長年の産地との信頼関係をベースに、「食料自給力の向上」「地域の生産者応援」「むだをなくす」の3つのテーマで農・水・畜産業の持続可能な発展をめざし、事業活動を進めています。
産直産地の川越地域生協出荷組合(川越市)で、組合員と職員がさといもの収穫や選別作業を体験
「地産地消」は地域で採れた新鮮でおいしいものをその地域で無駄なく食べようというもので、国の基本政策でも生産者と消費者を結び付ける取り組みに重点を置いています。
コープネットエリアは、首都圏という最大の消費地と日本有数の生産地が隣接しており、旬を追いながら新鮮な野菜や果物を適切な時期に届けることができます。これを生かし、エリア内の「地産地消」で産直品を安定的に調達しています。
産直商品のうちコープネットエリアから調達した金額(億円)と割合(%)
組合員・職員が産直産地など生産の現場を訪れ、視察・交流を続けています。2014年度はコープネットグループとして15カ所に224人が参加(うち産直産地は8カ所164人)。参加者は「生産者の真剣な取り組みを間近に感じることができた」、「組合員から寄せられた“おいしかった”の声を、生産者にもっと伝えていきたい」などの感想が寄せられ、理解を広げています。その他、産地見学や学習交流会は組合員の活動の中でも多く行われ、コープネットグループ全体では年間6,897人が参加しています。
家畜の飼料にするお米を作ることで田んぼを活かし、生産環境を守ります。またその分、輸入の飼料を減らして食料自給力の向上につなげる取り組みを進めています。
飼料米を使って生産した「お米育ち豚」「純和鶏お米育ち」「CO・OP稲穂のみのりたまご」、「CO・OP赤玉たまご」の普及をコープデリ宅配と店舗で積極的に進めました。
飼料米量とお米育ち豚供給金額の推移
※2014年度 供給金額について
2013年下期より国内で発生した豚の病気で豚肉生産に大きな影響がでています。2014年度はお米育ち豚の一部を産直豚として出荷する場合があり、お米育ち豚としての供給が下がりました。
飼料米をエサの一部に使用した商品供給量
「お米育ち豚」とともに、飼料米で育てた鶏が産むたまご「稲穂のみのりたまご」と「赤玉たまご」や、食用鶏「純和鶏お米育ち」の取り扱いを広げています。また、2015年度からは新たに「黒毛和牛お米育ち」の育成・取り扱いを計画しています。
「お米育ち豚」生産・流通の諸団体と協力し岩手の子ども支援のために寄付
コープネット事業連合をはじめ7つの企業・団体で構成するコープネット飼料用米生産流通協議会*は被災した岩手県の小中高生を支援する「いわての学び希望基金」に、会員生協の店舗で実施した「東日本大震災復興支援セール」での『お米育ち豚』の販売額の一部を含む35万円を寄付しました。
- *コープネットの産直提携事業の一環として、国産飼料活用による食料自給力向上への貢献、生産者と消費者が協同する「産直事業」、「耕畜連携」の推進、休耕田の有効利用などを目的に、コープネット事業連合、JAいわて花巻、生産者、飼料会社など7つの企業・団体で2008年に設立。
同協議会会長の阿部勝昭花巻農業協同組合常務理事(右)より岩手県を通じて寄付
2014年2月の関東甲信地方の大雪によってビニールハウスが雪の重みで倒壊するなど、大きな被害がありました。コープネットグループでは生産者団体の復興を支援するため支援募金を呼びかけ、約2カ月間でお預かりした1,933万円を生産者団体にお届けしました。 うち埼玉産直センターへは組合員理事・役職員が伺い、組合員組織や総代会議などで集めた組合員・職員からの336枚の応援。メッセージや寄せ書き等をお届けしましたメッセ ージは印刷し全農家220名に手渡しされました。
募金のほか、組合員・職員からの応援メッセージをお届け
本来食べられるのに破棄される食材の削減、生活困窮支援の一環として、販売できない商品を福祉施設や団体に無償で提供するフードバンクに取り組んでいます。袋の傷んだお米を2013年10月から寄贈しており、2014年度はコープネットグループとして7,257.1kgを贈りました。