は乳製品の販売会社で、神奈川県を中心に全国に二百十二台の配送用トラックを保有し、乳製品の配送を行っている。配送車の低公害化を図るため、生協関連のコープ低公害車開発と情報交換を行い、LPGトラックの導入の可能性を検討してきた。
計画によると、当面横浜市中心街の配送用に二台のLPGトラックを導入する。導入車両は二トン積冷凍・冷蔵車(四分の一が冷凍、残りが冷蔵)で、四月二十七日にトヨタの二七00ccLPGトラックを、また六月に二代目となる三菱の二四00ccLPGトラックを導入する。二台の車両によりスタンド立地や運用コストを具体的に検証し、保有車両がどの程度LPGトラックに切り換えられるかを検討する。
LPGトラックは生協関連の配送車両として導入が始まった。燃料供給インフラが整っているところから、実用的な低公害車としてヤマト運輸など運送会社でも使用され出している。


トヨタのLPGトラック、生協への導入が1,000台を突破
1998/03/26, , 日刊自動車新聞, 1ページ, , 546文字

トヨタ自動車のLPGトラック(ダイナ/トヨエース)の生協導入台数が千台を突破した。LPGトラックは実用的な低公害車との位置付けで、生協側の窓口である「コープ低公害車開発」と共同開発し、九四年七月から全国生協への導入を始めた。安定的に導入が進み、今年三月末までにトヨタLPGトラックは、全国八十カ所あまりの生協で千三十一台が導入されることになる。
トヨタ以外にも三菱、マツダ、いすゞがLPGトラックを各地の生協に供給している。これらを含めると今年三月末には生協関係で千三百九十九台のLPGトラックが導入される見通し。生協が家庭への配送用などに使用している小型トラックは全国で一万四千台弱で、このうち一割がLPGトラックに転換した。
LPGトラックは、全国にオートガススタンドが約二千カ所あり、インフラが整っている。クリーンな排出ガスの特性とともに車両価格も低価格であることから、他の低公害車に比べ急速な導入が進んだ。コープ低公害車開発によると、九八年度も全国で四百台あまりのLPGトラック導入計画があるという。
この分野に先べんをつけたトヨタは、特販・特装車両部内に「エコ・カー・グループ」を設け、電気自動車やCNG(圧縮天然ガス)自動車など他の低公害車とともにLPGトラックの販売支援を行っている。


横浜市、2010年度、市内低公害車20万台に――助成金や駐車割引検討。
1998/02/03, , 日本経済新聞 地方経済面 (神奈川), 26ページ, , 821文字

 横浜市は排ガスが少ない低公害車の市内保有台数を二〇一〇年度までに二十万台に増やす。民間の導入を後押しするため駐車料金の割引や代替燃料車向けのスタンドの拡充を検討する。仙台市など四都市と協力して低公害バスの機能調査にも取り組む。県内の信金が低公害車向け優遇ローンを始めるなど導入機運は高まっており、市が数値目標を掲げたことで普及に弾みがつきそうだ。
 低公害車の普及目標は二日まとめた自動車公害防止計画に盛り込んだ。二十万台の目標には電気自動車やハイブリッド自動車などの代替燃料車のほか、排ガスを国の指針の二分の一以下に抑えた低公害ガソリン車も含む。
 市によると市内の低公害車は約一万四千台、全自動車保有台数の一%にとどまっている。このためハイブリッド車などの購入者を対象に低利融資や補助金などによる助成を検討し、「国の支援策も見極めながら一年以内に具体的な内容を決めたい」(環境保全局)としている。市営駐車場の料金を低公害車には割り引く優遇措置も検討中だ。
 加えてディーゼル車で問題になっている黒煙を除去する装置(DPF)の導入車の拡大にも力を入れる。市は九六年度からDPFバスを採用しているが、九八年度から環境庁の予算を使い仙台市、東京都、川崎市、名古屋市とDPFバスの実証調査を始める。
 日野自動車工業や韓国の部品メーカーなど七社の製品を装備したバスを各自治体が分担して実際に走らせ、耐久性や性能面を調査する。低価格で使いやすいDPFの開発をサポートする。DPFは一台で約四百万円の費用がかかり、普及の足かせになっていた。
 横浜信金は昨年十二月、ハイブリッド車の金利を一般車に比べ低く抑えた新型ローンの取り扱いを始めた。既にコープかながわ(横浜市)など六生協では、八十台のLPG(液化石油ガス)トラックを導入。LPG車の開発を手がけるコープ低公害車開発(横浜市)は「九九―二〇〇〇年ごろには三―四割がLPG車になるのでは」と予想している。


コープ低公害車開発、車両低害化でシンポジウム開催
1997/10/20, , 化学工業日報, 10ページ, , 433文字

 全国約七十の生活協同組合でのLPGトラックの導入台数が一千台を突破したことを記念して、十月十七日にコープ低公害車開発の主催でシンポジウムを開催した。
 当日はまず神奈川県環境部大気保全課から、同県が今月から公布した「神奈川県生活環境の保全に関する条例」を踏まえて車両排出ガスの問題点と低害化の推進について講演、続いて環境庁から車両排ガス対策、トヨタ自動車からエンジン低害化などへの取り組みが紹介された。同シンポには生協、官公庁、自動車メーカー、燃料メーカーなど関係者約二百人が出席した。
 全国の生協では車両の低害化対策として九四年七月からLPGトラックの導入を開始、三年目で一千台を突破(九月末現在一千五十九台)した。
 これを記念してのシンポジウムでは、公害対策の先進県として十月十七日公布で「神奈川県生活環境の保全に関する条例」を成立させた神奈川県の環境部大気保全課の深澤秀司技幹が、今回の条例のなかに自動車の環境負荷の低減について項目を設けたことなどを紹介した。


普及が進まないLPG自動車
1997/10/03, , 日刊自動車新聞, 5ページ, , 557文字

実用的な低公害車といわれるLPG自動車。普及が芳しくないのはオートガススタンド業界のPR不足が原因−−。このほが開かれた「LPガス自動車の普及展望を探る懇談会」(LPガス自動車普及促進協議会、コープ低公害車開発の共催)でこんな指摘が行われた。
懇談会はLPG自動車の普及の将来展望を探るために開かれた。LPG車はこれまでタクシー車両として普及してきたが、最近ではディーゼルトラックを代替する低公害車との位置付けで、小型トラック分野でLPG化を進める動きがある。
この先頭に立って来ているのが、生協関係者で組織するコープ低公害車開発で、導入から三年間で千台を超える導入を行った。半面、タクシー車両ではガソリン価格の軟化など背景に個人タクシー車両の分野でLPG車からガソリン車に切り替わる動きもある。
LPGスタンド業界では、協議会組織を作り、LPG車の拡大に取り組み出しているが、導入し始めた側などから「スタンドの現場はタクシーに顔を向けており、一般ユーザーへの接客サービスが悪い」「LPG車の低公害性と経済的なメリットについてPRがたりない」などの指摘があった。
また、「LPGの販売業者自身、家庭用ボンベの配送車にLPG車を使っていない」などの意見もで、LPGスタンド業者にさらに積極的な取り組みを求める懇談会となった。


生協、サポート不足と業界に苦言、LPガス自動車普及の懇談会で
1997/10/02, , 化学工業日報, 10ページ, , 397文字

 「LPガス自動車の普及展望を探る」と題する懇談会が、LPガス業界およびユーザーである生活協同組合関連のコープ低公害車開発、さらに自動車メーカー関係者らが参加して九月三十日、東京・港区の日本LPガス協会で開催された。
 生協におけるLPガストラック導入一千台突破を記念して行われたもので、報道機関も含めLPガス自動車の関係者が一堂に会するのは珍しい。
 ここでは普及に努めているコープ低公害車開発の若狭良治取締役・統括マネジャーが口火を切り「LPガス自動車は黒煙、浮遊粒子状物質が発生せず、騒音・振動がガソリン車やディーゼル車より低く、悪臭も出ない。われわれ生協や宅配業者などユーザーが普及促進で頑張っているのは、労働環境の改善の必要性からである。しかし同じ低公害車としての天然ガス自動車が、燃料供給者であるガス会社が支援しているのに比べ、LPガス業界はいまひとつサポートがない」など苦言を述べた。


コープ低公害車開発、車両低害化シンポジウムを開催(短信)
1997/09/17, , 化学工業日報, 8ページ, , 187文字

 ◇車両低害化シンポジウム コープ低公害車開発は、生協でLPG車の導入が1千台を突破したのを記念して、10月17日午前10時から東京・大手町のJAビル8階・国際会議室で開催する。講師には、深沢秀司神奈川県環境部大気保全課技幹、青山信一日刊自動車新聞編集部第2部長ら7名。申し込みは10月12日までに同社FAX045−472−7924へ。参加費3千500円(当日会場で支払)。


コープ低公害車開発、車両低公害化推進でシンポジウムを開催(短信)
1997/09/09, , 化学工業日報, 10ページ, , 406文字

 ◇車両低公害化推進のためのシンポジウム コープ低公害車開発が、生活協同組合におけるLPGトラック1千台突破記念として10月17日10−16時、東京千代田区大手町のJAビルで開催する。神奈川県が全国に先立ち「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」を今秋の議会での成立をめざして準備していることから、それを踏まえて神奈川県担当者の講演や、トヨタ自動車の車両エンジンの低公害化への検討、環境庁の車両排出ガス対策などについて報告が予定されている。
 全国の生協、自動車メーカー、燃料メーカー、スタンド業界、学識経験者、官公庁、自治体の関係者ら約300名を参加対象としている。参加費は三千五百円。申し込み・資料請求は、コープ低公害車開発(横浜市港北区新横浜2−5−11)電話045−472−7913、FAX045−472−7924、ホームページhttp://www.bekkoa―me.or.jp/~coopev/)まで。


LPGトラック、97年9月に導入1千台へ、生協まとめ
1997/07/23, , 化学工業日報, 10ページ, , 536文字

 コープ低公害車開発によると、全国の生活協同組合へのLPGトラックの導入がこれまでに六十八生協、九百七十台を数えている。同社では、このペースでいくと今年九月には一千台に達するとみている。低公害車への関心が高まるなかで、その一つとしてLPG車の普及が進んでいるが、ただネックは給油所不足。
 同社まとめによると、今年六月末時点で配送用としてLPGトラックを導入した生協は六十八。導入台数は九百七十台にのぼっている。最も多いのは千葉県の「ちばコープ」で百台を入れている。続いて福岡県の「エフコープ」六十一台、鹿児島県の「コープかごしま」四十六台、広島県の「生協ひろしま」四十三台などとなっている。
 LPGトラックは九三年にトヨタ自動車がモニター車を完成、九四年六月生産開始し、同年七月に愛媛県の「コープえひめ」が第一号車を導入、以来三菱自動車工業、マツダ、さらにいすゞも開発に参加するなど、生産体制も整備しつつある。
 全国の生協も組合員への共同購入用配送車の低公害対応として導入に積極姿勢をみせており、九月中には一千台に達する見通しにある。ただ地域によってはLPGスタンドが遠かったり、少ないなどから導入をためらっている生協もあるようで、この給油所不足の解消が課題となりそうだ。


<消費社会考 減らして!排ガス>中*ディーゼル車*浮遊粒子が汚染助長
1997/07/12, , 北海道新聞朝刊, 15ページ, 写, 1562文字

■人気高い道内
 軽油使用のディーゼル車が最近、大気汚染の元凶といわれる窒素酸化物NOxなど排ガスを多く出すと標的にされている。ところが道運輸局に登録されたディーゼル車は昨年三月末現在、百二十六万台で、全登録車の四六・〇%を占める。全国平均の二五・五%を二〇ポイントも上回り、八割は自家用車だ。
 道民のディーゼル車志向は「広々とした本道では車で長距離を移動する機会が多いため、道民は車を選ぶ際、本州の人よりも燃費を重視する」(札幌の自動車ディーラー)ためだ。実際、札幌圏では現在、ガソリン一リットル当たり九十円台前半だが、軽油は同二十円も安い。これは貨物輸送の主力でディーゼルエンジンが多いトラックの経費節減に、国が課税面で四割安もの優遇策を取っているためだ。
 加えて一リットル当たりの走行距離でディーゼル車はガソリン車より三−五割ほども長いといわれる性能の良さもある。また、道民の選択基準の一つ、冬道走行に優れた四輪駆動車は車体が比較的大きく、「ディーゼルエンジンは発進するための力があるため重い車に向いている」(いすゞ自動車)ことも大きい。
■遅れる抑制策
 だが、ディーゼル車の排ガスでは二酸化炭素の排出量こそ低いといわれているものの、人体などにより有害なNOxの排出量はガソリン車よりかなり多い。環境庁の試験によると、NOx排出量はガソリン車の多くが一キロ走行当たり〇・二四グラム以下で、改良された車で〇・〇五グラムとなっているのに対し、ディーゼル車の大半が〇・五五グラム近く出していた。「一キロ走行当たりのNOxの排出量の格差はディーゼル車は三倍から十倍といえる」(環境庁)そうだ。
 さらに、神奈川県のコープ低公害車開発が昨年二月に行ったディーゼル車とガソリン車のトラック(積載量一・五トン)による比較テストでは、荷物を八割積載した状態で加速や減速を繰り返した場合、ディーゼル車はガソリン車より七・五倍のNOxを排出、さらに荷物を空にした時速二十キロの低速走行では実に七十八倍もの差が出た。
 メーカー各社もこうした排ガス抑制に努力している。しかし、ディーゼルエンジンのNOx対策では二年前にNOxを高率に分解できる新しい触媒が開発されたばかりだ。
■ぜんそく誘発
 東京で昨年五月、二十三区内に居住または通勤するぜんそく患者ら百二人(遺族二人を含む)が「ディーゼル車などの排ガス汚染防止策が甘いせいで健康を損なった」として、自動車メーカー七社と国などに総額二十億六千万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。ぜんそくが専門の札幌勤医協病院の渡辺一彦医師は「動物実験や学会論文でも、ディーゼル車の排ガス特有の浮遊粒子状物質が、ぜんそくを引き起こすことは明らか。NOxも無視できない影響が考えられる」と裁判の行方を注目する。
 だが、本道では排ガス問題の関心度はいま一つ。自動車メーカーの社員の一人も「北海道で排ガスの害を五官で感じるのは札幌や旭川などの交通量の多い地点に限られる」と現状を説明する。
 道運輸局が今年三月にまとめた、NOxなどを大幅に削減した天然ガス車普及のための「エコトランスポート北海道計画」中間報告書によると、二〇一〇年までに数万台のディーゼル車を天然ガス車に転換しないと札幌圏でのNOx排出量を現状維持できないと警告している。
 渡島管内森町の「草の案内人」こと自然観察指導員の中西正人さん(67)はいま乗っているディーゼル車に肩身の狭い思いをしている。「昔は経済性を重視したが、今はお金がかかっても我慢して環境を優先する時代。市民からもディーゼル車をやめる運動を起こすべき」と話している。
 【写真説明】天然ガス車は大気汚染防止に効果的とされるが、値段も高いうえガス充てん所の整備など、普及に課題も多い


LPガス自動車普及促進協議会、低公害車フェア参画などを計画
1997/07/11, , 化学工業日報, 10ページ, , 336文字

 LPガス自動車普及促進協議会は九七年度事業計画をまとめた。LPガス業界内のLPガス容器配送車、官公庁のじん芥車、一般ユーザーの宅配車などにおけるLPガス自動車への転換を促進するため、講演会の開催、低公害車フェアへの参画(コープ低公害車開発および自動車メーカーと協力して京都で開催のCOP3などに展示)など実施する。
 また現行のLPガス自動車転換補助制度については、各種制約条件によりLPガストラックなどを導入しても必ずしも同制度の補助金が交付されるとは限らないことから、協議会では各種制約条件の撤廃・改正を求める要請を資源エネルギー庁に行う。またディーゼル代替LPガス自動車の自動車取得税の軽減などについて要請を行う。
 なお会長に平塚雅敏日本LPガス協会会長が就任した。


低公害LPG車、生協で導入活発――運輸業界など注目、給油所の不足が課題に。
1997/05/30, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 1269文字

 生協で配送車に低公害のLPG(液化石油ガス)トラックを導入する動きが活発になっている。中四国では四月から鳥取県生協(鳥取市)、生協しまね(松江市)が初めて配備を始めたほか、既に導入している広島、愛媛、香川などの生協でもLPG車への切り替えを進めている。生協のLPG車化は運輸業界などにも影響を及ぼしそうで、自動車メーカーの関心も高まっている。
 鳥取県生協は組合員の共同購入用の配送車を五十八台保有しているが、このうち六台をLPGトラックに切り替えた。生協しまねも初めて一台を導入、「音が静かで排ガスも少ないと組合員にも好評」という。
 中四国では、九四年に全国の生協で最初にコープえひめ(松山市)がLPG車を導入したが、生協ひろしま(広島市)、岡山市民生協(岡山市)、コープかがわ(高松市)でもここ一、二年でLPG車の比率は高まっている。
 コープかがわでは約百台の配送車のうち既に四割がLPG車。生協ひろしまは二〇%弱、とくしま生協は約三六%がLPG車に切り替わっている。各生協とも、古い車の更新時には順次LPG車に切り替えていく方針で、岡山市民生協も約二百五十台の配送トラックのうち「五、六年で三分の一程度がLPG車になろう」とみている。
 生協が配送トラックをディーゼル車から、窒素酸化物、黒煙、粒子状物質などや騒音の少ない低公害車への切り替えを検討し始めたのは八九年から。共同購入のため巡回する配送車は住宅地などを頻繁に往来する。組合員からも低公害車の必要性を指摘する声が強まっていた。
 コープかながわ(横浜市)などが中心となり、コープ低公害車開発(横浜市)を設立、当初は電気自動車の開発に取り組んだ。しかし、途中から低公害車として実用的なLPG車の開発、導入に力を入れてきた。トヨタ自動車が第一号車をコープえひめに納入したのがスタートだ。
 各生協のLPG車導入はこれからも増えそうだが、大きな課題は給油所が少ないこと。LPGを供給できるスタンドは各県の県庁所在地でも五―十カ所前後という状況がほとんど。来年からの導入を予定している生協コープやまぐちは「配送センターが郊外でLPGスタンドから遠く、導入をためらってきた」と話す。とくしま生協は「LPG供給の面から導入は保有台数の六割が限度」と言う。
 コープかがわでは昨年、業者と協力、高松市内に組合用のLPGスタンドを設けた。「リース更新時に順次LPG車に切り替えていけば数年後にはすべてLPG車になる」とみている。
 全国で約七十生協によるLPG車導入台数は九百台を超えた。ここ一、二年で導入に加速がついており、自動車メーカーも「様々な低公害車の一つとして意識している」と話す。究極の低公害車がLPG車かどうかは別として、この動きで「低公害な車への関心が高まりつつある」(コープ低公害車開発)のは確か。
 このほかLPG車の動向には、「都市型の小型トラックはこれになるかも」と見る運輸業界や、エネルギー業界も注目している。個々の生協による導入実績の積み重ねが車社会に一石を投じつつある。


低公害LPG車、生協で導入活発、運輸業界など注目――給油所の不足が課題に。
1997/05/29, , 日本経済新聞 地方経済面 (広島), 23ページ, 有, 1269文字

 生協で配送車に低公害のLPG(液化石油ガス)トラックを導入する動きが活発になっている。中四国では四月から鳥取県生協(鳥取市)、生協しまね(松江市)が初めて配備を始めたほか、既に導入している広島、愛媛、香川などの生協でもLPG車への切り替えを進めている。生協のLPG車化は運輸業界などにも影響を及ぼしそうで、自動車メーカーの関心も高まっている。
 鳥取県生協は組合員の共同購入用の配送車を五十八台保有しているが、このうち六台をLPGトラックに切り替えた。生協しまねも初めて一台を導入、「音が静かで排ガスも少ないと組合員にも好評」という。
 中四国では、九四年に全国の生協で最初にコープえひめ(松山市)がLPG車を導入したが、生協ひろしま(広島市)、岡山市民生協(岡山市)、コープかがわ(高松市)でもここ一、二年でLPG車の比率は高まっている。
 コープかがわでは約百台の配送車のうち既に四割がLPG車。生協ひろしまは二〇%弱、とくしま生協は約三六%がLPG車に切り替わっている。各生協とも、古い車の更新時には順次LPG車に切り替えていく方針で、岡山市民生協も約二百五十台の配送トラックのうち「五、六年で三分の一程度がLPG車になろう」とみている。
 生協が配送トラックをディーゼル車から、窒素酸化物、黒煙、粒子状物質などや騒音の少ない低公害車への切り替えを検討し始めたのは八九年から。共同購入のため巡回する配送車は住宅地などを頻繁に往来する。組合員からも低公害車の必要性を指摘する声が強まっていた。
 コープかながわ(横浜市)などが中心となり、コープ低公害車開発(横浜市)を設立、当初は電気自動車の開発に取り組んだ。しかし、途中から低公害車として実用的なLPG車の開発、導入に力を入れてきた。トヨタ自動車が第一号車をコープえひめに納入したのがスタートだ。
 各生協のLPG車導入はこれからも増えそうだが、大きな課題は給油所が少ないこと。LPGを供給できるスタンドは各県の県庁所在地でも五―十カ所前後という状況がほとんど。来年からの導入を予定している生協コープやまぐちは「配送センターが郊外でLPGスタンドから遠く、導入をためらってきた」と話す。とくしま生協は「LPG供給の面から導入は保有台数の六割が限度」と言う。
 コープかがわでは昨年、業者と協力、高松市内に組合用のLPGスタンドを設けた。「リース更新時に順次LPG車に切り替えていけば数年後にはすべてLPG車になる」とみている。
 全国で約七十生協によるLPG車導入台数は九百台を超えた。ここ一、二年で導入に加速がついており、自動車メーカーも「様々な低公害車の一つとして意識している」と話す。究極の低公害車がLPG車かどうかは別として、この動きで「低公害な車への関心が高まりつつある」(コープ低公害車開発)のは確か。
 このほかLPG車の動向には、「都市型の小型トラックはこれになるかも」と見る運輸業界や、エネルギー業界も注目している。個々の生協による導入実績の積み重ねが車社会に一石を投じつつある。


あしぎん暮らしと経営の相談センター、輸出実務セミナーなど(企業短信)
1997/05/29, , 日本経済新聞 地方経済面 (栃木), 42ページ, , 642文字

 あしぎん暮らしと経営の相談センターは六月三日の午前十時―午後四時半、群馬県の太田市社会教育総合センターで輸出実務セミナーを開く。弁護士の長谷川俊明氏や三井倉庫の担当者が、東南アジア向けの輸出に関して契約上の留意点や物流、通関システムなどを解説する。定員は四十人。受講料は一万五百円。問い合わせはTEL028・625・3511
 栃木県生産性本部は六月四日の午後一時―四時半、宇都宮市東コミュニティセンターで安全衛生管理研修会を開く。栃木労働基準局の浜田和孝氏が「労働災害防止のための安全衛生管理について」と題し講演。住友電気工業関東製作所や東芝那須工場の担当者の事例発表も実施。定員は三十人。参加費は三千円(会員外は五千円)。問い合わせはTEL028・637・1008
 とちぎコープは六月十日の午前十時―十一時半、宇都宮市のとちぎ女性センターで「大丈夫? 車と空気」と題した講演会を開く。コープ低公害車開発の若狭良治氏が、車と大気汚染の関係について都市型ぜんそくやディーゼル車の問題を中心に解説。入場無料。問い合わせはTEL028・634・5117
 鬼怒川水系ダム放流連絡協議会は三十日の午前十時半から、藤原町総合文化会館でダム放流説明会を開く。洪水防御、利水補給、発電などを目的とした十二カ所のダム放流の方法や注意事項を説明。また、利根川堤防が決壊したカスリーン台風から五十年を迎え、六月十日までビデオやパネルで当時の水害の様子を紹介する。問い合わせはTEL028・661・1342


97低公害フェアー、LPガス自動車を出展(短信)
1997/05/21, , 化学工業日報, 8ページ, , 240文字

 ◇97低公害車フェアーにLPガス自動車を出展 環境庁・東京都・公害健康被害補償予防協会の主催で5月24(午後1時から)、25日(午前11時から)、東京都渋谷区の代々木公園イベント広場で開催される同フェアに、LPガス自動車普及促進協議会、コープ低公害車開発および自動車メーカーの協力により、LPガストラックが出展される。トヨタ・ダイナ(2トン積み)、マツダ・ボンゴブローニィ(1.5トン積み)、三菱・キャンターガッツ(1.5トン積み)などのほか関連出展が予定されている。入場無料。


生協や宅配業界・自治体など、LPGトラック導入の動き急。諸規制の緩和が課題
1997/02/12, , 日刊工業新聞, 27ページ, , 1604文字

【横浜】ディーゼルトラックの代替としてLPG(液化石油ガス)トラックを導入する動きが広まっている。環境問題が背景。生活協同組合(生協)が配送車両として全国規模で八百台以上を導入したほか、ヤマト運輸や日本通運、神奈川県内を含む自治体の一部でも導入に前向きだ。
ただ、燃料ボンベなど検査期間、LPGスタンド設置など諸規制の緩和が必須となる。
全国三十八の有志生協で設立したコープ低公害車開発(横浜市港北区新横浜2の5の11、社長馬場昭夫氏、電045・472・7913)が自動車メーカーと共同開発で、LPG小型トラック(一・五トン積載クラス)の導入に取り組んで以来、これまで全国六十一生協でトヨタ製(六百九十一台)、三菱自動車製(五十七台)、マツダ製(五十二台)を導入してきた(九六年十二月末時点)。
また、こうした動きに出遅れまいと、いすゞも共同開発に乗り出し、七月にはモニター車を完成させる予定だ。さらにトヨタが四WD車両の試作車を完成させたことで、今後は北海道や東北、北陸など寒冷地での導入が進む模様。
「この分だと六月に一千台、二〇〇〇年度末までには二千五百台規模に達する」(若狭良治取締役)とみている。ただ、生協全体で使うトラックは約一万三千台。「本格的な普及に向けた取り組みは、むしろこれから」という。
LPGトラックは(1)黒煙と浮遊状物質を発生しない(2)窒素酸化物(NOX)が規制値の二%以下で、ディーゼルと比較しても五十分の一―などの特性があるほか、「騒音、振動が低く、運転していて疲れない」、「悪臭を感じない」など運転者にとっても良い面が目立つ。
ヤマト運輸も「LPGトラックには二酸化炭素(CO2)の排出など問題点はあるものの、環境面、操作性など現時点で低公害車として最も実用的だ」(経営企画本部)と一定の評価を下している。
同社は現在、主に関東地区で二十八台のLPGトラックを配送車両として使用、今後の計画はまだ未定だが、「基本的には導入する方向で考えている」(同)とLPG車を増やしていく考えだ。しかし、その一方で、今後の普及促進への阻害要因があるのも事実。
特にLPGスタンドは全国に二千カ所近くある程度で、その上、都市部に偏っているのが現状。このためLPGトラックの導入を進める生協の中には、コープかがわのように、自家用スタンドの設置に踏み切ったところもある。しかし、コスト負担、保安上の問題などで自主設置への壁は高い。
またトラックをディーゼルからLPGに切り替える場合に、特定地域で一台に付き十万円の補助金が出るのに対し、スタンド設置には補助金がないという。こうしたことから、コープ低公害車開発は、一月初めに通産省に対し「LPG自動車の燃料容器検査の延長等に関する要請と見解」を提出した。
要請項目は(1)燃料ボンベ検査期間を四年から十年に延長し、さらに十年の再使用を認めること(2)(今後の改正に合わせ)一年ごと車検の際に検査項目として、容器の外装状態や取り付け状態、接続部分の漏れなど自主検査として指導(3)LPGスタンドの設置にかかわる規制緩和―など四項目。
これに対して、通産省では「容器検査などに関する規制について見直しに着手している」(環境立地局)とし規制の緩和に動き出しているまたLPGスタンド設置についても、LPGスタンド協会から規制緩和の要望が出ており、基本的には受け入れる方向にあるという。
もっとも同協会を規制緩和の方向に動かした理由の一つとして、三菱自動車が開発したGDI(筒内噴射エンジン)の登場があるとの声もある。「GDIの登場でLPGタクシーがガソリン仕様に切り替わってしまうのでは、との危機感の表れ」(神奈川県環境部)もあるようだ。
このように、LPGトラックはディーゼルトラックの代替として、その有効性が認知され、規制緩和を追い風に、導入拡大が着実に進むものとみられる。


ディーゼルトラックからLPGトラックへ、生活協同組合やヤマト運輸などが導入
1997/02/07, , 流通サービス新聞, 1ページ, , 1864文字

規制緩和で自家用スタンド設置に拍車がかかるか環境問題が議論される中、ディーゼルトラックの代替としてLPG(液化石油ガス)トラックを導入する動きが広まっている。
生活協同組合(生協)が配送車両として全国で八百台以上導入したのをはじめ、ヤマト運輸や日本通運のほか、神奈川県内を含む自治体の一部でも導入に前向きだ。ただ、燃料ボンベなどの検査期間、LPGスタンド設置など諸規制の緩和が必須となる。
(横浜・大貫純一)全国三十八の有志生協で設立したコープ低公害車開発(横浜市港北区、電045・472・7913)が自動車メーカーと共同開発したLPG小型トラック(一・五トン積載クラス)の導入に取り組んで以来、これまで全国六十一生協でトヨタ製六百九十一台、三菱自工製五十七台、マツダ製五十二台を導入した(九六年十二月末時点)。
いすゞも、こうした動きに出遅れまいと共同開発に乗り出し、七月にはモニター車を完成させる予定だ。また、トヨタが四WD車両の試作車を完成させたことで、今後は北海道や東北、北陸など寒冷地での導入が進むとみられる。
「この分だと六月には一千台、二〇〇〇年度末までには二千五百台規模に達する」(若狭良治取締役)としている。ただ、生協全体で使うトラックは約一万三千台。「本格的な普及に向けた取り組みは、むしろこれから」という。
ディーゼルトラック代替のLPGトラックは無公害車ではないが、「ユーザー側にとって環境面で導入しやすくなってきた」(神奈川県環境部大気保全課)と関係者の評価は高い。
特に(1)黒煙と浮遊状物質を発生しない(2)NOX(窒素酸化物)が規制値の二%以下で、ディーゼルと比較しても五十分の一―などの特性があるほか、「騒音、振動が低く、運転していて疲れない」、「悪臭を感じない」など運転者にとっても良い面が目立つ。
ヤマト運輸も「LPGトラックにはCO2(二酸化炭素)の排出など問題点はあるものの、環境面、操作性など現時点で低公害車として最も実用的だ」(経営企画本部)と一定の評価を与えている。現在、主に関東地区で二十八台のLPGトラックを配送車両として使用。
今後の計画はまだ未定だが、「基本的には導入する方向で考えている」(同)とLPG車を増やすことを示唆している。その一方で、今後の普及促進への阻害要因があるのも事実。特にLPGスタンドは全国に二千カ所近くあるが、都市部に偏っている。
このため、LPGトラックの導入を進めている生協の中には、コープかがわのように自家用スタンドの設置に踏み切ったところもある。しかし、コスト負担、保安上の問題などで自主設置への壁は高い。
また、トラックをディーゼルからLPGに切り替える場合に特定地域で一台に付き十万円の補助金が出るのに対し、スタンド設置には補助金がないという。こうしたことから、コープ低公害車開発は一月初め、通産省に対し「LPG自動車の燃料容器検査の延長等に関する要請と見解」を提出した。
要請項目は(1)燃料ボンベ検査期間を四年から十年に延長し、さらに十年の再使用を認めること(2)(今後の改正に合わせ)一年ごと車検の際に検査項目として、容器の外装状態や取り付け状態、接続部分の漏れなど自主検査として指導(3)LPGスタンドの設置にかかわる規制緩和―など四項目。
これら諸規制の緩和について、通産省では「容器検査などに関する規制について見直しに着手している」(環境立地局)とし、具体的には昨年十月からタクシー業界、LPG協会など関係業界などによる「容器再検査および付属品再検査にかかわる見直し検討会」を設置、月一回のペースで話し合いを重ねてきた。
現在「合理化の方向で関係業界と意見調整を交わしている」(同)という。また、LPGスタンド設置についてもLPGスタンド協会から規制緩和の要望が出ており、基本的には受け入れる方向にあるという。
もっとも同協会を規制緩和の方向に動かした理由の一つとして、三菱自工が開発したGDI(筒内噴射エンジン)の登場がある。「GDIの登場でLPGタクシーがガソリン仕様に切り替わってしまうのではとの危機感の表れ」(神奈川県環境部)もあるようだ。
このようにディーゼルトラックの代替として、LPGトラックの有効性が認知され、規制緩和を追い風に導入拡大の機運が高まっている。地球環境問題の観点から、今後、自動車排ガス規制は一層強まることは確実。
他の低公害車(EV、メタノール車、天然ガス車、ハイブリッド車)の技術開発をにらみ、その行方が注目を集めそうだ。


生協のLPGトラック導入、全国で800台を達成
1997/01/21, , 化学工業日報, 10ページ, , 608文字

 生活協同組合(生協)のLPGトラックの導入台数が全国で八百台を達成した。コープ低公害車開発(本社・横浜市港北区、馬場昭夫代表取締役)がこのほど発表したもの。
 全国三十八の有志生協で設立したコープ低公害車開発は、トヨタ自動車、三菱自動車工業、マツダと共同でディーゼル代替のLPG小型トラック(一・五トン積載クラス)を開発、普及を図ってきたが、九六年十二月末で六十一生協で採用され、総数が八百台に達したもの。
 メーカー別ではトヨタ自動車六百九十一台、三菱自動車五十七台、マツダ五十二台となった。また生協別の導入数では、ちばコープ(千葉県)の百台がトップで、続いてエフコープ(福岡県)四十九台、コープかがわ(香川県)四十一台、とくしま生協(徳島県)三十七台、コープかながわ(神奈川県)三十六台、コープかごしま(鹿児島県)三十四台などとなっている。
 これまで九四年七月にコープえひめ(愛媛県)に一台目を導入して以来、二年半で八百台を達成したが、九七年六月までに一千台、二〇〇〇年度末までに約二千五百台を目標としている。
 なおコープ低公害車開発は先ごろ、LPG小型トラックの共同開発をいすゞ自動車とも合意した。エンジンは、これまでの一・五トン積載クラスでは最大の三千百ccで、いすゞ自動車のベストセラーであるエルフの主要ディーゼルエンジンにプラグを装着するもの。七月に十台のモニター車を完成し、九八年一月から生産に入る予定。


コープ低公害車開発、創立6周年記念シンポジウムを開催(短信)
1996/09/09, , 化学工業日報, 10ページ, , 246文字

 ◇コープ低公害車開発が創立6周年記念シンポジウム 9月13日、午前10時から午後4時まで、横浜市港北区新横浜のコープかながわ第二生協会館(第二金子ビル)で「大気汚染防止と自動車排出ガス等に関するシンポジウム」をテーマに開催する。環境庁大気保全局大気規制課の深見正仁氏が基調講演を行い、また東京都環境科学研究所の福岡三郎氏、国立環境研究所の嵯峨井勝氏らがパネラーとなりパネルディスカッションを行う。問い合わせはコープ低公害車開発、電話045―472―7912、FAX045―472―7924。


[ビジネス情報]自動車の排ガスシンポジウムを開催−−コープ低公害車開発
1996/09/05, , 毎日新聞 朝刊, 10ページ, , 284文字

 自動車メーカーと共同でLPG(液化石油ガス)トラックなどの開発を進めているコープ低公害車開発は13日、横浜市港北区で国、地方自治体の大気汚染・環境担当者らによる「大気汚染防止と自動車排出ガスに関するシンポジウム」を開く。大気汚染防止法の一部改正を受け、自動車排ガス対策などをどう進めていくべきか議論する。
 環境庁大気保全局が法改正の趣旨、今後の流れを説明した後、嵯峨井勝・国立環境研究所総合研究官、福岡三郎・都環境科学研究所主任研究員、内山巌・国立公衆衛生院労働衛生学部長らが討論する。
 参加費3500円。問い合わせはコープ低公害車開発(045・472・7913)。


コープ低公害車開発、大気汚染と自動車排ガスでシンポ開催(短信)
1996/08/19, , 化学工業日報, 10ページ, , 698文字

 ◇「大気汚染防止と自動車排出ガス等に関するシンポジウム」 コープ低公害車開発創立6周年記念として9月13日、午前10時から午後4時まで横浜市港北区新横浜2―6―23、コープかながわ第二生協会館(第二金子ビル)で開催する。
 このほど大気汚染防止法の一部改正により国は「科学的知見の充実、健康被害の未然防止」―という施策の実施の指針を持つことになった。具体的対策として、■大気汚染状況の調査■科学的知見の充実■健康リスクの評価・公表■技術情報の収集整理・成果の公表―を行う。それに伴って地方公共団体は大気汚染状況調査を行い、事業者に対しては情報提供することで責務を果たさせるよう指導を行う。住民に対しては知識の普及を行い国民の努力を求めていくことになる。これらの基となる「健康リスクのレベルを設定し、そのための基準を策定していく」ための専門委員会が中央環境審議会に設置され、今後三年間の検討を経て工場排出ガスや、自動車排ガス規制など次代の排出ガス規制の策定が進んでいる。今回のシンポジウムは住民の立場から今後の対応策を検討していく。基調講演は深見正仁環境庁大気保全局大気規制課課長補佐、パネルディスカッション「大気汚染対策の問題と課題」のパネラーは東京都環境科学研究所応用研究部主任研究員・福岡三郎氏、国立環境研究所大気影響評価研究チーム総合研究官・嵯峨井勝氏、同地域環境研究チーム主任研究官・松本幸雄氏、国立公衆衛生院労働衛生学部部長・内山巌氏、朝日新聞名古屋本社社会部デスク・杉本裕明氏。
 参加費用は3千500円。問い合わせはコープ低公害車開発、電話045―472―7913、FAX同7924。


大気汚染防止と自動車排ガス等に関するシンポジウム開催(短信)
1996/08/07, , 化学工業日報, 7ページ, , 302文字

 ◇大気汚染防止と自動車排出ガス等に関するシンポジウム コープ低公害車開発(馬場昭夫社長)が、9月13日10時から16時まで、横浜市港北区新横浜の第二生協会館で開催。深見正仁環境庁大気保全局大気規制課課長補佐の基調講演「大気汚染防止法の改正の主旨と今後の作業について」ののち、「大気汚染対策の問題と課題」をテーマにパネルディスカッションを行う。パネラーは、国立環境研究所の嵯峨井勝大気影響評価研究チーム総合研究官、国立公衆衛生院の内山巌労働衛生学部長、東京都環境科学研究所の福岡三郎主任研究員など。
 会費3千円(昼食・資料代込み)、参加問い合わせはコープ低公害車開発(電話045―472―7913)まで。


人物―敗軍の将,兵を語る−山岸正幸氏[コープかながわ前理事長,日本生活協同組合連合会前副会長]−強かった組合員の怒り「生協らしさ」を見直す時
1996/08/05, , 日経ビジネス, 81〜84ページ, 有, 5110文字

 理事長としてのモラルを問われ,今年6月に退任した。事業の伸び悩みと情報公開の遅れが,批判を増幅させた。組合員互助と利益確保の両立に悩む生協。存在意義が問われている。
 最近,私は自宅でじっくりと本に目を通す時間が増えてきました。これまで生協の仕事に忙殺されていましたが,6月にコープかながわ理事長や日本生活協同組合連合会(日本生協連)副会長など,生協関連の役職をすべて退いたため,生活にも余裕が出てきたような気がします。コープかながわでは,すでに昨年7月から理事長としての任務は対外活動に限定され,後は理事長代行に任せていました。今回の退任ではっきり区切りがつきました。
 コープかながわの理事長や日本生協連の副会長の職を退いたのは,コープかながわの組合員から,私を含む役員への批判が噴出したのがきっかけです。昨年,そして今年とコープかながわは,事業活動の年間報告の場である総代会で,組合員から役員への怒りの声が相次ぎました。
 コープかながわは組合員101万人を数え,1995年度の事業高(売上高)は1300億円に達する大型生協です。組合員数では全国で2番目,事業高では3番目になります。熱心に活動されている組合員の声は謙虚に受け止めなくてはなりません。批判はもっとも,と判断し,私は任期満了をもって退任したのです。
 6月の総代会では,私への退任慰労金の支払いは否決になりました。金額にすると約4000万円になったでしょう。来年の総代会で再度,提案されるとも聞いていますが,この点についてはコメントしようがありません。組合員の決定に従うのみです。
 英国出張,ゴルフ会員権
 役員としての自覚に甘さ
 組合員から出た私への批判は,いくつかあります。特に厳しく指摘されたのは,役員としてのモラルです。具体的には94年8月の英国出張と,コープかながわが,間接的に保有していたゴルフ会員権の件で,組合員の不信をかってしまいました。
 英国出張は1カ月間でした。目的は翌月に開かれる生協の国際会議に出席するためです。1カ月も早く現地に行ったのは,会議の前に英語学校に通って語学力を磨こうとしたためです。出張と語学学校の経費はコープかながわが持ちました。また,8月の最終週は休暇を貰い,家内とプライベートタイムを過ごしました。もちろん,家内の旅費は自己負担です。
 こうした行動について,総代会で「夫婦同伴で長期出張」と厳しく批判されました。確かに言われてみると,もっともでした。決して公私混同して英国に遊びに行ったのではありません。私は国際会議への出席も語学研修も,意義あるものと考えていました。しかし組合員にしてみると,自分たちが地元で地道に活動している一方で,理事長が海外で悠々と英語の勉強では納得がいかないでしょう。
 ちょうどその年は,暑さが厳しかったなか,地域のリーダーが組合員への出資配当通知書を1軒ずつ回って手渡しする活動をしていました。私としては「不徳の致すところ」と謝るしかありません。英語学校の費用はコープかながわの事務局に返還しました。
 もう1つのゴルフ会員権問題も同じです。ゴルフ会員権を購入したのは,ユーコープ事業連合です。この組織は90年にコープかながわが中心となり,コープしずおかや市民生協やまなしなど合計8つの生協を組織化したものです。目的は後ほど触れますが,この連合の幹部は私をはじめ,コープかながわの役員との兼任が多かったのです。
 ゴルフ会員権は91年に購入しましたが,すでに売却しています。この際,5000万円の売却損が発生しました。組合員の指摘は,果たして生協がゴルフ会員権を持つ必要があるのかということでした。
 「ゴルフ場の開発は環境破壊につながる」と考える組合員からすると,役員がゴルフを楽しむのはけしからん,というわけです。これも言われてみると,もっともです。私は渉外活動の一環として,役員が外部の方とゴルフをする機会があっても,社会通念には反しないと考えていました。私は会員権購入の決定に深くかかわったわけではないので,それほど問題性を認識していませんでした。
 これらの問題で組合員が強く抗議したのは,役員による情報公開が進んでいなかったのが原因ではないでしょうか。ゴルフ会員権も購入時にその事実を広く知らせていれば,反応は違ったと思うのです。
 批判は組合員の苛立ちを象徴
 決して放漫経営ではない
 私が強調したいのは,役員への批判は私たちへの不信からだけでなく,生協という組織のあり方の見直しを迫ったものだということです。私自身は,組合員が納得できる生協づくりができなかった点が問題なのだと思います。
 今年,役員が赤字を隠してきた釧路市民生協の経営が行き詰まりました。当然,組合員の不信が募ります。ですがコープかながわの場合,役員への批判は運営の健全化のための手段であって,釧路のような役員の乱脈経営への怒りとは違うということをわかってほしいのです。
 生協が誕生してから50年が過ぎ,大組織となるなかで,その存在意義が問い直されています。組合員が「生協に加入して良かった」と思える参加意識を,浸透させにくくなっているのです。わかりやすい例で言えば,昔は「無添加食品」だけで生協らしさが出せ,組合員の支持を得られました。添加物を除くだけでも,一般メーカーの商品と差別化できるのですから単純な話です。ですが,今では無添加食品は生協に限らず,どのメーカーも出しています。
 先ほど触れたユーコープ事業連合にしても同じことです。もともとの狙いは,各生協が力を合わせて店舗展開したり,商品開発を強化することでした。組合員に支持される商品は,生協間で差がありません。それならコープかながわ単独で商品開発や購買をするより,連合を組もうという発想です。スケールメリットを出すことで価格を抑える効果があり,組合員の声も商品化に反映しやすくなります。
 しかし逆に,ゴルフ会員権問題のように,「組合員の声が届かない」と指摘されています。商品開発機能がコープかながわにあった時は,組合員は直接,意見を伝えることができました。ですがユーコープ事業連合に移ってからは,手続き上は組合員の意見をコープかながわが集約し,それを連合に伝える仕組みになってしまいました。そこが組合員には,生協と距離ができたと映ったようです。連合の事業は現在,赤字です。当初の狙いがうまくいっていないとも言えるので,運営方法の見直しが必要かもしれません。
 運営の民主化にも配慮
 士気低下を食い止める
 もちろん私は,組合員の事業参加の大切さを痛感していました。対策も打ってきました。94年に,神奈川県内を7つの地区に分けて地区本部を設けました。それまで組合の意思決定は,本部に一元化していました。会合の場所も新横浜駅近くの本部が恒例で,住まいが遠い組合員には面倒をかけていました。
 しかし地区本部を設置してからは地区本部ごとに総代会を開き,新規店舗の出店計画も,現状をよく知っている地元の意見を優先させる仕組みをつくりました。生協運営の民主化には,私なりに気を配ってきたつもりです。
 難しいのは,生協は組合員の互助組織であるとともに,流通事業者でもあるという2面性です。生協の意義を追求する一方で,利益を上げていかなくてはなりません。今では当たり前になった共同購入も,もともとはコープかながわの前身である横浜生協で始まったものです。商品だけでなく販売方法でも,生協は独自の方式を開発し,組合員の利便性を向上させることで事業高を伸ばしてきました。
 しかし,最近は商品,販売方式などで行き詰まり感が出てきています。例えば,コープかながわの事業高は92年の1450億円をピークに減っていますし,活動のリーダーとなる各種の委員のなり手がいないなど,難局を迎えています。生協は80年代までの成長期,専業主婦の社会参加の場として多大な役割を果たしてきました。だからこそ全生協の事業高は約3兆円と,ダイエーを上回る規模にまでなったのです。ですが,働きに出たり余暇を楽しむ主婦が増え,生協活動に専念する人が減りました。
 さらに追い打ちをかけているのが,景気の低迷と価格破壊です。生協は商品の独自性が出しづらくなったうえ,店舗の大型化や安売り競争に対抗しにくくなっています。150店舗を運営するコープかながわでも,赤字店舗の閉店が避けられない状況です。ただ,採算が合わないという理由だけで閉店するわけにはいきません。店舗の閉鎖で地元の組合員の士気が落ちては,生協活動全体に大きなマイナスだからです。
 低公害車の推進にも注力
 成果出すには時間がかかる
 とは言え,生協の存在意義がなくなったわけではありません。コープかながわは関係会社に,「コープ低公害車開発」があります。90年に設立し,自動車メーカーや地方自治体,全国の生協と協力して低公害車の普及を推進してきました。すでに商品配達に,全国の生協で合計600台が実用化されています。LPG(液化石油ガス)を燃料にしたトラックで,窒素酸化物と一酸化炭素の排出量だけを見ても,規制値のそれぞれ3分の1以下です。環境保護に直結します。
 ただ,苦労もありました。90年当初に私たちが考えていたのは,電気自動車の導入です。当時,米国カリフォルニア州は新しい排気ガス規制法を成立させ,電気自動車の普及に積極的でした。しかし現実には,自動車の価格やバッテリー交換など維持費の点で課題があり,生協はLPG車に方向転換したのです。
 このように挑むテーマが大きくなるほど,成果を出すには年数を要します。逆に言えば長い時間をかけても,組合員が納得する活動を地道に続けなくてはなりません。昔のように一朝一夕には効果を出せないことを,組合員もわかってほしいと思います。
 組合員からの一連の批判は,事業高の減少という組合員がかつて経験したことのない状況が引き起こしたものでしょう。私の退任は,この変革期には新しいリーダーが必要だと思ったからでもあります。決して批判されたからだけではないのです。
 私は今,一組合員として,個人で草の根パソコン通信を運営しています。会員はまだ30人ほどですが,組合員間の情報交換を密にするのが目的です。組織は大きくなればなるほど,どうしても情報の流れが上から下へ一方通行になります。しかし生協は本来,組合員間の横の連絡が大切なはずです。パソコン通信では例えば,無農薬野菜を生産する組合員が購入者を募るなど,幅広い情報提供ができます。立場は違っても,生協活動をまだまだ続けていきます。
 流通戦争の激化で利益急減
 若い組合員の獲得も課題に
 コープかながわで組合員による役員批判が噴出した背景には,拡大一辺倒できた生協経営が壁に突き当たったことがある。
 深刻なのは事業高より経常利益の減少だ。95年度の経常利益は4億5000万円と,前年度の3分の1以下に落ち込んだ。ピーク時の30億円と比べると凋落は明らかだ。また,事業拡大を目論んで発足したユーコープ事業連合は,95年度までの累積損失が11億円に上る。このうち3億円は95年度に発生しており,再建は急務だ。
 バブル崩壊後の生協経営の悪化は,組合員の危機意識を強めた。組合員が生協運営に関する情報に敏感になったことが,役員の責任追及の原動力となった。コープかながわの小林秀樹専務理事は「組合員が運営に問題意識を持つことは,組織にとってプラスになる。そのエネルギーを団結につなげたい」と話す。昨年12月には「経営再生3カ年計画」を作り,組織改革,不採算店舗やユーコープの収益改善策などを打ち出している。
 ただ組合員全体の意識の向上も必要だ。ある店舗で組合員に話を聞くと,「私は生協で買い物をするだけ。生協運営の現状は知らない」という答えばかりが返ってきた。
 「生協らしさ」を持った運営と利益の確保の両立が難しいのに加え,組合員の高齢化が進んでいることが悩みだ。現在,50歳以上の組合員の比率は33%。5年前の20%から増えている。生協の活動基盤の強化のため,若い世代の組合員確保が欠かせない。
 コープかながわの苦悩は全国に約500ある購買(物品販売)生協の姿を象徴している。94年度の購買生協の合計事業高は2兆9961億円で前年比1.7%減となり,初めて前年を下回った。
 大手生協のコープかながわが,生協運営の刷新のモデルになりうるのか。他生協への影響も大きい。
 (本誌編集部)


「低公害」が人気、LPGトラック−−トヨタなど共同開発
1996/07/13, , 毎日新聞 朝刊, 10ページ, 有, 575文字

 トヨタ自動車、三菱自動車工業、マツダとコープ低公害車開発が共同開発したLPG(液化石油ガス)トラックが普及の兆しを見せている。窒素酸化物(NOX)や浮遊粒子状物質(SPM)などの排出がディーゼル車より少なく、LPGエンジンのタクシー用スタンドが利用できるメリットがあるため。トヨタが1994年に発売したLPGトラックの累計受注台数は今年6月で1000台を突破、「即戦力の低公害車」として物流、運送関係が注目している。
 LPGエンジンが搭載されているのは、トヨタの「ダイナ」「トヨエース」(1・5トン、2トン)、三菱自工の「キャンターガッツ」(1・5トン)、「キャンター」(3トン)、マツダの「ボンゴ・ブローニィ」(1・5トン)。価格はディーゼル車とほぼ同じで、税金や燃料価格は軽油より安い。
 現在、全国で1万3000台の小型トラックを使う生協が、LPGトラックを積極的に導入し始めている。コープ低公害車開発のまとめでは、ちばコープの72台、エフコープ(福岡県)の34台、コープかながわの33台など、6月までに58生協で550台が導入された。また、コープかがわは、2001年度にすべての小型トラックをLPGに転換すると表明。自動車メーカー側も、地方自治体と並ぶ有力ユーザーととらえ、宅配、仕入れ用の1〜2トントラックの拡販を目指している。【塚田健太】


液化石油ガス利用した低公害トラックが普及の兆し
1996/07/13, , 毎日新聞 大阪朝刊, 10ページ, 有, 624文字

 トヨタ自動車、三菱自動車工業、マツダとコープ低公害車開発が共同開発したLPG(液化石油ガス)トラックが普及の兆しを見せている。窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(SPM)などの排出がディーゼル車より少なく、LPGエンジンのタクシー用スタンドが利用できるメリットがあるため。トヨタが1994年に発売したLPGトラックの累計受注台数は今年6月で1000台を突破、「即戦力の低公害車」として物流、運送関係が注目している。
 LPGエンジンが搭載されているのは、トヨタの「ダイナ」=写真=、「トヨエース」(1・5トン、2トン)、三菱自工の「キャンターガッツ」(1・5トン)、「キャンター」(3トン)、マツダの「ボンゴ・ブローニィ」(1・5トン)。価格はディーゼル車とほぼ同じで、税金や燃料価格は軽油より安い。
 現在、全国で1万3000台の小型トラックを使う生協が、LPGトラックを積極的に導入し始めている。コープ低公害車開発のまとめでは、ちばコープの72台、エフコープ(福岡県)34台、コープかながわ33台など、6月までに58生協で550台が導入された。
 トヨタは「実用上の問題が少ないLPG車の導入は、すぐできる大気汚染改善策」と説明。コスト面でもディーゼル車とそん色ないことから、大手運送会社の宅配便用トラックとしての受注も見込んでいる。【塚田 健太】                   


組合員"反乱"、揺れるコープかながわ――現場軽視に不満(ニューススクランブル)
1996/07/02, , 日本経済新聞 夕刊, 3ページ, 有, 1439文字

 組合員百万人強を抱える全国第三位の大型生協、コープかながわ(横浜市港北区、馬場昭夫理事長)が揺れている。六月中旬に開いた通常総代会では、参加組合員から本部運営への不信や不満の声が続出、辞任・退任した役員の退任慰労金に関する議案が否決される異例の事態となった。新しい役員陣は現場の声に耳を傾けるとともに、経営情報を的確に伝えることで組合員の信頼を取り戻そうと必死の日々が続く。
 「一連の疑問、疑惑に答えてほしい」「組合が民主的に運営されていない」。総代会で山岸正幸・前理事長ほか前役員への退任慰労金の議案が採決にかけられようとした時、組合員から批判が相次いだ。
 騒然とした中で山岸氏は発言台に立ち、「皆様の生協に対する熱意をくみ取れず、不信を招いたのは残念だ。私の力量不足が招いた結果です」と声を詰まらせて弁明した。結局、退任慰労金の議案は否決されてしまった。退任慰労金は来年の総代会に再度提案され、そこで可決されるまでは支払われない。
 実は昨年の総代会でも、理事長や専務・常務理事の現場軽視に対する批判が組合員から噴き出した。それが今回の"反乱"にまで発展したのは、総代会直前に、ある経済雑誌が、山岸氏が夫人同伴で英国へ長期出張したり、前常務理事がタイでの会議を無断欠席したと報道したのがきっかけとなっている。
 タイの一件は、会議がメンバー不足で開かれなかった事情もあるなど、誤解がないわけではない。しかし、「生協が拡大路線を歩むとともに役員は組合員を無視して行動するようになった。退任慰労金議案の否決は当然の帰結」と、ある関係者は語る。
 拡大路線の象徴ともいえる、静岡県、山梨県などの生協と共同で設立したユーコープ事業連合への批判は根強い。同連合は県境を越えて商品供給事業などを手掛けようという狙いがあったが、「参加している生協との機能分担が未整備なまま、組合員や職員・パートの声が生かしきれない」などの不満が組合員から強く出ていた。
 二年前には子会社の「コープ低公害車開発」の意見を参考に、商品配送用にLPG(液化石油ガス)トラックの導入をいったん決めながら、価格が安いという理由で、結局ディーゼル車を購入した。ところが「環境重視の生協の立場を軽視している」と子会社の役員が抗議してLPG車に切り替えられてしまうなど執行部への不信感が高まった。
 山岸氏は理事長在任中の九四年、神奈川県内を七つの地区に分けて地区本部を設け、各地域での生協活動の民主化を促そうとした。だが、その行為が非民主的と指弾され、引退の花道を飾れなかったのは皮肉だ。
 「経営の誤りを素直に認め、改めるのが我々のポリシー」と、小林秀樹専務理事は語る。今回の出来事で職員、組合員の間に生協のあり方を真剣に考える雰囲気が高まり、結束力が強まるとする声は少なくない。
 辞任・退任した役員に支払われる予定だった退任慰労金は、一人当たり最高で四千六百五十六万円。九五年度は五億円近い経常剰余金(企業の経常利益に相当)を上げているだけに「それくらい払ってもよかったのでは」という意見もあるが、組合員が責任者を見る目は総じて厳しい。
 生協を巡っては釧路市民生協でも放漫経営が表面化し、和議申請に追い込まれるという異常事態が起こった。バブル期の好況に浮かれたつけが回ってきているのは、金融や不動産業界ばかりではない。消費者の互助組織として生まれた生協も、その本分を思い起こす時期に来ているようだ。
 (横浜支局 平光三郎)


"最後の別れ"は電気自動車に乗って 県が手放した公用車を霊柩車に改造−−神奈川
1996/07/02, , 毎日新聞 朝刊, 3ページ, 有, 655文字

 財政難と不便さから神奈川県が手放した電気自動車が、霊柩(れいきゅう)車としてよみがえることになった。トヨタ自動車とコープ低公害車開発が共同開発したもので、1号車はこのほど同県三浦市の葬儀社「藤屋」に納められた。電気自動車はコストの高さ、1回の充電で走れる距離の短さが普及の妨げになっているが、霊柩車はもともと価格が高く、長距離運転をすることもあまりない。霊柩車を囲む遺族に排ガスを吹きかけないという利点もある。
 この「電気霊柩車」は、トヨタの電気自動車「タウンエース・バンEV」。もともと、神奈川県が1994年度に「公用車」として月35万8955円(1台当たり)のリース料で2台導入したうちの1台。財政状況の悪化などから同県が95年度でリース契約を打ち切り、トヨタ系ディーラーの在庫扱いになっていた車を濃紺色に塗り替え、座席の後部にひつぎを収納する装置を取り付けた。
 コープ低公害車開発の若狭良治取締役が、藤屋の藤喜代司社長に打診。藤社長も「電気自動車の乗り心地の良さや排ガスを出さないことに注目していた」と、1台購入することにした。2週間後に初出棺となる見通し。藤社長は「既存の霊柩車と同額の使用料に抑え、一般の人にも活用してもらいたい」と話している。
 今後、注文があれば新車からの開発も受けるが、価格はタウンエース・バンEVの希望小売価格800万円の2倍程度になりそう。トヨタによると、通常の宮型をつけた霊柩車は2000万円以上するといい、価格面で電気霊柩車が高すぎるということはなさそうだ。【塚田健太】


コープ低公害車開発、全国で500台を突破、LPGトラック
1996/06/19, , 化学工業日報, 7ページ, , 273文字

 コープ低公害車開発(本社・横浜市)は、自動車の排ガスを低減するため、生協の共同購入用配送トラックのLPG燃料への転換が進み、全国の生協で五百台を突破した。
 LPGトラックは、NOx排出量は通常のディーゼルトラックの半分以下とされ、またディーゼルエンジンから排出される発がん物質も含むとされる浮遊粒子状物質や黒煙がゼロとされている。九四年に開発されて以来、全国の生協が導入を始め、今年五月現在で五百三十台に達した。
 コープ低公害車開発は、全国三十八生協の出資によって設立され、いすゞ自動車など自動車メーカーとLPGトラックの共同開発を進めてきた。


コープ低公害車開発、電気自動車で霊柩車を開発
1996/06/14, , 化学工業日報, 9ページ, , 165文字

 コープ低公害車開発(横浜市港北区)が発案者の藤喜代司藤屋社長から提案を受け、コーディネートした結果、トヨタ自動車の協力が得られ開発された。
 音が静か、排ガスや臭いが出ないなど車両からの公害はゼロ。霊柩車は、夜間出動はほとんどないことから充電のため、夜間電力を使用できるなど、省エネ効果も発揮できるなどのメリットがあるとしている。


[ダッシュボード]生協の低公害車普及状況
1996/04/12, , 毎日新聞 夕刊, 5ページ, , 373文字

 コープ低公害車開発(株)が発行している機関紙「CO―OP・EVプログレス」の4月1日号では全国の生協でどれだけの低公害車を導入しているかを調査している。
 それによると――。
 <LPGカーゴ=428台>
 北海道地区     7台
 東北地区     15台
 関東甲信越地区 160台
 東海北陸地区   45台
 近畿地区     65台
 中国四国地区   64台
 九州沖縄地区   72台
 (2000CCクラスのカーゴで3月末現在で車検証を集約したもの)
 <トヨタ2700LPGトラック=3台>
 北海道地区     1台
 中国四国地区    3台
 これを生協別にベストテンをつけると、ちばコープ 69台▽コープかながわ 32台▽コープしが 28台▽エフコープ(福岡)26台▽名古屋勤労市民生協とコープかごしま 各23台▽コープかがわ 22台などの順。


LPG車、低公害指定を 窪田研一(フォーラム東海) 【名古屋】
1996/03/09, , 朝日新聞 夕刊, 2ページ, 有, 2023文字

 私たち、名古屋を活動の拠点とする「めいきん生協」では、低公害車として二十三台のLPG(液化石油ガス)トラックを配送業務用に導入しています。これは配送用小型トラックのほぼ一割に当たります。
 よく知られるようにディーゼルトラックからは、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、浮遊粒子状物質(SPM)などが排ガスとして出されます。スギ花粉と一緒になって花粉症を起こしたり、発がん性、気管支系障害など数多くの害が指摘されています。
 生協は「よりよい物をより安く」「平和とよりよい生活のために」というスローガンのもとに、組合員の暮らしや健康を守る運動としてスタートした団体です。その生協の配送車両が有害物質をまき散らしているとは、どうにも矛盾した話です。
      □ □ □ □
 一九九〇年七月、生協の共同購入車両を「黒煙」や「NOx」を排出しない電気トラックに替えよう、との提案が「コープかながわ」からあり、めいきん生協を含む全国四十一の生協が参加して「コープ電動車両開発」(COOP―EV)を設立しました。
 国の電気自動車の普及計画は、二〇〇〇年に二十万台を目標にしており、生協の配送電気トラックも夢ではない、と思ったものです。性能面では合格としても、車両価格や運用コストである電気代、電池交換費用(二―三年で交換が必要)などを計算すると、キロメートル当たりの燃費が、ディーゼル車一二―一三円、ガソリン車一六―一八円に比べて、電気トラックは七〇―一〇〇円にもなってしまううえ、その差がやがて縮まるという見通しがさっぱり持てないのです。
 九二年一月にめいきん生協では、軽バンの電気自動車を約三百五十万円で一台購入、普及啓発や連絡用に使いましたが、走行距離が短いうえ、途中で動かなくなることが何度も起きました。業務での使用はまだ先の話だと判断せざるを得ませんでした。
 実用化が見込めないからといって、これまで通りで良いということにはなりません。電気トラックの研究、学習会を進めるなかで、LPGトラックが有力候補に浮上、トヨタ自動車との開発交渉を経て九三年にLPGトラックモニター車(試作車)が出来上がりました。
 LPG車というとタクシーを連想する人が多いでしょうが、使い勝手は普通のトラックと全く変わりません。ディーゼル車に比べ、NOxが少なく、SPMが出ない、音も静かで黒煙がなく、職員や組合員に大変好評です。ユーザーが購入車両の基準を示し、その基準に沿ってメーカーが自動車を作る。こんなことが実現できたのは生協だからこそです。問題は燃料の充填(じゅうてん)スタンドが少ないことです。スタンドの増設や簡易充填の方法などが今後の課題です。
      □ □ □ □
 ところで、国はLPGトラックを低公害車に指定してくれません。「石油燃料のLPGは代替エネルギーではない」というのが理由です。低公害車に指定されないと補助金もつかないし、毎年開催の「低公害車フェア」に展示できません。
 いま、国や地方自治体が推進している低公害車は電気、メタノール、天然ガス、ハイブリッド(ディーゼルと電気の併用)などです。これらの車は、実用化にはまだ問題が多いのです。将来的には、天然ガス自動車と、電気自動車に移行して行くのかも知れませんが、それまでに時間がかかります。一方、ディーゼル排ガスは最近、規制が強化されたとはいえ、レジャー車(RV)が増えるなど解決の兆しはまだ見えません。
 この一月末、名称を改めた「コープ低公害車開発」の臨時株主総会では、全国の生協LPGトラックの普及台数が約四百台に達し、引き続き開発と普及を進めることが報告されました。歓迎すべき動きもあります。生協LPGトラックが最近、自治体レベルでようやく低公害車として認知され始めた、ということです。昨年三月、愛知県が「低公害車普及方針」を発表、この中ではLPG自動車を低公害車として位置付け、普及目標台数を二〇〇〇年で〇・三万台程度、他の低公害車は二・九万台と描いています。この計画によると、LPG自動車だけでも二〇〇〇年までに毎年六百台普及しないと目標を達成できません。行政の今後の積極的な取り組みが必要です。
 神奈川県は「自動車NOx法」に指定された特定地域を抱え、二酸化窒素(NO2)の環境基準を確保するため低公害車の保有を義務付ける施策の検討を始めました。その中でLPGトラックを自律普及型低公害車としてとらえています。こうした動きが広がれば、普及の条件整備が進むのではと大いに期待しています。国もLPG車を低公害車と認め、普及に努めてほしいものです。
          *
 くぼた けんいち 東海コープ安全運転センター所長 1951年長野県生まれ。73年からめいきん生協勤務。93年現職。めいきん生協など五つの生協でつくる東海コープ安全センターは生協職員らの安全運転訓練を行っている。


生協、三菱・マツダとも低公害車。
1996/02/29, , 日経流通新聞, 5ページ, , 428文字

 生協の低公害車普及組織であるコープ低公害車開発(横浜市、山岸正幸社長)は、三菱自動車、マツダと低公害車の共同開発に乗り出した。同社はすでにトヨタ自動車とLPG(液化石油ガス)トラックを開発、全国六十二生協に導入しているが、新たに二社と提携することで低公害車の普及にはずみを付ける考え。
 三月から本格生産するLPG小型トラックは、三菱自が「キャンター・ガッツ(一・五トン積載)」、マツダが「ボンゴ・ブローニイー(一・五トン積載)」。両メーカーともすでに各二台ずつ製造し、試乗会などを実施している。今後は年間三百―四百台ペースで導入を進め、最終的には全国生協の保有台数の半分に当たる六千―七千台程度をディーゼル車からLPG車に切り替えたい考えだ。
 コープ低公害車開発は自動車公害の要因であるNOx(窒素酸化物)や黒煙などの低減を目指し、九三年からトヨタと検討を開始。九五年六月に一・五トン積載と一・二五トン積載の二種類の生産を始め、これまで四百台を導入した。


コープ低公害車開発、新たに2車種、三菱自工・マツダと共同開発
1996/02/20, , 化学工業日報, 12ページ, , 561文字

 全国四十一の生協で構成するコープ低公害車開発(横浜市、山岸正幸社長)は、すでに実用化したトヨタ自動車とのLPGトラック共同開発に続き、三菱自動車工業およびマツダとも共同開発を進めていることを明らかにした。三菱自工とはキャンター・ガッツLPGトラック一・五トン積み(エンジン排気量二千三百五十cc)を、マツダとはボンゴ・ブローニィーLPGトラック一・五トン積み(同二千cc)を開発中。九四年六月から導入開始しすでに約四百台が使用中のトヨタLPGトラックに加え、二社が参入することで普及に弾みがつきそうだ。
 生協は九四年六月から今年一月までの一年八カ月で約四百台の配送用LPGトラックを導入しディーゼル車を置き換えた。従来は三菱自工やマツダのトラックを使っていた生協もトヨタLPGトラックに置き換えたところがあり、ディーラーサイドの要請で二社もLPGトラックの共同開発をコープ低公害車開発に申し入れ、このほど車両が完成した。
 LPGトラックはディーゼルに比べ窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質の排出量が大幅に低い。
 生協ごとの導入状況は一月現在で、ちばコープの六十九台を筆頭にエフコープ(福岡県)二十六台、コープかながわ(二十三台)、名古屋勤労市民生協(同)、コープかがわ二十二台など五十七生協で三百八十三台。


自動車材料 夢の低公害車、本格普及へアクセル・オン
1996/02/10, , 化学工業日報, 11ページ, 有, 2576文字

 低公害車またはクリーンエネルギー自動車という言葉には何となく夢がある。未来都市を電気自動車や天然ガスバス、メタノールトラックなどが大気汚染を引き起こすことなく走り回っている姿を想像すると楽しい。そういう日が来るのはいつのことだろうか。現実に目を向けると、低公害車の普及には「経済性」という大きな壁がそびえ立っている。そのため政府による補助制度など公的関与の充実を求める声が強い。一方で、規制緩和による市場競争の激化は低公害車の普及を遅らせるとの懸念もある。しかし、夢のある未来に向かって地道に技術開発や普及システムづくりを進めなければならないことだけは確かだ。
 電気自動車
 現在路上走行中の電気自動車は約二千四百台あり、普及台数でナンバーワンの低公害車だ。電気自動車はその場では排気ガスを出さず、低騒音低振動で優れた乗り物だ。黒部ダムで観光客輸送用にトロリー式の電気バスが使われているように、ある限られた条件下ではその排気ガスゼロという特徴は、いかんなく威力を発揮する。バッテリーフォークリフトも工場や倉庫では広く利用されている。
 現在、排気ガスを極度に嫌う環境では電動車両は相当使われている。また、これらの場所では夜間は充電に当てることができ、その点でも経済性が高められている。イギリスでの牛乳配達用(二万台以上)やスイスでの観光用も同様に電気自動車の特性を生かしたものだ。
 これらのことから現在大量に普及している乗用車タイプのガソリン自動車と競合するよりも、まず電気自動車の特性が最大限生かせる場所で普及させるのが近道だ。現在普及している電気自動車の大半は軽貨物車で、街中の配達業務や顧客回りに使われることで低公害車の特性が生かされているといえる。
 これを実証したのが大阪EVコミュニティで、九一年から三年間、百二十六台の電気自動車と十カ所の急速充電スタンドをつくって実際に商店などが電気自動車を利用した。十カ所の急速充電スタンドを設けたため、大阪市内では五キロメートル走れば必ずどこかの急速充電スタンドに着くことになりユーザーから好評だった。ある地域に集中的に充電スタンドを整備し、街中を頻繁に走る配達や顧客回りの業務用車両を電気自動車に置き換えていくことは一つの有力な普及策と思われる。
 天然ガス自動車
 天然ガス自動車は電気自動車に次いで普及台数の多い低公害車だ。動力性能や一回の燃料補給で走行できる距離で電気自動車より優れている。また、都市ガスの新規用途として期待する都市ガス業界が普及に全力をあげて取り組んでおり、九〇年にはほぼゼロだった台数が現在は約六百台に急増した。昨年十二月十五日には大臣認定が解除になり、電気やメタノールと同様、型式認定で販売できるようになり、つい最近、日産ディーゼル工業が天然ガスバスを発売するという動きもあった。
 天然ガス自動車が期待されているのは、まず都市バスの分野といえる。ディーゼルエンジンを天然ガスエンジンに置き換えることで黒煙などのSPM(浮遊粒子状物質)はゼロになり、三元触媒やリーンバーンによりNOxも低減できる。都市バスは走行範囲が限られており、充てんの面でも不安が少ない。そのため九四年十二月から全国八都市で天然ガスバスが走り始めており、また、東京都交通局が深川自動車営業所に続き臨海自動車営業所にも自前で自家用充てん所を建設するなど、都市バス分野で導入の動きが目立っている。
 また、電気自動車同様、街中で使われる業務用車両にも天然ガス自動車の活躍が期待される。ガソリン車を天然ガス車に置き換えてもディーゼル車を置き換えるほどの低公害メリットはない。ガソリン車はすでに相当排気ガスがきれいになっているためだ。それでもクライスラー、本田技研工業、フォードなどはカリフォルニア州のULEV規制に適合するCNG(圧縮天然ガス)自動車の発売準備を着々と進めており、エンジンのファインチューンなどでガソリン車よりも排ガスがきれいになる可能性を天然ガス車は有している。
 メタノール車
 メタノール車は液体燃料のため電気や天然ガスに比べ一回の燃料補給で走行できる距離が長いのが大きな特徴だ。ガソリンや軽油のタンクを二倍の容積にすれば同じ距離を走行できる。また、成分中に酸素を含み黒煙などが出ないほか、NOxも低くできる。さらにメタノールは天然ガスから合成されるので代エネ性がある。このような特徴から、現在トラックタイプが多く走行している。
 ディーゼル代替LPG車
 そのほかディーゼル代替LPG自動車やハイブリッド自動車などの低公害車が実用化されている。ディーゼル代替LPG自動車は主にトラックが対象で、ディーゼルトラックをLPGトラックに買い替える場合は大幅に低公害化が期待できるため、政府による補助制度が設けられている。LPGは石油代替エネルギーではないため、量的拡大に不安を持つ人もいるが、当面の低公害トラックとしてはオートガススタンドの数(一千九百カ所)などからいってもトップバッターといって良いもの。LPGトラックでは生協がコープ低公害車開発を組織して先駆的に取り組んでおり、九四年度に約二百八十台のLPGトラックを導入しディーゼルと置き換えたのに続き、今年度は五百台を目標に採用を進めている。
 ハイブリッド車
 ハイブリッド車は昨年の東京モーターショーでも数多く出品された。これまでは日野自動車工業のHIMR(ハイエムアール)と三菱自動車工業のMBECSD(エムベックス)が都市バスとして実用化されたのが有名だったが、最近は電気自動車にガソリンまたはCNG、LPGエンジンを組み合わせたものが多く登場してきた。エンジンで発電機を回して発電し、その電気でモーター走行するもので、エンジンは発電専用で走行はモーターのみのシリーズ型と、モーター走行とエンジン走行を併用するパラレル型がある。シリーズ型の場合、エンジンは一定回転数で回るので排気ガス対策がしやすい。また、電気自動車の走行距離が伸ばせる。
◇◇◇
 このように多種多様な低公害車への取り組みが行われており、将来に明るい展望を感じさせてくれる。低公害車の本命として抜け出してくるものはどれか、二〇〇〇年に向け低公害車レースから目が離せない状況が続く。


いわて生協、保有車両の半分を低公害LPG車に切り替え。燃費30%超低減
1995/08/25, , 流通サービス新聞, 4ページ, , 737文字

【盛岡】いわて生活協同組合(いわて生協、岩手県滝沢村土沢220の3、理事長嘉倉良男氏、電0196・87・1321)は、五年以内をめどに保有するトラックの半数をLPG(液化石油ガス)車に切り替える。
LPG車はディーゼル車と比べ、窒素酸化物(NOX)や黒煙、騒音などが少なく大気汚染を減らせるうえ、燃料費も三〇%以上削減できるコストメリットもある。まず、共同購入用の配送車両を中心に切り替えを行い、低公害車向けのエコステーションやLPGスタンドの普及と併せ導入を急ぐ。
いわて生協が導入するLPG車は通称、LPGカーゴと呼ばれる車両。三元触媒を利用しNOX、黒煙、騒音がディーゼル車と比べ格段に少ない。低公害車の開発を目指す生活協同組合、数社が設立したコープ低公害車開発(横浜市)とトヨタ自動車(社長豊田達郎氏)が共同開発した。排気量二〇〇〇CC、積載重量は一・五トン。
いわて生協は、これまでもトラックには比較的排気ガスが少ない副室式ディーゼルエンジン搭載車を採用するなど従来から環境対策に力を入れてきた。今回のLPG車の導入本格化は、さらに環境対策を強化するのが狙い。一リットル当たりの価格はLPGの方が軽油と比べ三〇%以上安いことから燃料代も低減する。
すでに五台ほど導入しており、計画では、まず盛岡市内の共同購入用の配送トラックを中心にLPG車を導入していく。切り替えはリース方式で行い、更新時期のきたディーゼル車両から徐々にLPG車に切り替えていく。
これにより五年以内をめどに保有する七十三台の配送トラックのうち、約半数の三十五台をLPG車に切り替える。東北地方では、LPG車の導入はみやぎ生協(仙台市)に続いて二番目。LPG車の低公害車としての役割はますます高まりそうだ。


窒素酸化物排出量 ディーゼルの半分以下*低公害トラックを導入*コープさっぽろ*共同購入宅配に利用*270台順次切り替え
1995/08/12, , 北海道新聞朝刊, 8ページ, 写, 496文字

窒素酸化物排出量 ディーゼルの半分以下*低公害トラックを導入*コープさっぽろ*共同購入宅配に利用*270台順次切り替え
 市民生協コープさっぽろ(本部・札幌)は、窒素酸化物の排出量が少ないLPG(液化石油ガス)エンジンで走る低公害トラック七台を初めて導入し、十一日から共同購入商品の宅配に使い始めた。
 この低公害トラックは、トヨタ自動車の一・二五トン積載タイプ。LPGエンジンの窒素酸化物の排出量は、最新のディーゼルエンジンの半分以下に抑えられており、黒煙を出さず、騒音や振動も少ない。
 有力生協でつくるコープ低公害車開発(本社・横浜)とトヨタが共同開発し、全国の生協などが昨年六月から三百三十九台を導入。コープさっぽろも冬場に走行実験を行った上、利用に踏み切った。価格は一台約三百万円で、ディーゼルトラックよりも約十数万円高いという。
 札幌市手稲区の共同購入札幌西支部に配置し、商品の宅配に使い始めた。コープさっぽろは現在、約二百七十台のディーゼルトラックを所有しているが、このLPGトラックに順次切り替えていく考えだ。
 
【写真説明】コープさっぽろが導入したLPGエンジン搭載の低公害トラック


低公害LPGトラック目玉に 生協出資会社とトヨタが開発【名古屋】
1995/07/06, , 朝日新聞 朝刊, 29ページ, 有, 1028文字

 大阪地裁が、五日言い渡した「西淀川公害第二―四次訴訟」の判決は、自動車の排ガスによる健康被害を認めた。この結果、国は、厳しい車対策を求められることになったが、対策の一つである低公害車として、液化石油ガス(LPG)トラックが注目を浴びている。国が力を入れている電気自動車に比べ、安上がりで使い勝手もいい。生協などで導入が始まったばかりだが、国に先駆け、自治体が推奨する動きも出ている。
 環境庁によると、低公害車とされてきたのは、電気、メタノール、天然ガス、ハイブリッド(ディーゼルと電気の併用)の四種類。いずれも石油の代替エネルギーとして普及を目指し、中でも電気自動車が、最もクリーンだとして国が力を入れている。
 しかし、電気自動車は一台二、三千万円。一回の充電で百キロ程度しか走れないなどまだ開発途上で、全国でも約千台にとどまっている。メタノール車も有害なホルムアルデヒドが出たり、冬にエンジンがかかりにくいなどの難点がある。
 それに比べ、最近、急速に増えているのがLPGトラック。各地の生協が出資して作ったコープ低公害車開発会社(横浜市)が注目し、トラック用排ガス浄化装置の「三元触媒」の開発に成功したトヨタと共同開発した。
 このトラックが排出する窒素酸化物(NOx)はディーゼルトラックの三分の一。浮遊粒子状物質(SPM)もほとんど出ない。ガソリンに含まれ、発がん性の指摘されるベンゼンなど不純物もほとんどない。
 さらにガソリンに比べ燃料代が半額で、値段も約二百万円とディーゼル車並みの実用性が受けている。
 二年前から全国各地の生協で計二百八十台の小型トラックを導入。東海地方では、名古屋勤労市民生協が十一台、刈谷生協が二台など計二十二台を所有しており、名勤生協では今年も増やす予定だ。このほか、プロパン業者らの導入分などを合わせると、LPGトラックは、全国で計六百台に増えている。
 LPGが「石油」であることから、国は車の代替エネルギーとしてはあげてこなかったが、愛知県は、今春まとめた「低公害車普及方針」でLPGトラックをPRしている。東京都も低公害車と認めて推奨したり、ゴミ収集車に導入したりしている。
 コープ社の若狭良治統括マネジャーは「現時点ではLPGが一番使いやすく利点が多い。国も低公害車として位置付け、普及を図ってほしい」と話している。
 【写真説明】
 5月、東京で開かれた環境庁主催の低公害車フェアにトヨタのLPGトラックが展示された


コープ低公害車開発、94年度受注が280台に、LPGトラック
1995/06/21, , 化学工業日報, 12ページ, 有, 971文字

 コープ低公害車開発によると、同社が生協の配送用にトヨタ自動車と共同開発した二千ccLPGトラックの九四年度受注台数は二百八十台となった。これは全国約五十の生協からの受注合計で、最も台数が多いのは、ちばコープの三十九台。次いでエフコープ二十六台、コープかながわとおおさかパルコープの各二十台などとなっている。ちばコープでは、ディーゼルトラックをLPGトラックに変えたことでNOx(窒素酸化物)を約五%削減できたと試算した。経済性のある低公害車のため、今後一万数千台のトラックを持つ生協はもちろん、宅配業者などにも普及が期待される。コープ低公害車開発では、今年度のLPGトラック受注五百台を目指す。
 導入台数の多い生協はこのほかコープかがわ十五台、生協ひろしま十三台、コープかごしまと大阪よどがわ生協各十二台、東都生協と名古屋勤労市民生協各十一台など。
 二千ccLPGトラックの生産開始は昨年の六月で、一年目で二百八十台を受注したことは今後の普及に明るい見通しを開くものだ。このトラックの特微は低公害性と実用性、経済性を兼ね備えていること。G十三モード(運輸省指定測定方法)ではNOX一・六五グラム/キロワット時(規制値五・五グラム/キロワット時)、炭化水素(HC)〇・四一グラム/キロワット時(同五・四グラム/キロワット時)、一酸化炭素(CO)二十三グラム/キロワット時(同七十六グラム/キロワット時)となっており、NOxとCOは規制値の三〇%、HCは七・六%と低い。また黒煙や浮遊粒子状物質はゼロ。
 また、工場でライン生産されたガソリントラックを改造するため、導入コストはガソリントラックより高くなるが、ディーゼルトラックより安い。エンジンオイルの消費が少なく燃料代も比較的安価で、トータルコストでディーゼル並みのほか、騒音・振動が少なく、生協職員からは「運転疲れが軽減された」という声がある。さらに最高速度を時速百二十キロメートルに抑え、ギア比を調整して登板性能を高め、実用的な性能としている。
 コープ低公害車開発は九〇年七月に前身のコープ電動車両開発を設立し、共同購入車両として黒煙やNOxを排出しない電気トラックの開発を進めてきたが、コスト高のため大量導入は難しいとし、現実性を持つ低公害車であるLPGトラックの普及に力を入れている。

生活けいざい/ 各地の生協 LPGトラック導入 順次切り替え
1995/06/07, , 中日新聞 朝刊, 23ページ, , 1146文字

 排ガス抑え悪臭も改善 燃料費 ディーゼル車より経済的
 日本生活協同組合連合会(日本生協連)に加盟する各地の生協が、液化石油ガス(LPG)を燃料にしたトラックを相次いで導入し始めた。「低公害車」の定義の一つは"脱石油"なので、LPG燃料では低公害車とは言えないものの、従来のディーゼル車に比べると、排ガスが大幅に改善できる。切り替えにはLPGスタンドが街にあることが必要で、各生協は今後、状況に合わせて積極的に導入していく方針だ。
 LPGトラックをトヨタ自動車と共同開発したのは、四十一生協で設立したコープ低公害車開発(本社・横浜市港北区新横浜)。
 最初は電気トラックを開発、三次までの試作車を作って実用走行したが、性能面では問題ないものの、導入・運行のコストが高くつくことが分かった。
 一万数千台の全国生協のトラックに普及するには電気では困難と判断、LPGに取り組み、排気量二〇〇〇CC、積載重量約一・五トンのトラックを開発した。
 新たに開発した触媒方式を採用した結果、窒素酸化物と一酸化炭素の排出量は規制値の三分の一以下で、ディーゼルトラックのような黒煙、浮遊粒子物質はほとんど出ず、排ガスの悪臭や騒音、振動も少ないなど、環境への影響が少ないトラックが誕生した。
 ガソリントラックをLPG用に改造するので、導入費用はガソリン車より高いものの、ディーゼル車並み。燃料費は軽油より安いので、ディーゼル車より経済的という。
 既に二百三十五台生産し、従来のディーゼル車から順次切り替えている。
 名古屋勤労市民生協(名勤生協)など東海三県の五生協が出資している安全運転センターによると、五生協が現在使っているトラックは、合わせて約五百台。このうち名勤生協の十一台をはじめ計十九台を切り替えている。切り替え比率は、全体でまだ約四%と低いが、名勤生協では「今後トラックを買い替える場合は、積極的にLPG車にしていく」考えだ。
 コープ低公害車開発総括マネジャーの若狭良治さんは「電気トラックを開発してみて、コストが非常に高くつくことが分かったが、関係者はそうしたことをはっきり言わないので、低公害車ですぐにも問題が解決するかのような幻想が持たれていて、大気汚染は放置されている。LPGトラックは現場で使われてクレームがない。排ガスがきれいで静かだと積み込み作業や配達にいった先でも喜ばれている。自治体を先頭に進めてきた低公害車の普及だが、大気保全の観点からは、もっと現実的な改善策を大切にすべきだ」と指摘する。
 日本生協連は、流通業界ではダイエーに次ぐ生活物資を供給する大組織。その輸送にはトラックを使わざるを得ないとの立場を自覚、環境への加害者でもあることを認識して、トラックの低公害化を目指している。


燃料の値段も大切ですが… 生協の低公害車担当者の学習会 リポートを読んで
1995/05/12, , 毎日新聞 夕刊, 5ページ, , 616文字

 「コープ低公害車開発」という会社がある。商品などの輸送にたくさんのトラックを使う生協が、LPGトラック、電気自動車など低公害車の開発のために設立した株式会社である。
 同社が月刊で発行している「CO―OP EVプログレス」という16ページほどの機関紙5月号におもしろいやりとりが載っている。「生協EV・低公害車検討実務担当者会議」のリポートがそれだ。
 この会議は3カ月に1回ほど開かれているようだが、第12回は4月末に名古屋で開かれた。全国15の生協代表とLPGスタンド協会、トヨタ自動車からも参加があった。トヨタの生産ラインの見学まで会議のコースに入っている。そしてガソリン、軽油、LPGなど自動車エネルギーについて石油メーカーのジャパンエナジーの社員が講師を務めて学習会も行った。
 この会議参加者の感想がおもしろい。
 ――トヨタの研修センターは素晴らしい設備で、さすが世界のトヨタだと思ったわ。それから研修会のテーマが「石油・LPGのいろは」だったんだけど、LPGと軽油の値段が地域によって差があってびっくりしたの。
 ――軽油やLPGの値段なんて全国一緒だと思っていたけど違うんだね。こうなるとLPGの安い地域からLPGトラックが普及し始めるかもね。
 ――講師の方の話では、化石燃料も当分大丈夫らしいし、安心したわ。
 率直な感想でほほえましいが、自動車をめぐる環境問題はもう少し深刻なのではないかと、ちょっぴり気になった。(満)


共同購入用トラック、低公害車に切り替え、コープかながわなど
1995/04/15, , 日本農業新聞, 38ページ, , 605文字

 ユーコープ事業連(本部・神奈川)傘下の、コープかながわ(本部・横浜市)など三生協は、共同購入で使っている小型トラック(積載量一・五トン)を、低公害車に切り替えて行くことになった。今年三月末現在の低公害車の導入率は、三生協平均で五%だが、四年後の平成十年度末には五〇%近くに増やす予定。環境に配慮した配送で組合員の理解を高め、二〇〇〇年までにはすべて切り替える考えだ。
 三生協はコープかながわと、市民生協やまなし(本部・甲府市)、コープしずおか(本部・静岡市)で、現在リース使用しているディーゼルトラックが契約更新を迎えるものから、順次LPG(液化石油ガス)トラックに替えてゆく。
 コープかながわの共同購入車は現在二百三台で、このうちLPG車の割合は一〇%だが、毎年切り替えを進め、十年度末には三九%までにする。
 三生協が導入するLPGトラックは、有志生協が五年前に設立したコープ低公害車開発が、トヨタ自動車と共同開発した。現行のディーゼルトラックに比べ、大気汚染の元凶といわれるNOX(窒素酸化物)、黒煙、浮遊粒子状物質などの公害物質が少ない。ちばコプ(千)、東都生協(東京)、首都圏コープ事業連、生活クラブ生協(神奈川)などもLPGトラックを導入している。
 コープ低公害車開発の統括マネジャー、若狭良治さんは「LPG車は音が静かで振動やにおいもないと組合員や運転手から喜ばれ、導入は進んでいる」としている。


コープ低公害車開発、94年度235台を受注、LPGトラック
1995/04/10, , 化学工業日報, 14ページ, , 542文字

 コープ低公害車開発(横浜市港北区)は、トヨタ自動車と共同開発し、昨年から各生協が導入を始めたLPGトラックが九四年度に受注合計二百三十五台となったことを明らかにした。生協別でみると、ちばコープの三十四台が最も多くユーコープ事業連合(コープかながわ、コープしずおかなど)とエフコープ(福岡県)の各二十六台、東海コープ事業連合(名古屋勤労市民生協など)十九台、大阪よどがわ生協と、コープかごしま各十二台などとなっている。
 このLPGトラックは排気量二千ccで一・五トン積み。(1)NOxとCOの排出量は規制値の三分の一以下(2)燃料の燃え残りの炭化水素は同十三分の一以下(3)黒煙・浮遊粒子状物質はほとんど発生しない(4)排気ガスの悪臭が出ない(5)騒音・振動も少ない‐などの特徴がある。
 生協が導入した二百三十五台の内訳は平デッキ百十四台(構成比四八・五%)、アルミバンS十三台(同五・五%)、断熱バン十一台(同四・七%)、キャブ付きシャシー九十七台(四一・三%)となっている。
 三月下旬にはヤマト運輸の地球環境委員会・クリーンエネルギー小委のメンバー八名がコープ低公害車開発を訪れ、導入後の使用実態を見学した。実用的な低公害車としてLPGトラックへの関心は高まっているといえそうだ。


配送も環境配慮、LPG車増やす――ユーコープ参加の3生協。
1995/04/06, , 日経流通新聞, 4ページ, 有, 505文字

 生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(横浜市)に参加するコープかながわ(横浜市、山岸正幸理事長)、コープしずおか(静岡市、上田克己理事長)、山梨中央市民生活協同組合(甲府市、後藤昭二理事長)の三生協は、液化石油ガス(LPG)車の導入を本格化する。今後共同購入の配送に使う一・五トントラックのリース契約が切れて再契約する場合や新たにトラックを導入する際には、すべてLPG車を採用する。
 これにより現在のディーゼル車をLPG車に順次切り替え、九八年度末にはLPG車の使用割合をそれぞれの生協で三八―五〇%まで引き上げることを目指す。今回導入するLPG車は一台の価格が百八十万―二百七十万円とディーゼル車よりもやや割高だが、窒素酸化物や一酸化炭素、黒煙の排出量がディーゼル車より低いために導入を決めた。
 三生協が導入するLPGトラックは、全国の四十一生協が出資するコープ低公害車開発(横浜市、山岸正幸社長)がトヨタ自動車と共同開発したものだ。運搬能力などトラックとしての性能は、同じ規模のディーゼル車と変わらないという。コープ低公害車開発はLPGトラックを、電気トラックが実用化されるまでの中継ぎと位置付けている。


コープかながわなど3生共、配送トラックにlPG車。保有の5割を転換
1995/04/04, , 流通サービス新聞, 5ページ, , 566文字

コープかながわ(横浜市)など生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(横浜市)傘下の三生協は、今後、共同購入事業で使用する小型トラックを全車、ディーゼルトラックから液化石油ガス(LPG)トラックに切り替えていくことを決めた。
大気汚染などの公害に配慮した試みで、現在使用しているトラックについては、リース契約が切れるのを機に順次切り替えていく。これにより、九八年度末の三生協におけるLPGトラックの保有比率(保有トラック全車に対する比率)はおよそ四―五割程度になる予定。
今回LPGトラック(二〇〇〇CC積載重量一・五トン)を導入するのは、コープかながわ、コープしずおか(静岡市)、市民生協やまなし(甲府市)の三生協。九八年度末までにコープかながわで八十九台、コープしずおかで九十台、市民生協やまなしで二十六台の導入を計画している。
これら生協が導入するLPGトラックは、コープ低公害車開発とトヨタ自動車が共同開発したもので、ディーゼルトラックに比べNOx(窒素酸化物)をはじめ一酸化炭素、炭化水素などの公害物質を減らすことができ、環境に配慮した配送ができるとしている。
全国の生協ではLPGトラックの導入が進んでおり、九四年七月にコープえひめ(松山市)が一号車を導入以来、全国四十五の生協で二百三十一台が利用され、今後も増加傾向にあるという。


コープ神奈川など3生協、LPG化率を拡大、配送用小型トラック
1995/03/29, , 化学工業日報, 16ページ, 有, 635文字

 生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(本部・神奈川県)傘下の「コープかながわ」「同しずおか」「市民生協やまなし」の主要三生協は、共同購入事業で使用する積載量一・五トンの小型トラックを今後、全面的にLPG(液化石油ガス)トラックに転換することを決めた。各生協ともディーゼルトラックのリースが終了したものをLPG車に転換するが、この結果、九八年度末で三生協全体のLPG化率は五〇%になる。
 今回、ディーゼルトラックから切り替えるLPGトラックは、コープ低公害車開発会社がトヨタ自動車と共同開発した。排気量は二千ccで、積載重量は約一・五トン。現行のディーゼル車に比べNOXをはじめCO、炭化水素、黒煙、浮遊粒子状物質などの公害物質を大幅に減少できる。
 たとえば、NOXとCOの排出量は規制値の三分の一以下、燃料の燃え残りの炭化水素は規制値の十三分の一以下、黒煙・浮遊粒子状物質はほとんど発生しないほか、排気ガスの悪臭や騒音・振動も少ないという特徴がある。
 現在、各生協とも共同購入の商品配達用にはディーゼルトラック(一・五トン車)を使用しているが、低公害でクリーンなLPG車に切り替える。リース契約が切れる一・五トンの配送車と事業拡大で新たにコースを設定して増加する車両について順次、転換を進めていく。
 最近、公害問題でディーゼル燃料の低硫黄化が一層求められ、車両自体もディーゼルからLPGや電気、さらにはメタノールといった低公害燃料車に切り替えられる動きが強まっている。


自動車材料特集 動き出した低公害車・ディーゼル代替LPG車
1995/02/11, , 化学工業日報, 9ページ, 有, 302文字

 <ディーゼル代替LPG車>
 LPG自動車は、すでにタクシー、ハイヤーを中心に三十一万台が走っており、LPガススタンドも一千九百カ所ある。低公害車と位置付けられたディーゼル代替LPG車は、このインフラを利用でき実用性が高いのが特徴だ。ディーゼル代替LPG車とはディーゼル車に代えて使われるもので、トヨエースLPGトラックなどがある。コープ低公害車開発は配送車にLPGトラックの導入を推進し、六月の第一号車から十二月十五日までに百十六台を納車したこの分野の開拓者だ。
 また東京都はLPG車に注目しており、低公害車普及計画三十一万台のうち、二十三万台をLPG車としてごみ収集車などに導入する計画を持っている。


LPGトラック、普及へ出足好調、94年度中に生産台数200台突破
1995/02/09, , 化学工業日報, 12ページ, , 740文字

 コープ低公害車開発(横浜市港北区)がトヨタ自動車と共同開発したLPGトラックは、今年度中に生産台数が約二百台となる見通しとなった。コープ低公害車開発では「いよいよ本格的な導入が始まった」としている。また、九五‐九六年度には五百台以上の導入が予定され、それとともにオートガス価格の東西格差などがクローズアップされており、低公害LPGトラック普及のためオートスタンド業界の活性化が求められている。
 配送用トラック向けに共同開発した排気量二千ccのLPGトラックは昨年六月の生産開始以来、十一月までに百四十五台が生産され、十二月三台、今年一月七台、二月十六台を合わせ百七十一台の生産となった。導入した生協からは「振動や騒音が減って運転が楽になった」「黒煙や悪臭をまき散らさなくなったために配達時の車の出し入れに気を使わなくて良くなった」などの反響が寄せられている。
 普及を進めるコープ低公害車開発が心配しているのは、最近のサウジアラビアのLPGの急激な値上げが十二月ごろから末端価格に波及しはじめたことや、関西が安く関東が高いオートガス価格の東西格差、またオートガススタンド協会未加盟のガススタンドの存在などだ。コープ低公害車開発はLPG各団体と協調してLPGトラックの普及を進めていくとしているが、静岡県富士宮市の生協の場合、約七十メートルの距離に未加盟のスタンドがあり、低公害車導入の趣旨から未加盟のスタンドでも利用していかざるを得ない状況。また、協会加盟のスタンドは、フリー客に対しては販売価格が相当高いとの指摘もある。LPGトラックは他の低公害車と違いオートガススタンドが全国一千九百カ所にあるのが魅力で、オートガスタンド業界の低公害車に対する取り組みの一層の強化が望まれる。


山梨中央市民生協、低公害トラック導入 配送時のNOx減へ /山梨
1994/11/23, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 無, 639文字

 甲府市落合町の山梨中央市民生協本部で二十二日、液化石油ガス(LPG)を使った低公害トラックの導入セレモニーが開かれ、関係者ら約三十人が参加した。LPG車導入によって、従来通りのコストで、窒素酸化物(NOx)などの低減が図れるという。同生協では、配送などに使っているディーゼルトラック約六十台を、三、四年間で順次LPGトラックに代えていく予定だ。
 今回導入されたLPGトラックは、全国四十一の生協が出資などで協力している「コープ低公害車開発株式会社」とトヨタ自動車が共同開発した。今年六月から生産を開始し、これまでに約百六十台を生産して全国の生協に納入している。
 LPGトラックは、黒煙や、発がん性物質を含む浮遊粒子状物質を排出せず、NOxは規制値の三分の一以下。排ガスのにおいもなく、騒音、振動もディーゼル車に比べて少ない。導入価格はディーゼル車よりやや高めだが、運行経費はほぼ同じで、全体的にコストアップにはならないという。
 LPGは油田から出るガス内や原油内、天然ガス田などに含まれ、燃料としてはタクシー業界で広く使われている。LPG車は環境庁が指定する低公害車には入っていないが、通産省などは、軽油代替に限ってクリーンエネルギーとして位置付ける方針を打ち出している。コープ低公害車開発の若狭良治さんは「電気自動車の開発もしているが、コスト高で普及に時間がかかる。当面、ディーゼル車の代替としてLPG車の普及を図れば、少しでも早く大気汚染の改善に寄与できる」と話していた。


配送も環境に優しく みえきた市民生協 LPGトラック導入
1994/11/09, , 中日新聞 朝刊, 16ページ, , 497文字

 【三重県】四日市市日永西、みえきた市民生協は八日までに、配送用として低公害性の液化石油ガス(LPG)トラックを二台導入した。環境悪化に歯止めを掛けようと、タクシー、業務用貨物などにLPG車がどんどん取り入れられている中、同生協は今後も台数を増やす方針という。今月中旬に出発式をし、業務を開始する。
 全国の約四十の生協が、環境に優しい車の開発を目的に設立した「コープ低公害車開発株式会社」(本社・横浜市)とトヨタ自動車が共同開発。今年から全国各生協で導入され始め、既に百台を超えた。
 排気口の付近に排気ガス制御システムを設置するなどし、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)の排出を抑えるような工夫がされている。
 同生協が導入したのは、二台とも一・五トンの小型トラック(長さ約四・七メートル、幅一・七メートル、高さ二・七メートル)で、価格は一台約二百四十万円。
 県内には、まだLPG給油所が少ないが、一日の走行距離が四十−五十キロほどなので、一週間に一度の給油で運行できるという。
 同生協には、ほかに三十五台のディーゼルトラックがあり「今後も、徐々にLPG車に切り替えていきたい」としている。


コープ低公害車開発、LPGトラック生産が100台を突破
1994/10/20, , 化学工業日報, 12ページ, , 434文字

 コープ低公害車開発(コープEV)がトヨタ自動車と共同開発した配送用のLPGトラックの導入が好調だ。全国各地の生協から注文が相次ぎ、9月末までで105台が生産された。LPGはクリーン燃料で黒煙や硫黄酸化物が出ず、窒素酸化物や一酸化炭素も同クラスのディーゼルエンジン車の3分の1以下という優れた環境性が評価された。コープEVでは全国の生協の配送トラック1万3千台の約半分の7千台の導入を目指し、年間1千台規模の生産台数を目標としている。オートガススタンドが近くにない場合のために、簡易スタンドの設置助成策も検討していく。
 このトラックは排気量2千ccで積載重量1.5トンで3元触媒とO2センサーによる排気ガス制御システムを採用。車両価格はやや高めだが、LPGは燃費が良いため「5年間走ればモトが取れる」(コープEV)という。6月からトヨタ車体で生産開始され第1号車が7月7日にコープえひめに導入され、コープかながわ、コープしずおか、こうち生協など多数の生協で導入された。


ノー黒煙 環境に配慮 配送車にLPG車 岐阜地区生協が4台購入
1994/10/05, , 中日新聞 朝刊, 16ページ, , 453文字

 【岐阜県】岐阜地区市民生活協同組合(本部・各務原市鵜沼各務原町)は四日、共同購入配送車として初めてLPG(液化石油ガス)車を導入、記念式典を本部で開いた。
 導入されたLPG車は、「黒煙などが出るディーゼルトラックを配送に使っていては、身体の安全や環境へのやさしさを目指す生協の活動と矛盾する」と判断した全国四十一の生協と、トヨタ生協、トヨタ自動車が共同開発した。販売価格は地域差があるが、岐阜地区では一台約二百三十万円。
 従来のタクシーなどLPG車よりも性能が上がり、排ガスを化学変化させ、NOx(窒素酸化物)を規制値の三分の一に抑えているのが特徴。生協の関連会社・コープ低公害車開発の若狭良治統括マネジャーによると、低燃費で、黒煙による汚れも出ず、ガスボンベの作りは丈夫だという。
 LPGスタンドが全国で約二千カ所しかないのがネックだが、一般の注文も受け付けている。
 岐阜地区市民生協では、百七十台保有していたところに今回、LPG車を四台新規購入した。今後、約八年間で現有車をLPG車に切り替えていく。


低公害化へ"発車" LPGトラック2台 名古屋市民生協が導入
1994/10/05, , 中日新聞 朝刊, 16ページ, , 484文字

 【愛知県】大気汚染問題に取り組む生協自らが自動車の低公害化を図ろうと、全国四十一の生協でつくる「コープ低公害車開発株式会社」(略称CO−OP EV)とトヨタ自動車が共同開発したLPG(液化石油ガス)トラック二台が四日、名古屋勤労市民生協(めいきん生協、高橋正理事長)に納車された。名古屋市名東区猪高町大字上社の同生協本部で行われた納車式には約六十人が出席、県内初のLPGトラック導入を祝った。
 このトラックは「トヨエースG−5」をベースにLPG化した。排気量は一九八八CC。積載量一・二五トン。窒素酸化物を規制値の三分の一以下に削減。騒音振動も少なく、配送作業に当たる人や運転手の健康が配慮されている。今年七月から各地の生協に納車が始まり、すでに百台を突破。めいきん生協も今秋に共同購入を行っている十一地区の配送トラックをすべてLPG車に切り替える方針で、この二台が皮切り。
 納車式では生協の野々康明専務理事が「きれいな空気づくりに先陣を切って取り組むのが私たちに課せられた課題」とあいさつ。トヨタ自動車から高橋理事長に"黄金のキー"が引き渡され、関係者が試乗した。


「LPガス車」テーマに29日に講演会(短信)
1994/09/26, , 化学工業日報, 14ページ, , 321文字

 ◇「LPガス車」テーマに講演会 LPガス自動車普及促進協議会(会長・木下禎一日本LPガス協会会長)が29日午後1時30分から、東京都港区の虎ノ門パストラルで開催する。参加費は同協議会会員会社は2名まで無料で、それ以上と会員外は1名3千円。定員は130名。申し込みは日本LPガス協会(電話03−3503−5741)調査課または当日会場で。プログラムは次の通り。
 (1)<午後1時40分から>ユーザー側からみた環境対策について=コープ低公害車開発・若狭良治氏(2)<同2時50分から>LPガス仕様トラックの開発経緯について=マツダ・川口隆蔵氏(3)<同4時から>エルピーガス振興センターにおけるLPG車の開発状況について=同センター・高橋孝氏。


LPGトラック、クリーンに走る 将来全配送車に−−コープかながわ導入 /神奈川
1994/09/18, , 毎日新聞 地方版, 14ページ, 有, 542文字

 ◇まずは21台でスタート、汚染物質大幅に減り
 コープかながわ(本部・横浜市港北区、山岸正幸理事長)は配送車に低公害車のLPG(液化石油ガス)トラック=写真=の導入を始めた。今年度中に全配送車の一割に当たる二十一台をLPGトラックに切り替える。
 LPGトラックは排気量二〇〇〇CC、積載重量は約一・五トンで、本部の系列会社「コープ低公害車開発」とトヨタ自動車が共同開発した。現行のディーゼルトラックに比べ、大気汚染の元凶と言われる窒素酸化物や一酸化炭素が七割も減り、規制値の三分の一になるほか、黒煙や浮遊粒子状物質がほとんど発生しない。エンジンオイルは通常二千五百キロから三千キロの走行で交換しなければならないが、LPGトラックでは一万キロまで大丈夫という。燃費も一リットル=五―七キロとそん色はなく、価格も百八十二万円と十分ディーゼルトラックに対抗できる。
 第一号車は九日、横浜東部共同センターに配車した。今後順次LPGトラックに切り替えていく予定だが、ネックとなるのがLPGを扱うスタンドが少ないこと。計画では一九九五年度はさらに十台、九六年度は九台導入する予定で、県などに簡易スタンド設置への助成を働き掛け、早い時期に全トラック二百四台をLPGトラックに切り替えたいとしている。


低公害トラック導入、コープしずおか、配送車――96年度までに54台。
1994/09/15, , 日本経済新聞 地方経済面 (静岡), 6ページ, , 274文字

 生活協同組合コープしずおか(静岡市、上田克己理事長)は、商品配送トラックを従来のディーゼル車から低公害のLPG(液化石油ガス)車に切り替える。十九日、島田市の共同購入島田センターに一号車を導入、以後、九六年度までに五十四台を導入する予定だ。
 LPGガス車は排気量が二〇〇〇ccで、車両重量は一・五トン。コープ低公害車開発(神奈川県、山岸正幸社長)がトヨタ自動車と共同開発した。
 従来のディーゼル車と比べ、大気汚染の原因となる窒素酸化物や一酸化炭素、黒煙などの発生が大幅に抑えられるという。古くなったディーゼル車を順次LPG車に切り替えていく考え。


コープかながわ、配送用に低公害LPGトラック。
1994/09/10, , 日本経済新聞 地方経済面 (神奈川), 26ページ, , 236文字

 生活協同組合コープかながわ(横浜市、山岸正幸理事長)は九日、商品配達用のディーゼルエンジン式トラックの替わりとして低公害の液化石油ガス(LPG)トラック(一台)を稼働させた。九四年度中に、二百四台のトラックのうち計二十一台をLPGトラックに切り替える計画だ。LPGトラックはコープかながわが出資するコープ低公害車開発とトヨタ自動車が共同開発した。排気量は二千ccで積載重量は約一・五トン。窒素酸化物(NOx)排出量がディーゼル車の半分と少ない。価格は一台約二百五十万円。


ならコープ、低公害車を導入 /奈良
1994/08/03, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 292文字

 有害な窒素酸化物の排出量を少なくした「LPGトラック」(1.25トン)=写真=2台が1日、ならコープ(奈良市民生協)に納入された。2日から北部支所と香芝支所で配達に使われるという。
 今年1月にコープ低公害車開発会社(横浜市)とトヨタ自動車が共同で開発した。LPG(液化石油ガス)を燃料とし、窒素酸化物排出量はディーゼル車の規制量の3分の1。全国の生協で導入されるのは愛媛県に続いて奈良県が2例目という。支所運営部車両担当の小路晃弘さん(31)は「燃料費などは従来車より3割ほど安い。力が弱いので、とりあえずこの2台が今年の冬を乗り切ってから、新たに導入するか考えたい」と話している。


京成電鉄・ちばコープ、低公害車に"乗り換え" /千葉
1994/07/19, , 毎日新聞 地方版, 12ページ, , 585文字

 京成電鉄はこのほど、低公害・低燃費が期待できる「アイドリング・ストップバス」の試験導入を始めた。車両の停止・発進に合わせて、自動的にエンジンをストップ・再スタートさせるシステムを装備したバスで、従来のバスに比べ、排出するガスに含まれる窒素酸化物の量や燃料消費量が約一〇%少なくなる。一方、生活協同組合ちばコープ(組合員二十五万世帯、高橋晴雄理事長)は、同クラスの中では最も排ガスがクリーンなLPGトラックを配達業務に導入する。
 自動車は交通渋滞、信号待ちなど、停止している時でもエンジンがアイドリング(空回り)状態になっている。京成電鉄の路線バスは、特に都市内走行路線で、運行時間の半分がアイドリング状態にあり、燃料の無駄遣い、排ガスへの悪影響が懸念されていた。千葉営業所と千城台出張所に一台ずつ配備、順次増やしていく。
 ちばコープでは、全国四十一の生協で運営するコープ低公害車開発株式会社のメンバーとして、電動配送トラックの研究開発に取り組んできたが、電気自動車への切り替えにはまだ時間がかかるため、LPGトラックの導入を決めた。コープ低公害車開発社がトヨタ自動車と共同開発した排気量二〇〇〇CCのLPGトラックを導入。窒素酸化物の大幅削減に成功、黒煙はほとんど出ないという。
 今年度三十台を試験導入、五年後には全車両の三分の二をLPGトラックに転換する方針という。


コープえひめ、LPGトラック導入、生協で第1号――NOxを大幅削減。
1994/07/08, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 445文字

 えひめ生活協同組合(愛称コープえひめ、立川百恵理事長)は全国の生協で第一号となる液化石油ガス(LPG)トラック=写真=を導入、七日から配送車として使用を始めた。全国四十一生協が出資するコープ低公害車開発(横浜市、山岸正幸社長)とトヨタ自動車が共同開発に取り組んでいたもので、従来のディーゼル車に比べて窒素酸化物(NO〓)を大幅に削減できるのが特徴。今後も順次、導入を図ることにしている。
 同トラックはNO〓低減を目的として開発した。排気量二千cc、最大積載量一・二五トンで、NO〓の排出量を規制値の三分の一程度に抑制できるほか、黒煙や騒音も大幅に低減が可能。導入・運用費用はディーゼル車と変わらない。
 これまでコープえひめは家庭排水の抑制やリサイクル、低農薬野菜づくりなど環境問題に積極的で、今回のLPGトラック導入もその一環。
 立川理事長は「全国の生協の中で第一号を愛媛に紹介することができた。これから積極的に配送作業に利用、環境への取り組みのシンボルとして位置づけたい」と話している。


とくしま生協、創立10年で初店舗――シンボルマークも制定。
1994/05/31, , 日経流通新聞, 6ページ, , 594文字

 【徳島】とくしま生協(徳島県北島町、林みす子理事長)は二十三日徳島市で開いた総代会で、初の店舗開設やシンボルマークの制定など九四年度の事業計画を決めた。十一月に創立十周年を迎えるため、記念商品も開発する。
 店舗は九五年一月ごろ、徳島市に隣接する徳島県石井町に出店する。敷地面積六千八百五十三平方メートル、売り場面積千六十五平方メートルで、食品を中心に取り扱う。花店、薬局、クリーニング店などのテナントも誘致する。駐車場の収容台数は約百四十台。一般企業の売上高に当たる供給高は初年度十億円を見込んでいる。現在は組合員からの注文によって商品を配達する「共同購入事業」のみで、第一号店となる。
 初めて定めたシンボルマークは青、緑、白の大小の丸を組み合わせ、鳴門の渦潮と徳島県特産のスダチを表現した。また、組合員から取り扱いの要望の強い商品は今後、「十周年記念開発商品」として開発する。
 一方、環境対策として、配送トラックをコープ電動車両開発(横浜市)が開発した低公害のLPG(液化石油ガス)車に切り替える。百台稼働しているトラックのうち六十台を、六月から二年間かけてLPG車にする。
 同生協の九四年三月期の組合員数は四万九千七百八十世帯(前年同期比一〇・四%増)、供給高は百十三億七百万円(同六・二%増)。九四年度は組合員数五万五千世帯、供給高百二十億円(店舗供給高は除く)を目標にしている。


とくしま生協、年明けに店舗初出店、事業計画決まる――シンボルマーク制定。
1994/05/24, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 594文字

 とくしま生協(徳島県北島町、林みす子理事長)は二十三日徳島市で開いた総代会で、初の店舗開設やシンボルマーク=写真=の制定など九四年度の事業計画を決めた。十一月に創立十周年を迎えるため、記念商品も開発する。
 店舗は九五年一月ごろ、徳島市に隣接する徳島県石井町に開設する。敷地面積六千八百五十三平方メートル、売り場面積千六十五平方メートルで、食品を中心に取り扱う。花店、薬局、クリーニング店などのテナントも誘致する。駐車場の収容台数は約百四十台。一般企業の売上高に当たる供給高は初年度十億円を見込んでいる。現在は組合員からの注文によって商品を配達する「共同購入事業」のみで、第一号店となる。
 初めて定めたシンボルマークは青、緑、白の大小の丸を組み合わせ、鳴門の渦潮と徳島県特産のスダチを表現した。また、組合員から取り扱いの要望の強い商品は今後、「十周年記念開発商品」として開発する。
 一方、環境対策として、配送トラックをコープ電動車両開発(横浜市)が開発した低公害のLPG(液化石油ガス)車に切り替える。百台稼働しているトラックのうち六十台を、六月から二年間かけてLPG車にする。
 同生協の九四年三月期の組合員数は四万九千七百八十世帯(前年同期比一〇・四%増)、供給高は百十三億七百万円(同六・二%増)。九四年度は組合員数五万五千世帯、供給高百二十億円(店舗供給高は除く)を目標にしている。


生協ひろしま、LPGトラック6月から導入。
1994/03/15, , 日本経済新聞 地方経済面 (中国B), 35ページ, , 213文字

 生協ひろしま(広島市、富田巌理事長)は六月から、共同購入用にLPG(液化石油ガス)トラックを導入する。ディーゼル車と比べNOx(窒素酸化物)排出量が少ないため、同生協では環境保護に対する積極姿勢をアピールしたいとしている。
 LPGトラックは、コープ電動車両開発(横浜市、山岸正幸社長)とトヨタが共同開発した。約二千ccで最大積載量一・二五トン。当面十台程度導入し、電気自動車が実用化されるまで低公害車を順次増やしていく方針。


エフコープが7月に導入、LPGエンジン使ったトラック。
1994/02/25, , 日本経済新聞 地方経済面 (九州B), 14ページ, , 411文字

 エフコープ生活協同組合(福岡市、石田静男理事長)は七月から、液化石油ガス(LPG)エンジンを使った商品配達用トラックを導入する。同生協などの関連会社であるコープ電動車両開発(横浜市、山岸正幸社長)とトヨタ自動車が共同開発した車両で、排ガスによる公害に配慮して、全国四十一生協が一斉導入する。
 エフコープは現在、約四百台のディーゼルエンジン車を使用しているが、今回はLPG車(一・五トントラック)を一台導入する。価格は二百数十万円で従来の車両とほぼ同額。今後もコスト、性能次第で順次、LPG車に切り替えたい意向だ。
 コープ電動車両開発では電気自動車導入に向け実験を重ねているが、価格が一台につき二千五百万円程度と実用化は困難な状況。このため当面の対応策として、ディーゼル車より排ガス中の有害物質量のほか、騒音、振動の少ないLPG車の開発に乗り出した。当初懸念されたパワー不足も試験走行の結果、業務には支障がなかったという。


[情報ネットワーク]LPGトラックエフコープ導入へ
1994/02/25, , 西日本新聞朝刊, 7ページ, , 291文字

 エフコープ(福岡市)は二十四日、LPG(液化石油ガス)を使う低公害の商品配達用トラック一台を七月に導入すると発表した。ガソリン車に比べ、NOx(窒素酸化物)の排出量を七割に、ディーゼル車に比べ三割に抑制している。
 エフコープは商品配達用に約四百台のディーゼルエンジンのトラックを使用しているが「車の排ガスによる大気汚染が深刻化しており、今後LPG車の割合を増やしていきたい」としている。
 LPGトラックは、エフコープを含む全国四十一の生協で共同出資しているコープ電動車両開発とトヨタ自動車が共同開発。二〇〇〇CCで、積載量は一・二五トン。価格はディーゼル車とほぼ同額の約二百万円。


生協ひろしま、低公害のLPG車導入。94年夏めどにまず10台、全車両の6割計画
1994/02/25, , 日刊工業新聞, 35ページ, 有, 812文字

生活協同組合ひろしま(生協ひろしま、広島市南区比治山本町16の35、理事長冨田巖氏、電082・252・8402)は、共同配送用トラックに低公害車の液化石油ガス(LPG)トラックの使用を始める。
六、七月ごろまでに十台の導入を予定しているが、現在、全国主要生協がいすゞと共同開発中の電動車両の実用化にめどがつくまで「当面、LPG車を全車両の六割に当たる百八十台はそろえたい」(土井律紀専務理事)としている。
流通各企業が一連の窒素酸化物(NOx)を抑えた「地球にやさしい自動車」の本格的な採用に手をこまねいているだけに、今回の生協ひろしまのLPGトラックへの転換は注目される。使用するトラックは、トヨタダイナ150とトヨエースG15。
全国四十一の生協が出資するコープ電動車両開発(横浜市、社長山岸正幸氏)とトヨタ自動車が共同開発したもの。全長四千九百ミリメートル、全幅一千六百九十五ミリメートル。排気量は一九八八CC、最大積載量は一千二百五十キロg。燃費はリッター当たり約五キロメートル。
最大の特徴は三元触媒によりNOXを大幅に減少させたこと。エンジンからの排気ガスを酸素センサー制御で燃料と空気の割合をコントロールし、三元触媒のパイプを通してNOX、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)の有害な三物質を同時に除去するもの。
静音性に優れるほかに職員の要望からハンドル操作性の向上にパワーステアリング、空調管理にエアコンディショナー、安全運転操作性の向上にオートマチックを標準装備している。燃料供給はLPGタクシー用のスタンドを利用。これについては全国エルピーガススタンド協会(会長米田正幸氏)が協力する予定。
八九年から続けている電動車両の開発は三月に実用走行車を二生協、六―九月までに八生協に納車する。生協ひろしまでは「より安全な商品の提供が生協のモットーだけに、それを運ぶ車両もできるだけ安全なものにしたい」(同)と話している。


えひめ生協 地球にやさしい配送車です 6月以降順次導入
1994/02/19, , 愛媛新聞, 15ページ, , 494文字

【NOχ大幅削減】
 えひめ生協(立川百恵理事長)は十八日、全国の生協が配送用に共同開発した低公害のLPGトラックの試作車を松山市朝生田町の本部で公開した。従来のディーゼル車と比べ、大気汚染の元凶といわれるNOχ(窒素酸化物)を大幅削減している。
 同生協など全国四十一生協が出資しているコープ電動車両開発(横浜市)は、配送トラックを無公害の電気自動車にする研究をしており第三次試作車までできている。しかし、一台二千数百万円と高価なこともあって普及に時間がかかるため、当面の排ガス対策としてLPGトラックをトヨタ自動車と共同開発、試作車が完成した。
 従来のトラックでは難しかった「三元触媒」を高温に耐えられるように新開発して搭載したため、NOχがディーゼル車より六割少ない▽黒煙や浮遊粒状物質が無い▽HC(炭化水素)が少ない▽低騒音―などの特徴がある。CO(一酸化炭素)はディーゼル車より多いもののガソリン車より少ない。価格も燃料コストなどを含めるとディーゼル車並みになるという。
 実用化・量産は六月以降。配送車百五十台を保有するえひめ生協も順次導入し、一九九四年度は三〜五台を配備する計画。


コープかがわが展示説明会、低公害のLPGトラック――配送車に導入検討。
1994/02/11, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 396文字

 生活協同組合コープかがわ(高松市、白井弘治理事長)は十日、液化石油ガス(LPG)を燃料にした低公害タイプのトラック=写真=の展示・説明会を開催した。全国四十一の生協が出資しているコープ電動車両開発(横浜市、山岸正幸社長)とトヨタ自動車が共同開発したモニター車で、今後、共同購入事業の配送車両として導入することを検討する。
 このLPGトラックは「低騒音、低NO〓(窒素酸化物)、黒煙の排除」を目的に開発した。排気量二千cc、積載量は一・二五トン。NO〓の排出量は規制値の三〇%程度まで抑えられ、一酸化炭素や炭化水素などの有害物質も大幅に抑制したという。コストはディーゼルエンジンのトラックと同程度。
 コープかがわは現在、九十八台の配送用トラックを所有、ディーゼル車からガソリン車に順次、切り替えている。組合員や配送担当者から意見を聞きながら、LPGトラックの導入について検討を進めていく予定。


生協配送に低公害トラック発車――おおさかパルコープ、6月以降にLPG型10台。
1994/02/10, , 日経流通新聞, 6ページ, , 636文字

 おおさかパルコープ(大阪市、山本邦雄理事長)は九四年度(九五年三月期)中に、液化石油ガス(LPG)を燃料とした低公害の配送トラックを十台程度導入する。環境問題への取り組みの一環で、全国四十一生協が設立したコープ電動車両開発(横浜市、山岸正幸社長)とトヨタ自動車が九三年十一月に共同開発した試作のトラックの運行性能が高いため、六月をメドに従来のディーゼルトラックから一部をLPGトラックに切り替える。
 導入する配送トラックは、積載量が一・二五トンで、共同購入用の配送トラックとしては標準的な大きさ。気体燃料であるLPGを使うことで、ガソリンに比べて窒素酸化物や一酸化炭素の排出量を従来のディーゼル車に比べて三〇%程度まで少なくできる。
 同生協では現在、共同購入用に約三百台の配送トラックを使用しているが、当面は六月から九五年三月末まで導入する約十台のLPG燃料のトラックを実験的に使用し、九五年度以降に導入台数を増やしていく方針。
 コープ電動車両開発はパルコープのほか、コープかながわ(横浜市、山岸正幸理事長)など全国の主要生協の出資で九〇年七月に設立、電気自動車の開発を自動車メーカーと進めてきたが、実用化には時間が必要なため、当面は開発コストの低いLPGトラックの導入を進めることにした。
 今回のLPGトラックは一台二百万円弱とディーゼル車に比べ多少高いが、軽油に比べてLPG価格が安いことから、最終的な経費負担は同程度になると見ており、他の出資生協にも導入していく。


低公害のLPG配送車、生協などが開発 /大阪
1994/02/01, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 362文字

 液化石油ガス(LPG)を燃料とし、窒素酸化物(NOx)などの排出が少ないトラックが生協の配送用として開発され、三十一日、鶴見区の「おおさかパルコープ」北鶴見支所でモニター車両が公開された=写真。ことし六月の本格生産に向けて実用テストを進める。
 トラックは、排気量二〇〇〇CCで一・二五トン積み。トヨタ自動車と全国四十一の生協が出資しているコープ電動車両開発が共同で開発した。排ガスをまったく出さない電気自動車の普及にまだ時間がかかることから、まずLPG車の導入で低公害化を図るねらいだ。
 同車両開発によると、トラックの価格などコストはディーゼル車なみ。NOxの排出量が規制値の約三分の一になり、黒煙や浮遊粒状物質も抑えられるという。将来は四十一生協で使用している約七千台のうち約七割をLPG車に換えることが可能とみている。


運転しやすいよ 低公害のLPG車試乗会 滋賀・生協コープしが
1994/01/25, , 中日新聞 朝刊, 17ページ, , 605文字

 女性の配達もOK 新年度から導入へ 環境への配慮めざす
 滋賀県の生活協同組合「コープしが」(細谷卓爾理事長)は配送用の低公害車としてコープ電動車両開発会社(本社・横浜市)とトヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)が共同開発したLPG(液化石油ガス)トラックの導入を決め、二十四日、同県蒲生郡竜王町の同生協本部で関係者を対象にした試乗会を開いた。
 導入するLPGトラックは、二〇〇〇CC、最大積載量一・二五トン、三人乗り。気体燃料のLPGを使用したトラックは、従来のディーゼルエンジンと比較してNOx(窒素酸化物)が七〇%、HC(炭化水素)が二五%と大幅に低公害化が達成されているという。
 コストはディーゼル車と同等で、最近増えている女性配達員でも運転しやすいようにオートマチックを採用して労働環境にも配慮している。
 試乗会には生協関係者ら三十人が参加。LPG車の説明を受けた後、実際にハンドルを握ったが、参加者たちは「違和感はまったくない。音も静かで運転しやすい」と話していた。
 現在、同生協ではディーゼル車百六十台が配送に使われているが、新年度から順次、LPG車への切り替えを行う予定で、三田村弦郎連帯活動フロア統括マネジャーは「環境への配慮を目指してドラム式の洗濯機や新しい店舗でのソーラシステムの導入など、積極的に取り組んでおり、LPG車のその一環。生協のイメージアップにもつながるのでは……」と話している。


大気を汚さぬLPGトラック 名古屋にお目見え
1994/01/21, , 中日新聞 朝刊, 18ページ, , 427文字

 【愛知県】大気を汚さない低公害LPG(液化石油ガス)トラックが名古屋にお目見えし、その展示説明会が二十日、同市東区東桜の東海コープ安全運転センターで開かれた。
 このトラックを開発したのは、トヨタ自動車と全国四十一の生協が出資する「コープ電動車両開発」。昨年十一月に完成し、全国の生協を巡回して実際に配送作業に使うなど、試乗テストを行っている。生協では排ガスを出さない電気自動車の開発にも力を入れているが、「コスト、実用性などを考えるとLPG車の方が現時点では現実的」と、全国初のLPGトラックの開発に踏み切った。
 搭載されているLPGエンジンは、浄化装置の働きで大気汚染の元凶といわれるNOx(窒素酸化物)の排出量が規制値の三〇%と、ガソリン車やディーゼル車に比べて大幅に減少。黒煙、不燃物がほとんど出ず、騒音が低く、燃費も安いという利点がある。製造価格は現在、試算中。
 今年六月には発売できる見通しで、東海地方の五つの生協では早期導入を検討している。


みやぎ生協導入へ、配送に低公害のLPGトラック。
1994/01/14, , 日本経済新聞 地方経済面 (東北B), 24ページ, , 394文字

 みやぎ生協(仙台市、西条典雄理事長、組合員三十七万八千人)は配送車両に低公害の液化石油ガス(LPG)トラックを導入する方針だ。全国の生協が出資した低公害車両の研究開発会社と、トヨタ自動車が共同開発した試作車が完成したのに合わせ、十三日に発表説明会を開いた。排出される窒素酸化物(NO〓)や一酸化炭素(CO)が従来のディーゼル車に比べ三〇%程度にまで軽減されるほか、黒煙も出ないという。みやぎ生協では今後、試作車を使ってテストを重ね、導入時期や台数を決める。
 トヨタと共同開発したのはみやぎ生協のほか全国四十一の生協が参加するコープ電動車両開発(横浜市、山岸正幸社長)。車名の愛称は「コープLPGカーゴ」で、トヨタ車をベースにしており排気量は千九百八十八cc。トヨタによると開発費用は「七、八億円程度」という。
 コープ電動車両開発は配送作業に適した電気自動車の開発に向け研究を続けている。


LPGトラック開発、コープ電動車両開発、NOx削減、騒音なし
1994/01/14, , 河北新報 朝刊, 8ページ, 写, 528文字

LPGトラック開発/コープ電動車両開発/NOx削減、騒音なし
 みやぎ生協など全国42の生協が出資するコープ電動車両開発(本社横浜市)はこのほど、トヨタ自動車と共同で低公害の液化石油ガス(LPG)トラックを開発、13日、仙台市泉区八乙女のみやぎ生協本部で関係者によるモニター車の試乗会が行われた。
 モニター車は排気量2000cc、積載量1.25トンで、ガソリンエンジンをLPGエンジンに改造。LPGエンジンは黒煙が出ず、窒素酸化物(NOx)の排出量が少ない上、騒音もほとんどないトラックを実現した。
 コープ電動車両開発は、全国の生協の共同購入用の配送トラックに大気を汚さない電気自動車を導入するための研究開発を目的に設立された。これまでに第3次までの試作車を開発し、既に第2次試作車の実用車を東京都内の2生協に納入している。
 しかし、1台当たりの価格が3000万円を超えることや、全国の配送トラックを電気自動車に切り替えるには時間がかかるなどの理由から、早急にNOx削減を実現する次善の策としてLPGトラック開発を手掛けた。
 みやぎ生協は、「積載量2トンのモニター車が実現した時点で導入を検討したい」としている。
【写真】NOxの排出量を削減するLPGトラック


LPGトラック夏稼働、生協、配送でも「安全・安心」――排ガス・騒音抑える。
1994/01/13, , 日経流通新聞, 12ページ, 有, 1512文字

 全国の主要な生活協同組合が液化石油ガス(LPG)トラックの使用に乗り出す。トヨタ自動車と共同開発したLPGトラックのモニター車が九三年十一月に完成し、現在テストを兼ねて全国各地の生協を巡回中。生協では六月から一万数千台ある配送車を順次、LPG車に切り替えていく方針だ。LPGエンジンは黒煙が出ないうえ、窒素酸化物(NOx)の排出量がディーゼルより四〇%も少ないなどクリーンなエンジンとして注目を集めており、今後、物流業界でこうした取り組みが増えそうだ。
 生協では、一定地域内に住む会員で「班」を編成、一週間単位で共同購入した商品の配送や注文書、空き缶の回収を行うため、ルート配送を行っている。ところがNOxなど自動車による環境問題は深刻化する一方で、「安全、安心のコープ商品を開発、供給している生協が、排ガスをまき散らしながら配送している現状を放置できない」(若狭良治コープ電動車両開発統括マネージャー)と判断。九〇年七月、コープかながわをはじめ全国四十二の生協が資金を出し合って電気配送トラックの開発のためのコープ電動車両開発(横浜市、山岸正幸社長)を設立した。
 九一年には、第一次試作車、九二年には第二次試作車を完成、東京都の二生協に一台ずつ納車した。第三次試作車もこのほど完成したばかりだ。
 ところが、電気自動車は普及させるには難問を抱えていた。「充電するための電池部分が傷みやすいうえ、現状では電気代はガソリン代よりも割高」(若狭氏)でコスト面で問題があった。実際、納車済みの第二次試作車も一台三千万円を超えていた。このため全国の生協で走っている一万数千台の共同購入車両をすべて電気自動車にかえていくのは現実的でないと判断、次善の策として浮上したのがLPGトラックだった。
 LPGエンジンは、NOxの排出量がディーゼル車に比べ四〇%少なく、ガソリン車に比べて一酸化炭素(CO)も一〇%減るうえ、黒煙も出ず、騒音も小さいという特徴がある。すでにタクシー業界が約三十二万台導入しており、燃料補給のスタンドも全国に二千カ所近くあるなど、燃料補給の面からも現実的だった。
 そこでコープ電動車両開発では、トヨタ自動車とLPGトラックの共同開発に着手、昨年十一月に排気量二〇〇〇ccのタクシー用エンジンを積載量一・二五トントラックに搭載したモニター車が完成した。センサー制御によってエンジンの排出ガスからNOxなど有害物質を除去する三元触媒など、新開発の技術を導入し、低公害化に工夫している。
 またオートマチックやパワーステアリングに加え、後方確認モニターテレビなど女性が運転するのを想定した「やさしい設計」が特徴だ。
 焦点だった価格は未定だが、ディーゼル車と同程度で済む見通し。現在全国各地の生協をテスト走行を兼ねて巡回しているが、会員にも好評だという。
 生協では六月をめどにLPGトラックの第一号車を稼働させる予定。年間更新するトラックが全国で千台あり、原則として順次LPGトラックに切り替える予定だ。
 九三年十二月一日から「(車種規制による)自動車窒素酸化物削減法」が実施され、首都圏と大阪圏の特定地区(百九十六市区町村)では、車種ごとに決められた排出基準をオーバーするトラック・バスなどは、排出ガス装置を改良するか、基準以下の車に買い替えなければいけなくなった。猶予期間は設けられているものの、社会問題化している自動車による大気汚染に対し、行政もやっと重い腰を上げ、真剣に取り組み始めた。
 こうした中で、自ら自動車メーカーと共同で低公害車を開発した生協の一歩先を行く試みは、注目に値するものといえそうだ。 (下原口徹)


<列島ファイル>地球に優しい配送車
1994/01/08, , 北海道新聞朝刊, 21ページ, 写, 172文字

 <埼玉・浦和市>さいたまコープ(本部・埼玉県浦和市)がLPGを燃料としたトラックへの切り替えの検討を始めた。新しいトラックはコープ電動車両開発会社とトヨタ自動車が共同で開発した「コープLPGカーゴ」=写真=。
 積載量1・25トンで排気量2000cc。排ガス中の窒素酸化物は規制値の3割、ディーゼル車に特有の黒煙は全く出ない。6月ごろ発売する。


ケーススタディーにみる 食品企業の環境対策 (1994年版)完成、好評発売中
1993/12/08, , 日本食糧新聞, 1ページ, , 825文字

 食品企業各社の環境対策をケーススタディーで紹介した『食品企業の環境対策』(一九九四年版)が完成いたしました。
 地球規模の環境問題として、このままの経済活動を続ければ廃棄物の一層の増大と環境悪化を招くことから、産業活動、消費活動の各方面で環境と調和した経済活動や環境保全への対応が求められております。よって、環境対策が重要かつ緊急の課題であることは、食品業界でも急務となっております。しかし、これに対する具体的な実践事例や関連法規、対応融資・優遇制度などについて解説されたものは極めて少ないのが現状です。そこで本書では、「わが社の環境対策」として食品企業各社の対策をケーススタディーとして紹介し、その理念、方針などの具体的な報告を取りまとめたものです。
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 B5判、二三〇ページ
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LPGトラックの導入を検討−コープしずおか
1993/11/26, , 静岡新聞 朝刊, 18ページ, , 408文字

 大気を汚さない低公害の配送車両の導入を進めているコープしずおか(上田克己理事長)は二十五日、静岡市の青葉イベント広場で組合員を対象にLPG(液化石油ガス)トラックの説明試乗会を開いた。
 同コープをはじめ全国四十一の生協で運営するコープ電動車両開発(横浜市)とトヨタ自動車が開発した二〇〇〇ccLPGエンジントラックを展示した。LPGエンジンは黒煙、SPM(浮遊粒状物質)がなく、HC(炭化水素)が少なく、騒音が低い―などの特徴がある。さらに、燃料と空気の比率をコントロールしてNOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)、HCの有害三物質を同時に除去する三元触媒を装備したことでNOxを大幅に減少させた。またコスト面でもディーゼル車両並みに抑えた。
 同電動車両開発は排ガスを出さない電気トラックの開発・試作を進めてきたが、開発までの時間や導入コストの問題から当面の対応策としてLPGトラック導入を検討することになった。


低公害車(大気汚染 排ガス対策のいま:2) /東京
1993/11/10, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 1515文字

 「低公害車とは一体、どんな車をいうのか」。その「定義」をめぐって、環境庁が頭を痛めている。
 国が低公害車と考えていないLPG車(液化石油ガス車)を、都と生協が、最近、低公害車の切り札として導入する動きを見せたからだ。
 都は、この夏、LPGタクシーで実績のあるトヨタ自動車が開発したごみ清掃車を借り、極秘で排ガス実験を繰り返した。
 都の調査結果によると、窒素酸化物排出量(NOx排出量)は、今使われているディーゼル清掃車の三分の一以下、低公害車のメタノール車と比べても半分近い数字だった。ディーゼル車から排出され、肺がんやぜんそくの原因と疑われている粒子状物質も出なかった。
       *    *
 低公害車はふつう、電気、メタノール、天然ガス車などを指し、LPG車は入らない。七〇年代のオイルショックを契機に、「石油の代替燃料を使う車」の開発が国の肝入りで始まり、その時の低公害車の定義が今も生きているためだ。
 タクシーに普及しているLPG車は、NOxがディーゼル車の半分以下で、既存のスタンドを使える。燃料価格はガソリンの約半分。経済性はディーゼル車に匹敵する。そこに都と生協が目をつけた。
 「ディーゼルと比べれば、LPG車も十分、低公害といえる」と、国の見解に反論する都は、今年度二十台、九五年度までで計百二十台の「低公害」清掃車の導入を計画している。
 四十一の生協でつくるコープ電動車両開発(横浜市)は今月、トヨタからLPGトラックを買った。三年前から電気自動車の開発に取り組み、電気トラックを購入してコープかながわでテストを重ねてきた。しかし、多くの課題も生まれた。
 一回の充電で走れるのは五十キロ程度だったが、近い距離なら配達やセールスに十分に役立つことが分かった。さらに別の実験事業で安い深夜電力を使おうとしたが、東京電力は「前例がないのでだめ」。何回も交渉し、ようやく関東で初めて認められた。
 昨夏、LPG清掃車の計画や独自の調査をもとに、メーカーに話をした。若狭良治統括マネジャーは「電気も開発を続けるが、当面は急速な普及が難しいことが分かっている。ユーザーだけに負担を強いられない。LPGトラックは、NOxがディーゼル車の約三分の一とりっぱな低公害車だ」という。生協は、今回の車の結果がよければ、さらに導入を考えている。
 だが、「各メーカーの乱入でトラック業界に普及すれば、国が『格好の財源になる』と考え、LPGの税率の引き上げにつながらないとも限らない」と心配する声もある。
       *    *
 本命とされる電気自動車の開発は、まだ、スローテンポだ。日本電動車両協会がまとめた報告書は「一回の充電で百キロ走れるといっても、市内走行だとその六割、夜間だとさらにその八割でしかない。二年使うと、走行距離は当初の半分になってしまう」などと、厳しい数字を連ねている。
 車メーカー側も、九八年から電気自動車など無排ガス車の販売を義務づける米国・カリフォルニア州の行方をにらみ、開発態勢を整えつつある。だが、「電池メーカーの電池の開発がカギになる。当分は、大きな飛躍は期待できない」(日産)という。
       *    *
 環境庁の低公害車の検討会は、九月、「二〇〇〇年に首都圏で二十―三十万台」の普及を目標とした報告書をまとめた。が、三十万台のディーゼル車が電気自動車に替わっても、NOx量は数%減るだけで、大気汚染対策の決め手にはならない。しかも、普及計画には具体的な裏付けがなく、達成はおぼつかない。
 手詰まり状態の中、同庁は最近、「LPG車も含め、低公害車の定義やあり方を検討し直したい」といい始めた。


コープ電動車両開発、低公害トラックを開発、NOxを大幅削減
1993/10/01, , 日本食糧新聞, 2ページ, , 882文字

 コープ電動車両開発(株)(CO‐OP・EV、横浜市港北区、045・472・7913)は、トヨタ自動車と共同で低公害LPGトラックの開発に成功、11月に試作第一号車を導入、来年2月まで全国の開発参加四一生協で実用走行テストを行い、改良・改善を進め、順次導入していく計画だ。
 共同開発した一・二五t積みLPGトラックは、経済面ではディーゼル車並みで、黒鉛を排出しないことに加えてNO■を大幅に低減できるもの。コープEVは、今回のLPGトラックを生協が共同購入に使用しているディーゼルトラックの排気ガス問題を含めた環境問題を解決する第一ステップと位置付け、積極的に導入に取り組む意向だ。燃料供給面では、(社)全国エルピーガススタンド協会の協力で全国二〇〇〇ヵ所のスタンドが利用できる計画だ。
 コープEVは、全国で一万数千台走っている共同購入車両をすべて電気自動車にして行くまでにはかなりの時間を要することから、「直噴式ディーゼル車両を副室式に切り替える」ことや「配達コースの見直しによる効率改善」などによる排気ガスの低減化に取り組んでいる。今回のLPGトラックの導入に当たり、「より一層のNO■低減」と組合員から強く要求のあった「低騒音・無黒鉛への対応」を満足させることも検討に加えた。その対応策として、LPGエンジンが「黒船、浮遊粒状物質(SPM)がなく、炭化水素(HC)が少なく、騒音が低い」ことから、実用的な低公害化トラックの開発を目指したもの。
 今回、共同開発したLPGトラックは"NO■"低減対策として新開発の「三元触媒」を搭載し、NO■の発生量を一〇年後の目標値である四・五グラム/kWhを軽くクリアすることを可能とした。試作する車両の仕様は、LPG二〇〇〇ccエンジン、女性ドライバーの使用も考慮してAT、PSなどを標準装備とした。
 コープEVはLPGトラックの実用走行テストを行い、実用化に向けた改善を施して順次導入する計画で、「排気ガスによる汚染が減少することにつながる」(山岸社長)として生協だけではなく広く社会に受け入れられることを期待している。


コープ電動車両、LPGトラックモニター車が完成へ(企業ファイル)
1993/09/29, , 化学工業日報, 14ページ, , 281文字

 ◆2千ccLPGトラックモニター車が11月完成‐コープ電動車両・トヨタ
コープ電動車両開発(CO‐OP・EV)は28日、トヨタ自動車と開発を進めてきた2千ccのLPGトラックモニター車が11月にも完成するめどがついたと発表した。黒煙や浮遊粒状物質がなく低騒音に加え、3元触媒を装着したことで窒素酸化物(NOx)の排出量を大幅に低減させることに成功した。CO‐OP・EVは認可後、実用走行テストを行い、出資参加している生協で導入について検討を進める。
 燃料のLPGは、全国エルピーガススタンド協会の協力で供給する。CO‐OP・EVは全国41の生協で運営されている。


配送に電気トラック導入 生協が3年かけ開発
1993/05/19, , 産経新聞 夕刊, 9ページ, 写, 1186文字

 地球環境の問題がクローズアップされるなか、電気自動車(EV)普及への取り組みが本格化している。生協(生活協同組合)の出資する会社が開発した電気配送トラック(CO−OP EV−2000)が四月から東京の街を走り出した。排ガスを出さない電気配送トラックは音も静かでなかなか好評だ。(榎本弘幸)
 三年前、コープかながわ発案で、全国の生協のうち二十一の生協が出資し、「コープ電動車両開発株式会社」が設立された。この会社は、いすゞ自動車と提携し、一次、二次と試作車をつくり、改良を重ねた。そして、この四月に生協開発の初の電気配送トラックを東京の二生協に一台ずつ納車した。
 一台三千万円を超える価格は、実用化というにはまだ遠いが、東京都の補助金(半額助成)を受け、ようやく目に見える形になった。
 しかし、自動車メーカーや電力会社が電気自動車の開発に力を入れるのは分かるが、なぜ生協なのか。
 コープ電動車両開発株式会社・統括マネジャーの若狭良治さんは、「生協は、『無着色、無添加』の安全、安心な商品を供給していますが、同時に、商品を運ぶ配送車が有害な排出ガスを住宅に持ち込んでいる、という問題も抱えています」という。この悩みを解消するため、排出ガスを出さない電気自動車の開発をスタートさせたのだ。
 電気自動車は性能、コストのほかにもまだ多くの課題を抱えているが、若狭さんは「いまある性能でいち早く使うにはどうすればいいのか」をまず考えたという。
 「いま、配送に使っている二トン車が本当に必要なのか。それ以下でもスペースが確保できていればいいのでは」など、現状を見つめ直す作業から始まった。
 「坂を登るパワーが弱ければ平たんな地域で使う。いきなり生協の配送車を全部、電気トラックに替えようというのではなく、最初は1%でいいのです」。いまの性能に合わせた使用地域の選択。性能の向上よりもコストをいかに抑えるか、が優先されるという。
 十一月には、新たに十台が納車される予定だ。価格も今度は三千万円を切り、数年後には一千万円以下にしたいという。
 納車先の一つ、東都生協・練馬支部で、実際に運転している柳沢晃男さんは「走っているときの音は静かですね。ただ、この車が近づいても、まわりの車や歩行者はなかなか気付かないようなので、その点には気をつけています」と言う。
 最初はガソリン車との違いに戸惑いもあったというが、それもすぐに慣れた。一日に走る距離は二十五キロぐらい。走行距離の短いEVでも一回の充電で足りる距離だ。配送先では「低公害車ということより、電気トラックが珍しいようで、いろいろと質問されます」と柳沢さんは苦笑する。
 東都生協では、この「CO−OP EV−2000」の他にも、今年二月から東京都のモニター車を含め7台の電気自動車・トラックを使いはじめるなど積極的にEVを活用している。


都内の2生協、電気トラック導入――環境問題に積極対応。
1993/05/02, , 日本経済新聞 地方経済面 (千葉), 39ページ, , 461文字

 東京都内の二生活協同組合が共同購入用に低公害車の電気トラックを導入した。環境運動の盛り上がりの中で、生協としても積極的に対応するため試験導入した。データはメーカーに提供、試作・改良につなげる。
 導入したのはコープ電動車両開発(横浜市、山岸正幸社長)といすゞ自動車が共同開発した「CO―OP・EV2000」。価格は一台三千三百万円。東都生協(東京都三鷹市)とジョイコープ(同立川市)が都の助成を受けて一台ずつ購入した。
 全長四・八メートル、幅一・七メートル、高さ二・八メートルで総重量五・五トン。最大積載量は一・二五トンで最高速度は時速百キロ、標準充電時間は八時間。一回の充電で市街地走行なら空車時で六十キロ、積載時で五十キロ走る。東都生協は練馬区光が丘団地で四月から使用開始、ジョイコープは十日から調布市西部で使用する。
 東都生協によると、電気トラックは排ガスが出ず、音も静かな半面、(1)残りの走行可能距離がわかりにくい(2)坂道発進の時に力が不足する(3)静かすぎて歩行者などが気付かない――などの欠点があるという。


電気トラックを導入 三鷹と立川の2生協が都の助成で
1993/04/13, , 東京読売新聞 朝刊, 27ページ, 写, 396文字

 都内の二つの生協がこのほど、排ガスの心配がない電気配送トラックを都の助成で全国で初めて導入、練馬区の光が丘団地などで使い始めた。
 電気配送車は、全国四十一生協が出資する「コープ電動車両開発」(本社・横浜市)が、いすゞ自動車と提携して開発に取り組み、実用化にこぎつけた。
 導入したのは東都生活協同組合(本部・三鷹市)と生活協同組合ジョイコープ(同・立川市)。「東都」は練馬区の光が丘団地に、「ジョイコープ」は世田谷区の烏山地区に、それぞれ車を配備した。
 積載量は一・三トン。専用装置で八時間充電すると、荷物を積んだ状態で約五十キロ・メートル走れる。最高時速は百キロ。
 値段の方は一台三千三百万円で、半額を都に助成してもらっても、同じ積載量のガソリン車よりはるかに高いのが玉にきず。このため両生協とも「二台、三台と購入するのは無理」と話し、環境問題を考えるシンボルとして活用することにしている。


週間ニュースインデックス4月5日〜9日
1993/04/12, , 日本食糧新聞, 2ページ, , 726文字

 ▽他用途利用米の需要量確保へ積極交渉、全国味噌工協組
 ▽低収入ほど消費税負担率が高い‐日生協連調べ
 ▽味噌・醤油厳しいスタート、1月出荷前年割れ
 ▽水割りウイスキー、今世紀最大・最後のマーケットチャンス
 ▽食用植物油の伸び安定、昨年は月間一世帯一〇キログラム超える
 ▽4年度海苔共販出荷量、九二〜九三億枚
 ▽九二年の清涼飲料、無糖系の伸び顕著
 ▽たくあん、大手も値下げ
 ▽コープ電動車両開発、都内二生協に低公害電動車
 ▽日本水産、食品事業に積極投資で活路を
 ▽カネボウ食品本部、飲料・菓子・冷菓を分離
 ▽味の素、今中元売れ筋を絞り込む
 ▽ホクレンと首都圏コープ、牛肉の産直事業実施
 ▽フジパンの新人研修、パンづくりは人づくり
 ▽日清食品、九二年度売上げ二〇〇〇億円達成
 ▽高瀬物産とアサヒ商会が業務提携
 ▽サントリー、ダイナミック生ビール一〇日で六五万ケース
 ▽日立プラント、徹底したクリーン化構造の最新鋭チーズ工場
 ▽ニッテツ・ファイン・プロダクツ、役員業務分担決まる
 ▽千葉三越鮮魚売場「魚力」、月商一億円超え絶好調
 ▽「とんかつ知多家」好調、四年後六〇億円超えへ
 ▽ミニストップ、ニューコンポストア実験中
 ▽お花見弁当大当たり、アイデア生かし手づくりで
 ▽国際流通Gヤオハン、中国二社と資本提携
 ▽ダイエーCVS、サンドの活性化狙う
 ▽ファミリーマートと本坊商店(鹿児島)が合弁で南九州ファミリーマート設立
 ▽マルエツ、君津にSSM開店
 ▽いりぬか・ぬかみそからし特集、上昇期待のぬか漬け
 ▽凍り豆腐特集、内食回帰で明るさ戻る
 ▽加工ごま特集、順調な消費増で推移
 ▽食品企業の医薬品事業参入に立ちはだかる厚い壁
 ▽ミネラルウオーター消費にブーム


コープ電動車両開発、電気トラックを開発。都内2生協が共同購入の配送で実用化
1993/04/05, , 日刊工業新聞, 14ページ, 有, 463文字

コープ電動車両開発(横浜市港北区新横浜2の5の11、社長山岸正幸氏、電045・472・7913)が開発を進めてきた電気トラック(写真)が今週から、全国に先駆けて東京都内の二生活協同組合で共同購入の配送に実際に使われる。
同社は全国四十一の生協で構成、いすゞ自動車(社長関和平氏)と提携して開発を進めてきた。これは第二次試作車だが、引き続き、九三年度下期に第三次試作車を完成させる予定。この車両は「いすゞエルフ250改」で、三方アコーディオン式開閉扉。最大積載量一・二五トン、乗車人員二人、自動車総重量約五・五トン。
最高速度百キロメートル、一充電定速走行距離(時速四十キロメートル)は空車時百キロメートル、積載時八十キロメートル。標準充電時間八時間。今週から共同購入配送車両として実験走行するのは東都生活協同組合(東京都三鷹市)、生活協同組合ジョイコープ(同立川市)。
生協の共同購入に特定地域の特定ルートを配送するため、この第二次試作車の一充電走行距離でも実用化できるとしているが、さらに部品の軽量化などで第三次試作車を開発する。


電気自動車の普及が非常にゆるやかだが進む、"セグメント化"がカギ
1993/03/17, , 日本食糧新聞, 9ページ, , 1583文字

 SOXやNOXといった有害排気ガスがまるでなく、騒音も少ない電気自動車は、ルートセール、牛乳配達、生協の共同購入など、小型ディーゼルトラックが従来使われていた、一定の距離の物流に向いているのだ。
 電気自動車の普及が非常にゆるやかだが進んでいる。(財)日本自動車検査登録協力会の統計によると、昨年3月末での国内での保有台数は一二八五台となっている。電気自動車協議会が、一昨年10月にまとめた電気自動車普及計画では、二〇〇〇年までの自動車の普及台数を七二〇〇万台と予測し、そのうち四〇〇〇万台を電気自動車へ代替可能とみて、さらにその五%の二〇万台を目標としている。出荷台数ベースでみても昨年が推定で六〇〇台程度だったものを、二〇〇〇年には一〇万台と急激に伸びるとみている。
 しかし、海外たとえば大気汚染の著しい米国カリフォルニア州は、九八年から年間自動車販売台数の二%を電気自動車にする規制を各企業に対して始め、二〇〇三年までにそれを一〇%までに高める予定だ。わが国はこれに比べれば、ゆるやかなもので、現実から離れた目標ではない。
 現在普及している一二八五台のうち、軽四輪の貨物用が八〇九台と圧倒的な占有率だ。
 二〇〇〇年の普及台数の予測は車種別、業種別の保有比率および走行距離は変わらないとして、一充電走行距離を二五〇キロメートルまで改良したと仮定したものだ。代替可能台数の四〇〇万台のうち、二t以上の貨物車はゼロだが、二t未満になると三五七万台とやはり圧倒的になっている。
 東都生協、岡山市民生協など全国四四の生協が参加するコープ電動車両開発社は、いすゞと共同開発した試作車を使って、コープかながわの配送センターで走行テストを繰り返す。複数の組合員の住む地域にまで、受注した商品を運び共同配送用だ。共同配送そのものはほぼ一定の範囲を回るだけだ。
 実際に使用にはまるで問題はないという。深夜電力を使っておよそ三〇kw充電し、四五から五〇キロメートル走行が可能だ。都市部を走行することが多い共同配送では、最高時速六〇キロメートル程度あれば十分で、また積載量がせいぜい八〇〇キログラム程度しかないため、馬力の面でも問題はない。
 現在の実験は急速加速、エアコンの使用など電池にどれくらい影響が出るかを細かくチェックし続けるものだ。
 「アクセルのふみ方などユーザーソフトを改善しつつ、そのノウハウを開発に生かすべき。今後は開発ポイントの絞り込みが重要」(コープ電動車両・若狭良治氏)と、今年10月に完成させる次の試作車の開発に意欲をみせる。
 ディーゼル車やガソリン車の技術や経済性は長い歴史もあって進化している。その市場を急速に電気自動車やメタノール車に置き換えるのは大きな困難があり、突破口を見いださなければならない。
 電気自動車の当面の目標が軽の貨物車というのは、官民の間でコンセンサスがほぼ取れている。何も今すぐに高速道路を一〇〇キロメートルの時速で走る大型トラックを電気自動車にすべきとは現段階では誰も考えていない。
 しかしアプローチ方法になってくると変わってくる。通産省は、ガソリンスタンドならぬ充電スタンドを充実させるなど全方向型の実験を行い、他の種類の自動車をも巻き込んでいこうとしているが、疑問視する向きもある。
 電気自動車の軽トラックは、コープ電動車両開発の場合、現在ほぼ三〇〇〇万円、通常のディーゼル車の一〇倍弱の金額である。(財)日本電動車両協会が、ディーゼル車のリース料金より若干高い程度にした試用制度を行い、東京都も半額まで補助するなど、自治体、政府関係の団体が援助を行っているが、台数の制約がある。
 実験から実用に変わりはじめた時期だけに、実験によるノウハウの蓄積、大量生産の確立、社会的基盤の整備などの要因の優先順位を見直す必要が出てきたのだ。


[科学スコープ]生協が電気自動車を開発 配送トラック、来年デビュー
1992/11/04, , 毎日新聞 夕刊, 7ページ, , 595文字

 大気汚染の原因となる排ガスを出さないクリーンな電気自動車が注目されているが、本格的な普及にはほど遠い。「行政やメーカーの動きを待っていては、いつまでたっても実現しない」と、生協が独自の電気自動車の開発を進めている。
 コープ電動車両開発株式会社(横浜市)がその中心。1990年7月、「コープかながわ」など11生協が出資して設立した。
 生協の販売方式は、組合員が班をつくって共同購入するシステムが中心。その配送に使うトラックは全国で1万台以上も走っている。
 「安全、安心な商品を供給する一方で、排ガスを住宅街の隅々までまき散らすという矛盾があった」と若狭良治・統括マネジャー。1万台のトラックを電気自動車に置き換えられないかというのが出発点だ。
 いまある電気自動車の欠点は、1回の充電で走行できる距離が短いこと。車体コストも高く、公道を走っているのは約1400台にしか過ぎない。
 配送トラックの走行距離を調べたところ、午前、午後とも89%が40キロ以内。しかも配送は計画的なので充電時間にも配慮できる。「配送用なら今の技術でも十分に実用的な車がつくれる」と考えたという。
 目標性能は1・25トンの荷物を積み、時速40キロで85キロの距離を走行できること。先月末から第2次試作車を使った実地走行テストも始まった。CO―OPマークの電気自動車がデビューするのは来年の予定だ。
     (紺屋真存)


[論説]失ってから知る代償の大きさ             
1992/07/04, , 日本農業新聞, 2ページ, , 1467文字

 栃木県の山岳信仰の山・庚申山。群馬県境の足尾町にある標高一九〇一メートルの山だが、コウシンソウの自生地として注目されている。ムシトリスミレの仲間で、切り立った岩場にへばりつくようにしてかれんな花を咲かせる。初めてこの地で発見されて百年たらず。ほかには、日光連山でわずかに確認されている程度の貴重な植物だ。足元からわき上がるような谷川の音を聞きながら登山道入り口への道をたどると、時折右手の樹間からニホンカモシカが顔を出す。いつもながら自然を満喫できる。
<環境復旧には人と金>
 ところが、この足尾でこれと対照的に、荒れた景観を見せるのが町の裏手。鉱毒事件以降、多くの時間と金をかけてきたが、山の復旧ははかどっていない。衆議院議員・田中正造が天皇への直訴にまで及んだなど、大きな社会問題になり、最近もテレビで取り上げていたので、あの無残な姿を見た人も多いと思う。まさに、失ったものの大きさを見せつけられるようだ。植物は、ぎりぎりのところまで必死で耐える。そして、いったん死んでしまったら、回復することは難しい。米国フロリダ州のキーウェストでは、世界有数のサンゴを観光の目玉として売り出してき″つけ″として環境破壊が進んでいる。このペースでいくと二十一世紀を待たず絶滅すると専門家は指摘する。
 厚生省は地球温暖化や酸性雨、オゾン層の破壊などが人類の健康や生態系に与える影響を体系的に研究する「健康地球研究計画」(HEART21)を来年度からスタートさせる。しかし、日常生活では″地球環境″などと大上段に構えずとも、できるところから実践、地道に積み上げていけば成果につながる。ごみ拾い、リサイクル、粉せっけん愛用運動など、個人では対応の難しい部分もあろうが、JAグループや生協などでは、小集団単位で取り組み実績をあげている例も多い。
 廃棄物は回収しようという努力と同時に、出さない工夫もしなければならない。クリーンエネルギーの代表選手、太陽光エネルギーを取り込んだソーラーカーも、国の内外でレースを開くまでに研究が進んできた。通産省も電気自動車を二〇〇〇年までに二十万台を普及させようとの目標を策定した。性能目標は、一回の充電で二百五十キロ走行、最高時速百二十キロ、電池の寿命は四年である。
 一方、コープかながわなど全国五十の生協が出資して設立したコープ電動車両開発(株)(本社=横浜市)では、二トンクラスで世界初といわれる電気配送トラックの開発に取り組んでいる。昨年の第一次試作車に続いて、今年五月には第二次試作車が完成。性能面で大幅に向上した。また、東京電力が昨年の東京モーターショーに参考出品した「IZA」(いざ)はガソリン車並みの性能を持つ。百三十馬力で最高速度百七十六キロ、一回の充電当たりの走行距離が五百四十八キロと堂々とした数字。普及までの距離は近い。
<自然保護に我慢も必要>
 ところで、栃木県は来年春から日光市の竜頭の滝北側、国道120号線から小田代ケ原を経て千手ケ浜に至る柳沢林道を通行止めにする。四輪駆動車で湿原に乗り入れたり、ごみを放置するなど環境への影響が大きいためだ。ただ、自然公園法では規制できないため、道路交通法での措置になりそうだ。
 すでに、奥日光地域では、今年一月末から、中禅寺湖を含む一万四千ヘクタール近くがオフロード車の乗り入れやモーターボートの持ち込みが規制されている。楽しむ側からみれば窮屈な措置だが、自然環境や貴重な植物を守り、共生するためには、少々の我慢はしなければならないことを改めて認識したい。


コープ電動車両開発、2次試作車が完成――いすゞ自と共同、床低く。
1992/06/11, , 日経流通新聞, 11ページ, 有, 315文字

 コープかながわ、コープしずおかなど二十一の生活協同組合が出資するコープ電動車両開発(本社神奈川県横浜市、社長山岸正幸氏)といすゞ自動車は、このほど電気配送トラックの第二次試作車=写真=を完成させた。第一次試作車よりも床の高さを二十五センチ低くし、荷物の積み下ろし作業を簡単にしたほか、車体重量を八百七十キロ軽くするなどの改良を加えた。
 このトラックは、生協が共同購入の商品配送に使う二トン車。積載電池を鉛酸電池からニッケル・カドミウム電池に変更。そのため車体の軽量化と床高を低くできた。また、摩擦抵抗の少ないタイヤを使用し、走行の効率化を進めた。
 電気トラックはコープかながわとコープしずおかが八九年三月に共同で開発に着手した。


無公害の電気トラック試作 生協といすゞ 最高速度110キロ
1992/05/29, , 東京読売新聞 朝刊, 17ページ, 写, 420文字

 電気配送トラックの共同研究を進めているコープ電動車両開発(横浜市)といすゞ自動車(東京)がこのほど、試作車を発表した。昨年一月発表の第一次試作車を改良したもので、両社は今後、実用化に向けた試験走行を急ぐ。
 第二次試作車は積載重量一・五トン。バッテリーはニッケル・カドミウム電池。最高速度は時速百十キロ、時速四十キロになるまでの加速性能が八・五秒、一回の充電による走行距離は市街地走行で五十キロ。
 コープ電動車両開発は、「共同購入の配送トラックを無公害車に」と二年前、全国の十の生協が共同出資して設立した。同社の統括マネジャー、若狭良治さんは、「まだ一台二、三千万円という価格的な問題がある。しかし、五年後の実用化を目標に取り組んでいく」と話す。
 現在、わが国で公道を走っている電気自動車は、宅配便や郵便配達、電気の検針車、ごみ収集車など約千四百台。通産省は昨年秋、西暦二〇〇〇年に保有台数二十万台、生産体制十万台とする目標を発表している。


コープ電動車両開発といすゞ自動車、第2次電気配送試作車が完成
1992/05/27, , 化学工業日報, 9ページ, 有, 371文字

 全国の生協が共同出資するコープ電動車両開発は、いすゞ自動車と共同で昨年1月、2トンクラスの小型トラックでは地球にやさしい世界初の電気配送トラック(CO−OP EV2000)第1次試作車の開発に成功、今後の実用化に向けて試験走行を重ねていたが、このほどその走行結果を基に第1次試作車に改良を加えた第2次試作車を完成させた。
 第1次試作車よりも床の高さを25センチ下げ、荷物の積み卸し作業の利便性を図ったほか、積載電池の軽量化などにより車体重量を870キログラム軽くした、少ない電力で長距離を走れるよう、摩擦抵抗の小さいEV用タイヤを新開発したのが主な特徴。今後、ニッケル・カドミウム電池を搭載した状態での走行テストを実施、その後、さらに密閉式鉛酸電池(メンテナンスフリー)に積み替えて走行テストを続け、電池の性能比較調査を行うことにしている。


無公害の電気トラックで配送 エフコープが試作車 福岡 【西部】
1992/05/25, , 朝日新聞 夕刊, 8ページ, 有, 315文字

 高性能の無公害トラックで配送を――エフコープ(石田静男理事長、会員28万3000世帯)が資本参加しているコープ電動車両開発、いすゞ自動車の両者はこのほど、従来よりも床の高さが25センチ低くてバッテリー重量が約300キロも軽い配送トラック(1.5トン)の試作に成功した。車検を取得する7月から福岡県内でテスト使用される。
 このトラックは、荷台の床の高さが83センチで荷物の積み下ろしがしやすくなった。電池もこれまでの1161キロから846キロになり、最高時速は110キロ、1回の充電で時速40キロなら100キロの走行が可能。排ガスや騒音、振動がない「無公害車」と、胸をはる。ただ、価格は高くてディーゼル車の5倍近い約2000万円。


配送に電気自動車、生協とメーカー共同開発
1992/05/22, , 河北新報 朝刊, 4ページ, 写, 303文字

配送に電気自動車/生協とメーカー共同開発
 みやぎ生協(西條典雄理事長)をはじめ全国21生協が出資するコープ電動車両開発(本社横浜市)が、いすゞ自動車と共同で開発を進めている電気配送トラックの第2次試作車がこのほど完成した=写真=。
 昨年1月に、世界初の2トンクラスの電気トラックとして完成した1次試作車の改良型。配送作業の利便性を高めるために床の高さを25センチ低くしたほか、鉛酸電池をニッカド電池にして総重量を870キロ減量、摩擦抵抗の小さいタイヤを開発して長距離走行にも対応できるようにした。
 今後は実用化に向けてテスト走行や充電装置の研究を重ね、平成6年からみやぎ生協など出資生協に順次導入する計画。


電気配送自動車2次試作車が完成、エフコープなど全国生協             
1992/05/22, , 西日本新聞朝刊, 7ページ, , 426文字

 エフコープ(本部・福岡市)やコープかごしま(鹿児島市)など全国二十一生協が出資してつくるコープ電動車両開発(横浜市)はいすゞ自動車と共同で、このほど電気配送自動車の第二次試作車を完成させた。昨年一月に世界初の電気トラック(二トンクラス)の開発に成功、これに次ぐ第二段。共同購入商品の配達用に導入、排気ガスによる大気汚染の防止を図る。
 今回の試作車の改良点は、第一次試作車に比べ、床の高さを二十五センチ下げ八十三センチとすることで荷物の積み降ろし作業を簡便化。積載電池を鉛酸からニッケル・カドミウム電池に代えることなどで重量を八百七十キログラム軽くし、総重量を五千三百五十キログラムにしたことなどが特徴。難点は、価格が現在の配送車(約三百万円)に比べ約四倍と高いことだが、さらに試験、改良を加え軽量化や高性能化を図り、早期の実用化を図る。
 エフコープでは現在、約四百台のトラックを使用しているが、九四年をめどに電気自動車を導入、順次切り替えていく計画。


コープ電動車両開発といすゞ自、2トントラックで初の電気配送車の第2次試作を完了
1992/05/22, , 日刊工業新聞, 16ページ, , 440文字

コープ電動車両開発(横浜市港北区、社長山崎正幸氏=コープかながわ理事長、電045・472・7913)は、いすゞ自動車と共同で、二トンクラスの小型トラックで世界初の電気配送トラック「CO―OPEV―2000」の第二次試作車を完成したと二十一日発表した。
二十三、二十四の両日開かれる環境庁など共催の「平成四年度低公害車フェア」に出展する。昨年一月、いすゞ「エルフ」の二トン車をベースに鉛酸電池を搭載、トランスミッションは前進五段/後進一段のマニュアルタイプを採用、従来タイヤで第一次試作車を完成した。
第二試作車ではニッケル・カドミウム電池を採用、十八個搭載することで三百十五キロg重量が軽減され、トランスミッションは前進一段プラス非常脱出用一段とし、新開発の摩擦抵抗の小さい電気自動車用タイヤを採用、床の高さを二十五センチメートル下げ、全体として車体重量を五千三百五十キロgと八百七十キロg軽減、荷物の積み降ろし性の改善などを図った。
五月下旬から六月中旬にかけて走行テストを実施する。


えひめ生協 電気配送トラックを展示                       
1992/05/14, , 愛媛新聞, 16ページ, , 659文字

 えひめ生協(立川百恵理事長)は十三日、松山市朝生田町の同本部で電気配送トラック「コープEV2000」の展示説明会を開いた。コープかながわ(本部横浜市、山岸正幸理事長)を中心として二年に「コープ電動車両開発」(同)を設立、共同購入配達車両の電動化を目指しており、いすゞ自動車と共同開発している。同生協は昨年資本参加した。今回は二トントラックでは世界初となる第一次試作車が四国四県で展示説明される。
 同車両は最高時速百十キロ、登坂性能は二〇%以上。電気自動車の難点だった加速も既存車に比べそん色ないところまで向上した。騒音は既存車の約四分の一、振動も少ない。一充電での走行距離は市街地で約五十キロで、同社の試算では、現在国内で走行中の同クラス車の約三割までが電動化可能となる。同車両にはバッテリーを二十七個搭載しているため荷台は一メートル八センチと高めだが、今年三月に完成した第二次試作車にはニッカド電池十八個を使用、既存車並みの八十センチとなっている。
 このほかテールランプに発光ダイオード、室内換気扇に太陽電池をそれぞれ使用、減速や制動時にはモーターを発電機として働かせるなど、節電に努めている。また部品にアルミニウムを導入し、軽量化とともにリサイクルを可能にしている。
 同生協ではこれまで、環境にやさしい活動として粉せっけんの普及や包装の簡素化などに努めており、軽トラックを含め三百台近い共同購入配達車両の排ガス対策として電動化事業に参加している。電気配送トラックは二年後の実用化に向けて研究開発が進められている。


えひめ生協、電気配送トラック、四国で13日説明会。
1992/05/01, , 日経産業新聞, 2ページ, , 209文字

 【松山】えひめ生活協同組合(本部松山市、理事長立川百恵氏)は全国五十一の生協が共同で出資して設立したコープ電動車両開発(本社横浜市、社長山岸正幸氏)で開発中の電気配送トラック(コープEV二〇〇〇)試作車の展示説明会を五月十三日、松山市朝生田町の同生協本部で開催する。電気配送トラックは排ガスが出ないうえに、騒音が少ないなど環境に配慮した自動車。展示説明会は愛媛を皮切りに、他の四国三県でも各地域の生協が開催する予定。


えひめ生協、電気配送トラック13日に展示説明会。
1992/05/01, , 日本経済新聞 地方経済面 (四国), 12ページ, 有, 410文字

 えひめ生活協同組合(本部松山市、理事長立川百恵氏)は、公害のない電気配送トラックの試作車(コープEV二〇〇〇)の展示説明会を十三日、松山市朝生田町の同生協本部で開催する。愛媛を皮切りに、他の四国三県でも各地域の生協が展示説明会を開催する予定。
 電気配送トラックは、全国五十一の生協が共同で出資して設立したコープ電動車両開発(本社横浜市、社長山岸正幸氏)といすゞ自動車が九四年実用化を目標に共同開発に取り組んでいる。今回展示する二トントラックの試作車は、電気自動車開発にあたって課題となっている加速、最高速度、登坂性能などの悪さを改善したもの。ガソリン、軽油に代わる動力源として鉛酸電池のほか、補助電源として屋根にソーラーパネルを装着し太陽電池を載せている。
 十三日の展示説明会には行政、マスコミ関係者を招き、生協組合員にも公開、試乗も予定している。展示説明会はこのあと十四日に高知、十五日徳島、十八日に高松で開催する。


成熟市場の企業戦略92第1回エネルギー・省エネ――電気自動車、高性能を競う。
1992/01/16, , 日経産業新聞, 16ページ, 有, 1832文字

 環境問題と省エネルギー機運との高まりで、ガソリン車に代わるクリーンカーに再び注目が集まっている。今のところクリーンカーになり得る可能性を秘めているのは電気自動車やメタノール車、天然ガス車、水素エンジン車など。それぞれの現状と課題、そして将来の展望を追う。
 日産自動車は九一年八月、将来型の電気自動車(EV)を発表した。一回の充電で最長二百五十キロメートル(時速四十キロ定地走行の場合)を連続走行できるという。高性能小型蓄電池を搭載、従来EVより広い室内空間やトランクスペースも確保した。デザインもすっきりしたモダンなスタイルだ。
 同十月には東京電力、明電舎など四社がエンジン排気量千八百ccのガソリン車とほぼ同等性能を持つEVを開発した。こちらは一充電走行距離が五百四十八キロメートル。自動車メーカーの日産のお株を奪うような高性能に仕上げた。出力も百三十馬力あり、時速百七十六キロまで出せるという。
 トラックメーカーも負けてはいない。いすゞ自動車は同一月、生協系のコープ電動車両開発(本社横浜市)と共同で、二トン積みトラックをベースにしたEVを開発した。コープ電動車両開発は九四年度から生協向け配送用トラックとして実用化を目指している。二トン積み級トラックをEVに仕立てたのは初めてだ。
 現在、公道を走るEVは全国で約一千台とされ、ほとんどが市販軽自動車をEVに改造したもの。電池は従来型鉛蓄電池を使ったタイプが主流で、時速、走行距離ともに八十―九十キロ程度にとどまっている。しかし最近はより高性能で様々なタイプのEV開発が相次いでいる。
 ◎ ◎ ◎
 EV開発熱が高まっている第一の理由は、環境問題への対応だ。EVは蓄電池でモーターを回すため、排ガスはゼロ。エンジン振動がなく、騒音も極めて低い。特に都市部を中心になかなか改善しない窒素酸化物(NO〓)対策にはEVが有力な手段の一つ、と見る関係者が多い。
 二番目の理由はEVの普及がエネルギー利用の多角化につながり、結果として省エネに役立つということだ。電気は石油だけでなく原子力や石炭、水力など、様々なエネルギーでつくれる。かつての石油危機のように、ユーザーがパニックに陥るおそれも小さい。
 こうしたEVの特性に着目、行政側も本格的な普及活動に乗り出した。政府は九一年十月、EV普及のための長期計画を固めた。二〇〇〇年をめどに、国内でのEV保有台数を二十万台にするという内容だ。官公庁を中心とした需要創出と充電装置の開発支援などのインフラ整備が二本の柱だ。
 普及計画を今後どう詰めていくかは大きな課題。しかしEVの導入を積極的に後押しする政府の姿勢は、自動車メーカーなどの開発意欲をさらに高める効果がある、と期待できる。地方公共団体や電力会社などもEVの導入に前向きの姿勢をみせている。
 ◎ ◎ ◎
 EVは米国などでも大気汚染問題から導入拡大の動きがあり、自動車メーカーは投入が不可欠になりつつある。カリフォルニア州に続き、ニューヨーク州など北東部十州・区の知事が九一年十一月に将来、域内の自動車販売会社にEVに代表される無公害車の一定比率での販売義務付けで合意した。米国市場開拓のためにも、自動車メーカーなどのEV開発は今後、さらに拍車がかかりそうだ。
 メーカー側と行政側ともに熱を入れるEVだが、今後の課題も多い。まず問題となるのはそのコスト。これまで主流だった軽自動車タイプのEVでさえ、価格は従来のガソリン車の三倍程度といわれている。今後の価格低減がなければ、大量の普及はおぼつかない。
 一方で、性能向上も不可欠だ。このために最も大切なのが蓄電池の改良。EVがガソリン車並みの性能を持つには、従来の鉛蓄電池からニッケル―カドミウム蓄電池など、より高密度の蓄電池の搭載が必要になる。しかしこうした蓄電池は鉛電池に比べて格段に高く、価格上昇は避けられそうにない。このトレードオフ(二律背反)の解消がある。
 また、やっかいなのはEVを利用できるインフラをいかに整備していくかという点だ。EVが"ガス欠"にならないよう、充電スタンドの設置が欠かせない。政府の長期普及計画には、こうした充電スタンド設置の具体案などは盛り込まれていない。このための費用をだれが負担するか、というのも未解決だ。今後、EVの本格普及までにはメーカー側と行政側だけでなく、利用者を含めたインフラ充実の方向などをじっくり考える必要がある。


電気自動車――あの町この町スイスイ走れ(NEWSスケッチ)
1991/12/28, , 日本経済新聞 夕刊, 8ページ, 有, 662文字

 「運転のときに最も気を使うのは歩行者です」。十月から電気自動車で集配している郵便局員は言う。ガソリン車のようなエンジンの騒音がないから、歩行者が気付かずに飛び出してくることがある。ちょっと危険な話だが、静かさの証明ともいえる。
 排ガスを出さない、騒音が小さいなど環境にやさしい車として、電気自動車が再び脚光を浴びている。通産省は今年を「電気自動車元年」とし二〇〇〇年までに二十万台の普及を目指している。現在、全国でおよそ千三百台が町を走っている。
 業界でも主流のバンタイプに加え、スポーツタイプや公用車向けにセダンタイプなど、一般化の試みが相次いでいる。全国の生協でつくるコープ電動車両開発(本社横浜市)は自動車メーカーと共同で配送トラックを開発した。担当者は「美術品の輸送会社から問い合わせがありました。振動が少ないのが適しているようですね」と、需要の広がりに期待する。
 だが、一方でユーザーの不満も根強い。例えばある運送会社が導入した電気自動車の場合、一回の充電が八時間で、走行距離は百六十キロ。電池に場所を取られ、積載量はガソリン車の半分以下。「もう少し高性能の電池があれば」というのが一致した意見だ。
 また実用化が進むと、使用済み電池の処理や充電の電力確保など、新たな環境問題も懸念される。通産省では「電池はリサイクルし、電力は夜間の余剰電力で賄う」方針だが。
 一八七三年にイギリスで産声をあげて以来、事あるごとに話題にのぼってきた電気自動車。地球環境の悪化が心配される中、今度こそ本格普及となるか。 小菅 隆記者


メーカー「環境に優しい車」競う あす26日開幕の東京モーターショーから
1991/10/25, , 東京読売新聞 朝刊, 17ページ, 写, 1302文字

 ◆実用近づく電気自動車 速度、距離の弱点を克服
 五百キロを走り切る電気自動車、ガソリンと電気を状況に応じて切り替えるハイブリッドカー(複合動力源車)――。地球規模の環境保護が叫ばれる中、自動車業界でも「環境に優しい」車の開発が急ピッチで進んでいる。千葉・幕張メッセで二十六日から一般公開される第二十九回東京モーターショーでは、近い未来に実現可能なコンセプトカー(試作車)が数多く出品される。
 今回のショーには、スピードが出ない、走行距離が短い、充電に時間がかかるという弱点を克服した電気自動車が多く出展される。
 日産の「FEV」は、重量が従来の半分以下の二百キロ・グラムというコンパクトなニッケルカドミウム電池を使用し、わずか十五分の超高速充電(従来の同種電池の四分の一)を実現した。一回の充電による走行距離は二百五十キロ。空気抵抗を大幅に小さくしたデザインで、最高時速百三十キロなど、ガソリンのリッターカー並みの動力性能という。
 東京電力の「IZA(イザ)」は、走行距離が東京―大阪間にも匹敵する五百四十八キロ(時速四十キロ定速)、最高時速が百七十六キロと二つの世界最高記録を誇る。大型車クラスの四人乗りスポーツカータイプで、エアコンやパワーステアリング、パワーウインドーなど装備も充実している。
 これらは「まだ開発レベルの段階で、充電施設などの問題もあり、実用化のメドは未定」(日産)だが、外国には実用、量産化の段階へより近づいているメーカーもある。
 BMW(ドイツ)の「E1」は、市街地内移動を想定した二人乗りの電気自動車で、走行距離は二百五十キロ。「ドイツでは、環境などの共通の問題には、自動車業界全体や関連業界が一致協力するという土壌があり、かなり近い時期に実用化される」(BMWジャパン)という。鮮やかなオレンジメタリックのボディーには、再利用の可能なプラスチックを使用している。
 ある程度のスピードが必要となる郊外での走行も可能にしたのが、フォルクスワーゲン(同)のハイブリッドカー「チコ(Chico)」。六百三十六ccのガソリンエンジンも搭載し、加速中と時速六十キロ以上ではガソリンエンジン、それ以外では電気モーターと、状況に応じて動力源を自動的に切り替えるシステムで、「数年後の量産体制をめざしている」(フォルクスワーゲン・アウディ日本)。
 また、全国の生協で組織するコープ電動車両開発が試作、横浜市で走行実験を繰り返しているソーラーシステム装着の電気配送トラックも出展される。
 ◆水素や代替燃料 様々な低公害車
 電気自動車以外でも、低公害車は多い。マツダの「HR―X」は水素ロータリーエンジン車。水素は燃焼すると水になって二酸化炭素を出さず、水からも作ることができる。三十七立方メートルの水素で二百キロの巡行が可能という。
 トヨタは、アルミやマグネシウムなどの軽量素材を使い、希薄な燃料を効率よく燃焼させて低燃費を実現した「AXV―4」を出展。日産の「TRI―X」は、代替燃料のメタノールとガソリンとの混合燃料を使用。エンジンは、メタノールの割合が〇から八五%まで対応できるという。


コープ電動車両開発、ソーラー充電の電気配送車――路上実験始める。
1991/10/17, , 日経流通新聞, 16ページ, 有, 550文字

 コープかながわ、コープしずおかなど全国の生活協同組合二十社が共同出資で設立した電気自動車の開発会社、コープ電動車両開発(本社横浜市、社長山岸正幸氏)はソーラーシステムを積んだ電気配送トラックの路上試験を始めた。従来の電気自動車に太陽電池で駆動する換気装置と太陽電池によるバッテリー充電装置を取り付けた。従来車よりも冷房の効率が上がり、バッテリーの連続使用時間が延びる見込み。
 同社では九一年の十月から九二年三月まで新システムの路上試験を繰り返し、実用化を検討する。ソーラー換気システムは三洋電機製で、運転席の上部に装着し運転席の換気を良くする。
 ソーラー充電システムは京セラ製で貨物室の屋根に取り付けた。充電システムの重量は七十四キロ近くに達するが、最大で七百ワットの電力を起こすことができる。
 同社では九二年度には配送センターに太陽電池を設置、電気自動車の充電に使うことを検討している。横浜にある配送センターに約三百三十平方メートルの太陽電池を敷き詰め、そこで発電した電気で配送トラックのバッテリーを充電する計画だ。そのほかにも、ニッカド電池の導入による電池の削減、荷台を通常のトラック並みに低くして使い勝手を良くするなどの改良を加え、九四年度には生協の共同購入に電気自動車を本格導入する計画だ。


[トレンド]地球にやさしい電動トラック 1回の充電で100キロ走行
1991/10/10, , 読売家庭経済新聞, 10ページ, 写, 1499文字

 二酸化炭素による地球温暖化や大都市の大気汚染など環境問題が深刻になるにつれ、公害の少ない電気自動車がクローズアップされている。日米の自動車メーカーが乗用車タイプの開発にしのぎを削っている中で、生協の呼び掛けでいすゞ自動車が開発した電動トラックが異彩を放っている。「地球にやさしい暮らし」を目指す電動トラックの可能性を探った。
 ◆バッテリー改良、94年実用化へ
 横浜市鶴見区の「コープかながわ横浜東部センター」で、日本初の電動配送トラック「CO―OP EV―2000」に試乗した。
 「EV(エレクトリック・ビークル)」は、コープかながわなど生協の出資会社「コープ電動車両開発」(社長・山岸正幸コープかながわ理事長)といすゞ自動車がトラック「エルフ」を改造して共同開発した試作車だ。二十六日から幕張メッセで開かれる東京モーターショーにも出品される。
 運転席と荷台の天井、荷台の両サイドに張り詰められた太陽電池が未来車の雰囲気を漂わせている。
 スイッチを入れると、音もなくエンジンが始動した。
 助手席側に電動車両用メーターがある。左端から燃料計、電圧計、電流計が並ぶ。
 「ギアは最初から四速で大丈夫」と、同乗したコープ電動車両開発の鹿田道一さん。アクセルを踏むと、滑るように動き出した。静かで滑らかな運転性能は、高級車並みだ。
 鹿田さんは「静かすぎて車や歩行者が気が付いてくれず、ヒヤッとすることも多い」と苦笑い。
 「EV」は、最大積載量一・二五トン、乗車人員二人。最高速度百十キロ、一回の充電で百キロ走れる。若狭良治業務部長は「一般道路なら、スピード、加速とも在来車と対等の性能があり、交差点や坂道でも他の車に迷惑をかけることはない。クーラーも使える」という。
 EVの心臓部は三十三キロ・ワット直流電動機と日本電池社製鉛酸電池二十七個。太陽電池は補助電源と運転席の換気扇の電源を兼ねている。充電は二百ボルト交流電源で六時間かかる。専用充電器を使用した急速充電だと、一時間で満タンになる。
 コープ電動車両開発株式会社は昨年七月、「コープかながわ」や「コープしずおか」など生活協同組合の共同出資で設立された。大気汚染、オゾン層の破壊、農薬汚染など環境問題が深刻になったため、生協では「地球にやさしい暮らし」をテーマに牛乳パックやアルミカンの回収運動などに取り組んできた。電動配送トラックの製作もその一環として提案された。
 若狭部長によると、全国の生協が共同購入に使用するトラックはざっと一万数千台。環境問題を活動の柱の一つに据えるからには、配送車の排ガス対策にもきちんと取り組もうと、いすゞ自動車に共同開発を呼び掛けた。
 いすゞ自動車は、機能開発センターに電気自動車開発室を新設、EV―2000の製作に取り組んだ。
 電動車両開発といすゞ自動車では、今年度中に第二次試作車を製作し、九二、九三年度で量産体制を整え、九四年度には実用化に踏み切りたいという。
 日本電動車両協会によると、電気自動車の登録台数は約一万六百台と徐々に増えている。
 最大の課題はコストダウンとバッテリーの性能向上だが、若狭部長は「大量生産で製造コストは、とりあえず在来車の二、三倍に引き下げられるだろうが、現状ではそれだけの需要はないので、生協が安定した購入先となって需要を引っ張っていきたい。ニッカド電池などバッテリーの開発も急速に進んでいる」と、九四年の実用化に自信をのぞかせる。
 いすゞ自動車の宮崎吾郎機能開発センター所長も「大気汚染の防止には、電動乗用車より電動トラックの方が効果がある。ぜひ量産化にこぎつけたい」と意欲的だ。


ソーラー利用した電気配送トラック 大阪
1991/10/09, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 212文字

 大気汚染を減らそうと、全国の生協でつくるコープ電動車両開発が自動車メーカーと共同で開発した電気配送トラックの展示説明会が8日、堺市の大阪いずみ市民生協であった。
 1月に完成した試作車の屋根や側面にソーラーパネルを取り付けた改良型。太陽エネルギーを運転席の換気やクーラーに使い、運転用バッテリーの消耗を減らせるのが売り物だ。
 94年までの実用化が目標。将来は配送所の屋根を使った太陽光発電で充電も、と同生協は意気込んでいる。


電動配送車、奈良コープで試乗会 95年からの導入めざす
1991/10/08, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 598文字

 排ガスを出さず、音も静かな電気トラックが試作され、奈良市恋ノ窪1丁目の奈良コープで7日、試乗会があった。大気汚染を防ごうと、奈良コープなど全国19の生協で出資してつくるコープ電動車両開発会社(本社・横浜市)が、いすゞ自動車などと共同開発した2トン配送車。奈良コープは95年からの導入を目指している。
 大気汚染の主原因になっている窒素酸化物(NOx)は、東京では7割、大阪では5割が自動車からの発生と言われている。全国の生協が共同購入に使用するトラックは1万台以上で、単組単位で公害の少ない電気自動車への転換を望む声があった。国内では電気自動車の搬送トラックの開発に着手しているメーカーがなかったため、去年7月、独自で開発会社を設立した。メーカーや大学の研究者、各省庁の専門家の協力で、1月に第1次試作車が完成し、改良を加えた。
 エンジンの代わりに電動モーターを使っており、排ガスはもちろん、騒音もほとんどない。電気は搭載した鉛酸電池と車体の屋根に取り付けた太陽電池から供給する。最高時速は110キロ、時速40キロまでは8.5秒で加速し、市街地を走る分では、従来の車とほとんど変わらない。1回の充電の走行距離は40キロ走行で約100キロ。
 この日は約120人が見学に来た。試乗した主婦は「排ガスの嫌なにおいもないし、すごく静かで電車に乗っているみたい。早く実用化できればいいですね」と話していた。


コープ電動車両開発、ソーラー配送トラックの走行実験を開始
1991/10/08, , 流通サービス新聞, 12ページ, 有, 328文字

全国五十一の生活協同組合で組織しているコープ電動車両開発(横浜市、〇四五(472)七九一三)は、今月からソーラーシステムを装着した「電気配送トラック=写真」の公道での走行実験を開始した。走行実験は「コープかながわ横浜東部センター」で行われているもの。
同センターに約三百三十平方メートルのソーラーパネル(太陽電池)を敷きつめて発電、この電気を配送トラックに充電して展開されている。生協ではこの実験の結果をみて、来年三月には第二次試作車を製作する。
この二次試作車では電池をニッカド電池にして積載電池数を半減するほか、荷台の床高を通常トラック並みにし、実用性を追求するなどの改良を試みる。また二次試作車の完成度をみて、九二年度中に約二十台まで試作車を増やす予定。


コープ電動車両開発、電気配送トラック、走行実験を開始.
1991/10/03, , 日本経済新聞 地方経済面 (東京), 15ページ, 有, 441文字

 コープかながわなど全国五十一の生協で組織しているコープ電動車両開発(本社横浜市、社長山岸正幸コープかながわ理事長)は、試作した電気配送トラックを使って、公道走行実験を始めた。補助電源として装着したソーラーシステムから充電しながら走る本格的な電気自動車で、実験結果をみながら改良を加え、九四年度から各生協に順次導入していく。
 試作車はいすゞ自動車製の二トントラックを改良した。走行中の充電を助けるために、貨物室の屋根と両サイドにソーラーパネルを取りつけている。
 性能テストでは最高時速百キロメートル、一回の充電による走行距離は時速四十キロメートルの定地走行で約百キロメートルを達成し、「性能面ではほぼ実用化のめどがついた」という。
 コープかながわの横浜東部センターで公道実験を始めたが、来年度には同センターの敷地に約三百三十平方メートルのソーラーパネルを敷き詰め、そこで発生した電気でトラックの充電をすることも検討している。ソーラーパネルなど設備投資一億七千万円程度を見込んでいる。


コープしずおか、太陽電池の電動トラック――来月から公道で試走。
1991/09/27, , 日本経済新聞 地方経済面 (静岡), 6ページ, 有, 406文字

 コープしずおか(本部静岡市、理事長上田克己氏)など全国の五十一生協で組織するコープ電動車両開発(本社横浜市、社長山岸正幸氏)は、ソーラーシステムを装着した電気配送トラック=写真=の公道での走行実験を十月から開始する。電動試作車は十月二十五日に開幕する東京モーターショーに出品する。実験結果を踏まえ九二年三月に第二次の試作車を作り、来年度中に約二十台のトラックをそろえる。
 実験はコープかながわの横浜東部センターで行う。電動車には三洋電機製で最大出力二十六・四ワットのソーラーベンチレーション(換気)システムを運転席部分の屋根に、京セラ製で同七百ワットのソーラー充電システムを貨物室の屋根に取り付ける。クーラーの効率アップを図り、運転席の換気状況を調べる。
 同センター内の約三百三十平方メートルの敷地に太陽エネルギーを吸収するパネルを設置、発生した電気をトラックに充電することも検討している。費用は一億七千万円。


コープ電動車両、ソーラーバッテリーシステムを日本で初めて電気トラックに搭載
1991/09/26, , 日刊工業新聞, 17ページ, , 311文字

【横浜】コープかながわなど全国五十一生協で組織しているコープ電動車両開発(横浜市港北区新横浜二ノ五ノ一一、社長山岸正幸氏、電〇四五(472)七九一三)は二十五日、日本で初めて電動車にソーラーバッテリーシステムを搭載したと発表した。
いすゞ自動車と共同開発した二トン積みの電気配送トラックを改装し、ソーラーバッテリーシステムを積み込んだ。ソーラー電池は運転席と貨物室の屋根部分に張り付け、クーラーと換気装置を作動させる。最大出力は七百二十六W。改修費は約七百万円。
四年後を目指し、横浜市内の配送センターの敷地約三百三十平方メートルに太陽電池を敷き詰め、その発生電気で電気トラックの充電を行うようにする。投資額は約一億七千万円。


見直される電気自動車(上)米市場確保にらむ――蓄電池改良などなお課題。
1991/07/25, , 日本経済新聞 朝刊, 13ページ, 有, 1675文字

 電気自動車が脚光を浴びている。世界的な環境問題への関心の高まりで、公害を出さないクリーンさが見直されている。ただ、今後、普及させるにはガソリン車に劣らない性能や経済性を実現する必要があるうえ、充電システムの開発など課題は多い。電気自動車をめぐる最近の動きを紹介する。
 「騒音も少なく乗り心地もよい。電気自動車もここまできたかという感じ」。今年六月一日から二日間、東京・代々木公園で開催された「'91低公害車フェア」(環境庁など主催)で、愛知和男環境庁長官はこうあいさつした。出展された五十三台のうち主役を務めたのは電気自動車。ダイハツ工業やスズキ製など合わせて二十二台が登場、週末の家族連れの注目を集めた。
 現在、国内で公道を走る電気自動車は約一千台。そのほとんどを生産しているダイハツは「電気自動車はもともと七三年の石油危機をきっかけに注目された」という。しかし、その後、石油価格が低迷する度に電気自動車の評価も落ち、見向きもされない時期もあった。
 それが、再び熱いまなざしを集めるようになったのは、最近、環境問題への対策を世界中が真剣に考え始めたことによる。電気自動車はバッテリーでモーターを動かす仕組みのため、排出ガスはゼロ。騒音も少ない。環境庁は今年度、電気自動車を中心とした低公害車を地方自治体に普及させるための本格的な助成策に乗りだした。初年度予算は約一億四百万円の予定で、導入自治体に対して百三十台程度を半額助成する。通産省や自治省なども普及活動に乗り出している。
 自動車メーカーの電気自動車の研究開発にも力が入ってきた。トヨタは今年一月、中部電力の委託を受けた小型車クラスの電気自動車を完成させた。これまでの電気自動車は軽自動車を改造したタイプだったが、より大きい車種の開発で「利用分野が拡大するのでは」とトヨタは期待する。しかも一回の充電当たりの走行距離(時速四十キロ走行の場合)も百六十キロメートルと従来の約二倍に伸ばし、ガソリン車に一歩近づいた。
 いすゞ自動車も一月に生協系のコープ電動車両開発(本社横浜市)と二トン積みトラックをベースにした電気自動車を共同開発した。日産自動車もトヨタやいすゞに後れをとらないようにと乗用車タイプの電気自動車を開発中で、来年度には完成の見込みだ。いすゞのトラックタイプも日産の乗用車タイプも日本では始めての登場になる。最も実績のあるダイハツも「今年は昨年に比べ五倍ほどの二百台の注文がある」という。
 自動車各社が電気自動車の開発に積極的に取り組み始めたのは、環境対策のほかに、米国市場確保のために不可欠の商品になりつつあるという側面も大きい。昨年末、米カリフォルニア州は、排ガス対策のため州内で自動車を販売するメーカーは九八年から全体の二%を電気自動車など低公害車にすることを義務づけるという新法を制定した。この結果、トヨタや日産の場合、現在の計算で年間四千―六千台の電気自動車を販売しなければならなくなる。トヨタは「ニューヨーク州などでも同じような動きがある」と気にかけている。
 しかし、トヨタは「何千台も一般の消費者が欲しがる電気自動車をそのころまでに開発出来るか自信がない」と打ちあける。電気自動車の最大の欠点は、走行距離や最高速度ともガソリン車に及ばないことだ。走行距離百六十キロメートルという最高レベルの電気自動車を開発したばかりだが、「カーエアコンやステレオを使ったり、渋滞などがあると実際の性能はかなり落ちる」という。軽タイプでも、価格はガソリン車の三―五倍もするのも大きなネックだ。
 電気自動車の性能向上はバッテリーやモーターの改良が最大のポイント。しかし、いずれも「産業界では最も古くからある技術。コスト面も含め今後、飛躍的な向上は期待できない」(大手電機メーカー)のが現状だ。低公害車としての電気自動車に対する期待は今までになく高まっている。しかし、その期待にこたえられるかどうかは、自動車や電機業界などが一体となって厚い技術の壁を打ち破れるかにかかっている。(田中記者)


商品配達に電気自動車、大気汚染防止へ生協エフコープ・福岡            
1991/06/22, , 西日本新聞朝刊, 7ページ, , 759文字

 生協のエフコープ=本部・福岡市=は二十一日、一九九四年から電気自動車(トラック)を共同購入商品の配達用に導入する計画を明らかにした。同生協では牛乳パックやアルミ缶の回収、竹の割りばしの開発など環境問題への取り組みを強化しているが、さらに二酸化炭素や窒素酸化物など排気ガスによる大気汚染の防止を図るもので、電気自動車の導入は九州の物流業界にも影響を与えそうだ。
 生協の電気自動車の取り組みは、コープかながわなど全国十三生協が九〇年七月、電気配送トラックの開発とあっせんを目的にコープ電動車両開発(横浜市)を設立。いすゞ自動車と共同で今年一月、世界初の電気トラック(二トンクラス)の第一次試作車の開発に成功した。開発費は一億七千万円。エフコープも五月に車両開発に資本参加、電気トラックの利用が可能になった。
 九州地区では、かごしま県民生協も開発に参加しており、今後全国二十一生協とともに実用化を目指す。
 第一次試作車のモーターは百三十五馬力の直流分巻電動機を搭載。最高速度は時速百キロ。一回の充電による走行距離は時速四十キロで約百キロ、通常の市街地走行で約五十キロ。加速、登坂力など走行性能は現行ディーゼルトラックと同等レベルを達成しているという。
 エフコープ配送車の一回の走行距離は十二―三十一キロ(平均二十一キロ)で、配送車として十分に利用できる。騒音も現在の同クラスのディーゼル車と比べると約四分の一と極めて静か。
 寿命は約十五年と約二倍だが、難点は価格が現行車(約三百万円)に比べ四倍前後と高いこと。いすゞ自動車では、生協以外でも普及を図ることで価格を約三倍程度には抑えるようコスト低減を目指している。
 エフコープでは現在三百六十三台のトラックを使用しているが、三年後には実用導入を図り、順次入れ替えていく方針。


電気自動車の改良加速、「ガソリン車並み」追及――「環境に配慮」PR(月曜版)
1991/06/10, , 日本経済新聞 朝刊, 45ページ, 有, 1551文字

 東京電力は昨年十一月、特装車メーカーの東京アール・アンド・デー(本社東京)、明電舎、日本電池と共同で世界最高性能の電気自動車を開発すると発表した。目標性能は時速百八十キロ、走行距離は一回の充電で五百キロを目指す。実現すればガソリン車に負けないほどの高性能だ。
 現在までに実現した電気自動車としては自動車業界トップのトヨタ自動車が今年一月、従来に比べ大幅に性能を高めた電気自動車を完成させた。中部電力から開発委託を受けていたもので、ワンボックスタイプの商用車をベースに、最高時速が八十五キロ、一回の充電で百六十キロ走行できる。同クラスの電気自動車ではトップレベルだという。
 いすゞ自動車も今年一月、生協系のコープ電動車両開発(本社横浜市)と二トン積みトラックをベースにした電気自動車を共同開発した。コープ電動車両開発は九四年度から生協向けの配送用トラックとして実用化を目指すという。
 現在、公道を走る電気自動車は全国で約一千台といわれる。これらの電気自動車は鉛電池を使ったタイプが主流。鉛電池は低価格だが、容量が小さく何個も搭載しなければならない欠点がある。このため電気自動車は車体重量が少ない軽自動車が大半を占めてきた。時速、走行距離もそれぞれ八十―九十キロだ。
 だが、今後電気自動車が市民権を獲得するためには乗用車並みの性能を持つことが不可欠。トヨタ自動車は鉛電池より容量の多いニッケルカドミウム電池の採用で性能を大きく飛躍させた。東京電力は車体に特殊強化プラスチックを採用して大幅な性能向上を目指している。
 最近になって電気自動車の開発熱が高まっている背景には環境問題への関心の高まりがある。電気自動車は電池に蓄えたエネルギーでモーターを回す仕組みのため排ガスはゼロ。エンジン振動がなく騒音も極めて静かだ。また、従来のガソリンや軽油などからエネルギーの多様化ができる複次効果もある。
 こうした電気自動車の特性に着目して環境庁や通産省が相次いで、普及促進活動に乗り出している。環境庁は今年度、電気自動車など低公害車約百三十台について購入自治体に半額を助成する。総予算は約一億四千万円。通産省も税制面での優遇や購入費用に対する公的融資を計画している。通産省の計画が実現すれば数万台に普及する体制が整うと言われている。
 性能も徐々に向上、役所も開発をあと押しする電気自動車だが、現実には一般消費者が利用しているケースはまだ、ほとんどない。現在の利用は東京電力や中部電力などの電力会社、横浜市や大阪市といった地方自治体が中心。いわば電力の供給元や環境対策の推進役だけがPR用に導入しているのがほとんどだ。
 電気自動車の価格は現在主流の軽自動車タイプでガソリン車の三―五倍。この高価格が一般消費者に対する普及の大きな足カセになっている。またカーエアコンやカーステレオといった快適性をガソリン車並みに高めたタイプの登場が遅れていることも問題だ。こうした機能を盛り込むためにも電池の改良でパワーを高めるなどしてさらに性能を上げることが必要だ。
 さらにもう一歩踏み込んで、電気自動車が本当に環境問題改善に役立つのかということをはっきり一般消費者に示すことも重要。「エコロジー」「地球に優しい」と言ったことばが定着しつつあるのを見ても消費者の環境問題に対する意識は徐々に高まりつつある。電気自動車の環境改善効果を明示できれば将来、大きなセールスポイントとなって働く可能性も高い。
 ところがこの分析がなかなか難しい。電気を生み出すには石油や原子力、水力など様々な発電方法があるが、発電過程での公害が問題になる。環境改善に役立つとは必ずしも言い切れない。電池切れになった場合にどうやって補給するかと言う問題も未解決だ。


環境庁、6月、低公害車フェア、電気自動車も20台
1991/04/17, , 電気新聞, 1ページ, , 601文字

環境庁は六月一、二の両日、東京・渋谷区代々木の都立代々木公園イベント広場で「平成三年度低公害車フェア」を開催する。同車普及のための啓もう活動の一環として行うもので、最新の電子工学や内燃機関の技術を駆使した低公害車が幅広く展示される。
展示車両は電気自動車二0台をはじめ、メタノール自動車、都市ガス自動車、ソーラーカー、水素自動車、ハイブリッド自動車の合計六タイプ・五0台以上で、過去最大規模での展示となる。出展者は東京電力、関西電力、トヨタ、日産、東京ガス、大阪ガスなどの民間各社をはじめ、エネルギー関連の財団や公社、自治体など全部で三0以上にも上っている。
この展示会は六月の環境月間の一環として行われるもので、今回が六回目。入場は無料。主催者でもある環境庁は三万人以上の入場者を見込んでいる。
電気自動車の出展車名は次のとおり。(カッコ内は出展者)
ハイゼットバン・マスターズライナ(ダイハツ工業)、EVガイド゜・マーチ(日産自動車)、エブリィ(スズキ)、ジェッタ(東京電力)、タウンエースバン・ドリームミニ(中部電力)、BC−7・ラガー(関西電力)、多目的バン・電動三輪車(九州電力)、NAV(新日本製鉄)、生協トラック(コープ電動車両開発)、EV−40(トヨタ自動車)、マツダボンゴ(マツダ)、ミニキャブバン(三菱自動車工業)、ソレック(北陸電力)、電動ごみ収集車(横浜市)、電動二輪車(本田技研工業)


試乗の主婦に好評 電気配送トラック披露 春日井
1991/04/10, , 中日新聞 朝刊, 19ページ, , 363文字

 排ガスもない環境にやさしい電気配送トラックが九日、愛知県春日井市中央台の同市東部市民センターで開かれた愛知、岐阜、三重三県の生協交流集会で披露された。
 このトラックは全国の十五生協出資のコープ電動車両開発(本社・横浜市)と、いすゞ自動車が共同開発を進めている。一月に一台目の試作車が完成し、関東各地で試乗会を開いた後、東海地方にお目見えした。
 この日披露された試作車は製作費約二千万円。最高時速が百十キロ、一七度の傾斜まで登ることができ、配送用に使っているディーゼル車に比べ性能は劣るものの、騒音は四分の一。六時間の充電で約五十キロの市街地走行ができるという。
 試乗会では、名古屋勤労市民生協などの主婦らが代わる代わる助手席に乗り「思ったより加速がいい」「音が静かね」と感心していた。
 電動トラックは六年度に実用化を目指す。


人気は加速、電気自動車 環境への関心高まり、期待集める
1991/02/09, , 朝日新聞 夕刊, 5ページ, 有, 4070文字

 電気自動車の開発が盛んになってきました。ガソリン車やディーゼル車にまじって、道路を実際に走り出してもいます。環境問題が世界的に大きな関心を集めているため、「地球に優しい」といわれる電気自動車に期待が集まっているようです。でも自動車メーカーからは、まだまだ技術的課題が多い、と慎重な声も聞こえてきます。買い替えるなら電気自動車!
将来、こんなようにいわれる日が来るのでしょうか。
 「正直いって、頭を抱えています」。トヨタ自動車で電気自動車の開発を担当する開発企画部主査の大川正尋さんは、米国から降りかかってきた難題にどう対応するか悩んでいる。昨年9月にカリフォルニア州が独自に定めた電気自動車の販売義務化規制のことだ。
 ○実用車開発、待ったなし
 同州では1998年以降、州内で売る自動車の2%以上を電気自動車にしなければならない。2003年以降はさらに強化され、電気自動車の比率は10%以上となる。
 トヨタは90年代半ば、同州で年間30万台の販売を計画している。2%としても、6000台を売らなければならないが、今のところ1000台が精いっぱいという。大川さんは「近所に買い物に行く程度の電気自動車なら今でも実用化できるが、たまには長距離ドライブをしたいという人が買ってくれるような車づくりは難しい」という。だが、主力市場で販売台数を維持、拡大するためには、実用的な電気自動車の開発は待ったなしだ。
 さらに米国では同州だけでなく、全米の大気汚染を防ぐ大気浄化法の改正案が昨年11月に成立した。これは94年以降、排出ガスの窒素酸化物を今より60%、炭化水素を35%削減するという内容だ。米国は今、排出ガスの有害物質を力ずくで減らしていこう、という方向にある。
 日本でも動きは活発になっている。日産自動車環境・安全技術部次長の荒川祥彦さんはこういう。「良い車作りは、環境保護など社会への貢献を抜きにしては考えられなくなった」。環境保護への関心の高まりを背景に、購入者側からも、環境に優しい電気自動車への要望が高まっている。
 「コープかながわ」など全国各地の13生協が「コープ電動車両開発株式会社」を設立したのは、90年7月のことだ。今年1月には、いすゞ自動車と共同開発した配達トラックの試作車を発表した。「安全で健康な、環境に優しい商品を開発してきた生協として、地球環境の悪化、とくに大気汚染に対する取り組みの1つだ」と説明する。
 横浜市は86年から電動のゴミ収集車を導入した。試用しながらモーターの強度などいくつかの点を改善してきた。3月には4台目が入る。89年からは、ゴミ焼却場で発電し、充電する「自給自足」体制をとっている。
 公害パトロール用などに電気自動車を使う地方自治体も増えている。自治体が購入する場合、国から半額の補助が出る。新年度予算案でも、電気自動車など低公害車を導入する際の補助金として132台分が盛り込まれた。
 ○原発必要性を改めて宣伝
 この秋開かれる自動車業界の一大イベント、東京モーターショーで、自動車メーカーに交じって、東京電力は3年越しで開発してきたスポーツカースタイルの電気自動車を発表する。中部電力はトヨタ、関西電力はダイハツ工業、九州電力は日産と、それぞれ共同ですでに電気自動車を開発している。
 電力会社が電気自動車に力を入れるのは、蓄電技術が発電の効率化にも利用できるという理由もさることながら、原子力発電の必要性も宣伝できるからだ。
 「排出ガスのない電気自動車」といっても、その電力づくりを、石油や石炭を燃やす火力発電だけに頼っていては、環境に優しい度合いも半減してしまう。
 さらに火力発電の割合が約6割という日本の事情を考えれば、電気自動車の普及には原発が不可欠という論法だ。東電のある企画担当者は「原発でつくった電力で走るのだから、ある意味では原発自動車といってもよい」と話す。
 新日本製鉄は昨年5月、スポーツカーのようなスタイルの電気自動車の試作車「ナブ」を発表した。車体にカーボンファイバーという新素材を使って軽くした。カーボンファイバーは同社が手がける新素材のひとつ、というのが開発の動機だ。自動車メーカーからは、いきなり畑ちがいの鉄鋼メーカーが参入してきたことに驚きの声が聞かれた。
 自動車メーカーだけでなく、こうした異業種からの参入も電気自動車の開発競争に拍車をかけている。
 ○採算ベース、年産1万台
 環境庁によると、現在、一般道路を走っている電気自動車は全国で約850台。昨年の自動車販売台数約620万台に比べれば、まだまだ少ない。
 自動車メーカーによると、その大きな原因は値段が高いことと、1回の充電で走れる距離が短いことだ。
 実用電気自動車として、いま最も使われているダイハツのハイゼットバンは1台217万円。ガソリン仕様(排気量660CC)の77万円に比べ3倍近い値段だ。環境庁によると、燃料費は1キロ走るのに電気自動車が5.3円なのに対し、ガソリン車は8円。電気自動車が有利そうだが、2年に1回バッテリーを交換する必要があり、これに40万円かかる。こうなると、燃料費の差はほとんどなくなるという。
 値段を下げるのに最も良い方法は大量生産することだが、生産ラインを作って採算がとれるには年産1万台が必要。高いから売れない、売れないから大量生産できない、大量生産できないから高いと、いまは悪循環になっている。
 もうひとつの問題はバッテリー。充電量を飛躍的に増やすか、充電方法を簡単にしないと、走行距離を延ばせない。トヨタと中部電力が1月末に発表した試作車は、1回の充電で走れる距離が通常の走り方で80キロ程度だ。バッテリーの性能を飛躍的に上げるのは、今の技術では難しいという。
 ●エネルギー、理論値は高い効率 CO2排出量、発電方法で食い違い
 エネルギー効率はどちらがいいのか。日本電動車両協会の試算によると、ガソリン車は走るのに原油エネルギーの10.3%しか利用できないのに対し、電気自動車は17.8%活用できる。エンジンでガソリンを燃やして回転力に変えるよりも、火力発電で電気に変えてモーターを回す方が、無駄が少ないということだ。
 しかし、この数字はあくまで「同じ量の原油で走れる距離」という理論値。電気自動車は通常500キロ以上のバッテリーを積むため車体が重く、人や荷物などを積める重量はガソリン車よりも小さい。エアコンなど走行以外に使う電気は除いた計算だ。ガソリン車のエネルギー効率は日進月歩で向上している。「実際の走行では、そんなに差はない」という指摘もある。
 地球温暖化の一因といわれる二酸化炭素(CO2)の排出量はガソリン車の半分以下ですむという試算から、逆に多くなるという説まで諸説ある。発電方法によって大きく違い、火力発電の割合が大きいほど電気自動車にとっては悪い数字になる。
 ●乗ってみると、上り坂では力不足を実感 狭い道なら不自由なし
 あれこれいっても、実際に乗ってみないとわからない。東京都世田谷区が1月、公害パトロールのため導入したダイハツのハイゼットバンに乗せてもらった。(岸善樹記者)
 区役所の駐車場で乗り込む。運転席はガソリン車とほとんど変わらない。充電メーターが珍しい程度だ。まず、キーを差し込んで回してみたが、モーターの回転音は伝わってこない。ガソリン車は停車中もエンジンが回っているが、電気自動車はアクセルを踏まなければモーターは止まったまま。ウンともスンともいわない。
 ギアをいれて、アクセルを踏み込む。結構滑らかに走り出した。日ごろのくせで、半クラッチで発進したら、助手席の世田谷区公害対策課主任の伊東哲洋さんが「半クラッチは使わなくても大丈夫」と教えてくれた。クラッチから足を離したまま、アクセルを踏むだけでいいそうだ。
 一般道路に出る前の上り坂で、力のなさを実感した。アクセルを踏んでも、今にもずり落ちそうだ。伊東さんも「多摩川の土手を登る時は不安」といっていた。また、ちょっと広い通りに出ると、加速の悪さが目立つ。後ろの車に簡単に抜かれた。右折も不安だ。出足が悪いため、直進して来る車をかわして曲がるタイミングがつかみにくい。
 ただ、狭い道をちょこちょこ曲がって走る分にはそう不自由はない。
 そのうちに運転のコツがわかってきた。ガソリン車と違い、早めにギアを変えた方が俊敏なようだ。世田谷通りに出た。早め早めにギアを入れ変えて、どうにか車の流れについて行く。時速約40キロ。車が精いっぱい頑張っているようで、けなげだ。
 音はさすがに静かだ。「後ろから歩行者に近づいても、車が来たことに気づかないのか、よけてくれないこともある」と伊東さんはいう。
 乗ってみた結果は、なかなかやるじゃないか、という印象だ。充電の手間は別として、街をちょっと走るだけならそこそこ使えそうな気がした。
 ●今の交通システムではかえって渋滞が激しく
 自動車評論家・徳大寺有恒さん
 電気自動車が普及する可能性はある。だが、そのためには交通システム全体を考え直す必要がある。都市では電気自動車だけでよい、というぐらいの覚悟がいる。
 渋滞がひどい都会では、今でも平均速度は20キロ以下といわれる。時速40キロで走れ、安くて、簡便な電気自動車、都会ではそれで十分だ。
 この程度の電気自動車は日本の自動車メーカーなら、3年もあればできる。だが交通システムが今のままで、ガソリン車の中に1割の電気自動車がはいったとすると、電気自動車は加速が悪いため、かえって渋滞が激しくなる。するとガソリン車は排ガスを余計に出し、環境浄化には役立たない。交通システムを考えないで、米国のまねをしてメーカーのしりだけたたいても、問題は解決しない。
 電気自動車で、自動車産業は雇用を今のように支えられるのか、電気自動車を走らせるため原発を認めるのか、といった議論もきちんとしておく必要がある。(談)


各地生協の共同出資会社、自前の電動バイク開発へ。メーカーとタイアップ、50CC級
1991/02/04, , 日刊工業新聞, 14ページ, , 693文字

神奈川県や静岡県などの生活協同組合十三組合が共同で設立したコープ電動車両開発(横浜市港北区新横浜二ノ五ノ一一、社長山岸正幸氏、電〇四五(472)七九一三)は、ダイレクトドライブ・ホイールモーター方式を採用した電動バイクの開発に乗り出す。地球規模の環境問題への対応を図るため、生活協同組合として消費者の買い物用二輪車の低公害化を図るのが狙い。
開発中の四輪電気自動車のメドがつきしだい着手する予定で、二輪メーカーとタイアップし実用化を図る。コープ電動車両開発は「生活協同組合コープかながわ」を中心に十三の生協が積載量一・五―二トンの電気自動車を開発、共同購入用配達車両として実用化するため設立した会社。いすゞ自動車と九四年度までの五カ年計画で共同開発する計画を進めており、この計画のメドがつきしだい、二輪の電動化を進めることにした。
開発する電動バイクは、排気量五〇CCクラス。清水浩環境庁国立環境研究所総合解析部地域計画研究室室長が中心となって提唱、新日本製鉄と東京アールアンドデーが共同で開発し昨年、低公害車フェアに出品した電気自動車「NAV」に採用されているダイレクトドライブ・ホイールモータ方式を使う予定。同方式は、従来のモーターが中のコイルが回転し、外枠が固定されているのに対し、中のコイルを固定、外枠を回転させるシステム。
モーターをタイヤ内に内蔵できタイヤ自体が回転することになることから変速機、ディファレンシャルギアなどのスペースを省略、軽量化も図れるメリットがある。生協ではこの電動バイクを、生協内の連絡用バイクとして実用化したうえで、一般消費用として普及させていきたい意向。


生協、電気自動車で環境対策を加速――94年度から500台(中部トレンディー)
1991/01/25, , 日本経済新聞 名古屋夕刊 (中部特集), 37ページ, 有, 1229文字

 身近なところから環境を見直そうと、名古屋勤労市民生協(名勤生協)、みかわ市民生協など中部地区の五つの生協が、共同購入・配送用のトラックに電気自動車を導入する方針を決めた。静かでクリーンなうえ、走行性能も現行の二トンクラスの配送車と同程度という。試作車で実験を重ねた後、九四年度から五生協で計五百―六百台の使用を目指している。このうち名勤生協では、二百五十台の配送車をすべて電気自動車に替えていく方針。これらの生協では以前から環境・資源保護の運動を展開しており、牛乳パック回収なども軌道に乗り始めたところ。電気自動車の導入決定で、低公害・無公害商品の開発、導入にも弾みがつきそうだ。
 電気自動車導入を決めたのは「東海五生協」と呼ばれる名勤、みかわ、岐阜地区、みえきた、三重県民の五つの市民生協。全国の生協の共同出資会社であるコープ電動車両開発(本社横浜市、山岸正幸社長)といすゞ自動車が共同で開発した小型車を九四年度からの実用化を目指し順次導入する。現在生協が使用している二トン車の替わりにするもので、このクラスの配送車では世界初の電気自動車という。
 積載量は通常車の六割強の千二百五十キロだが、加速や登坂力もこれまでとほぼ同じ。百三十五馬力に相当する大容量モーターを搭載し、一回の充電で約五十キロの市街地走行が可能という。コープ電動車両開発では九二年度まで改良を重ね、その後、加盟生協の約五百台の配送トラックを電動自動車に切り替える。
 コープ電動車両開発は昨年七月、全国十三の生協が出資して設立。いすゞ自動車の協力を得て、開発着手から半年あまりで試作車の運行試験にこぎつけた。試作車一台の開発費は約七千五百万円と高価。だが、「大気を汚さない車を使うことに対するコストは負担して当然と、十万八千の組合員全員が考えてくれれば問題はない」(森賢一・名勤生協総合企画室長)。今後は、量産化によるコスト削減とともに、車体の軽量化や充電装置の普及などに力を入れる。
 中部の各生協はここ数年、環境問題への取り組みを強化している。名勤生協では、ここ二十年来、商品の包装を控えたり低農薬米・野菜の購入といった事業を続けてきた。店舗では、パックのない野菜や肉などを自分で計量して精算する自主計量を呼びかけている。大気汚染や資源の浪費は暮らしや台所と直結しているとの考えからで、昨年十月からは、古紙リサイクルやゴミの分別回収を拡大する「グリーン・メイキング」運動を進めている。
 「組合員一人ひとりが、結果的にコストがかさんでも自然に近いものの価値を大切にするようになった。自主計量なども定着してきている」と名勤生協の後藤生好子常務理事。環境への配慮はまず家庭からという運動は、組合員にもすっかり浸透したようだ。森賢一総合企画室長も「今後はそれぞれの生協の枠をこえ、五生協の間で事業連携していこうという話も持ち上がっている」と電気自動車が運動拡大に弾みをつけることを期待している。


走れ電気トラック、コープ電動車両開発といすゞ自動車が試作車。
1991/01/24, , 日経流通新聞, 13ページ, 有, 468文字

 生活協同組合コープかながわなど十三の生協が設立した、コープ電動車両開発(本社横浜市、社長山岸正幸氏)はいすゞ自動車と共同で二トントラックをベースとした配送用電気自動車=写真=を開発した。生協の共同購入用配送車を大気汚染の心配のないものに切り替えるために開発をつづけてきた。走行能力は実用水準に達したが、積載能力、価格、走行コストなどの面で改良を重ね、九四年度からの実用化を目指す。
 トラックは、最高速度時速百十キロ、時速四十キロに達するまでに要する時間は八・五秒。市街地なら、六時間の充電で五十キロ走れる。騒音も現行の車の約四分の一という。またリサイクル可能なアルミを多用することで、軽量化と低公害化を図った。
 ただ、バッテリーの重さが一・五トンあり、一・二五トンしか荷物を積めない。価格も現段階では二千五百万円と現行のトラックの約十倍となった。さらに改良を重ね、九四年度から、三千台の実用化を目指す。この十三生協の使う配送トラックが約三千台、全国の生協を合わせると一万台にのぼる。今後、電気自動車の導入を他の生協にも呼び掛けていく。


灘神戸生協とコープかながわ(二都物語 横浜と神戸:40)
1991/01/21, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 1914文字

 ネギ、タマゴ、漬物……。買い物かごから夕食のおかずがあふれている。灘神戸生協のコープ六甲店食料品売り場。客の4、5人に1人がポリエチレン製の白い買い物袋を自宅から持ってくる。
     ◇
 縦約35センチ、横約25センチ。ポリエチレンの原料の石油の消費量、ごみを減らすのを狙いに、第2次石油危機に見舞われた1978年の春からこの買い物袋の再利用を呼びかけている。
 再利用する客には「再利用カード」を発行。客が袋を持参してくるたびにスタンプを押し、20回で100円割引する仕組み。同生協の145店舗で1年間に買い物袋が再利用される回数は延べ約1394万回(89年度)。スタンプによる割引制度で消費者がまけてもらったお金は約6974万円。原料の原油に換算すると、ドラム缶3万7800本分が節約できたことになる。
 今月9日午後、神戸市須磨区のコープ名谷店。北風が吹き抜ける入り口横に組合員の主婦西崎実枝子さん(62)ら5人が立ち、牛乳パックの回収を始めた。家庭で不用になったパックが次々と持ち込まれ、16箱の大型段ボールは2時間足らずでいっぱいになった。
 牛乳パック回収が本格的に始まったのは昨年8月。コープの店舗など74カ所で、月に1回から8回の割合で実施している。回収したパックは製紙業者に運んで古紙を利用したコープのトイレットペーパーに生まれ変わる。
 回収されたパックの量は昨年8月から12月末までの5カ月間で約45.2トンで、牛乳紙パック(1リットル入り)約135万6000本。高さ8メートルの立ち木に換算して約750本、ごみ処理経費約107万円が節約出来た。
 映画「洗う」。16ミリ、15分。合成洗剤を使った洗濯の排水が泡を立てて川を汚染している様子などを紹介し、粉せっけん利用を呼びかけている。
 1978年、灘神戸生協の組合員約30人が協力して作った。その1人、元同生協理事の近松文子さん(61)は映画を作る前、タオルを合成洗剤と粉せっけんで洗って比較した。合成洗剤のタオルは、ほっぺたに当てるとこすられるようだったが、粉せっけんのタオルはほっぺたをフワリとなでられるように感じた。「これなんだわ」と思った。
     ◇
 横浜市に本部があるコープかながわの舞岡店は昨年11月、同市戸塚区の住宅街に改装オープンした。
 入り口横にアルミ缶、スチール缶の圧縮機を置き、回収を呼びかけている。
 コープかながわが昨秋から始めた空き缶回収運動の第1号店だ。縦、横32センチ、高さ80センチのボックスに空き缶を入れてペダルをガチャンと踏むと、ぺちゃんこになって出てくる。1日に約160個の空き缶が投入され、20日間で90キロ分を回収。資源ごみとして再利用されている。
 コープかながわの牛乳パック回収運動は灘神戸生協より一足早く、昨年春に本格的に始まった。スタートから12月末までの9カ月間に101店舗で56トン(約224万本分)を回収。製紙会社に運んだ。
 「COOP」の文字の上に、緑色の葉がひるがえる。1989年1月につくったコープかながわのシンボルマークだ。組合員の投票で、緑と自然をイメージしたマークが選ばれた。同年6月、環境問題に詳しい大学教授、コープかながわの理事らでエコロジー研究会を結成。環境保全の取り組みをまとめた。
 昨年夏には、コープしずおかなど12の生協と共同でコープ電動車両開発会社を設立。いすゞ自動車と連携して無公害の電気配送トラックの開発を進めている。今月16日、試作車を発表した。
 「これまでは食品の安全性を追求してきましたが、90年代は地球の環境保全のために取り組まねばなりません」と、コープかながわの山岸正幸理事長(52)。灘神戸生協の竹本成徳組合長(59)も「環境保全は生協の最重要課題です」と話している。
 買い物袋再利用の取り組みはスーパーにも広がっている。その1つ、ダイエー(本店・神戸)は今月11日、神戸の三宮第1店や東北の秋田店など8店舗で試験的に始めている。
 <メモ> 生活協同組合は、消費者自身の事業活動によって暮らしの問題を解決しようとする運動団体。出資金を出して組合員になり、スーパーマーケット方式の物品供給などをしている。
 灘神戸生協は組合員99万5725世帯で、日本最大。1921年(大正10年)、キリスト教社会運動家賀川豊彦氏の指導で母体の神戸購買組合、灘購買組合が創立され、その後合併した。
 コープかながわは、組合員数79万余人で、首都圏最大。1946年(昭和21年)に創立。
 厚生省によると、全国の生協の数は1271組合で、組合員数は約3372万8000余人(89年度調査)。


生協、電気配送トラックを94年から順次導入へ
1991/01/18, , 化学工業日報, 11ページ, 有, 1010文字

 世界初の2トン積み電気配送トラックを生協が導入する。生協は環境保全を図るため、従来のディーゼルトラックに代わり、新開発の電気配送車を1994年から順次導入していく計画を16日、正式に明らかにした。
 この電気配送車は生協の子会社であるコープ電動車両開発(山岸正幸社長、資本金550万円)と、いすゞ自動車が1億5千万円をかけて開発したもの。都内のホテルで第一次試作車のデモ走行を行ったが、約135馬力で最高速度は時速110キロメートル。6時間の充電で100キロメートルを走行可能と高性能を誇っている。
 バッテリーはドイツのゾンネンシャイン社製、モーターは米国のGE(ゼネラルエレクトリック)社製、コントローラーは米国のセレック社製。
 試作車の価格は2500万円。量産ペースにのると「500万‐600万円にできる」(いすゞ)という。ちなみにディーゼル車だと約300万円。
 生協は1989年にCO‐OP EV技術検討委員会(座長・飯山雄次千葉大学教授)を設置。昨年7月にはコープ電動車両開発を設立して、配送トラックの電気自動車化を進めてきた。
 コープ車両は、コープかながわなど13生協が出資して設立したもの。現在の事業資金は2億7千万円強である。
 ナンバーを取得したばかりの第一次試作車にはエアコン(ヒーポンタイプ)、パワーステアリング付き。電気自動車の特性としてトルクが得やすいので、将来は2速ミッションで十分という。
 今後、第二次、第三次の試作車を経て1994年から実用化を図る。13生協で合計3千台の導入を考えているが、全国の生協で使用中の1万台の配送車すべてをゆくゆくは電気自動車としたい意向だ。今月末、千葉の幕張メッセで開催する生協組合員の会合(2千人近くが参加予定)でも、試作車のデモを行い、啓蒙に努める。
 いすゞ自動車は昭和45年に電動バスとハイブリッドエンジンバスを試作した経験をもつ。そのため「今回の試作車も1年で開発することができた」。ディーゼル車並みの動力性能と、女性にも扱い易い操作性を重視している。同社は地球環境安全対策委員会を設けるなど、環境保全には前向きな企業でもある。
 生協側では「既存ディーゼル車の価格の2‐3倍にまで下がらないと、電気自動車の大量導入は難しい」と、みている。環境保全に期待の大きな電気配送車だが「現時点で実用化のめどは立っていない」と、先行き不安な面も見逃がせないところだ。


いすゞ、電気トラックを開発――速度など実用水準に。
1991/01/17, , 日本経済新聞 朝刊, 13ページ, 有, 665文字

 いすゞ自動車と生協系のコープ電動車両開発(本社横浜市、社長山岸正幸氏)は十六日、二トン積みトラックをベースにした配送用電気自動車=写真=を開発したと発表した。最高速度や加速性能はほぼ実用水準に達したとしている。今後、走行試験や試作車の改良を重ね、九四年度から生協向けの配送用トラックとして実用化を目指す。同クラスの電気トラック開発は世界でも初めてという。
 開発したトラックは六ボルトの蓄電池を五十四個搭載、モーターを回して動力源とする。一般の電源からコードを接続して充電できるほか、ブレーキをかけた時の制動エネルギーの一部を回収する機能も付けた。最高時速は百十キロ、時速四十キロに達するまでの所要時間は八・五秒。通常の市街地の場合、六時間の充電で約五十キロ走れる。
 ただ、蓄電池の総重量が約一トンと重く、積載能力が小さいうえ、一キロメートル走行当たりの電力コストも約十三・四円と従来に比べ七―八円高い。開発費も一億五千万円投じており、これを車体価格に反映すると二千五百万円もする。
 このため、今回開発したトラックの走行試験や九一年度と九二年度にそれぞれ一台ずつ試作車を生産して改良を重ねる。実用化する九四年度には価格を従来のトラックの二倍程度の六百万―七百万円に抑えることを目指す。
 コープ電動車両はコープかながわ(横浜市)など十三の生協が出資しており、これら生協は合計約三千台の配送用トラックを利用している。コープ電動車両はこれら生協のほか、他の生協にも導入を呼びかける。一方、いすゞは一般向けに電動式トラック拡販を検討する。


いすゞとコープ電動車両、電動トラック開発――2トン積み級ベース。
1991/01/17, , 日経産業新聞, 8ページ, , 599文字

 いすゞ自動車とコープ系(開発参加生協)の電動車両開発会社、コープ電動車両開発(本社横浜市、社長山岸正幸氏、資本金五百五十万円)は電動式配送用トラックを共同開発した。二トン積み級のトラックをベースに電気で動くよう改良したもので、最高速度や加速性能はほぼ実用水準に達したとしている。今後、運行試験や試作車の改良を重ね、九四年度以降、コープ電動車両開発に出資している十三のコープに順次、供給することを目指す。同クラスの電動式トラックの開発は世界でも初めてという。
 開発したトラックは六ボルトのバッテリーを五十四個搭載、モーターを回して動力源とする。最高時速は百十キロ、時速四十キロまでの加速に必要な時間は八・五秒とそれぞれ実用水準に達しているという。充電は一般のコンセントからコードをつないでできるほか、ブレーキをかけた時に得る制動エネルギーを一部回収する仕組みになっている。このため通常の市街地の場合、一回の充電で約五十キロ走行できるという。開発費は一億五千万円、車両価格は二千五百万円。
 ただ、バッテリーの総重量が約一トンもあり、価格がまだ高いなどの難点がある。このため走行試験などを重ね、九一年度と九二年度にそれぞれ試作車を一台ずつ作り、九四年度の実用化を目指す。
 積載能力を現在の一千二百五十キロから二百五十―五百キロ程度引き上げ、価格も従来車の二倍程度の六百万―七百万円に抑えることを目指す。


生協といすゞが電動配送トラックを試作 94年度の実用化をメド
1991/01/17, , 朝日新聞 朝刊, 8ページ, 有, 703文字

 生活協同組合コープかながわを中心に全国13の生協が参加して設立したコープ電動車両開発と、いすゞ自動車の両社は16日、2トンクラスの配送トラックである電気自動車の試作車を完成させたと発表した。各生協が使う商品配送用の車両を大気汚染の心配がない電気自動車に切り替えようと、昨年4月にコープかながわがいすゞに発注していた。今回の試作車は性能面では実用に耐えられるが、バッテリーが大きいことや価格が高いことなどから、さらに改良を重ね、1994年度での実用を目指す。
 完成した試作車は、最高速度が時速110キロで、1回の充電で通常の市街地走行なら50キロの距離を走れる。停止した状態から時速40キロに加速するまでに要する時間は8.5秒で、こう配が30%以上の坂道も登れる。充電には6時間程度かかるが、配送車のため夜間に充電すれば、支障はないという。
 しかし、バッテリーが重さ1.5トンもあるため、2トントラックの仕様だが、実際には荷物を1.25トンしか積めない。またバッテリーが大きいため、地上から荷台までの高さが1.08メートルと高く、荷物の積み下ろしにやや不便。さらに価格が試作車段階では1台2500万円と現在の配送トラックの約10倍にもなる。
 バッテリーの改良や太陽電池との併用によって性能を向上させ、それと並行してコストダウンをめざす。両社は、91年度に第2次試作車、92年度に第3次試作車を完成させ、94年度から実用化する考えだ。この計画に参加している13生協が現在、使っている2トンクラスのトラックは約3000台、全国の生協では約1万台にのぼる。電気自動車への切り替えは、他の生協にも参加を呼びかける。


生協といすゞ、電気配送車試作 94年度の実用化めざす 【大阪】
1991/01/17, , 朝日新聞 朝刊, 11ページ, 有, 432文字

 大阪いずみ市民生活協同組合など全国13の生協が参加して設立したコープ電動車両開発と、いすゞ自動車の両社は16日、2トンクラスの配送トラックである電気自動車の試作車を完成させた、と発表した。各生協が使う商品配送用の車両を大気汚染の心配がない電気自動車に切り替えようと、昨年4月に生活協同組合コープかながわがいすゞに発注していた。今回の試作車は性能面では実用に耐えられるが、バッテリーが大きいことや価格が高いことなどから、さらに改良を重ね、1994年度での実用を目指す。
 完成した試作車は、最高速度が時速110キロで、1回の充電で通常の市街地走行なら50キロの距離を走れる。
 しかし、バッテリーが重さ1.5トンもあるため、2トントラックの仕様だが、実際には荷物を1.25トンしか積めない。さらに価格が試作車段階では1台2500万円と現在の配送トラックの約10倍にもなる。
 今後、バッテリーの改良や太陽電池との併用によって性能を向上させ、並行してコストダウンをめざす。


生協といすゞ自動車が世界初の電気配送トラックを試作 課題は電池の計量化
1991/01/17, , 毎日新聞 朝刊, 8ページ, , 608文字

 全国十三地区の生活協同組合で設立したコープ電動車両開発(本社・横浜市)といすゞ自動車は十六日、二トン積みクラスの小型トラックとしては世界初の電気配送トラックの試作車=写真=を開発した、と発表した。都市部で特に深刻化している自動車の排ガス問題と騒音問題を解消するのが目的。搭載する蓄電池の小型軽量化を進め、九四年の実用化を目指す。
 試作車は、百二十キロワットの直流モーター(百三十五馬力に相当)を採用し、最高時速百十キロまでの走行ができる。一回の充電(二百ボルトで六時間)による走行距離は、低速の市街地走行で五〇キロメートル、郊外での走行(時速四〇キロメートル程度)で百キロメートル程度。一キロメートル当たりの走行コストは、ディーゼルトラック並みの十三円前後となる。
 試作車一台当たりの価格は二千五百万円。従来の二トントラックの価格(二百万―三百万円)に比べ割高だが、「電気自動車はモーターの耐用年数が二十年程度と長く、従来トラック価格の二―三倍程度まで価格水準を下げられれば、電気配送トラックの商品競争力が生まれる」(いすゞ自動車)という。
 電気自動車は、ごみ収集車などですでに実用化されているが、従来のトラック並みの性能を持つのは、今回の試作車が初めてだという。
 ただ、この試作車は鉛蓄電池の重さが車の全重量(約五トン)の三割の一・五トンもあり、実用までにはこれを三分の二程度にまで小型軽量化しなければならない。


コープといすゞが2トン級電気配送トラックを試作
1991/01/17, , 東京読売新聞 朝刊, 6ページ,  , 148文字

 全国の十三生協で作るコープ電動車両開発会社といすゞ自動車は十六日、二トンクラスの小型トラックでは初の電気配送トラックの試作に成功したと発表した。
 試作車は五十四個の六ボルトバッテリーを搭載、一回の充電で五十キロの距離を走行でき、最高時速は百十キロ。加速、登坂も現在の配送車並みの性能を達成した。


いすゞと13生協、電気トラックの開発に成功−世界初、最高時速110キロ。3年後に実用化
1991/01/17, , 北海道新聞朝刊, 9ページ, 写, 715文字

いすゞと13生協、電気トラックの開発に成功−世界初、最高時速110キロ。3年後に実用化
 いすゞ自動車は十六日、生活協同組合コープかながわ(本部・横浜)など国内十三生協でつくるコープ電動車両開発(本社・横浜)と共同で、配送用の電気小型トラック(二トンクラス)の開発に成功したと発表した。電気自動車はすでに自治体向けのゴミ収集車などが一部地域で導入されているが、スピードや長距離走行が求められるトラックの電動化は世界でも初めて。今後、走行試験と試作を重ねながらコストダウンに努め、三年後の一九九四年度から量産、実用化に入る計画だ。
 この電気トラックは車体が通常の二トントラックと同じ大きさで、最高速度は時速百十キロ。百二十キロワットの高性能モーターにより一回の充電(六時間)で通常の市街地走行だと五十キロの走行が可能。排ガスを出さないうえ騒音も一般のディーゼルトラックの四分の一という静かさだ。家庭用二百ボルトからの充電が可能で、深夜電力を使えば、燃費は一キロ当たり十三円とガソリンとほとんど変わらないという。
 ただ、試作車は一台二千五百万円(通常のトラックは二百−三百万円)という高価格で、今後、量産化などによってどこまで価格を引き下げられるかが課題。いすゞは「耐用年数は従来のトラックの二倍以上の十数年まで延ばすことが可能」として、荷台の大きさやモーター、バッテリーの改良を加えながら当面は六百万円程度の価格帯を目指す考えだ。
 コープ電動車両開発に出資している十三生協が使用する配送用トラックは現在、三千台。札幌市民生協など他の生協(約六百組織)を合わせると一万台に上るといい、将来は他生協にも導入を働きかけていくことにしている。


電動配送トラック開発 いすゞとコープが共同 94年度までに実用化図る
1991/01/17, , 中日新聞 朝刊, 9ページ, , 459文字

 いすゞ自動車と、全国十三の生活共同組合で出資するコープ電動車両開発(本社・横浜市、山岸正幸社長)は十六日、生協の商品配達のため、世界で初めて二トンクラスの電動配送トラック=写真=の共同開発に成功した、と発表した。
 今後さらに改良を進め、一九九四年度までに排ガスを出さない低騒音の無公害車の実用化を目指す。
 同トラックは、いすゞの二トントラックのシャシー、ボディーなどをベースに、ドイツ製のバッテリーを搭載。運転席は普通のトラックと変わりないが、加速性能は発進から時速四十キロに至るまで八・五秒、最高速度は時速百十キロ、登坂能力も傾斜三〇度以上が可能。性能は現在の二トンディーゼルトラックより若干落ちるが、騒音は四分の一、という。
 一回の充電(六−七時間)で市街地だと約五十キロの走行が可能になるが、生協の配送車の配達エリアを考えるとこれで十分、としている。
 ただ、荷台の床下に置いたバッテリーが一・五トンと重いために、荷台スペースが縮小されるのと、車両価格が二千五百万円と高いために、今後さらに改良を進めていく方針。


☆電気で走る2トン・トラック、いすずなど2社が開発               
1991/01/17, , 西日本新聞朝刊, 8ページ, , 0文字

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コープ電動車両開発、いすゞ自動車、2トンクラスの電気トラックを試作。実用化へ
1991/01/17, , 日刊工業新聞, 15ページ, 有, 676文字

コープ電動車両開発(横浜市港北区新横浜二ノ五ノ一一、社長山岸正幸氏、電〇四五(472)七九一三)といすゞ自動車(社長飛山一男氏)は十六日、二トンクラスの電気トラック「EV2000」の試作に成功したと発表した。二トンクラスの電気自動車の試作は初めて。加速・登坂性能は現行の二トンディーゼルトラックと同レベルとした。
九一年度、九二年度それぞれ一台の試作を実施したうえで、九四年度以降、三千台の実用化を目指す。コープ電動車両開発は「生活協同組合コープかながわ」を中心に十三の生協が共同購入用配達車両(積載量一・五〜二トン)の電気車両化を目指し、設立した会社。いすゞ自動車と九四年度までの五年計画で実用化する共同開発計画を進めており、今回、その第一弾となる試作車が完成した。
第一次試作車は(1)バッテリー、モーター、その他の機器装置を荷台床下に収納、積載容積を確保した(2)新開発大容量モーターと五十四個の六Vバッテリーを三並列に搭載、コープ配送車として走行性能を確保した(3)減速および制動時にモーターを発電機として働かせ、回生制動によりバッテリーを充電、走行距離を延ばした―などが特徴。
バッテリーはゾンネンシャインの鉛電池「DF六V―一六〇」を、原動機には直流分巻電動機を採用、電源は二百V。走行性能は最高時速百十キロメートル、四十キロメートル加速性能で八・五秒、登坂能力で十七・七度のレベル。一充電走行距離は時速四十キロメートルの定地走行で約百キロメートル、通常の市街地走行で約五十キロメートル。二千五百万円で開発したが、最終的には六百万円にしたい考え。


クリーンです電気トラック−いすゞが試作車−生協の配送用に計画
1991/01/17, , 日本農業新聞, 3ページ, , 579文字

 空気を汚さず配達します――。生協と自動車メーカーが共同で開発していた電気配送トラックの第一次試作車が、十六日、一般に公開された。
 環境にやさしいくらしづくりに組織的に取り組んでいる生協では、共同購入に使われている配送トラックの低公害化が求められてきた。試作車は実運行による試験を重ね、一九九四年以降、三千台の実用化を目指す。二トンクラスの小型トラックの電気配送車は世界でも初めてという。
 電気配送トラックは、昨年七月、コープかながわが呼びかけ、十三の生協が共同参加して設立したコープ電動車両開発株式会社(以下コープ)と、いすゞ自動車が開発を進めてきた。
 第一次試作車は、二トントラック。一回の充電による走行距離は、時速四十キロ走行で約百キロ、通常の市街地走行で五十キロ。最高速度は百十キロで、「現行車と同等レベルの走行性能。走行距離もコープの配送車として必要十分」(コープ)。
 バッテリー、モーター、その他の機器装置はすべて荷台床下に収納し、積載容積を確保した。新開発の大容量モーターと五十四個の六ボルトバッテリーを三並列に搭載。バッテリーを収納するボックスなどはリサイクル可能なアルミ製にし、徹底した軽量化と低公害化を図っている。
 一九九四年に実用化を目指す五か年計画で、今後試作を重ね、現在、コープの配送用二トントラック三千台を電気自動車に切り替える。


いすゞ自動車とコープ電動車両開発、電動トラックを試作
1991/01/10, , 化学工業日報, 1ページ, , 470文字

 いすゞ自動車と生協の子会社であるコープ電動車両開発は、2トン積みクラスの電気配送トラックの試作車開発に成功、16日にデモ走行を行う。今後は量産化を目指し、1994年度から実用化を図るための5ヵ年計画も策定している。
 地球の環境保全を目的に、官民一体となって電気自動車などのガソリン代替燃料車の開発が推進されているが、ユーザー(生協)とメーカーが共同で開発にあたるのはめずらしいケース。また、今回試作された電気配送トラックは世界初となる。
 全国14の生協が開発費を出資し、同一車種3000台以上を使用する事業者の使用実態を踏まえて、仕様を設定している。
 トラック(とくにディーゼル車)のNOx(窒素酸化物)および黒煙排出量の削減は、地球温暖化や大気汚染防止の大きな決め手となる。トラックを頻繁に使用する大手小売り業者が自ら低公害車の開発に乗り出したことは、企業の環境保全に対する意識が急速に高まっていることを裏付けたといえる。
 また、「店舗用照明を太陽電池で賄うなどの努力も望みたい」(環境庁)と、行政側では一層のクリーン化を要求している。


電気スポーツカー、新型モデル続々開発中 "脱石油"今年は元年?
1991/01/04, , 朝日新聞 朝刊, 31ページ, 有, 932文字

 電気自動車がクローズアップされている。今年、生協の配送用に初めてテスト車が登場するほか、電力会社なども高性能のスポーツカーを相次いで開発、多様化も一段と進んでいる。環境庁が新年度予算の生活関連枠で目指した「電気自動車1000台」は実現しなかったが、130台分が認められた。1991年が「脱石油自動車」時代の元年になるか。
 コープかながわ(山岸正幸理事長、75万世帯)を中心とした13の生協は、コープ電動車両開発会社を設立し、いすゞ自動車と共同で、2トン級の電気配送トラックを開発した。走行テストを重ね、94年をめどに実用化を目指している。
 電動車両開発会社の内田敬之事務局長は「13生協だけでも配送車は3000台、全国では1万台にのぼる。実用化できれば、マーケットとして十分成り立つ」と期待する。
 横浜市では、すでに電動の清掃車が3台走っている。1日に走行できるのは7、80キロ程度だが、性能には問題ないという。「ゴミの焼却熱で発電しているので、充電の電気代がいらない」と環境事業局。改良を重ねながら、今後も積極的に増やしていく。
 東京都は来年度、電気自動車28台を無料で民間の牛乳店や米穀店などに貸し出す計画をたてている。
 1年程度利用してもらい、モニターとして性能などを報告してもらうとともに、電気自動車の普及を進める作戦だ。
 一方、高性能のスポーツカー第1号は、昨年6月、環境庁が開催した「低公害車フェア」でお目見えした。新日鉄と自動車開発会社のアールアンドデーの共同開発。新素材で車体を軽くし、4輪それぞれにモーターをつけて効率を高めた。最高速度は110キロ、1回の充電で240キロ走る。
 続いて、今年は東京電力がやはりアールアンドデーと共同で、さらに高性能の車を開発、秋の東京モーターショーに出展する。最高速度180キロ、1充電走行500キロを目指す。
 環境庁によると、国内では現在、自治体の公害パトロール車や電力会社のサービス車などとして、約850台の電気自動車が走っている。しかし、この程度の需要では製造コストが安くならず、普及の障害になっている。
 環境庁は新年度予算で認められた130台分を突破口に、需要拡大の呼び水になる政策を展開したい考えだ。


価格凍結宣言の「責任」と「戦略」、コープかながわ、半年間、200品目。
1990/11/13, , 日経産業新聞, 32ページ, 有, 1893文字

 十月から半年間、値上げはしません――。人手不足による人件費や物流費の高騰に加え、中東湾岸危機による原油高により、産業界に値上げの動きが広がっている。そんななか、コープかながわ(本部横浜市、理事長山岸正幸氏)は、食品を中心とする二百品目について半年間の価格凍結宣言をした。消費者向けには「生協の社会的責任」を第一の理由に挙げているが、そこには激化する販売競争を勝ち抜くため顧客獲得をねらう戦略が見え隠れする。
 コープかながわが価格を据え置くのは、十月三日から来年三月十九日まで。対象となるのは食パン、牛乳、トイレットペーパー、サラダ油、マヨネーズ、しょうゆなどだ。「生活応援・プライス200」と銘打ち、ユーコープ事業連合をともに組織するコープしずおか(本部静岡市、理事長上田克己氏)と、協調して運動を展開する。
 「中東湾岸危機が、十七年前の第一次石油危機の時のようなパニックを引き起こすのは避けたい。生協の社会的な責任として、消費者の買いだめ行動を抑制する必要がある」と山岸理事長は、当時商品担当役員として苦労した思い出話を交えながら説明する。
 コープかながわは、今回の価格据え置きで圧縮される利益をとりあえず二億円とみている。もちろん実際は情勢がどう推移するか分からないので、どれだけの利益が失われるか正確には予測できない。
 ただ、価格据え置きの対象となるのは、すべて生協独自の「コープ」ブランド。コープかながわなど生協が業者に生産を委託している商品だ。「メーカーに"付き合い"をお願いしている」(山岸理事長)と、原価の値上げ抑制を求めている。そのうえ、扱い品目も必需品とはいえ、二百品目に限っており、小型店舗でも約九百品目の品ぞろえがあるので、実行可能な範囲と考えているようだ。
 今の時点で、一般メーカー製品で五百グラム三百四十八円のマヨネーズは、生協ブランドで百九十五円、また、一般メーカー製のサラダ油千五百グラムが六百二十八円するところ生協ブランドは三百十八円と差が開いている。
 コープかながわは、価格凍結を宣言する時に、取り組みの基本的な考え方を三つ挙げた。一つは山岸理事長の説明にあるような「インフレの防止」だ。二つ目には「組合員の利用を高める運動を進める」、三番目は「地球環境の保全が課題となっており、エネルギー多消費型の経済、くらしの見直しとそのための商品開発」が挙がっている。
 組合員の利用については、組合員の増加率ほど供給高(一般小売店の売上高に相当)が伸びていない。それゆえ一人当たりの利用高がここ数年続けて減っている。八五年に組合員一人当たりの利用高が年間二十万六千七百円だったのに対し、八九年は年間十六万九千四百円と二割ほどの減少だ。
 「月々の一世帯の食料品などに対する支出は七、八万円だがら、組合員でもまだまだ生協を一〇〇%活用していない。今回の値段据え置きで利用が増えれば、生協にとってプラスだし、コープブランドの良さも分かってもらえる」と山岸理事長は組合員の利用増加による実質的な顧客の拡大を期待している。
 コープかながわは価格政策だけでなく、環境問題の切り口からも、生協の社会性をより強く打ち出すことで、他の小売店と差別化することを狙っている。もともと値段の据え置きにはインフレ防止という「社会性」があるが、これとは別に、コープかながわは、消費生活の改善による地球環境保全を訴えてきた。
 従来、コープかながわは生協として地球環境問題に積極姿勢を見せることで、生協としてのアイデンティティーを打ち出そうとしてきた。昨年六月にコープしずおかとともに「エコロジー研究会」を作り、学識者らを委員にして、「商品には事前の環境チェックをする」「牛乳パックの回収システムを作る」などの答申を今年の八月に受けている。
 また全国十二の生協と共同で「コープ電動車両開発株式会社」を設立、来年初めには米国で、CO2(二酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)を排出しない、電気自動車の試作車を完成させる。
 コープかながわがこの時期、次々に新たなマーケティング戦略を打ち出したことは、裏返せば、やはり生協自体の在り方が、他の小売店とどう違うのかが曖昧(あいまい)になっていたことを表している。ここにきて小売業界は、大規模小売店舗法(大店法)の運用緩和など規制緩和が進みつつあり、今後の競争激化が予想される。
 コープかながわの「価格凍結宣言」の裏には、この競争に生き残るため物価上昇や環境保護に力を入れる生協という社会性の高さを宣伝することで、他の小売店と差別化しようとする戦略がある。


コープ電動車両開発内田敬之氏――配送用電気自動車、生協以外にも拡販(現地直送)
1990/11/08, , 日経流通新聞, 11ページ, 有, 292文字

 ▽…「安全なコープ商品を運ぶ車が排ガスを出して自然破壊をしていては本末転倒。共同購入配送車の電動化はここに意味がある」と話すのはコープ電動車両開発の内田敬之事務局長。協同購入の配送用に電気自動車の開発を手掛けている。九四年の実用化に向けて試作の段階だ。
 ▽…「自動車ができても、実際に利用してもらわないことには」と拡販にも力が入る。計画に参画しているコープかながわなど生協の十一事業体で約二千八百台の需要が見込めるが、それでも商業ベースには乗りにくい。現在、全国の生協で配送用の自動車の需要は約一万二千台。「これらを取り込むほか、生協以外の利用をどう促進するかが課題」と話している。


旗振り役 山岸正幸さん(キーパースン 神奈川の顔:4)
1989/10/18, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 有, 1122文字

 独自開発に挑戦 「コープかながわ」理事長<50歳>
 このごろ、何かとユニークなことをやり始めた。電気自動車の独自開発計画をぶち上げたり、老人問題の国際シンポジウムを開いたり。
 生活協同組合といえば、これまでなら安全食品運動や共同購入と、専ら「よりよいものをより安く」のイメージだが、そこから、一歩踏み込んだ。旗振り役が、この人。県内152店、組合員約75万人のリーダーだ。昨年の取扱高1282億円は、県内に本社を置く流通業で第2位。並のデパートをしのぐ。
 「だからこそ、新しい挑戦です。現状にあぐらをかいていられません」。小柄な体に力が入り、卵形の童顔がキュッと引き締まる。
     *    *
 生協活動に入った理由が、ふるっている。慶応大経済学部の学生時代、「生協の役員になれば手当が出る」と聞いたから、とか。本当に、福井県の家から毎月来る仕送りに近い額をもらった。「実は、運動の理念にかられたためではないのですよ」と、屈託なく笑う。やがて本や文房具中心の大学生協では飽き足らなくなり、1968年に当時の横浜生協へ。性格は一見、合理的、実利的だ。
 同生協は6店しかなかった。「小さすぎてはダメ。世間からも変わり者視されかねない。内部で言っていた『サンショは小粒でも……』が、負け惜しみに思えてならなかった」。以来、規模拡大へひた走った。
 年商はいま、当時のざっと160倍。これが企業なら、現在全盛期とも映る。が、山岸さんは「むしろ停滞期かも。ここを飛躍への踊り場にできるかどうか」と、正反対のことをいう。
     *    *
 成長の原因は、安全食品運動や産地直送の試み、運営への参加などを通じて主婦に社会活動の場を提供したこと。ところが、いまや、一般スーパーでも「無農薬野菜」や「産直品」が売られる時代。かつて生協運営に走り回った主婦の多くが50歳を超えた。「スーパーとどこが違うの」と問う消費者の声が次第に広がりつつある。
 ここで新しい方向性を出さなければ、と山岸さんは思っている。その試みが、公害のない電気カー開発や老人問題への取り組みだ。
 ふれ合いを求めて、横浜博覧会(YES89)へも出展した。
 この山岸路線には、反対論もなくはない。「リスクを考えて企業が手を出さないからこそ、私たちが」と、50歳を過ぎて、生来の合理性とはちょっと違う夢を描くようになった。
 「モットーは有言実行ですよ。とにかくやってみる。時代に遅れないために、かっこうにこだわる場合じゃないね」
 不器用を自認。ゴルフはできず、泳ごうにも金づち。4年前にはたばこもやめた。あふれ出るエネルギーを、ひたすら新機軸の開発に注入している。
 (文と写真 高橋俊一記者)


第3部新文明を迫る環境秩序(2)緑の生涯教育(地球号のSOS)
1989/10/14, , 日本経済新聞 朝刊, 1ページ, 有, 1725文字

 琵琶湖の湖面をほぼ毎日、小学生のにぎやかな声に包まれた船が走り回っている。船の名前は「湖(うみ)の子」。滋賀県が県内の小学五年生全員の体験学習のために建造した。乗船するのは一回に百五十―百八十人。琵琶湖に浮かぶ船としては最大である。
 一泊二日の体験学習で目玉となっているのが環境教育だ。湖水をくみ上げてその汚れやプランクトンを調べさせ、環境問題への関心を育てている。
 滋賀県は小・中・高校生向けに環境教育の副読本もつくり、小学四年生以上に年間十時間を環境教育に充てている。
 「体験学習は環境保護を理解させるとともに、子供を通じて親にも環境保護の重要性を認識させるのが狙い」と、同船を管理する県立びわ湖フローティングスクールの黒川博史所長は話す。
 社会人の環境教育なども手掛けている日本環境協会の日下部甲太郎専務理事は「日本人は知識を覚え込むのは速いが、行動に移すのは外国人に比べて遅い」と指摘する。なかなか行動が伴わないというのである。
 欧米では日本と対照的に、市民が自主的に自然や環境の保護団体を設立し、積極的に活動している例が多い。
 その一つ、米国の自然保護団体「コンサベーション・インターナショナル」は、昨年ボリビア政府との間で「債務・環境スワップ協定」を結んだ。ボリビアの対外債務の六十五万ドルを引き受け、代わりにボリビアの約百六十万ヘクタールの土地を、自然を守るための保護区とするという内容だ。
 大きな環境保護団体は数十万―百万人以上もの市民に支えられている。政府や自治体、他の団体などからも膨大な活動資金が寄せられるので、こうした協定が結べる。欧米では市民の多くが何らかの団体に参加しており、団体は環境教育の場であると同時に行動の場にもなっている。団体活動を通して市民はエコロジカルな生活スタイルを身につけていく。
 森林を大切にする意識が強いスウェーデンでは、林野庁が出している森林保護のパンフレットが家庭や小・中学校で引っ張りだこだという。自然保護の意識を子供のころから根づかせる努力も活発だ。
 オーストリアのアルプス地方、ザルツブルクなどでは女性は母親から花づくりのコツを学ぶことが伝統になっている。山岳リゾート地の道沿いに並ぶ民家の窓辺はどこも四季折々の花で飾られ、美しい町並みをつくり出している。
 日本でも、環境を考える会や守る会といった団体が次々とできている。だが、どの団体でも会員がなかなか増えないのが悩みの種。日本は環境教育も政府主導で、国民も政府に頼る傾向が強い。海外から注目されるほど日本の教科書は環境問題を積極的に取り上げているが、行動としては根付いていない。
 ただ、日本に各国の関心を呼ぶ活動がないわけではない。
 静岡県と神奈川県の両生活協同組合は、配送用に使っている二トンディーゼルトラックを二年後から順次低公害の電気自動車に切り替えていくことを決めた。世界でも例のない試みである。山岸正幸コープかながわ理事長は「環境を守るためには経済性にこだわってはいられない」と話す。
 熊本県は緑を「創(つく)る」「守る」「広める」という三本柱を掲げ、全県を公園のように快適できれいにしようと「緑の三倍増計画」に取り組んでいる。公共事業で建設する施設などは、建設費の三%をメドに緑化に充てている。
 環境保護のカギを握っているのは一人一人の意思と行動である。人々の行動が企業活動や産業構造のあり方を、環境を守る方向へと変えさせることもできる。環境保護を単なる知識として終わらせないためには、幼児から大人までの生涯教育が重要になっている。 (地球環境取材班)
 総理府が二月にまとめた「環境保全活動に関する世論調査」によると、環境問題への対策について「経済構造や生活様式全体の改善が必要」という回答が五四・三%も占めた。生活スタイルなどの改善が環境問題解決の重要なカギを握っているという認識は強い。
 だが、フロンガスを使ったスプレーなど環境に良くない商品の購入について「良くないとは思うが、やむを得ず買うこともある」が五〇・八%、「あまり気にしないで買っている」が二三・三%と、買う人が七四・一%も占めており、行動が伴っていない。


コープかながわ・山岸正幸理事長(アセスメント)
1989/09/29, , 化学工業日報, 10ページ, , 366文字

 〇…電気自動車は、黒煙を出さない″低公害車″として今後普及していくことが予想されるが、配送用電気自動車の開発に生活協同組合が取り組むことになった。コープかながわ、コープしずおかの両生協がその推進者。コープかながわの山岸正幸理事長は「当面2億円の投資で四台の電気自動車を製作、実験を進めていきたい」という。生協が電気自動車を採用することは、それだけクリーンイメージを消費者に与える可能性がある、ということか。
 〇…電気自動車が普及するためには登坂力、走行距離、スピードなどいろいろ改善していかねばならないが、「登坂力にについては12%、走行距離も80−100キロメートル、スピードも時速60−80キロぐらいは出せるとの報告を聞いています。しかし何といっても支援システムを確立することが難しい」といい、充電所の設置が最大のネックとか。


電気自動車開発めざす 神奈川と静岡の2生協、2年後に試作車
1989/09/26, , 朝日新聞 夕刊, 19ページ, 有, 807文字

 神奈川県と静岡県でそれぞれ生協活動を展開している「コープかながわ」と「コープしずおか」が共同で電気自動車の開発に乗り出すことになった。配送のトラックを電気自動車に切り替えることで、騒音、排ガスの減少をはかりたい、というのが目的。2年後には試作車を運用できるようにし、将来は配送車すべてを電気自動車に切り替えたい、としている。
 「コープかながわ」は75万人、「コープしずおか」は20万人の会員を持っている。配送のトラックは2トン車を中心に2組織で約350台にのぼっている。「健康のために体に良い食べ物、を考えていけば、その原点として環境保全にも心掛けなければ」という。このため、無公害の電気自動車の開発に乗り出すことにしたもの。
 自動車業界や関係省庁、東京電力などのメンバーによる技術検討委員会を設け、車の性能などを詰めていく。当面の予算は2億円。実際の技術開発は自動車会社に委託するが、すでに4社から受託の申し入れがきているという。
 電気自動車に求める能力は、2トン車で、1回の充電で80―100キロを走れ、12度の坂を30キロのスピードで上ることができるなど。来年秋には第1次試作車を、2年後には第2次試作車を作り上げ、運用に入りたい、としている。
 電気自動車の普及を図っている環境庁によれば、現在、国内の一般道路を走っている電気自動車は約600台。大半が軽キャブ車で、PRと試験を兼ねて電力会社や自治体の連絡車などに使われている。大型車は少なく、1.8トンのゴミ収集車が2台、横浜市で使われている程度。
 「コープかながわ」の商品本部長で、検討委員会事務局長の子守秀夫さんは「配送車は1日の走行距離が予測でき、ゆっくり走り、停車回数が多いのが特徴。配送基地を充電基地にできるし、電気自動車に切り替えるにはもってこい。成功すれば、全国で6500台といわれる各生協組織の配送車へも採用を呼び掛けたい」といっている。


コープかながわ・コープしずおか両生協、電気自動車導入を検討へ
1989/09/22, , 化学工業日報, 11ページ, , 941文字

 コープかながわ、コープしずおかの両生活協同組合は、配送用電気自動車(2トン積み)の研究を進めるため、電動車輌技術検討委員会を発足させた。同技術検討委員会では、両協同組合から2億円の資金を受け、90年秋をめどに第1次試作車を、さらに91年秋をめどに2次試作車を完成させ、現在走行中の350台の配送車を逐次、電気自動車に代替していく方針。
 コープかながわ、コープしずおかは「ふれあいとあたたかさのある平和な地域づくり」をビジョンとするコープの長期計画を、また88年春にはCI計画を導入し「人、社会、自然の調和のある社会」をテーマとして掲げた。
 これらのテーマと研究の具体化の一環として、今年6月「エコロジー研究会」(座長・寄本勝美早大教授)、7月「エネルギー研究会」(座長・小出昭一郎山梨大学長)を発足させ、地域と地球環境の悪化に対して、どういうことができるかの討議を進めている。
 この結果、実現可能な分野からの取り組みの一つとして共同購入配送車を電気自動車に切り替える研究を開始することになった。
 このため、専門的な技術研究と検討のため「CO・OP−EV技術検討委員会」(座長・飯山雄次千葉工業大学教授)を設置した。
 この「CO・OP−EV技術検討委員会」には環境庁をはじめ行政関係、東京電力および財団法人日本電動車輛協会がメンバーとして参加、資金2億円で90年(1次)、91年(2次)秋までに実用化のための試作車を自動車メーカーの協力により製造する方針。
 電気自動車は、ガソリン車やディーゼル車と異なり公害のない車として注目されているが、走行距離が短く、支援システム(電気の充電場所など)が確立されていないなどネックがあり、ほとんど普及していないのが実情である。
 一方、共同購入配送車は現在ディーゼル車が使用されているものの、ディーゼル車は黒煙を大量にまき散らし交通公害の原因の一つにあげられている。コープかながわ、コープしずおかの両生協では毎日350台のディーゼル車を使用しており、これらが電気自動車に代替されることにより、自動車公害の一つは多少解消されるほか、全国で6500台もある共同購入車が逐次、電気自動車に代替されることで、消費者に清潔な感じをアピールしたいとしている。


コープかながわコープしずおか、配送用に電気自動車開発へ
1989/09/16, , 電気新聞, 1ページ, , 409文字

「コープかながわ」と「コープしずおか」の両生協は一四日、配送用電気自動車(二トン車)の開発に着手する、と発表した。来年秋に第一次試作車、九一年秋に第二次試作車を完成させる計画。このため「CO・OP−FV技術検討委員会」(座長=飯山雄次千葉工大教授)を設置、専門的な技術研究を進める。同委員会は一五日に初会合を開く。
両生協で現在使用している二トン以下のトラックは三五0台、全国の生協を合わせると約六五00台に達する。これらを電気自動車に切り替えることで地域環境の保全を図るため、二トン車の研究開発をスタートさせることにした。
九一年秋の第二次試作車完成までに、両生協で約二億円を投入する考えだ。
CO・OP−FV技術検討委員会では、トータルデザイン、ユニット別仕様の検討などを行う予定。一次試作車の路上走行テストを完了時点まで、月一回定例で開く。メンバーは環境庁、通産省など行政関係と東京電力、日本電動車両協会で構成される。


神奈川・静岡、生協が電気自動車――配送用、来秋に試作車。
1989/09/15, , 日本経済新聞 朝刊, 34ページ, , 622文字

 神奈川県と静岡県の生活協同組合が十四日、配送用に利用している二トントラックを順次低公害の電気自動車に切り替えていくと発表した。来年秋を目標に試作車を開発し、平成五年をめどに両生協の合計三百五十台のトラックを電気自動車に代える方針だ。地球環境問題に対処したもので、大手自動車メーカーも開発に参加する意向を示しているという。
 電気自動車への転換を打ち出したのはコープかながわ(横浜市、山岸正幸理事長、出資金百七十二億円)と、コープしずおか(静岡市、上田克己理事長、出資金二十九億円)の二生協。
 十五日に電気自動車技術検討委員会(委員長、飯山雄次千葉工業大教授)を発足させ、試作車の開発に乗り出す。これまでに固まった計画によると、開発するのは現在の二トン級の配送用トラックに相当する車。
 一回の充電で約八十キロメートルを走れれば配送にほぼ間に合うため、この性能達成を開発目標としている。
 パワーの面では百メートルにつき十二メートルのぼる急坂も時速三十キロで走れるようにする予定だ。両生協は試作車の開発費約二億円を見込んでいる。
 両生協は、現在のガソリンや軽油を燃料とする配送車が、地球温暖化の原因となる炭酸ガスや大気汚染物質の窒素酸化物などを放出していることを重視、これらの排ガスを出さない実用的な電気自動車を自主的に開発、利用することにした。
 開発プロジェクトには、トヨタ自動車、日産自動車、ダイハツ工業、いすゞ自動車が応札を準備しているという。


配達は無公害で−−神奈川、静岡の生協が電気自動車開発へ
1989/09/15, , 毎日新聞 朝刊, 26ページ, , 692文字

 「地球環境保全は自分たちが使っている車から」と、横浜、静岡の二つの生協が二億円かけて無公害の配達用電気自動車の開発に乗り出すことを決め十五日、「CO−OP−EV(電動車両)技術検討委員会」を発足させる。
 この生協は「コープかながわ」(本部・横浜、山岸正幸理事長、組合員七十五万人)と「コープしずおか」(本部・静岡市、上田克己理事長、組合員二十万人)。両組合で計三百五十台の二トンディーゼルトラックを配達に使っているが、組合員から「ディーゼル車は窒素酸化物を多量に排出、空気汚染につながっている。それを使用するのはどうか」との批判が相次いだ。そこで無公害の電気自動車に目をつけた。しかし、国内の一般道路で使われている電気自動車は、電力会社のサービスカーや自治体の広報車など六百四十台程度。登坂力が弱いなど配達トラックとして十分使える車種がないため自力開発することにした。
 「技術検討会」は、飯山雄次・千葉工業大教授を座長に、通産省工業技術院や東京電力の研究者らがメンバー。二億円かけ平成三年秋までに試作車を完成、四年春には実用化する。開発はメーカーに依頼、一二度の坂を時速三〇キロで登り、一回の充電で八〇キロ走れる車を作るのが目標。飯山座長は「いままでは電気自動車を開発してから使途を考えていた。使用目的、走行エリアに基づいて開発されるのは初めて」と話している。
 山岸理事長は「開発に失敗すれば二億円は無駄になる。だが、地球環境を守るためには経済的合理性にこだわっているわけにはいかない。全国の生協では六千五百台が配達用に使われており、他の生協にも利用を呼びかける」と意気込んでいる。


[おあしす]「コープかながわ」と「コープしずおか」が電気自動車の共同開発へ
1989/09/15, , 東京読売新聞 朝刊, 31ページ,  , 257文字

 ◇…横浜市の生協「コープかながわ」と、静岡市の「コープしずおか」が、配送用の電気自動車の共同開発を決め、きょう十五日、飯山雄次・千葉工業大教授を座長に検討委員会をスタートさせる。
 ◇…計画しているのは配送用の二トントラックで、一・五トン以上の電気自動車の開発は世界でも初めて。来年秋と二年後に試作車を作る予定で開発費は約二億円。
 ◇…「これからの生協は、地球環境の問題までをも考えていきたい」との発想から生まれたもので、うまく行けば、両生協が持っている三百五十台の配送車を順次、この電気自動車に替えていくという。


低公害車の開発へダッシュ(経済スコープ)
1989/08/28, , 朝日新聞 朝刊, 9ページ, 有, 4614文字

 めざす環境浄化 燃料は?エンジンは?コストは?
 石油危機以降、先を争うように研究に手がつけられたものの、石油需給の緩和から、自動車メーカーの研究所の片隅に追いやられていたメタノール車などの「代替燃料車」に、再びスポットライトが当たっている。地球環境の汚染浄化が世界的なテーマとなってきたためで、今回は省エネというよりも、「低公害車」としてのカムバック。環境浄化を新政策の旗印に掲げる米国ブッシュ政権は、早くも低公害車の普及目標台数まで示した法案を議会に提出し、導入に本気だ。これをきっかけに、日米の自動車メーカーとも、新技術開発競争にアクセルを踏み込んだ。走り出した低公害車の「現場」を、日米に見た。
 ●日本 本命はメタノール、お家芸の技術投入
 茨城県つくば市。科学万博会場跡地のすぐ北にある通産省系の財団法人、日本自動車研究所の主席研究員、金栄吉さん(51)の愛車は、マツダのキャブオーバー型バン「ボンゴブローニイ」だ。車体やエンジンの外観、乗り心地は、町を走る普通の車と全く同じ。燃料タンクを満タンにして走れる距離が、普通の車より4割ほど短いのが、ちょっと違う。
 この車は、ガソリンでなく、ガソリン15%、メタノール85%を混合した「M85」で走る。通産省資源エネルギー庁が第2次石油危機後の1980年から始めたアルコール燃料用自動車の研究開発で、今年3月から自動車メーカー8社が試作した実用メタノール車12台のうちの1台。走行試験中なのだ。
 事業はもともと原油価格高騰を切り抜けるための代替エネルギー開発として始まった。その後、石油情勢が変わり、パッとしなかったが、この6月、米国が大気浄化法改正案を発表、低公害性がにわかに脚光をあびた。自動車の安全性などどちらかといえば地味な仕事が多い同研究所は、今や注目の的。新車が次々と送り込まれ、今後3年間で5万キロを走らせ、耐久性や信頼性についてデータを集める作業が始まった。
 メタノールは、低温でエンジンがかかりにくい。これをカバーするためガソリンを混合する。このための燃料センサーや、混合燃料用のエンジンの開発がカギのひとつ。また、ガソリンよりも腐食性が強いため、燃料タンクの改良も必要だ。
 低公害の代替燃料の中で、メタノールが本命視されるのはなぜか。金さんはいう。「技術的にみると、既存のエンジンの機構がそのまま使え、新しい製造設備もいらない。メタノールが、天然ガスや石炭など原油以外の資源から作れるのも大きな理由だ」。もっとも、日本の研究開発は、欧米に比べ、遅れているといわれる。しかし、これについても金さんは「欧米は確かに商品化の段階に進んでいる。しかし、メタノール車にしても、結局はエンジン技術。日本の抜群の自動車技術をもってすれば、心配することはありません」と自信をみせる。通産省の研究所を軸にした日本お家芸の研究開発のアクセルは、しっかり踏み込まれた。
 ただ、参加メーカーからは、いくつか疑問も出ている。「アルコールが分解するときに出るアルデヒドの健康への影響がはっきりしていない。それに、メタノールは活性が強く、燃料パイプなどを腐食させると火災の恐れもある」(和田英次郎・トヨタ自動車技術部主査)「エンジンはできても、メタノール燃料の供給体制の整備はどうするのか」(山木勝・本田技研工業認証部長)などといった意見だ。
 コスト面での問題もある。通産省とは別に5年前からトラック、バスなどディーゼルエンジン車のメタノール燃料化を研究している運輸省と小松製作所の共同試験がそれを物語る。近畿圏の廃棄物海面埋立計画「大阪湾フェニックス計画」で11トン積みメタノールトラックの試験をしたところ、車両単価がディーゼル車に比べ約25%高くなるだけでなく、燃料費もやや高くついてしまったのだ。同省運輸政策局エネルギー対策室の和迩健二専門官は「燃料は、メタノール市場が確立すれば下がる。しかし、腐食を防ぐなど、車両製造や保守のコストは増えるだろう」とみる。
 課題はいろいろある。しかし、低公害車の開発は、企業イメージの向上につながる。企業は、これまでの無関心がウソのように、メタノール以外でも、低公害車開発に熱を入れ出した。電気自動車では、中部電力を幹事社として東京、東北、関西、九州の各電力会社が、改良型鉛電池を使った小型バンタイプ車の共同開発に乗り出した。天然ガス自動車では、5年前から走行試験を行ってきた東京ガスに続き、東邦ガスも今月23日から市中走行試験を始めた。本命のメタノール車か、そのほかの低公害車なのか、開発レースは第1コーナーにさしかかっている。(遠藤健記者)
 ●米 バス・公用車に導入、大量生産なお慎重
 デトロイト市郊外に広大な敷地を持つゼネラル・モーターズ社(GM)の技術研究所。その一角に、5台のメタノール車があった。「乗り心地を試してみませんか。日本のジャーナリストは初めてですよ」。広報担当者が、青灰色の1988年型シボレー「コルシカ」を指さす。
 ドアに描かれた白と赤の帯が、この乗用車がメタノールとガソリンの混合燃料で走ることを示す。速度計の下部にメタノール濃度の表示器。助手席で担当技師のデービッド・ブラウンさんが「メタノール85%、ガソリン15%の混合比率を保ちながら走るよう、センサーが組み込まれています。表示器で、適正な混合状態を確認するんです」と説明する。
 GMが昨年初めに開発したメタノール車20台を、今年2月、カリフォルニア州政府が購入し、公用車として使い始めた。まだ実験段階。だが、「ガソリン車を上回る乗り心地」と、ブラウンさんは自慢げだ。米国とカナダの学生チーム15組が参加、GMと米エネルギー省共催のデトロイト―ワシントン「メタノール・マラソン」も開かれた。そのデータも改良の参考になっている。
 メタノール車でハイウエーを走った場合、1ガロン(3.785リットル)当たりの走行距離は19.5マイルと、ガソリン車(34.4マイル)の半分そこそこにすぎない。消費者にとっては維持費がぐっと割高になる。「技術的には良い車ができても、ユーザーが買ってくれるかどうか。メタノール車の大量生産に踏み切るのは、その見極めをつけてから」と、ブラウンさんはまだ慎重だ。
 コネチカット州に本社を置く宅配企業、ユナイテッド・パーセル・サービス社は、今月中旬から天然ガス車を使い始めた。ニューヨーク市内を走る宅配用トラックのうち10台を、ブルックリン・ユニオンガス社に改造してもらった。「メタノール車に比べて、燃料の補給が簡単」と、同社は採用の理由を説明する。
 ロサンゼルス市の公共交通機関であるRTDも、6月からメタノールバスの運行を始めた。現在は17台だが、9月末には30台に増やす。将来は200数十台をすべて低公害車にとりかえる計画で、「導入は成功を収めつつある」という。実用化のスタートは順調のようだ。(小此木潔特派員)
 ●業界は有利な条件求めロビー活動
 今年7月、ブッシュ大統領が大気浄化法の改正案を正式に発表する3日前、GMのスミス会長、クライスラーのグリーンワルド副会長、フォードのギルモア副社長の3人が、スヌヌ大統領主席補佐官を訪ねた。「経済と大気浄化効果との均衡のとれた法律を求めるため」だったという。効果があったのか、最終案は6月の当初案より排ガス規制が緩和されたものになった。
 米国の自動車業界は、低公害車の導入をめぐって、できるだけ有利な条件を作ろうと狙っている。政府案は低公害車導入の目標台数の規定があるだけで、方法論には踏み込んでいないからだ。
 「1台当たり300ドル以上も割高になる車を消費者に買わすことはできない。政府の促進策が必要だ」(フォードのワシントン事務所政策担当者)、「もう少しテスト計画がほしい。メタノールやエタノールだけでなく、最近アルコ社が開発した低公害のガソリンもある」(GMのワシントン事務所広報担当者)と、メーカーはいずれも慎重な姿勢を口にする。
 「年間100万台もの低公害車をどうやって生産させるか、それにどうやって燃料を供給するか、またそれを買う消費者をどうやって見つけるか、どの問題もこれから。夏休み明けからのロビー活動は激しさを増すだろう」と、大気浄化法の審議をする議会関係者の1人は予想する。同法の審議は9月初めの公聴会で本格化する。(高成田享特派員)
 <米大気浄化計画と自動車> ブッシュ大統領が発表した大気浄化法改正案の骨子は、(1)二酸化イオウ(SO2)と窒素酸化物(NOx)を減らすことにより酸性雨の改善をはかる(2)一酸化炭素とオゾンを環境規準に適合させるとともに、工場や自動車が排出する発がん性物質を抑え、都市大気汚染を防ぐ――の2点。なかでも、呼吸器疾患を減らすため、ニューヨーク、ロサンゼルスなど9都市で、メタノールなど代替燃料で走る自動車を95年に50万台、96年に75万台、97年以降100万台販売を義務づけている。
 日本でこのような法律が制定される動きはまだないが、米国に年間300万台もの自動車を輸出しているほか、現地生産も増やしている日本メーカーにとっても、低公害車の開発が大きな課題となってきた。
 地球環境を悪化させている物質の排出量のうち、自動車が原因になっている割合をみると、NOx44%、一酸化炭素(CO)60%、炭化水素(HC)40%、二酸化炭素(CO2)7%、フロンガス5%などとみられている。
 ◆クリーン度、やがて車選びの重要な基準になる
 米国自動車アナリスト マリアン・ケラーさん
 ――代替燃料車(低公害車)の評価は。
 「問題はどうやって消費者に買ってもらうかでしょう。車の購入には大金がかかるし、だれだって、短期間に値打ちがなくなりかねないような車を買おうとはしないはずです」
 ――具体的な難点は。
 「燃料、たとえばメタノールをどこで買えばいいのでしょう。全米のガソリンスタンドで買えるようになるのでしょうか。それに、車をメタノール燃料に切り替える場合、業界の試算ではタンク代やエンジンの調整などに500ドル程度かかるといわれています。大量生産しても、やはり高くつくでしょう。1ガロン当たりの走行距離がガソリンに比べてかなり短くなることも不利な点です」
 ――普及させるには。
 「政府が減税などの方法で補助措置を講じ、消費者が買いやすいようにすることが必要です。州や市などの公共輸送車や、タクシーに使うよう勧めることも有効です。カナダでは天然ガスを使ったタクシーが走っているのだから、ニューヨークのタクシーでもできるでしょう。ただ、一般消費者、つまりマーケット側は、経済合理性について納得がいかない限り、買うのは難しい。政府はこのマーケットの現実を考えていないようにみえます」
 ――代替燃料車の開発が自動車の販売競争に影響する面は。
 「消費者の、環境に対する関心は高まっています。スタイルやスピード、電子装置などに加え、安全性が車を買う場合に特に重視されてきたように、クリーンネス(清浄度)もやがて重要な選択基準になりうるでしょう。しかし、それには経済性が伴わなくてはなりません。よりクリーンなガソリン車を開発することが当面の課題だと思います」


エコロジー研、8日に初会合 コープかながわ
1989/06/08, , 朝日新聞 朝刊, 0ページ, 無, 257文字

 コープかながわ(山岸正幸理事長)は、環境問題を配慮した事業活動を目指そうと、コープしずおかと共同で「エコロジー研究会」を発足させる。研究会は、寄本勝美早大教授を座長に、経済、行政、生態学研究者、ジャーナリストら約30人で組織。毎月1回、地球レベルから身の回りまでの様々な環境問題について討議し、生協活動に生かすのが目的で、8日、横浜市新横浜のコープかながわで初会合を開く。生協配送車の電気自動車化や水の汚染用の台所用水切り袋の開発など、具体的なテーマについても討議し、来年3月には何らかの案を出したいとしている。