多収日本一表彰事業 令和5年度(2023年度)

令和5年度 多収日本一受賞者の総合紹介ファイルPDFをアップしました

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農林水産省の飼料用米多収日本一に関する情報
農林水産省の飼料用米に関する検索結果(情報)

令和5年度「飼料用米多収日本一」表彰式
日時:令和6年(2024年)3月21日(木)13時30分~14時30分終了
場所:農林水産省本館7階講堂
式次第
1開 会
2挨 拶
   農林水産省:農産部農政部長 松本 平
   一般社団法人日本飼料用米振興協会 理事長 海老澤惠子 
3 賞状授与
  農林水産大臣賞
  農産局長賞
  全国農業協同組合中央会会長賞
  全国農業協同組合連合会会長賞
  協同組合日本飼料工業会会長賞
  日本農業新聞会長賞
4 農林水産大臣賞・受賞者 御挨拶
   山口 勝利(北海道・美唄市) 単位収量の部
   熊谷 聡 (福島県須賀川市)  地域の平均単収からの増収の部  
5 閉 会
  (閉会後、集合写真撮影)

農業協同組合新聞
2024年3月4日

飼料用米 多収日本一 過去最高の974kg 美唄市の山口さん

 農林水産省と(一社)日本飼料用米振興会は2023年度の飼料用米多収日本一の受賞者を2月28日に発表した。
◆「単位収量の部」で農林水産大臣賞を受賞したのは北海道美唄市の山口勝利さん。
品種は「きたげんき」で作付面積は206a。10a収量は974kgだった。
 多収性や耐倒伏性、耐冷性に優れた品種の選定と早期移植による登熟期間の確保、初期生育の確保、ケイカルによる倒伏防止対策などに取り組んだ結果、10a収量はこれまでのコンテンスト参加者のなかで過去最高の974kgとなった。
 他の生産者とくらべて特に優秀な成績となった。

◆農産局長賞を受賞したのは山口県山口市の海地博志さん。
 品種は「北陸193号」、「夢あおば」、「オオナリ」、「みなちから」で作付面積は332a。
 10a収量は812kgだった。
 耕畜連携による鶏ふん堆肥の活用、疎植による軽労化の取り組みを行っている。
 現地視察会による実需者との連携や、飼料用米向け種子生産を2ha規模で実施するなど飼料用米の定着に向けた取り組みも行っている。

その他の受賞者は以下の通り。
(敬称略)
▽全国農業協同組合中央会会長賞:古川久夫(岩手県盛岡市 10a収量788kg)
▽全国農業協同組合連合会会長賞:小針暢芳(福島県須賀川市 同760kg)
▽協同組合日本飼料工業会会長賞:樋熊学(秋田県大潟村 同837kg)
▽日本農業新聞会長賞:高杉伸悦(青森県五所川原市 同780kg)
「地域の平均単収からの増収の部」で農林水産大臣賞を受賞したのは福島県須賀川市の熊谷聡さん。品種は「ふくひびき」で作付面積は371a。地域の10a当たり平均単収からの増収は311kgだった。プール育苗や密播による育苗の低コストと軽労化、立毛乾燥やフレコンの導入による生産・流通コストの低減などの取り組みを行うなかで年々単収を向上させて、地域の平均単収からの増収が311kgという高単収を実現した。

農産局長賞は富山県朝日町の農事組合法人ふながわ(代表者は由井久也さん)。品種は「やまだわら」で作付面積は608ha。地域の10a平均単収からの増収は305kg。53haという大規模経営のなかで丁寧な土づくり、施肥管理、効率的な作業、軽労化の工夫を行っている。
その他の受賞者は以下の通り。
(敬称略)
▽全国農業協同組合中央会会長賞:高野博文、高野森夫(福島県飯舘村 地域の平均単収からの増収240kg)
▽全国農業協同組合連合会会長賞:櫻井博(茨城県つくば市 同203kg)
▽協同組合日本飼料工業会会長賞:牟田基治(佐賀県みやき町 同215kg)
▽日本農業新聞会長賞:梅村貢司(愛知県豊田市 同214kg)

■2023年度(令和5年度)多収:受章者の紹介および記念撮影

令和5年度受賞者の表彰状。副賞盾、農作業取組紹介

日本農業新聞
2024年3月22日

飼料用米多収コン 受賞者に聞く

 飼料用米の多収技術を競うコンテスト「飼料用米多収日本一」で21日、2023年度の受賞者の表彰式が開かれた。最高位の農水大臣賞を受賞した2経営体はいずれも、多収の専用品種を栽培。肥料高騰の中、土壌診断を基にした施肥設計や、稲わら、堆肥による土づくりなどで、効果的に収量を高めている。

密苗でコスト低減両立
福島県須賀川市・熊谷聡さん

 福島県須賀川市の熊谷聡さん(61)は、飼料用米の栽培を始めて3年で受賞を果たした。密苗でコスト低減と収量確保を両立。地域の担い手として規模拡大する一方、フレコン導入など省力化の取り組みも評価された。
 耐倒伏性があり、市の助成が手厚い「ふくひびき」を2021年から作付けする。当初10アール当たり696キロだった収量は852キロ(23年産)に増加。地域平均から311キロの増収を実現した。

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農機を点検する熊谷さん(福島県須賀川市で)

 かつて直まきやポット苗を試したこともあったが、天候に左右されない安定性や根張りの良さからプール育苗を導入。規模拡大に伴って育苗施設が手狭になったが、プール育苗の密苗は省スペースにも役立っている。
 土づくりにこだわり、稲わらを毎年すき込む。牛ふんともみ殻を混ぜた完熟堆肥と、鶏ふんを2年ごとにまく。
 元肥は、飼料用米向け一発肥料「お米のみかた」(25-7-7)を10アール当たり40キロ施用。窒素成分を目安に施肥量を決めている。同12キロ施用した年は稲が倒伏したため、23年産は同11キロにしたところ、コストとのバランスが最良だという。
 除草は、田植えと同時に粒剤の初中期一発剤を使用。その後、確実に除草するため、田植え機に付けたアタッチメントで処理する。根に酸素を供給できるのもメリットという。
 経営面積は約6ヘクタール。年間売上高(作業受託除く)は約700万円。「目先の収益を追うより、生き物である農作物に手をかけることが大事。収量や売り上げは後から付いてくる」と語る。
(山口圭一)



出穂早め登熟期間確保
北海道美唄市・山口勝利さん

 「飼料用だからと手を抜かず、基本技術を守っていることが収量につながっている」。北海道美唄市の山口勝利さん(71)は、同コンテストで過去最高の10アール当たり収量974キロを記録した自身の栽培をこう分析する。
 山口さんは、妻の靖子さん(69)と2人で水稲20ヘクタールを経営。うち2ヘクタールで飼料用米を作付けする。2019年にも「地域の平均単収からの増収の部」で大臣賞に輝いた。

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山口さん夫妻。勝利さんは指導農業士としても地域農業を支えている(北海道美唄市で)

 多収の鍵は、出穂期を早めて十分な登熟期間を確保することだ。そこで品種は登熟期が早い「きたげんき」とする。移植は例年5月18、19日で、刈り取りは9月20日ごろ。主食用品種より先に植え付け、生育期間を確保する。収量増に加え、青未熟粒が減ることで収穫後の乾燥時間の短縮にもつながるという。
 施肥にも工夫が光る。栽培期間が短い北海道では初期生育の確保が重要なため、肥料の吸収が早い「田植え同時側条施肥」を行う。定植前には微生物資材も散布し、丈夫な稲体づくりに努める。
 肥料価格が高騰する中、「これ以上できないほど減肥している」(山口さん)。「土壌診断は適正施肥に欠かせない」とし、診断結果を基に施肥設計する。秋に稲わらをすき込むことで窒素分をカバーし、窒素肥料の施肥量は10アール当たり11キロと主食用に比べ同4キロ増にとどめている。一方、不足しがちなケイ酸は、ケイカルを秋起こし時に同100キロ、春は融雪材代わりに同100キロ投入して倒伏対策につなげている。
(小澤伸彬)

24年産から助成見直し 専用品種への移行焦点

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 飼料用米は2024年産から、一般の主食用品種で取り組む場合、転作助成である水田活用の直接支払交付金が減額される。農家は所得確保へ、多収の専用品種で取り組む必要性が増すことになる。
 飼料用米への助成は一般品種の場合、10アール当たり8万円の標準単価が1年ごとに5000円ずつ減り、26年産に6万5000円、上限単価も10万5000円から1万円ずつ減り、26年産に7万5000円となる。専用品種は従来通り、標準単価8万円で上限10万5000円が続く。
 飼料用米は、政府が食料・農業・農村基本計画で掲げる30年で9万7000ヘクタールの目標を既に超え、23年産で13万4000ヘクタール。転作助成の予算が膨らむことを懸念する財務省の審議会が、専用品種に交付金配分を限定していくよう求めた経緯もある。
 専用品種は23年産で5万6000ヘクタール(42%)で、依然、過半が一般品種だ。農水省は専用品種を広げることで、飼料用米が主食用米に回帰しないよう“定着”させることを狙う。だが、同省がまとめた24年産の作付け意向(1月末時点)では、飼料用米が前年より減少傾向としたのが25道府県に上るなど、助成減額の影響も指摘される。


日本農業新聞
2024年3月22日

飼料用米多収コン 農家・団体を表彰

「単位収量の部」で表彰状を受け取る山口さん㊤と「地域の平均単収からの増収の部」の熊谷さん(21日、東京都千代田区で)

「単位収量の部」で表彰状を受け取る山口さん㊤と「地域の平均単収からの増収の部」の熊谷さん(21日、東京都千代田区で)

 農水省と日本飼料用米振興協会は21日、飼料用米の収量や生産技術を競う「飼料用米多収日本一」の、2023年度の表彰式を東京都内で開いた。
 農水大臣賞を「単位収量の部」で受賞した北海道美唄市の山口勝利さん(71)、「地域の平均単収からの増収の部」で受賞した福島県須賀川市の熊谷聡さん(61)ら、計12の農家・団体を表彰した。
 山口さんは「きたげんき」を2・1ヘクタールで栽培、10アール当たり収量974キロ。微生物資材やケイカル資材の活用、登熟期間を長く確保するための早期移植などに取り組む。

 表彰を受け、「家族やJAの協力のおかげ。感謝したい」と話した。

 熊谷さんは「ふくひびき」を3・7ヘクタールで作付けし、収量は同852キロ。適した肥培管理の他、高密度播種(はしゅ)や立毛乾燥など生産コスト低減の取り組みも評価された。「(主食用米に比べて)飼料用米は、

意見交換会での

これまでの表彰事業の紹介資料です。

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